バッテリー上がりから立ち直ったばかりのウィンダム君のために、充電器を都合することにしました。昔から整備状態のあまり良くない車に乗ることが多かったため、充電そのものは目新しくもないのですが、最近の充電器はかなり改良されているみたいです。単に蓄電するだけじゃなくて、プログラム制御で効率のいい充電とか、ある程度の回復機能まで備えているようです。比較検討の結果、買ったのがこのCTEK Multi US 4.3です。
CTEKはスウェーデンに本拠のあるメーカー。USは北米仕様ですが、日本仕様との主な違いは北米110V、日本100Vというわずかな電圧と、そして倍以上の価格。それに日本では旧型のJS3300しか流通していません。この新しく出たUS 4.3はUS 3300の上位機種ですが、価格差がほとんどないので実質的に後継機です。スイッチング電源を持つ電気機器にとって、110Vと100Vの違いはほとんど無視できるものです。家庭用の電源をテスターで調べてみた人ならわかると思いますが、公称100Vでも需要の変動により3-5%ぐらいの電圧変動はあるものです。当然、市場に出回る電気機器はそれ位の電圧変動には対応できるようになっています。
昔の安い充電器が単に電圧制御と整流の機能しかない、簡易直流電源だったのに対して、このCTEK(世界一賢い充電器、と宣伝している)は接続エラーの検出やバッテリー機能の評価、適切に電圧を変化させるプログラム機能によって、多種多様の鉛蓄電池に対して、全自動で最適なメンテナンスができるとされています。
例えばバッテリーを使っていると発生する極板のサルフェーションによる劣化を、パルス電流によりある程度回復できるそうです。パルス発生機能のある充電器は他社からも発売されていますが、CTEKのプログラム機能は競合機種と比べて完成度が高く、BMWやアウディ、アルファロメオなどの高級車メーカーから純正指定を受けると共に、イギリスのAuto ExpressやドイツのAutobild誌では比較テストにより最優秀の評価を得ています。モデルチェンジばかりに大騒ぎする日本の自動車誌は、どうしてこのような実用的な記事を載せてくれないのでしょうかね。
US仕様なのでプラグの先端が幅広になっており、このままでは日本のコンセントに入りません。アダプタを入れる手もありますが、他はほとんど同じ形状なのでダイヤモンドやすりで広い部分を削り落とすことにしました。
これで大丈夫。
ウィンダムに繋いでみたら、8ステップの4つ目まで点灯。エンジンは掛かるけど充電しといた方がいいよ、という評価です。一晩繋ぎっぱなしにしておいたら、6つ目まで点灯しました。7つ目が充電完了で、8つ目は常時接続しておくと自動的にメンテナンスしてくれる際の表示です。ガレージに高級車を何台も持っていて、たまにしか乗らない車がある人用の機能なのかと思いましたが、エンジンボートなどを持っている人にも好評だそうです。確かにボートなんてシーズンオフはほとんどエンジン掛けませんからね。
この8ステップのプログラムがCTEKの最大の売りのようですね。旧型の3300ではこれが4ステップしかなくて、性能はもちろん見た目にも寂しいので、やはり新型で良かったと思います。接続さえできれば、後は4つしかないモードから選ぶだけ。左からバイク用、自動車用、低温用(バイク、自動車共通)、そして修復(Recondition)モード。修復モードにより、古いバッテリーや過放電させてしまったバッテリーの回復が図れるそうで、上記自動車誌のテストでも競合機種に差を付けている機能だということです。