カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

国語。

2020-05-27 13:01:15 | Weblog

たまたま見たTwitter記事に、

フォロワーの多い垢やバズを経験した垢ならば絶対に知っている””文章を読めない者に限ってわざわざこちらに聴こえるようにリプや引用から喧嘩を売って来る現象””ですが、尾木ママの「国語が苦手だといじめっ子になりやすい」で既に仕組みは解明されていると個人的には思っていますよ……

というものがあった。〈はじめに言葉ありき〉ではないけれども、ひとりひとりの国語力が磨かれることからさまざまな優しさにむすびついて世の中を温かく明るくするのではないかと感じる。想像力も言葉なくしては豊かになり得ない。国語を疎かにしたらいくら英語がしゃべれるようになっても意味がない。大きな声のひとたちがしばしば言いがちな〈英語教育がいちばん大事〉は英語教育onlyとすれば実は大きな勘違いであり誤りであり、やはり、教育でいちばん大事に考えられるべきは〈国語教育〉だと思う。悲しいかな、〈国語教育〉を軽視する国に明るい未来は来ないにちがいない。そういう意味で、いまのこの国の教育の進めかた、方向性に危惧を覚えてしまう。国語の軽視はとにかく絶対にしてはならない。

 

 

洟垂るる机辺に鼻紙高く積む 夕光(ゆふかげ)の風に招待状の気配 

山中に道迷ひたる吾(あ)は精霊のはるけき灯り見たる心地す 

霧深き山中にありて一歩づつ道は下つてゆくものと識(し)る 

ガス灯は城壁に長き影を曳(ひ)く 検問所係官は欠伸(あくび)を三回 

検問所を抜けて暗き石畳踏む 宿屋は三丁先の右側 

扉(と)をやさしく敲(たた)けば宿の灯り点(つ)く 扉裏(とうら)の鍵の外さるる音 

階段の上なる部屋に案内(あない)されぬ 音忍ばせて息を殺して 

まだ暗き朝の石畳来て宿の扉(と)を誰か敲く音 主人の話し声 

すつかり明けて階下(した)に行けば宿主人は番台にしづかに紙を見てをり 

主人の手元の紙には《国境封鎖》とあり 朝早き使者より来たる知らせと
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