Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

片野坂さんのリアクションに見えた進む方向性(19節山形戦)

2024-06-09 23:59:14 | マッチレポート24'

帰宅後、撮影した写真を見ていて今日の試合を象徴するようなシーンだなと感じた一枚。野嶽の負傷で大学3年生のアタッカーを右サイドバックに入れざるを得ず、さらに今度は左サイドのデルランも離脱、すぐに左ウイングバックに移動。その数秒の間に監督と大学3年生の間で役割を確認しなければならないシーンがこれ。必死に伝える木本くんとそれを聞こうとする片野坂さん。やれるだけのことはやった。試合前から厳しい試合になることは分かっていて、そこにさらに野嶽負傷交代という悲劇が重なったわけで、やれるだけのことはやったし試合単品の評価は本当によくやったと思うよ。特に木本くんは素晴らしかった。「は?サイドバック?」という開き直りはあったとは思うけど、山形のストロングポイントであるサイド攻撃を最前線で食い止め、敵陣侵入してからは右でも左でも可能性のある攻撃を繰り出してくれた。これまで個人的には物足りないけど、そういう評価を下される立場の選手じゃないと思っていたわけだけど、これは立派な戦力だね。





今日は試合中に見えた片野坂さんのリアクションを軸に記事を構成してみる。

気になったリアクションは3つ。1つ目は前半のハマタローのパスがズレてイサカ・ゼインが放ったシュートがポストを叩いた直後にけっこう長い時間をかけてピッチ内に拍手を送っていたこと。もちろんシュートがポストを叩いて助かったという意思表示ではなく、「それでいい、それでいい」というハマタローへの激励を込めたものだったと思う。ここから読み取れるのはやはり片野坂さんはちゃんと組み立てたいという意図を持っているんだなということ。第1次政権の時は厳しく制限をつけてボールを保持することを徹底したけど、今のチームでは目指すところのニュアンスが変わってきたこともあってかハマタローにかなり裁量を持たせていて、そして結果としてハマタローはかなり蹴ってしまっている。監督がある程度までは許容しているからなんだろうけど、今日の拍手を見ておそらくハマタローにもっと繋いでほしい、勇気を持ってほしいという意思表示だったと思う。「今のでいいんだよ、チャレンジしていこう!」という拍手に片野坂さんの意図が垣間見えた。

2つ目はまさに上の2枚の写真。これは70分頃の香川を投入して5バックにした直後のベンチ横で伊佐とヒョンウに丁寧に指示をしているシーン。5バックにして残り20分逃げ切りを図りたいんだろうなと思っていたけど、場所を示したりしてかなりしっかりと指示を出している片野坂さんを見ていたら、これは最後で一発狙っているなと思えた。さらにそこから2人の投入を10分ほど待ったことから、「これは本気で狙ってるな」と思えた。いざ投入というところでデルランが離脱したので、バタバタしてその狙いが結実することはなかったけど、片野坂さんは最後まで勝ち点3を強かに狙い続けていたと思うよ。

最後は試合終了の笛と同時に勝ったのかと思ってしまうくらいに力強くガッツポーズをしたこと。その瞬間にピッチに立っていた11人のメンツとその立ち位置を考えたら片野坂さんが見せたリアクションに文句が言えるはずがない。個々を見たら言いたいことはあるけど、いま置かれた状況でやれることはやってくれたよ。





松岡颯人はリーグ戦デビューおめでとう!カップ戦デビューも現場に居合わせられて運命を感じる選手だ。サイドバックでリーグ戦デビューするなんて夢にも思っていなかったと思うけど、よく食らいついた。迷いを見せるところもあったけど、そんなの当り前。この経験を自信に変えてほしい。

松岡颯人がサイドバックで出ざるを得ないきっかけを作ったデルラン。薄い望みとは分かっていたけど、香川が復帰してきた以上この試合がラストチャンスだったはずでチームのピンチにこそ奮起してほしかったけど、本当に心の底からガッカリした。センターバックとしては左のみ起用という条件付きで4番手、サイドバックは香川、薩川、野嶽に次いで4番手、パワープレー要員で前線に投入されてもほとんど競り勝てない。もう居場所はないよ。



さすがに離脱者が多すぎる。宇津元がすぐに戻ってきてくれて、香川がやっと戻ってきてくれたと思ったら今度は野嶽が離脱。「こんな酷いシーズンもあるんだな」とか思うけど、意外とこういう時ってこれがまだ底じゃなかったりするからね。


本当はもっと早く下がりたかったはずの将輝。上述の選手の離脱に伴いやむなくフル出場。酷くならなきゃいいけど。あと試合後はサポーターの思いなんて聞く必要ないからとっととロッカールームに下がって1分でも早く処置する方が優先だよ、マジで。



2年前のいわて戦以来かな、アウェイで青ユニが見られたのは。いわて戦の時は試合前から予想してたけど、今日は今シーズンの山形のユニを知らなかったからサプライズで嬉しかった。やっぱり新鮮。あと試合前の集合写真ってスタンドから写真に収めたいというニーズは一定数あると思うんだけど、いっつも映り込んでくるこのおじさん。そろそろ邪魔だと気付いてほしい。


ここまで離脱者が重なるとさすがに大目標の達成は難しいかなと思うし、仕方ないとも思う。でもなのか、だからこそなのかは分からないけど、残りの19試合は積み上げにこだわってほしい。来シーズン本気で昇格を目指すためには今シーズンはその土台作りに当ててほしい。2017年シーズンにもがきやり続けたことが翌シーズンに花開いたように。極端に言ったら目の前の試合の1つや2つを捨てるようなことがあったとしてもやり抜きたいことがあればそれを優先しても構わないと思う。今日片野坂さんが試合中に見せたリアクションはその方向性を指し示していたと思うから、改めて諦めずにこのチームを追いかけていきたいなと思った。

もちろん、今シーズンの昇格を諦めたわけではないけど。
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