いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

ハイブリッドの特許切れとトヨタの操縦性

2012年08月17日 | 自動車
 ハイブリッド乗用車の生産、販売で世界を圧倒するトヨタのTHS (Toyota Hybrid System)の根幹部分について、今年から来年に特許が切れるそうです。これ以降の特許もたくさんあるでしょうし、特許として公開されていない技術やノウハウも膨大なので、他のメーカーがすぐにプリウスと同等の製品を作れるわけではないですが、ホンダのようにかなりの技術を持ちながら、トヨタに押さえられた特許を回避できなかったメーカーにとっては大きなチャンスです。

 コストが高くても他の部分で商品をアピールしやすい高価格車では世界の主要なメーカーがハイブリッドを投入しているのですが、プリウスやアクアに対抗できるハイブリッド大衆車は少なかったので、これを期に多数のモデルが出てくると予想されます。商品ラインが大衆車を中心としており、資金力のある現代自動車などは特許切れの日を待って、発売日まで決めて準備しているのでしょう。

 基本的なシステムでは追いつかれるので、トヨタとしてはまだプラグインハイブリッドが主力として時期尚早である以上、既存の車種を磨き上げて対応するしかないわけです。これまでも普通のプリウスをベースとして、シャーシ性能を磨き上げたレクサスCT200hやプリウスG'sを派生させており、販売台数はともかく内容は好評のようです。今回はハイブリッドじゃありませんが、売れ筋のコンパクトカーであるポルテ、スペイドの足回りを最初からヨーロッパの同級車並に鍛え上げてきたようで、レクサスやゼロクラウンあたりから始まった操縦性の改善が、ようやくボリュームゾーンに波及してきたようです。

 乗用車は国際商品であり、その理想的な操縦性は全世界でそう変わるものじゃないと思います。今まではトヨタだけが、昔ながらの「お客様」に引っ張られすぎてふにゃふにゃした乗り味のクルマを平気で出しており、トヨタの悪習であるカローラプレミオの操縦性については何度も批判させてもらいました。昔からの車種ではまだ悪い意味のトヨタらしさが残っているのですが、少なくとも主力のファミリーカーがやっとゴルフあたりと比べられるようになったのなら歓迎できます。まだ自分で乗っていないので結論はもう少し先になりますが。
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