この数年のホンダは、ハイブリッド車の企画でトヨタに遅れ、ガソリン車の改良でマツダに遅れ、既存車種のリファインとコストダウンで利益を挙げてはいるのですが、さすがに先の展望がなくなってきたようで、モータースポーツやスポーツカーのファン離れを招き、経済誌からも「老害経営」とか揶揄されるようになってしまいました。このままホンダが目先の利益だけ追求してクライスラーみたいに縮小均衡に陥るのか、それともかつてのホンダらしさを取り戻して攻めに転ずるのか、興味が持たれるところに、「次世代革新技術」としてニュースリリースがありました。これについて考えてみたいと思います。
1.ガソリンエンジンの改良
可変バルブタイミングの動作領域を広げて、フリクションも減らすという、昨今どこでも聞く内容であり新味はありません。クールEGRはトヨタが先。アトキンソンサイクルと記載がありますが、バルブタイミングの変化で導入できるのは純正アトキンソンではなく、ミラーサイクルなのでこれもトヨタやマツダと一緒。今まで独自のVTECにこだわって遅れていた可変バルブタイミングが、ようやくトヨタ並になるという解釈でいいと思います。後出しなのでもちろん小改良はしてくると思いますが。
過給については何も書いてないので、ヨーロッパ流の小排気量ターボは考えてないのでしょう。また兼坂弘先生によると、アトキンソンの膨張比を本当に大きく取ると、エンジンが冷えすぎて(冷却サイクル)混合気が燃焼しにくくなるので、ターボ過給と組み合わせるのが合理的とのことですので、アトキンソンでもたいした進化はしていないと読み取れます。
2.小型ディーゼルエンジン
ホンダは「ディーゼルの開発は延期」と公式にコメントしたはずですが、ヨーロッパではディーゼルがないと売れないので、また商品化を狙っているようです。燃焼指圧の最適化とありますので、マツダのSKYACTIV-Dと同じく圧縮比を下げていることがわかります。先行して商品化に成功したマツダが大きなヒントをくれたのですから、マツダに感謝しないといけません。
3.軽、小型、中型クラスのCVTを新開発
最近のトランスミッションは大きく進化しています。トルコン式でも6-8速が当たり前になり、レスポンスのいいダブルクラッチ方式とか各種のCVTが鎬を削っています。ホンダは当面ファンドーネ式のCVTを主力にするようですね。
最近スバルが発表したサイレントチェーン方式のCVTが非常に面白いので、これに匹敵するものをホンダにも期待したのですが肩透かしかな。スバルの系列企業(どちらも旧中島航空機より派生)である栃木富士産業は金属ベルト方式のCVTを供給しているので、スバルがわざわざドイツ製のチェーンCVTを採用したのはちょっとしたサプライズです。
4.ようやく2013年に2モーター方式ハイブリッドを市販
中型車に搭載予定とあります。問題はホンダがハイブリッド戦略で遅れ過ぎていて、アコード、インスパイア、オデッセイという中型車が軒並み討ち死に状態になってしまったということです。載せるべき車体がなくなったのにハイブリッド作ってもねえ。
5.高性能を狙った電動SH-AWDシステム
V8の競合車をターゲットにした強力なエンジンであり、時期NSXに搭載と予想されています。面白いけど、ここまでの性能が必要なユーザーは少ないでしょう。シンボル的な意味で発売するのなら、今度はNSXやS2000と違って継続的なものにしないと、ブランドの育成は難しいと思います。1990年当時にフェラーリやポルシェすらNSXを無視できないほどインパクトは大きかったのに、10年後には影も形もなし。フェアレディZみたいに、いつでもニューモデルが準備されていれば、子供の頃憧れたスポーツカーに、リタイアしてから乗るという選択肢だってあるでしょう。
それにマーケティングと並ぶホンダ最大の欠点はデザイン。スポーツカーは自制心のある大人の乗り物なのですから、性能だけじゃなくて名前とデザインで差別化して欲しいものです。社内でできないのなら、NSXに限って奥山さんにデザインをお願いすればいいじゃないですか。
6.小型電気自動車用のシステム
環境、新しいもの好きのカリフォルニアで売るつもりでしょうか。
正直に言って、この程度なら各社横並びという印象です。まあ同じものを作っても、作り込みによって大きな差がでることは珍しくないので、ホンダならではの味付けに期待しておきます。本当は他社にない飛び道具が欲しいところで、せっかくのEXlinkや6サイクルを自動車に搭載しないのはもったいないと思うのですが。
1.ガソリンエンジンの改良
可変バルブタイミングの動作領域を広げて、フリクションも減らすという、昨今どこでも聞く内容であり新味はありません。クールEGRはトヨタが先。アトキンソンサイクルと記載がありますが、バルブタイミングの変化で導入できるのは純正アトキンソンではなく、ミラーサイクルなのでこれもトヨタやマツダと一緒。今まで独自のVTECにこだわって遅れていた可変バルブタイミングが、ようやくトヨタ並になるという解釈でいいと思います。後出しなのでもちろん小改良はしてくると思いますが。
過給については何も書いてないので、ヨーロッパ流の小排気量ターボは考えてないのでしょう。また兼坂弘先生によると、アトキンソンの膨張比を本当に大きく取ると、エンジンが冷えすぎて(冷却サイクル)混合気が燃焼しにくくなるので、ターボ過給と組み合わせるのが合理的とのことですので、アトキンソンでもたいした進化はしていないと読み取れます。
2.小型ディーゼルエンジン
ホンダは「ディーゼルの開発は延期」と公式にコメントしたはずですが、ヨーロッパではディーゼルがないと売れないので、また商品化を狙っているようです。燃焼指圧の最適化とありますので、マツダのSKYACTIV-Dと同じく圧縮比を下げていることがわかります。先行して商品化に成功したマツダが大きなヒントをくれたのですから、マツダに感謝しないといけません。
3.軽、小型、中型クラスのCVTを新開発
最近のトランスミッションは大きく進化しています。トルコン式でも6-8速が当たり前になり、レスポンスのいいダブルクラッチ方式とか各種のCVTが鎬を削っています。ホンダは当面ファンドーネ式のCVTを主力にするようですね。
最近スバルが発表したサイレントチェーン方式のCVTが非常に面白いので、これに匹敵するものをホンダにも期待したのですが肩透かしかな。スバルの系列企業(どちらも旧中島航空機より派生)である栃木富士産業は金属ベルト方式のCVTを供給しているので、スバルがわざわざドイツ製のチェーンCVTを採用したのはちょっとしたサプライズです。
4.ようやく2013年に2モーター方式ハイブリッドを市販
中型車に搭載予定とあります。問題はホンダがハイブリッド戦略で遅れ過ぎていて、アコード、インスパイア、オデッセイという中型車が軒並み討ち死に状態になってしまったということです。載せるべき車体がなくなったのにハイブリッド作ってもねえ。
5.高性能を狙った電動SH-AWDシステム
V8の競合車をターゲットにした強力なエンジンであり、時期NSXに搭載と予想されています。面白いけど、ここまでの性能が必要なユーザーは少ないでしょう。シンボル的な意味で発売するのなら、今度はNSXやS2000と違って継続的なものにしないと、ブランドの育成は難しいと思います。1990年当時にフェラーリやポルシェすらNSXを無視できないほどインパクトは大きかったのに、10年後には影も形もなし。フェアレディZみたいに、いつでもニューモデルが準備されていれば、子供の頃憧れたスポーツカーに、リタイアしてから乗るという選択肢だってあるでしょう。
それにマーケティングと並ぶホンダ最大の欠点はデザイン。スポーツカーは自制心のある大人の乗り物なのですから、性能だけじゃなくて名前とデザインで差別化して欲しいものです。社内でできないのなら、NSXに限って奥山さんにデザインをお願いすればいいじゃないですか。
6.小型電気自動車用のシステム
環境、新しいもの好きのカリフォルニアで売るつもりでしょうか。
正直に言って、この程度なら各社横並びという印象です。まあ同じものを作っても、作り込みによって大きな差がでることは珍しくないので、ホンダならではの味付けに期待しておきます。本当は他社にない飛び道具が欲しいところで、せっかくのEXlinkや6サイクルを自動車に搭載しないのはもったいないと思うのですが。