いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

リビングにハニカムスクリーンを設置

2007年12月11日 | 極楽日記
 寒くなってきましたね。極楽家ではかつての公庫基準しか断熱性能のない木造2階建て住宅を、少しでも次世代省エネレベルに近付けようと2年前から努力しております。最初は窓をプチプチシートで埋めて理屈の上では断熱性が上がったはずなのですが、なかなか暖かさを実感するまでに至りませんでした。セイキ総業のハニカム・サーモスクリーンという優れた製品を探し出してから、キッチンの北窓、ベッドルームと設置を進め、いずれも大きな効果を得ています。今度はリビングを暖かくして、真冬に寒くて活動性が鈍る「冬眠状態」から脱却しようと思います。

 設置を予定している窓の1つはこれ。極楽家で最大の面積を持つ南側の出窓(ベイウィンドウ)です。出窓は明るくて風通しがいいのですが、ガラス面積が広いので断熱には大きな弱点となります。このガラスは普通の単板なので、昼間はまだいいのですが、夜はすごく冷たくなります。室内環境にとっては大型放熱板みたいなものですね。

 このように、出窓は正面ガラスだけでなく横のガラスからも熱が逃げます。しかも枠はすべてアルミ。これではいくら暖房しても熱が逃げてしまいます。

 もう1つは東側の窓です。こちら側は隣の家があるので日は入りません。窓の面積はたいしたことないのですが、やはり単板ガラスです。窓は普通の引き違い窓なのですが、窓枠の部分が外に突き出して出窓スタイルになっているので、窓枠の部分からの熱損失もかなりあるようです。飾り物を置くには便利ですけどね。

 このようにプチプチシートで断熱してあります。効果はもちろんありますが、まだ満足のいくレベルではありません。

 さあ、いよいよ頼みのハニカム・サーモスクリーンが届きました。購入したのは通販専門店の「オークリッチ」さんですが、品物はセイキ総業から直接送られます。同店での価格は定価の30%引きで、総額が大きくなると特別値引きもあります。ハニカム・サーモスクリーンの場合は断熱性能の面で競合する製品がないため、一般のスクリーンのような大きな値引きはできないようです。今のところ同店が最安値だと思います。

 「オークリッチ」では見積もりが1-2日、それを確認して代金を振り込むと、通常なら2週間でスクリーンが配達されます。最初見たときは細くて軽い荷物で、軽い割には値段が高いなあなどと思ったのですが、威力は抜群でした。取り付けてみればわかりますが、軽いのも性能のうちなのです。

 用意した工具はこれだけと、マーカー用のサインペンです。粗面用の強力両面テープは組み立て説明書には記載がありませんが、あればいろいろ便利です。写真のドリルは30年前にラジオ工作のために買ったものなので、間に合わせです。100円ショップの三つ目錐でも十分ですし、速く正確に工作したければもちろん電動ドリルが優れています。

 さて、南側の出窓の最大の問題点は、幅が2,460mmもあることです。ハニカム・サーモスクリーンはサイズと色を指定できるのですが、幅が2,400mmまでという制限があるのです。仕方がないのでホームセンターで2x4のスタッドに使うSPF材を切ってもらい、幅を詰めることにしました。見た目はちょっと武骨ですが、SPF材の正面には見切り材(巾木に使う化粧材)を両面テープで貼り付けてごまかしてあります。

 まずは窓枠の天井部にブラケットをネジ止めします。これはループコードタイプのブラケットであり、スタンダードタイプのものとは形が違います。ブラケットの数は窓の幅によって異なり、2-4個です。これだけは重量が掛かる部分なのでしっかり固定しましょう。ただし、取り付け精度はあまり要求されません。ネジ止めしてからでも微調整できますし、1mmや2mmのずれなら吸収できるはずです。

 天井がネジ止めできない材料の時は、適当な材木を両面テープで貼り付けてからネジ止めするとか、技術のある人はコンクリートや石膏ボード専用の施工を工夫するとか、何とか頑張りましょう。もし既存のブラインドをハニカム・サーモに交換するのであれば、その穴に固定すればいいので楽ちんです。

 ブラケットを取り付けたら、次は断熱レールのベースを左右に取り付けます。ネジ止めするようになっていますが、ここは重量が掛からないので、下地が平滑なら最初から付いている仮止めテープだけでも何とかなると思います。剥がれたらまた貼ればいいんですから。SPF材の正面を化粧材が覆っているのがわかりますか?

 断熱レールのベースは柔軟性のある樹脂製なので、天井ブラケットより更に精度の要求が低く、目分量で位置を決めてしまって大丈夫です。スクリーン本体もポリエステルのシートなので、レールが多少曲がっていても吸収してくれます。

 これが画期的な断熱レール。これのお陰で隙間がなくなり、厚い空気層で断熱性抜群のハニカム・サーモスクリーンを生かすことができます。スクリーンは隙間をなくすためにぴったりのサイズに作ってあり、取り付けがやや窮屈なので、取り付け時にはレールの部分を外してベース部分だけを設置しておきます。

 後はスクリーンの上部をブラケットに引っ掛けて、それから左右の断熱レールをベース部分に差し込んで終わりです。スクリーン本体はポリエルテルの薄いシートを組み合わせてあるだけなので軽く、上下のボックス部分を含めても、男性なら1人で作業ができると思います。

 さて、2つの窓に施工できました。色はS-02(コーラルイエロー)です。普通サイズの窓なら、慣れれば30分も掛かりません。この日は休日ながら料理や子守にも忙しかったのですが、それでも予定通り完成しました。

 効果は期待通りでした。この夜は風が強く、戸外はとても冷え込んだのですが、部屋の中は温度差がほとんどなくなり、窓際でも寒い思いをしなくなりました。スクリーンの横からちょっと手を突っ込んでみれば、窓の近くの空気はは驚くほど冷たく、スクリーンの強力な断熱効果は歴然としています。動きにくい空気層を作ることで断熱し、また樹脂製のレールで気密を確保するという正攻法は、まさに科学の成果です。

 断熱の悪い部屋で暖房だけ強力にしても、暖房器具の前だけが必要以上に暖かくなったり、窓際は寒くて不快だったり、空気が過度に乾燥したり、窓の結露がひどかったりで、この春のような柔らかい暖かさは実現できません。2箇所のスクリーンで安いエアコンが買えるほどの値段にはなりますが、この快適さと省エネルギー、また長く使えることを考えると妥当な選択だと思います。
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