いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

日帰り大井川鉄道(その2)

2010年11月25日 | 極楽日記(日帰り)

 山裾に沿って急勾配の道路と線路があります。線路の方は大井川鉄道井川線(南アルプスあぷとライン)。最大勾配が90パーミル、普通のパーセント表示では9パーセントで、一般の鉄道では最大級の急勾配。度数で表すと5.1度ちょっとですからスキー場なら緩斜面ですし、ケーブルカーなら最大勾配が30度以上なんてのもありますが、平地用の鉄道にはきつい勾配ということです。冬には雪の多いこの地域で安全に運行するため、通常のレールに加えて切れ込みのある特殊レールを持ち、歯車型の動輪で駆動するアプト式機関車を採用しています。

 さあ来ましたね。車体が小さいのは、元がダム建設用の専用線で、極端な狭軌(762mm)だったから。全長わずか25.5kmの中にトンネル61箇所、橋が55箇所という建設の難しい鉄道だったので、できる限り車体を小さくしたかったのです。その後日本の標準的な1067mmに広げて観光鉄道として営業を始めましたが、トンネルまで大きくする費用がないため車体は小さいまま運行しています。観光客にはむしろこの小ささが楽しみかも。

 ダム湖に沿って山奥に進むアプト列車。もっとも、アプト式レールがあるのは長島ダム駅の手前であり、ここから先にはありません。車体が小さいので窓の位置が低く、屈まないと外が見えにくいです。窓が汚れているのは仕方ないかな。狭くて乗り心地はかなり荒く、トンネルが多いこともあって騒音も大きいので、列車と言うよりは遊園地の乗り物に近い感覚です。

 ダム湖の周りは遊歩道になっているようです。

 途中の接岨峡温泉駅です。ものすごい山奥で、秘境と言われるのも納得します。

 化粧っ気のない温泉施設の建物。つげ義春の描く昭和レトロという感じです。でもさすがに21世紀で、こんな温泉でもインターネットのサイトがあるのは便利。ペット同伴可とか、お正月はまだ空いていますとか、子犬販売しますとか情報が豊富です。わざわざここまで来て子犬を買う人がいるとも思えませんが、この山奥ならペットどころか猟犬や熊連れでも泊めてくれそうな気がします。

 秘境気分に水を差すのは自動車の存在ですが、地元の人の足は自動車なので仕方がありません。井川線は日に6本しか走りません。オフシーズンならたった4本です。これでは生活できませんね。

 高さ100m、日本一高い関の沢橋梁からの眺めは絶景。列車もここで徐行してくれます。
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