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四十にして惑う、それがトリニータ。

第37回日本クラブユース選手権(U-15)大会

2022-08-18 14:30:57 | トリニータ
数ある育成年代の大会の中でも帯広で開催されるこのクラ選U-15が一番好き。

実は弊ブログは表向きは大分トリニータ応援ブログのように見えますが、アクセス数が多いのは育成年代の記事、特にU-15関連の記事は長期間にわたってアクセスいただいているんです。そんなこともあって今回もちょっと盛りだくさん。これを書き上げたら何だか夏休みの宿題を終えたような気分。


3年前はロンドン遠征、2年前はコロナで中止、昨年は無観客開催だったため個人的に4年ぶりの参戦となった帯広。U-18の前橋開催が早朝一斉キックオフのため1日1試合しか観られないのに対して帯広では1日3試合観戦が可能。たくさん観たい人間にとってはこれほど楽しい大会はないんですよね。もうU-18も帯広開催にしちゃえばいいのに。


今回は予選リーグ3日間全て参戦。初日の第1試合だけ飛行機の時間の関係で間に合わなかったけど、合計で8試合観戦。

ヴィクサーレ沖縄ーFCV可児
清水エスパルスーガンバ大阪門真
リップエースーソレッソ熊本
フレスカ神戸ークラブ与野
サガン鳥栖ーTSV1973四日市
鹿島アントラーズーセレッソ大阪
インテルナシオナルー長野パルセイロ
ヴィッセル神戸ーベガルタ仙台

初めての街クラブもいくつかあって充実した3日間だったけど、さすがに3日目終った後はけっこうヘロヘロだった。東京や群馬と比較すると当然涼しいんだけど、時間帯によっては30°を超える時もあってそれなりに厳しい観戦環境だった。


最初に観たのがヴィクサーレ沖縄。沖縄県のクラブとして初のクラ選出場だったらしくその初陣に立ち会えたのは光栄でした。左SBの2瑞慶覧長汰。SBながらボールに関与する回数が多くチームからの信頼感がうかがえた。球際も強くタフな選手。


対戦相手のFCV可児。ジュビロが予選敗退する激戦の東海地域を勝ち抜いてこちらもクラブ史上初のクラ選出場。調べてみるとサッカーだけではなく地域の総合型スポーツクラブのサッカー部門という感じみたいだね。こちらも左SBの6和田樹生也。自分でも行けるし、人を使っても行けて推進力がある上に、クロスを上げる局面では無理もきいてサイドバックに欲しい資質をたくさん持ち合わせている。


FCV可児のエースストライカー・9井上蓮斗。馬力系でシュート強烈。この日2ゴール、2日目も1ゴール決めて予選合計3ゴール。






ガンバ大阪門真の9中積爲。個人的に今大会一番印象に残ったのは彼。清水戦で決めた1点目のミドルは中学年代の試合じゃちょっとお目にかかれない強烈さ。隣に森岡隆三さんが座ってたんだけど、おかまいなしに思わず声を出してしまった。そして2点目は鋭い裏抜けと引き出しの多さも見せてくれた。セットプレーのキッカーを務めているところからキックの精度も高そうだし、これは楽しみな素材。ガンバ本隊に昇格するのか、大阪のハイレベルな高体連に進むのか分からないけど、楽しみにしておきたい。


清水の中盤・8菊池武蔵ジョセフ。183cmの高さがありながらCBやCFとして育てるのではなくドリブラーとして育てられるところに育成名門清水の懐の深さが垣間見える。


2日目第1試合は今大会で一番楽しみにしていたリップエースーソレッソ熊本。どちらも地域を代表する街クラブで一度は観てみたかった。予選3日間でこの時間帯だけ大雨だったこともあり普段通りのサッカーというわけにはいかなかったのが少し残念だった。そんな中、リップエースは馬力のある選手が多くピッチ状態に関係なく力強さが際立った。特にハットトリックの99新川志音は強引にシュートを枠に持っていく力があり「それ入るのか」というのが2つあり圧巻だった。


一方でソレッソ熊本も面白かった。このグループはJFAアカデミーが辞退した関係でリップエースのみ初日に試合がなかった。連戦のソレッソはその点でちょっと押し込まれてしまったかなという印象。ただ総じて技術的に高くリップエースの圧力を受けながらも面白いサッカーを展開していた。7岡本桂乙は中でも高い技術と抜群のボールタッチで目立っていた。


2年生の28梶原夢月は重心の低いドリブルでなかなかボールを奪われない。158cmの小柄な体型が3年前に見た高橋隆大(ガンバJY→静岡学園)を思い起こさせる。









関西地域は先に触れたリップエースが優勝。フレスカ神戸もガンバ、MIO、ヴィッセルを3タテで決勝まで駒を進めている。明石市に本拠を置くインテルナシオナルも4位でクラブ史上初クラ選出場。関西は7枠のうち3つを街クラブが勝ち取り、京都サンガは出場を逃している。他にもたくさん思い浮かぶ街クラブがあるし関西の中学年代は激戦だなと思う。



そのフレスカ神戸に競り勝ったクラブ与野も初出場。近年力を付けている印象のクラブ。10深田京吾はドッピエッタ。


このお方によると深田は浦和や湘南が興味をしめしているらしい。


クラブ与野といえば、3年前のエースでその後浦和に進んだ堀内陽太がちょうど昨日トップ昇格が発表されたばかり。深田もこの選手を追って浦和に行くかもしれないね。







チームとして一番印象に残ったのは鳥栖。選手のレベルが高いのはもちろんだけど、チームとしての完成度も高い。各ポジションが責任持って仕事を全うしネガティブな声出しがほとんどない。対戦相手とのチーム力の差が明らかで3-0のスコアになってもチームが緩まず芯の強さが見える良いチームだった。ちなみに自分の後ろで見ていた松本の赤帽さんが徹底してロングスローを投げる様子を見て「ノーストライク3ボールからでもフルスイングしてくるんだから相手はたまんないよ」と評していたのが的確な表現だなと思った。鳥栖やソレッソのようなハイレベルのクラブと戦って結果を残していかなくちゃいけないわけだから大分アカデミーも大変だよ。ちなみに保田堅心の出身チームですな。






中でも10東口藍太朗は強豪チームのNo.10らしい好プレイヤー。157cmとサイズはないものの中央でさばきに徹するだけじゃなくて何でもやる。


最初は残酷なスコアになるかなと思ったけど、3失点で食い止めて最後にFKから乾坤一擲のヘディングを決めたTSV1973四日市はお見事だった。先ほどの金髪の方によると旗手怜央の出身クラブらしい。





3日目は決勝の会場である幕別陸上競技場に初めて行った。セレッソのGK1イシボウ拳。名前からハーフだと思われるけど、中学3年生にして身長192cm。ただ高いだけじゃなく前半にあった1対1のピンチにも足でセーブする俊敏性も兼ね備えている。高校年代だと190cmに近い身長をちょこちょこ見かけるようになってきたけど、これからは中学年代でもどんどん出てくるのだろうか。動ける190cm超がGKの基準となる時代が日本にもそろそろ来るかもね。




対戦相手の鹿島のGK1黒澤奨永は後半一気の猛攻でセレッソに攻め込まれるもビッグセーブを連発して何とか耐えていた。結果3ゴールは許すものの彼がいなければもう倍は差がついていたと思う。ちなみに鹿島のサブのGKは16黒澤慈永。生年月日が同じなので多分双子。全国レベルで双子でGKやってるのは初めて見たかもしれない。









セレッソの後半の猛攻はお見事だった。決定機につぐ決定機。何度も決めきれなくて監督から「決めてくれよー」という指示ともクレームともつかない要望を出されてたけど。


セレッソの36永添功樹はまだ中学1年生。ほんの5ヶ月前までは小学生だったわけで出場しているだけですごいと思う。競っているのは鹿島のU-15日本代表の大川佑梧。いい経験だよね。




鹿島の8三浦直人は身のこなし軽やかなゲームメーカー然とした印象に残る選手。





長野もグループステージ2勝でノックアウトステージ進出。特に浦和から5点も取っておりかなり力があるかも。自分が見たインテルナシオナル戦は勝ちたくて気持ちばかりが先行している相手をうまくいなしてしっかりと勝ちきった。北信越予選は新潟が出場権を逃して富山、長野、松本とJ3クラブのアカデミーが出場権を獲得しておりここも激戦。



神戸の3島佑成はU-15日本代表。審判とのやり取りなんかを聞いていると何ともいえない落ち着きを持っていて、この年代にありがちなフィジカルにものを言わせる系のCBとは一線を画すレフティのCB。


仙台の5似内久隠は中学年代だとあまりお見かけしない気持ち系のストロングヘッダー。はね返しも素晴らしかったけど、チャンスでのヘッダーを決めておけば試合結果も変わったかもしれなかった。





クラ選のひそかな楽しみである懐かしのJリーガー達。神戸のGKコーチは荻晃太。現役時代と全然変わらないね。大分関係だとセレッソの小松塁コーチ。相変わらずデカい。あとは千葉のコーチに村井慎二さん、湘南の監督に山口貴弘さん、ガンバのコーチに高木和道さんあたりかな。









女性レフリーがとても多かった。女性の場合、特に主審だと声がよく通って選手とどんなコミュニケーションを取ろうとしているのかがよく分かってとても良かった。










試合後はばんえい競馬行って、インデアンカレー食べて、ウイスキー飲んで、移動中は十勝地方の大自然を堪能して本当に楽しい3日間。来年もまたこの大会が観戦出来ますように。
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