告白してしまうと、近ごろの芸能界で活躍しているような人たちの名前に関して、私自身かなり時代後れ的生活を送っているために、名前を聞いてもさっぱりということがままあります。しかし、さすがに中谷美紀さんという女優さんがいることは知っていました。
いま参加しているインド思想のゼミで、ヨーガや菜食思想が取り上げられる関係から、関連のありそうな本を色々見ている中で、たまたま中谷さんの著書『インド旅行記』(幻冬舎文庫)に出合いました。
本には当たりはずれがあって、読みはじめて最初の数ページでがっかりしてしまうこともありますが、中谷さんのこの本は、何よりも生半可でないその豊富なインド知識に裏打ちされた硬質で揺るぎのない文章で綴られていて、読ませます。これが中谷さんのもともとの実力のなせることなのか、それとも、よほどインドに詳しくて日本語センスのある力量豊富な編集者の方がバックにいるためなのかはわかりません。なんとなく、中上健次さんの傑作小説『枯木灘』の完成の陰に坂本一亀さんという名編集者がいて、てにをはのところから徹底的に中上さんの文章を鍛え上げたという逸話を思い出してしまうくらいに、中谷さんのこの本の文章はすばらしいと思います。いま、ここ数日というもの、ジャズの本に疲れると中谷さんの本を開いています。思わずおすすめしたくなる本です。
いま参加しているインド思想のゼミで、ヨーガや菜食思想が取り上げられる関係から、関連のありそうな本を色々見ている中で、たまたま中谷さんの著書『インド旅行記』(幻冬舎文庫)に出合いました。
本には当たりはずれがあって、読みはじめて最初の数ページでがっかりしてしまうこともありますが、中谷さんのこの本は、何よりも生半可でないその豊富なインド知識に裏打ちされた硬質で揺るぎのない文章で綴られていて、読ませます。これが中谷さんのもともとの実力のなせることなのか、それとも、よほどインドに詳しくて日本語センスのある力量豊富な編集者の方がバックにいるためなのかはわかりません。なんとなく、中上健次さんの傑作小説『枯木灘』の完成の陰に坂本一亀さんという名編集者がいて、てにをはのところから徹底的に中上さんの文章を鍛え上げたという逸話を思い出してしまうくらいに、中谷さんのこの本の文章はすばらしいと思います。いま、ここ数日というもの、ジャズの本に疲れると中谷さんの本を開いています。思わずおすすめしたくなる本です。