いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

名古屋市科学館「ふしぎ!昆虫パワー」

2010年08月19日 | 極楽日記

 名古屋市科学館は理工館、天文館、生命館と屋外展示よりなる施設ですが、老朽化により理工館と天文館が建て替えになりますので、この8月をもってしばらく休館に入ります。その最期の特別展示に行って来ました。

 定番の昆虫標本がたくさん。子どもの喜ぶカブトムシ、クワガタからナナフシやカマキリ、蝶などが展示されていました。なぜか甲虫でもカミキリムシはあまりなかったようです。蝶はオオゴマダラの生態展示があって、沖縄の蝶々園を思い出しました。

 新種の昆虫、カカトアルキ(マントファスマ)についての展示が充実しています。発見に伴って新しいマントファスマ目が追加されました。これは88年ぶりのことらしいです。

 「ふしぎ!昆虫パワー」の副題として「ムシから学ぶテクノロジー!!」と書いてありました。蜂の巣の構造に学んだ段ボールやアルミのハニカムコア、蚊の口器に似た極細注射針、昆虫の動きに似せたロボット、蛍の発光機構を応用した汚れ検出キットなど、よく調べれば一寸の虫にも無限の知恵が詰まっていることがわかります。じっくり観察する目があれば、科学的興味をそそられるいい展示だったと思います。

 これで見納めの理工館でガソリンを入れます。ガソリンスタンドはともかく、後ろに写っている歯車の模型などは「百聞は一見に如かず」のいいお手本であり、教育的に価値があるものです。来年オープンする新館は新しい大型展示が導入される一方で、特に面積が広くなるわけではないらしいので、こうした古い設備や展示はかなり処分されるわけですね。開館から50年近くも親しまれてきた実験器具であり、思い入れのある利用者も多いことと思います。処分するならぜひオークションにでも出して、科学館育ちの名古屋市民(もちろんその他の人も)が往時を偲ぶ記念品にして欲しいものです。市の財政にも多少は貢献できるでしょうに。
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