奥志賀高原「高天が原温泉」3泊4日という格安ツアーに参加してきた。一昨年秋に次いで二回目だ。長野オリンピックの競技会場「大回転コース」になった時にできた地域だ。数日前までスキー客がいたと言っていた。うぬまじいちゃんとしては、そのようなところが好みだ。景色が良い。静かな大自然が満喫できる。目の前がスキー場で山に続いている。一昨年秋に行ったときは連日山歩きを楽しんだが、今回はまだ、雪が残り、山開きも済んでいない。したがって動ける範囲も限定された状態。出かける前にもっとよく調べてからにすべきだった。現地での山開きが済んでからでないと、動きが取れない。そんな中だったが一日、20代半ば頃にスキーを担いで夜行列車で通った志賀高原だ。そうだ「発哺温泉」に行ってみようと、現地に電話したら、いまは休業中だけれど温泉だけは入れるとのこと。50年前にスキーで出かけた温泉、懐かしさで胸がいっぱい。管理人ご夫婦のほか誰もいない温泉。廊下の電気を消し、風呂は上がり湯がボイラーを焚いてないので出ない。ただ真っ白い湯花がいっぱいのかけ流しの浴槽に身を沈めると、50年前の記憶がよみがえってくる。家内は女湯、私は男湯、大声で話しても当然誰もいないし、誰も来ない。真っ白い湯花が樋を流れ落ちる湯とともに落ちてくる。「これがほんとの日本の温泉だ」。ゆっくりと発哺温泉を堪能した。「高天が原温泉」のホテルにいる限り、こんな体験は絶対できない。帰りに管理人の奥様に懐かしさのあまり無理をお願いして申し訳なかったと丁寧にお礼を申し上げると、「それは良かったですね」まるで自分のことのように喜んでくれた。帰り道、高天が原温泉まで徒歩で1時間半ほど。懐かしさの余韻に浸りながらの道のりだが、苦にならない。この地域はまた、昔から野生サルの棲み処だ。露天風呂に浸かっていると野生サルが見ていたりするが何も悪さはしない。ただ、道路だろうとトンネル内だろうとサルの新しい糞がいたるところに落ちている。つまり車とサルの共存地帯といったところだ。日頃、町で生活していると、何か忘れていたたものを思い出したような気がするのは、自分だけではないだろう。50年ほど昔の自分に戻った感じだ。そして自分が老齢であることを自覚するときでもある。
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それこそ本当の温泉ですね。
ご存じのところだったから行けたのです。
奥様もお喜びになったことでしょう。
街は50年の歳月の中、開発が進み変わっていますが、山里の温泉はサルたちとも共存しながら今も昔のまま。
とても素敵な所ですね。