リビングのロボットエアコンを点検してみて、意外なフィルターの汚れに触発され、今度は寝室のエアコンも調べてみることにしました。先日のはパナソニック、今度のは三菱ですが、どちらも自動的にフィルターを掃除する機能が付いているはずです。
昔のエアコンと違って、カバーを開けただけではフィルターが見えません。三菱の場合、フィルターの埃は回収されてこの樹脂製のパックに収納されることになっています。
躯体の表面には細かい埃が付着していて、あまりきれいな印象はありません。まあ、これはフィルターを通過していない埃なので室内に供給される風には混入しないはずで、害はないわけです。しかし分解を進めていくと、笑って済ませない事態が明らかになってきます。
集塵用のパックと薄手のフィルターを外すとロボットユニットです。パナソニックがフィルターをスキャンして埃を集める方式なのに対して、三菱は下から振動でフィルターを叩いて埃を落とす方式のようです。しかし、表面がずいぶん汚れています。これはフィルターの裏側、つまり熱交換器と同じ側なので、これが室内への風に混入したり、熱交換器のフィンを塞いで効率を落とす原因になるはずなのですが。
外した集塵パックです。振動でフィルターから叩き落した埃がローラーに吸着され、ローラーが回転してパックの中に埃を封じ込める仕組みになっているようです。ローラーは銀色の絨毯みたいな質感で、恐らく抗菌コートされているのでしょう。
この方式の問題点はローラーじゃないでしょうか。埃がローラーに吸着されるところまではいいのですが、どうも絨毯みたいな表面に食い込んで離れないように見えます。ローラーの埃が多い割に、パックの中の埃が少ないのは集塵効率の低さを表しているように見えます。写真ではわかりやすくするため、ローラー表面の埃を起こしてあります。
フィルターの表面です。上端を除けばあまり汚れていないように見えますが…。
裏側の方が汚いんです。振動ユニットが叩き落した埃は、フィルターの外側だけでなく内側まで入り込んでしまっている。このため熱交換器の汚れを十分に防げていないのです。
裏側からフィルターを叩く振動ユニットも、外してみると埃まみれ。裏側に埃が入り込むことを想定していなかったのでしょうか。この方式はアイディア倒れに近いような感じがします。
ほら、熱交換器がこんなに汚れちゃ、何のためのフィルター清掃かわかりません。熱交換器を汚さないためにフィルターがあるんですから。これなら、自動清掃機能がなくても、もっとしっかりしたフィルターを装着してくれた方がいいような気もします。パナソニックでも感じたことですが、現状でエアコンのフィルター自動清掃機能はまだ未完成であり、あまり多くを望まない方がいいのではないでしょうか。