時代が下って、黄金の装飾品が豊富なモチェ文化。後のインカ文明でも黄金は重要な装飾品でしたが、スペインの略奪者によりほとんど鋳潰されたので、美術品としては残っていません。従って、現存する古代アンデス文明の黄金細工はこの辺が最盛期ということになります。
ジャガーの顔を持つ黄金の首飾り。
焼き物づくりも盛んだったようです。
海岸地方との交易により、アシカがモチーフに入ってきました。
支配的な部族だけでなく、地方の独立した部族も繁栄したらしく、文化交流が盛んになってきます。これが後に広大な交易路となる「インカ道」の発達につながったのでしょう。
古代アンデス文明には文字とお金がありませんでした。どうやって交易したんでしょう。
ここまでは儀礼のための装飾品ばかりでしたが、これは戦闘用の棍棒だそうです。
戦闘があれば、もちろん戦士もいますよね。基本的に殴り合いなので、人数の多さで国力が決まっていたのではないでしょうか。
こういう輪っかが付いた土器を、鐙型注口土器と言うらしいです。注ぎ口が2つあって、合流することで独特の音が出るなどと言われていますが、実用品と言うよりは儀礼的な意味があったのでしょうね。
海の民にも文明が伝わった結果、こんな船の形の土器も作られるようになりました。
よく見ると船の上で生贄の儀式をするところです。
人も動物も死者も互いに交流するというのがモチェ文化の考え方なので、ジャガーに襲われると言うよりは合体するような像が作られたのでしょう。
死者がこの世に帰って来て、鹿狩りをしたところです。