カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

犬養邸関連。

2020-05-15 14:38:21 | Weblog

 

今日は、5月15日。88年前に首相官邸で事件が起こった日。

 

こちらのサイト記事

https://numabe.exblog.jp/5237950/

によれば、犬養邸のことが実に興味深い。

 

そもそも作家犬養道子さんによれば、祖父犬養毅首相が首相官邸で青年将校たちに暗殺された昭和7(1932)年の五・一五事件のあと、4年ほど経過した昭和11(1936)年から翌昭和12(1937)年にかけて、道子さんの両親犬養健さん・仲子さん夫妻は、JR信濃町駅近くの高台にあった、東京市四谷區南町88(現在の住居表示では東京都新宿区南元町6)の犬養毅元首相邸(大正11(1922)年、遠藤新設計)の母屋を「ロンドン・ケンジントンあたりにありそうな英国風の家」へと新たに建て直されたのだそう。この家は幸いにも空襲を免れ、犬養家の手を離れてからも長く上智大学の女子寮「明泉寮」として使われるも、1990年代に取り壊されて現存せず、とのこと。

そして、作家石井桃子先生とのご縁の話。石井先生は、道子さんの母仲子さんと非常に親しく、犬養家の邸宅敷地内、母屋脇に犬養元首相の遺された別棟の書庫を仲子さんから提供されて、児童図書館を兼ねた出版社「白林少年館」を始められたそう。この出版社で石井桃子先生は、ヒュー・ロフティングの原書から石井先生自ら下訳した訳文を井伏鱒二先生の許へ届けて井伏先生がその訳文に大幅に手を入れて日本語として彫琢、今だに井伏鱒二による名翻訳書として名高い『ドリトル先生「アフリカ行き」』を世に出すことになった由。昭和16(1941)年のことだったそう。

いまは、そのゆかりの建物は残っておらず、と。残念。

コメント
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