銀幕大帝α

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この世界の片隅に

2017年11月14日 12時00分38秒 | アニメ(国内)
IN THIS CORNER OF THE WORLD
2016年
日本
129分
ドラマ/戦争
劇場公開(2016/11/12)



監督:
片渕須直
脚本:
片渕須直
主題歌:
コトリンゴ『悲しくてやりきれない』
声の出演:
のん北條(浦野)すず
細谷佳正北條周作
稲葉菜月黒村晴美
尾身美詞黒村径子
小野大輔水原哲
潘めぐみ浦野すみ
岩井七世白木リン
牛山茂北條円太郎
新谷真弓北條サン
小山剛志浦野十郎
津田真澄浦野キセノ
京田尚子森田イト
佐々木望小林の伯父
塩田朋子小林の伯母
瀬田ひろ美知多さん
たちばなことね刈谷さん
世弥きくよ堂本さん



<ストーリー>
戦時下の1944年2月。18歳のすずは、突然の縁談で軍港の街・呉へお嫁に行くことに。見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・周作の妻となったすずの日々が始まった。

昭和20年、広島・呉。
わたしは ここで 生きている。


―感想―

久々に胸にズンとくる衝撃的な戦争アニメだった。
思い出すのは『火垂るの墓』だが、あれ程重くはない。
だけど、淡々と戦時中の日常を描いている中でも何時空爆に遭うか分からない怖さ的なものをひしひしと感じながら観てしまう事は確か。
後半、頻繁に空襲警報が発令されるが、「もう飽きた」という言葉も当て嵌まるし「もうこんな目に遭うのは嫌だ」という心境も当て嵌まる。
全てひっくるめて「疲れた」の一言が一番しっくりくるかもしれない。

すずが可愛がっていたお義姉さんの子と共に右手を失うシーンのスケッチ調な映像手法は斬新。
様々な「痛み」を上手く強調させていると思う。
なので気が滅入るという意味でも記憶に残るシーンではあるだろう。

ある日、一瞬周りに閃光が走る。
紛れもなく米軍が落とした新型爆弾だ。
ゾクッとする瞬間でもあったそのシーンを挟み、日本は敗戦国となる。
ラジオ放送を聞き終えたすずは怒り泣き叫ぶ。
負けた事への辛さ悲しさ、自分は何も出来なかった事に対しての不甲斐なさ、色んな想いが重なり合った上での本音。
今の若者達にすずと同じ気持ちを抱く心気は持ち合わせているのだろうか。
おばさまたちと同じ様に「やれやれ」と口に出すのが本心かもしれない。
だが、敗戦宣言を聞き、焼け野原となった町を目にした時、今後の生活がどうなるのか、そういう不安を拭えないのは事実。
未来に希望はあるのか、この時は誰にも分からない。
それを打破するのが若者たちの力、主人公すずの前向きに歩む決意の強さでもある。
その上で忘れてはいけないのが、誰に対しても手を差し伸べる優しさと笑顔。
復興を目指す中でこの2つを疎かにしない限り、明るい道はゆっくりと開けていくはずだ。

本作も『火垂るの墓』同様、一度観れば自分はもう十分かな。
両作共、考えさせられる戦争アニメとしては素晴らしい出来だが、そう何度も観たくなる程の心の強さを私は持っていない。
正直、悲痛になり描写にトラウマを抱く作品は例えアニメであっても、もう勘弁、となってしまうのです。
それだけ戦争が齎す多くの「痛さ」が如何に不必要なものなのかを再認識し、改めてエンドロールを眺めながら世界平和を心の底から願う。

能年玲奈改めのんちゃんの声は、ちょっぴり鈍臭くておっとりとしたすずというキャラクターにピッタリと合っていて個人的には好き。
耳にすっと入って来る聴き易さが丁度良かった。

本編内で突然太極旗が1本バサッと揚がる場面が出てきますが、あれにはちゃんと意味があるらしい。
私が下手な文章であれこれ書いても説得力が無いですから、ネットで検索して頂ければ、きちんと纏められた考察が載っていますので、そちらを読んで理解して下さい。
史実に無知な私みたいな人間は勉強にはなるかと。
それで納得いくのか否かは、あなた次第です。

画調は「まんが日本昔ばなし」
少ない食材で料理する場面は「キューピー3分クッキング」
後者は現実でも参考になるかもよ。

評価:★★★☆
17/11/13DVD鑑賞(新作)
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メーカー:バンダイビジュアル

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