東京都の造り酒屋、と言うだけで話題になりそうな石川酒造の純米大吟醸、夢座。同社の商品紹介には出ていないので、私が買ったリカーマウンテンなどの量販チェーン店に、買い切り契約で特別に卸している製品だと思います。流通経路を合理化したことで、実質的には商品紹介にある上級銘柄、たまの慶(たまのよろこび)とほぼ同等ではないでしょうか。とてもお得だと思います。
多摩地方は昔からの酒所という知名度こそ低いですが、去年秩父に旅行した際に、適当に買ってみた酒の傾向が私の好みに合っていたので、隣接する地域ならあまり違わないだろうと期待できました。しかも純米大吟醸で、一般的な純米酒とたいして変わらない値段です。リカーマウンテンの推奨銘柄にもなってましたしね。
実際に飲んでみると、ちょっと信じられないほどの上出来です。通常、ディスカウント価格の吟醸酒って、吟醸香が何やら人工的で付け香みたいなんですが、この夢座はどっしりとした辛口で飲み応えがあり、何より余韻がすばらしい。今まで飲んだ日本酒では最高レベルですね。私は酒に限らず買い物は実用品の範囲でいいものを目標にしているため、極端な高額銘柄には手を出していません。従って一升が一万円を超えるような酒と比べてどうかはわかりませんが、日本酒にこの夢座以上のものはまず望みません。
割安すぎる値段からして、これを継続的に売ってもらえるかどうかは不安なところですが、もし手に入るなら自分の標準酒として愛飲したいですね。名前で検索すると、同じように夢座を評価する日本酒ファンのブログがいくつも見つかり、やはり好きな人にはわかるんだなと思いました。