増村 油彩
水曜日ですが岩田です。今回は、増村さんの作品をご紹介します。
こちらは、ヨーロッパのどこか。二人のシスターが寄り添いながら、手前の影の世界から、陽光の差す街の中へと歩いていく後ろ姿を描いた油彩です。第一印象、とにかく色の美しさに心惹かれます。
今まで風景画がメインでしたが、前回の作品から人物に焦点を当てた作品を描き始め、そちらの絵の紹介でも色彩の扱い方が上達しているという批評の言葉がありましたが、この絵は、前回にも増して、色使いに磨きがかかったような印象を受けるのです。というか、今までの増村さんの作品の中でも色がピカ一かもしれません。
手前から奥へと向かう色の移り変わりにも配慮が伺えます。10号という決して大きくはないサイズで、敢えて荒いタッチを活かして描かれた作品なのですが、こうした作品を是非大きい画面で描いて欲しいと思うのです。というのも、より大きい画面で描くことで、更に緻密な色の変化を楽しむことが出来る上、ペインティングナイフを使った質感表現にも更にメリハリを利かせながら、手前から奥への空間をもっとドラマチックに描くことが出来るでしょう。
二人のシスターの後ろ姿がとても印象的な一枚。どんな気持ちでこちらの絵を描いたのか。作者に直接お聞きしてみたいです。
こちらの作品は、第47回 神奈美展で『クサカベ賞』を受賞されました!ご自宅で制作された油絵だそうですが、整然としたユトリロを少しやわらかくしたような優しい美しさがあります。雨に濡れる道がまた小粋!
会期は本日より始まっていますが、4月7日(月)まで横浜市民ギャラリーで開催中ですので、ぜひご高覧ください。(前回の作品も、入選し飾られているそうです。)
会期:2025年4月2日(水)~4月7日(月)10:00~17:00(最終日16時まで)
会場:横浜市民ギャラリー(1階・2階・3階展示室)〒220-0031 横浜市西区宮崎町26番地1
桜木町駅より徒歩10分