こたなたよりこんなこと

「登場人物」と「人物設定」は「フィクション」です。人物・企業・団体は実在のものとは関係ありません。

今年も発表の時期になりました。

2012年09月14日 | 博物館・科学館

私の勤めている会社は「10時間勤務」があるのですが、その「差分」として「6時間勤務」あるのです。そうなると13時半で定時となるのですが、普段はそのまま帰宅して自宅で作業という事が多いのですが、今日は「かはく」へ寄ってきました。

 それというのも「9月8日から14日」までの1週間だけしか開催されない「ものづくりの未来ー生命の進化をたどってー」と「発見!体験!先端研究@上野の山シリーズ」の一環で「企画展示」がされているのです。会場は「日本館1階企画展示室」なので「常設展示入館料」のみで見ることができます。なので、リピータズパスを持っている私はリピータズパスを掲示すれば良いわけですよ。

 さて、この「ものづくりの未来」ですが「金沢工業大学」と「かはく」が主催となっており、全体的な展示イメージとしては「大学の紹介」といった部分も入っているので「こじつけ」な部分があるのが残念ですね。会場内は「10のChapter」で構成されており、「プロローグ」として「ものづくり」から生命の進化をたどり今後の未来を見ていく趣旨がなされ、「Chapter2 生命の進化」とし、人が誕生するまでの進化の道のりをたどり、生命が生き残るためにどのような工夫をしたかを軸にコオロギを一例にとって、解説しています。コオロギは大変縄張り意識の強い昆虫ですが、オスは縄張りに入ってきたメスは子孫を残すために必要ですので攻撃はしません。しかし、コオロギを1匹、1匹を透明なケースに入れ「他を認識できるが触れることができない状態」に置き、そのコオロギを広い場所へ数匹まとめて入れると、オスメス関係無しに攻撃してしまうそうなのです。コレは「他とのふれあい」が無い事によって起こってしまった事態といえるそうで、なんだか現代社会に通じるような感じもあるような気がします。

「Chapter3 地上への進出」は進化が進み「魚」から「両生類」へ移る過程、「魚」が「ヒレ」を「手足」に変えて陸上へ進出したのを軸に、その過程上の生物として「シーラカンス」があります。その「シーラカンス」のヒレの動きを1台のモーターで再現した「シーラカンスロボット」が展示されています。横にはその製作に関わったであろう「学生」さんがいましたね。

 「Chapter4 手と道具」です。人の文明の出発点は「手」を「道具」として自由に使い始めた事にあり、他の生物とは大きく違う特徴でもあります。ここではその「優れた道具」としての「手」にスポットを当て、「手の遊び」として「折り紙」や「あやとり」があり、それらを使って遊ぶことができます。

 「Chapter5 道具の進歩」「手足」の感覚、脳の働きを延長させる事となる「道具」。初めは「石器」から始まり今では複雑な機構を持った機械が身近なところで活躍してます。で「金沢ゆかり」である「からくり人形」である「茶運び人形」の解説がされています。でも、それだけなんですよね。

 「Chapter6 感覚の世界」は人間にとって重要な「感覚」についてです。感覚はあいまいな部分が多いですが、その機構を導入したロボット、ココでは「匂いセンサー」を使った金沢大学製のロボットを主に紹介してます。それ以外では「錯覚」や「匂いの足し算」、「触覚体験」があり、触覚体験は「六面体」から「球体」へ徐々に6段階の変化している物を使い、中間過程を手の感覚だけで順に並べていくゲームがあり、これは結構楽しいですよ。あと、適当な形からへの移り変わりもあり、こちらは難易度が高いです。

 「Chapter7 脳の働き」で、人間が他の生物と大きく違う部分の一つである「高度な知能」を生み出す「脳」についてです。ここでも今流行りの「Aha体験」や「ブレインクイズ」と「体験型」の展示があります。

 「Chapter8 コンピューターとロボットの進化」です。ある程度発展してきた「コンピューター」や「ロボット」ですが、まだまだ「判断能力」では人間に劣る部分の方が多いですね、その「コンピューター」と「人間」との差をココでは解説しており、実際に「60年前」に開発された「思考プログラム ELIZA」を体験する事ができます。

 「Chapter9 知識と知恵を学ぶ場」。「道具」は「知識」のかたまりで、「ものづくり」には「知識」とそれを生かす「知恵」が必要になります。「金沢大学」が製作した「夢考房ロボット」が展示紹介されています。

 「Chapter10 エピローグ」ではココまでで紹介された「道具」によって便利になってきた反面、問題も出ています。たとえば最近良くあるのが「PC」や「ケイタイ」での「文章入力ソフトウェア」で文字を入力し、「変換」ボタンを押すだけでどんなに難しい漢字も表示する事が簡単にできます。でもその反面「漢字」を「書く」事は苦手になっていませんでしょうか?コレは「技術の進歩による人間の退化」とも言える問題ですね。そのような問題の解決方法が提案されています。

 と、このような展示でして、「パネル」と「TV番組」の「映像」が主で、正直「科学的」な趣旨よりも「大学」での研究をメインに後からテーマを置いた感じの展示でしたね。正直「触角体験」意外はそんなに面白くは無かったですよ…。それと、各Chapter毎に「クイズ」があり、パンフレットの裏面には「解答欄」があります。でもコレは「自己採点」で、参加した事によって何かが有るわけでもないんですよね…。この点はもう少し工夫して欲しかったですよ。

 と、まぁ、目的だったのが期待はずれな感じですが、その「日本館1階企画展示室」前の「中央ホール」では今年で5回目を迎えた「重要科学技術史資料」こと「未来技術遺産」の「2012年度版」のパネル展示がされています。しかも今年は17日まで「日本館1階中央ホール」で開催されており、それ以降11月4日まではいつもの「地球館2階」にての展示になります。今回新たに認定されたのは

「自動製缶機 (インバーティッドキャンボディメーカー) ― 日本で最初期に使われた自動製缶装置 ―」

「自動車タイヤ国産第一号 ― 国産第1号の自動車タイヤ ―」

「【 クロード法によるアンモニア国産化史料 】 (1)アンモニア合成管用台盤 (2)安母尼亜合成運転日誌 (3)アンモニア分離器 ― 世界最初期のクロード法アンモニア合成装置 ―」

「小形横形水冷ディーゼルエンジン HB-5 ― 実用となる世界初の小形ディーゼルエンジン ―」

「国産初のLPレコード ― 国産初の塩化ビニル製LPレコード ―」

「チタン品質評価用 ボタン溶解炉 ― チタン製造の草創期から 活躍した品質評価装置 ― 」

「パラメトロン電子計算機 HIPAC MK-1 ― 現存最古のパラメトロンコンピュータ ―」

「国産第一号機械式冷凍車 ― 復元された国産第1号冷凍車 ― 」

「攪拌式全自動洗濯機 SC-AT1 ― 現存最古の全自動洗濯機 ― 」

「国産電着塗装第1号車と共に塗装されたカーモデル ― 国産初の自動車用の電着塗装 ―」

「コインメカニズム E-9130 ― 国産初の飲料用自動販売機の検銭機 ―」

「人工知能ロボット(ETLロボット Mk1) ― 世界初の作業用ハンド・アイ・システム ― 」

「D10形自動交換機 ― 世界初の自動車電話用電子交換機 ―」

「水性高分子イソシアネート系木材接着剤 製造開始当初の攪拌釜 ― 世界初の木材用非ホルマリン系接着剤 ―」

「液晶表示電卓 コンペット(EL-805) ― 世界初の液晶電卓 ― 」

「無冷却型 排気ガスタービン過給機 MET560 ― 世界初の完全無冷却技術 ― 」

「ステレオカセットプレーヤー 「ウォークマン」一号機 TPS-L2 ― 世界を席巻したウォークマンの第1号機 ―」

「分散形計装制御システム「CENTUM」 ― 世界初の分散制御システム ―」

「自動車電話 TZ-801形移動機本体、 TZ-801形1号自動車電話機 ― 日本初の自動車電話 ― 」

「全身用X線CT TCT-900S FLEET ― 世界初のヘリカルスキャンCT ―」

「液晶デジタルカメラ QV-10 ― デジタルカメラ普及の先駆け ― 」

の21が新たに認定され、これで認定遺産も「113」となりました。

 しかしまぁ、今回は「機械」のもよりも「電子機械製品」が多いですね。それと現代では「当たり前」となっている「ウォークマン」や「ケイタイ」の始祖的存在である「自動車電話」「CT」に「デジカメ」ですからね。でもこのパネル展示は毎回とても興味を引きますよ。

 それでは、本日の登場人物は「機械工学」な話ですのでこの方、「ベルギー国立博物館」で「機械工学」の「学芸員」をしている「スキッパーキ」の「Cheifille」である「ブランディーヌ・デュラン」さん。さぁ、今年の「未来技術遺産」の発表ですよ~。ちなみに背景がその新たに認定された21遺産のパネルと「ものづくりの未来」展の入り口パネルです。

2012_09_14

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