いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

大江戸からくり人形(その1)

2009年10月27日 | 極楽日記

 今度は大物、「大江戸からくり人形」の製作に入ります。

 さすがに箱を開けると部品がぎっしり。

 江戸時代の設計書をかなり忠実に再現したらしいですが、部品は現代のハイテクを採用しています。木材は合成樹脂、板ばねも樹脂に置き換わっています。合成樹脂の材質が木材に似せてあるのは芸が細かいですね。家具などに使うものを利用したのでしょうか。

 特筆すべきは樹脂部品の精度の高さです。木材を樹脂に替えるだけでばらつきは少なくなるはずですが、その上この部品は仕上げが非常にきれいで、製造時のバリもあまり見当たりません。子供用のプラモデルレベルではなく、メーカー製の電化製品や乗用車の内装に近い高い品質です。寸法も非常に正確で、何も工夫せずにぱちん、ぱちんと部品を組みつけていくことができます。説明書が懇切丁寧なのと相まって、部品が多い割に製作は容易です。

 方向を変えるための車輪です。丁寧にパフ掛けしてありますが、精度に関係のないバリがあるのはご愛嬌。

 車輪を組み付ける底板です。リンク機構を使って自動的に方向を変えます。

 カムシャフトですね。水車の回転運動を往復運動に変換する際のキーパーツなので、江戸時代から実績はあったはず。

 底板にカムシャフトを取り付けました。足を交互に動かすのに使われます。

 一方これは側板。

 動力の一部をテンプに分割します。テンプは要するに振り子を小型化したもの。錘を使ってアンバランスな運動をさせることで、動力軸の回転速度を調整できます。デジタル回路のクロックみたいなものですね。これを利用したのが機械式の腕時計。テンプを使うことで、大型の振り子時計を携帯できるように圧縮することができた功績は大きなものです。
コメント
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