いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

日産の可変圧縮比エンジン続報

2016年09月30日 | 自動車
 日産のVC-Tエンジンが公開されたそうです。直列4気筒の2Lターボで、最大出力200kW (272ps)、最大トルク390Nm (39.8kgm)で、いずれもトヨタの2Lターボ、8AR-FTSの173kW (235ps)、350Nm (35.7kgm)を上回っています。VC-Tの圧縮比が8.0-14.0で可変なのに対して、8AR-FTSでは10.0で固定。

 ただし8AR-FTSは給排気両方に可変バルブタイミングを仕込んだ新型エンジンなので、実質的な膨張比を10.0より大きくすることができます。エンジンが仕事をするのは膨張過程なので、これを大きくすることで熱力学的な効率を高くすることができます。一方、VC-Tのように圧縮比を変化させることはノッキング対策とか、高負荷時のガソリン冷却(燃費が大幅に悪化する)ぐらいしか意味がなく、公道を走る際には14.0に近い領域で使われることがほとんどではないでしょうか。つまり、圧縮比12.0から14.0固定のマツダ SKYACTIV-Gと同じような領域で作動するわけです。すると、SKYACTIV-Gをターボ過給して、いざという時のハイパワーを実現したのがVC-Tの立場ということになります。

 それにしてもこのエンジンは随分背が高い感じがします。可変圧縮比のリンク機構があるので腰から下が高くなるのは仕方がないとして、ロングストロークに加えて、シリンダーがほぼ直立しているように見えます。直列エンジンは背を低くするためスラントさせるのが普通だと思っていたので意外です。これだとノーズの低い車種にも使いにくいので、フェアレディも駄目かな。用途の限られるエンジンですね。VC-Tの採用はインフィニティブランドからとされています。性格から言ってもこのエンジンが下方展開されることは考えにくいので、日本では次期フーガ、スカイライン限定と予想します。
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