モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

ハロウィンゾンビイベント

2023-10-31 22:57:59 | 小学生・ハロウィンパーティ

ハッピーハロウィン!サヤカです。今日は、1031日ハロウィンですね!このブログをお読みになっているみなさんはお菓子パーティーや仮装しましたか?私も小学生の頃は、地域のハロウィンイベントに仮装して参加していました。

アトリエでは、ゾンビメイクをしてハロウィンを楽しみました。(ゾンビメイクの工程は、来週の月曜日の小原先生のブログをお待ちください。)
このイベント、ミオスでは伝統行事(?)だそうですが、4年前に高1から学生クラスへ入会した私にとっては初めてのイベントだったので、とても楽しみでした。しかし『傷メイク』と聞いて、にせものの
可愛いおもちゃ程度のものを想像していたので、実際はかなりリアルな仕上がりで驚きました!(小原先生が『ハリウッド特殊メイク』と豪語するだけの事はあるかも?)

スタッフたちが血をつけたシャツやコートを着て生徒たちを迎えると、普段と違う雰囲気にテンションが上がって飛び回る子もいれば、「グロテスクで怖い」と嫌がる子もいました。しかし、どんどん教室内に血まみれゾンビが増殖する様子を見て、最初は乗り気でなくても「私ももっとやってみようかな」と言って、思い切ったメイクになっていく子もたくさんいました。
あまりのリアルさに授業中に振り返った血まみれの生徒の顔を見て、びっくりするなんてことがありました。(笑)
生徒たちも出来上がった自分の顔を鏡で見て、「暗闇の中から出てきたらめっちゃ怖いよね?!」「帰ってお母さんのこと驚かしちゃおう!」と完成度に満足したようで、私まで気分が上がりました。

授業後に外まで子どもたちを送り出すと、お迎えに来たお母さん、お父さんとに興奮気味に授業の内容を説明する会話が盛り上がっていたり、友達と一緒に写真を撮ってもらったり、楽しそうな様子が伺えました。(親御様から「お父さんが帰宅するまでそのままのメイクで待ち、お陰様で楽しい食卓になりました。」というメールも頂きました。)

今年のハロウィンは終わってしまいましたが、ぜひイベントなどで傷メイクをして、楽しんでみてください!

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Happy☆Halloween

2023-10-30 20:09:40 | 親子

横浜マラソン完走しました~!伊藤です。今月はハロウィン制作月間です。カボチャやオバケなどハロウィンにまつわる絵本を読んで、ハロウィン気分を盛り上げて制作スタート!

まずは、ハロウィンガーランドの制作の様子から。親子で手形や足形をとります。どちらもオバケに見立てるので、白い絵の具を手や足にベッタリ塗ります。

お子さんがパパやママの手に塗ったり、自分で塗ってみたり、親子で交互に塗って楽しそうです!黒画用紙にスタンプした手形足形をいろいろな角度から見てみると・・・「おおきな くちが あいてる オバケ」「けむくじゃらの オバケ」「あしが いっぱいある オバケ」など、いろいろな顔をしたオバケがたくさんいます!さらに、シールで目をつけると顔に表情が出てきて、面白い顔になってきます。ガーランドには、オバケの他に色画用紙で作ったカボチャも装飾しました。明日のハロウィンまでご家庭で飾ってくれてるそうです。

こちらは、カボチャのお菓子ボックスとボーリングのピン制作です。お菓子ボックスは、立体的なので一見難しそうに見えますが、3歳のお子様でも殆ど一人で作れる簡単な工程になっています。ボーリングのピンは、紙コップにカラービニール袋を巻いてモールで留めるだけでオバケ工作が出来る楽しい制作です。作ったボーリングのピンを倒して遊んだり、釣り竿でお菓子を釣るゲームをしたり、盛りだくさん♬釣ったお菓子を手作りボックスにギュッと詰めて、笑顔でお持ち帰り~!

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人体内部への意識を

2023-10-28 18:01:08 | 大人 油絵・アクリル


大澤 油彩

岩田です。今回は大澤さんの作品をご紹介します。

こちら、色鉛筆で描いたような柔らかい雰囲気の作品ですが油絵具を使って描いたものです。可愛らしい女の子と柴犬が顔を寄せ合っている何とも微笑ましいですね。

ちなみに先日の展覧会に出品されたバレリーナを描いた作品はこちら
どちらの作品も、どこか日本ではない異国の作家が描いたような独特な雰囲気が魅力的です。
今回、題材にした女の子と犬の写真は昭和に撮られたものなのですが、アレンジを加えた服の色使いや、背景に組み入れた煙突のある家や木製のフェンスなどがそうした異国の雰囲気を醸し出しているのかもしれません。

展覧会の絵も今回の絵も、作者の描きたいものを素直に丁寧に描いているところがとても良いのです。

どちらも人物を扱っているのですが主役であるその人物がもっと自然な感じに描けると更に良くなるでしょう。
全身骨格の画像や解剖学の本などを参考に、どのようなバランスで骨格が形作られているのかということを知ること。そして描きながら、人体の動きによって骨格がどのように変化するのかをイメージするようにしてみて下さい。

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ハロウィンに湧くゾンビたち

2023-10-27 20:56:54 | 小学生・ハロウィンパーティ

大竹です。小学生クラスではいよいよハロウィン週間が始まりました!コロナで暫くお休みしていたカリキュラムでしたが、今年から復活です。渋谷はハロウィンイベントの会場ではありませんが、ミオスは今週ハロウィン会場と化しますよ!

小麦粘土を練り合わせ裂傷した皮膚を作り、ガラス見立てたペットボトルの破片をザックリと刺し、血のりを垂らしたら痛々しい切り傷の完成です。アイプチ用の糊で顔に貼り付けていきます。他にも沢山の化粧品(ファンデーション・アイシャドウ・口紅など)を用意して、綿棒を使ってゾンビメイクに仕上げていきます。縫い目や引っ掻き傷もアイライナーを使って大胆に!遠くから見ると意外とリアルでビックリしますね。

特殊メイクのコツですが、傷の周りは壊死した様に青黒・赤黒く塗っていく、目の周りを暗く塗り血の気が失せた顔に見せる、血のりはスポイトで垂らして滴らせる、などがあります。最初はゾンビ風でしたが、描きすぎてアマゾンの奥地の部族の様になっている子もチラホラ。そのカオスな感じもまたハロウィンらしいのでしょうか?

鏡を見ながら自身でメイクする姿がなんとも可愛らしいですね(メイクの内容はおどろおどろしいですが!笑)メイクもまた自分の顔をキャンバスにした絵画ですね。私も生徒だった頃、青痣や傷メイクの上に絆創膏を貼り、殴り合いの喧嘩をしたかの様な姿で帰宅した記憶があります。驚く母親に「友達と喧嘩した…」と言って危うくミオスに電話をされる所でした。
ちなみに子供達はこのメイクのまま帰宅していきました。薄暗い中で血まみれの子供が歩いていたら、私だったら腰を抜かしてしまいそうです…笑

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魅力と細部と全体と。

2023-10-26 23:11:16 | 学生


海良 高2 鉛筆・色鉛筆

昨日のナツメ先生も書いていましたが、秋花粉によって女子とは思えぬ鼻のかみ方になっているマユカです。本日は海良の作品をご紹介していきたいと思います!

凛と佇むワニの横顔。その目はじっと前方を見つめています。狙いを定められた獲物のようにドキリとしてしまう作品です。
この絵は展覧会の際に、プリントして海良のポストに張られていたため、このブログを読んでくださっている方の中には見覚えがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

はじめはデッサンのようにして、鉛筆のみで描き上げようとしていたのですが、それでは少し物足りないということで、瞳にのみ鮮やかなエメラルドグリーンを配色しました。虹彩の混ざりやグラデーションが丁寧に乗せられているため、まるで宝石のような発色が素敵ですね。それによって、目に吸い寄せられるように視線が誘導され、全体的に見どころが多々ある絵が散漫にならず、しっかりとまとめられています。

海良は絵の細部にまでこだわり、小さなうろこすら一枚一枚描けるほど集中力が高い人です。そのため全体的に見どころが出来て整っているのに、立体感が薄く見えてしまったり、どこに注目していいか分からなくなってしまうことがあります。そんな時、周りとは違うポイントを一つ作ってあげるだけでも視線を操ることが出来ます。今回の作品も、目から鼻にかけてのでこぼこや模様やとげとげとした表皮など、細かく描かれている部分に注目させるために、まずは目に視線を持って来させ、そのそばにある『見どころ』に誘導させました。
また背景が無くても…と、いうより、背景が無い方がよりワニの魅力が伝わる為、あえて描きませんでした。細部まで丁寧に描写された絵は、それだけで空間を持たせてしまうほどに強く、人を惹き付けます。
細部を徹底して描きつつ、全体をまとめ上げることが出来れば、更に完成度の高い作品になることでしょう!次回の作品も楽しみにしています!

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想いに耽る

2023-10-25 23:11:38 | 大人 油絵・アクリル


置田 油彩

花粉症に悩んでいるのですが皆さんは大丈夫ですか?ナツメです。今日は水曜大人クラスの置田さんの作品をご紹介します!

映画のポスターを元に、油絵では初の人物を描かれました。背景のグラデーションの色彩と、極端な左寄りに描かれた人物の表情が一体となって画面の印象を作っていて目が惹かれます。

静物画に続き、色使いが素晴らしい!元はもう少し茶色みがかった写真だったのですが、落ち着きのある上品な緑色をベースに明暗をつけました。全体的に明暗のコントロールが素晴らしく、右下の黄緑色も色としては明るく見えるのですが、実は実際の明度は緑とそれほど変わっていません。(皆さんも目を細めて見ると分かると思います。)背景の明度差を抑え、一定の暗さを保つことで人物のコントラストがより際立っていますね。そして人物の中でも、黄緑の光源により近いところにある服には前面に強い光を当てているのに対し、少し離れている頭部は明暗の差を弱くしてやわらかい印象にしています。

多くの人が白いものの影は灰色などのくすんだモノトーンを使いがちで、濁っているように見てしまうのですが、置田さんは服の影となっている部分に黄土色や茶色を中心に使っているため、とてもクリアーに白さが表現されています。

画面の外の光源を見つめているようで、どことなく心ここに在らず、昔のことを思い返しているような表情にも見えます。この女性が何を思っているのかと、こちらも考えさせられてしまいます。置田さんはこの次の作品でも人物で油画に挑戦されています。どうぞご期待下さい!

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じっくりと向き合って

2023-10-24 22:48:01 | 小学生 絵画


謙太 6年 / 和奏 5年 / 聡介 2年

サヤカです。10月の終わりが見えてきて、時の流れの速さに震えています…さて!今日は約4ヶ月も掛けて完成(本来2ヶ月で完成予定)した小学生の油絵を紹介します。

謙太ーさすが六年生といった完成度ですね!油絵の題材として愛犬を選んでいる子はたくさんいましたが、脚の形や顔の形に苦戦している子が多かったように感じます。謙太の描いた犬は特に黒色の毛並みということで、きちんと犬の骨格を理解して、光を捉えないと曖昧な形になってしまいがちなのですが、謙太の作品は正確で自然な陰影を描けています。また、床板や窓の外側の色が単調にならずに何色も重ねることにより、深みが増しました。お昼の暖かな日差しが部屋に差し込み、ワンちゃんの隣でお昼寝したくなるようなゆったりとした空気が感じられますね!

和奏ー家族旅行でカヌーに挑戦した時の写真を題材に選びました。思い通りの方向に進まないのか、体力を使い疲れてきたのか、二人とも少し浮かない表情が面白いですね。そんな気持ちのこもった表情以外の、どの部分も丁寧に着色していったことが伝わってくる完成度です。和奏とお父さんの洋服が白と黒ですが、それぞれの陰影の付け方を変えているのがさすがです!白い服にはグレーや水色で影を描き、黒い服には黄色味のグレーで光を描いています。水面や茂みの色にも変化をつけ、遠近感がしっかり再現できています。和奏や家族の方にとってこの絵を見るだけで、旅行の思い出が蘇ってくるような、見た人にはその情景を想像させるような作品に仕上がりました。

聡介ー二年生とは思えない細かく丁寧に描かれた作品です。最後まで投げやりにならず、メロンの網目模様を潰さないように一つ一つ塗っていくという大変な作業を頑張りました。切り分けられたメロンの赤肉の配色も、思わず食べたくなるようなジューシーさが再現されている絶妙な配色で素晴らしい!背景を対照的な青色にすることで、メロンの赤肉やメロンの背後に置かれた赤い花がとても映えています。また、緻密に描かれた手前のひと玉のメロンに比べて、半玉のメロンをざっくりと描くことで奥行きを感じます。度々「疲れた〜」と口にしていた聡介でしたが、長い間しっかり向き合ったことが伝わってくる作品に完成しました!

七月ごろから油絵のカリキュラムがスタートし、「このままじゃ、10月ラストのハロウィンイベントに参加できないのでは?」の心配もありましたが、ギリギリ完成しました。足掛け4ヶ月!小学生とは思えない長期制作に、本人たちも少々ぐったりしていましたが、この完成度で最後はにっこり満足気でした。

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1.2年生の自画像

2023-10-23 22:55:34 | 小学生 絵画

オバラです。小学生クラス10月のカリキュラムはクレヨンで描く『自画像』。前回の自画像は3年前に描かせましたので、「またー?」という声は少な目。今回は【歯】をしっかり描かせるために、ニッコリ笑ってもらいました。だから皆すごくキュート!!!たまらん!

この20人は1・2年生ですので、自分を可愛くor格好良く描こうなんて微塵も思っていない素直な顔!というより、どんな顔がモテモテなんて知ったこっちゃないので、彼らは身体的な理由で他人と区別は一切しません。誰かと比べる必要は無いもんね!

「人生は必要最低限・省エネでいい。人間関係で揉めるのダルいし、勉強で無理すると疲れるし。近道探しが基本。」という悟りを拓くのもまだまだ先!行動の大半が無駄!クレヨンも、油絵の授業かと思うほどゴシゴシ削りまくりで「新品のクレヨンが、こんなに減ったよ!」と嬉しそう。たまらん!


見本に使った作品 左 油彩 『30年以上前の自画像』 / 右 クレヨン 『元生徒(高校生)』 どちらも小原

まぁ美術自体が【無駄】なので、うちには省エネ人生を送っているような生徒さんはいないのですけど。贅沢で美しい【無駄】を愛しましょう。

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家族ならではの

2023-10-21 17:28:25 | 大人 油絵・アクリル


松下 油彩

岩田です。今回は、松下さんの油彩をご紹介します。

こちらは、松下さんの娘さんを描いた作品。お店でオレンジジュースを飲んでいる様子を描きました。
こうした家族が捉えた、日常の何気ないシーンを切り取ったショットは、飾らない姿が表れていて良いものです。近親者だからこそ描ける表情が実にリアルで魅力的な絵ですね。

髪の毛の青が印象的。全体的に絵の具はやや厚く塗られていて、綺麗過ぎず、味わいある描き方をしています。それがどこか人間らしいリアリティーを感じさせます。
主役には高彩度の色を多く使い、子供らしい活き活きした感じを演出しています。

頬っぺたの辺りは、そのかたちに沿って筆致を走らせ、立体感が強調されていますね。
顔の骨格などもちゃんと意識されていて、デッサン的にも対象をしっかり捉えています。

決して大きくない絵ですが、人の目を引く力強い作品です。

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一発勝負の掛け軸

2023-10-20 18:54:17 | 学生


大竹 参考作品として制作した掛け軸

大竹です。クリスマスケーキの予約受付のチラシをポストから回収する度、年末へと想いを馳せてしまいます。ここ最近は来年は辰年という事で、龍の掛け軸を制作しておりました。参考作品やデモンストレーションを合わせ何十枚も龍を描きましたので、何も見なくても&下書き無しでも龍が早描きできるようになりました。(学生へのデモンストレーションは、飽きっぽい中学生の為に、5分強で仕上げないといけません。)下書き無しの方が、やはり線に勢いがあり生き生きとした龍になりますね。しかし、練習用のミニサイズですら苦戦する学生達が多く、改めて800年前に描かれた鳥獣戯画の凄まじさに気付きます。鳥獣戯画は44メートルを超えるそうで、それに至るまで一体どれだけの習作があったのでしょう?

子供の頃よりゼルダやドラクエなどのファンタジーRPGを遊んで育った身としては、非常に楽しい作業でした。普段よりも縦長の構図になりますので、どんな風に龍を描くかよく考えてから手を動かす必要があります。来月からは小学生クラスでも取り組んでいきますのでお楽しみに!


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学生クラスデッサン講座!

2023-10-19 22:40:38 | 学生ワークショップ

マユカです!今回は学生クラスの様子をご紹介していきたいと思います!

学生クラスは普段、それぞれがやりたい画材で期限制約を付けずに制作していますが、展覧会が終わり学生たちの足並みが一旦揃いましたので、せっかくだからと全員で同じ課題『基本となる単純な形のモチーフデッサン』を行いました。火曜クラスは25名、木曜クラスは23名おりますので、モチーフを描く鉛筆の走る音が爽快に聞こえます。

前回、学生たちに描いてもらうモチーフは基本的な形を一つだけ…でしたが、今回は2つのモチーフを組み合わせたデッサンに挑戦してもらいました。モチーフが一つ増えればそれだけ他のモチーフにかける時間が減ってしまうということ。クオリティを落とさずにデッサンを完成させるため、学生たちには2つのポイントを押さえてもらいました。

まず、一つめは全体的にまんべんなく描くことです。学生の皆にはブロックとボールを描いてもらいましたが、モチーフが2つあるとどうしてもブロックを完成させてから、ボールを描いて…というように、どちらか片方はしっかりと描いているのに片方は真っ白なままで残されてしまうように描かれることがかなりありました。それでは時間が足りなくなってしまったり、モチーフが浮いて見えてしまったりなどするので、ブロックの一番暗い場所が描けたらボールの一番暗い場所を描いて…と、交互にそれぞれのモチーフを描いてもらうようにしました。こうすることで同じ空間にあることが伝わりやすくなると同時に、いつ「おしまい!」と言われても完成度していると思わせられるようなデッサンが描ける訳です。

もう一つは、手前にあるものはよりはっきり濃く描くことです。これはどのデッサン講習でも言っていることですが、手前に来るモチーフはピントが合うため、立体感を全体的に点けた後などに手前だけでも暗い色をのせてあげることで、更に立体感が強調され、一段階クオリティの高いデッサンに仕上がります。時間がどうしても少なくなりがちな2つ以上のモチーフデッサンではこれをしてあげるだけでもかなり効果的です。

最後は毎回恒例の講評会!時間の関係で、先生がピックアップした上手な4~5枚をみんなの前に並べ、講評をしました。
油絵が終わった後すぐのデッサンでしたが、急な2つモチーフにも柔軟に対応し、皆かなりのクオリティで仕上げてくれました。今回のデッサンで得た技術を活かして、是非様々なモチーフに挑んでみてほしいなと思います。

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基礎から得る学び

2023-10-18 23:36:23 | 大人 水彩


釘宮 透明水彩

ナツメです。本日は日曜大人クラスの釘宮さんの作品をご紹介します!

釘宮さんの前回の作品をアップしたのは、ちょうど1年前の9月です。実は1年間、鉛筆デッサンの基礎に戻り修行をされていました。展覧会に出品された多くの方も「もう一度、1からデッサンを勉強し直します。」とおっしゃり、今まで描いていた画材を封印し、鉛筆に持ち替えて基礎から頑張っている様子を見ると、大学のデザイン課題に追われデッサンから離れている自分も身の引き締まる思いになります。

前回のブログでは、「まるで緑色の専門家ですね!」と書いたほど扱いに長けている釘宮さん。今回も流石のコントロールで前後感や細い松の葉の密集している様子などを表現されました。今回の作品も画面のほとんどを緑色が占めているので、どのようにして手前の松から奥の山までの遠近感を出すかを試行錯誤されていました。

1年間の修行の成果か、明暗の差をつける度胸がついたように思います。手前の松の木々も、これほど暗さをつけなければ遠くへと抜けるような空間の表現にはならなかったでしょう。デッサンのようにモノクロに置き換えたときにも空気感を伝えるという意識を感じられます。コントラストが強いのは手前の松ですが、木々や湖などの輪郭のやわらかい自然の中で、整った形の橋が1番に目に飛び込んできますね。奥の橋から静かな湖、そして手前の木々へと、段々手前に来るよう視線の流れが作られている点も、奥行きを出す一助となっています。

久々の水彩でしたが、ブランクを感じさせないどころか一層レベルアップした密度のある作品となりましたね。強化された釘宮さんの作品に今後もご期待下さい!私も楽しみにしています!

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「らしさ」を詰め込む

2023-10-17 22:50:23 | 学生


楓 中2 / 樹 中1 油彩

サヤカです。朝夜は寒く、昼間は暑くて、寒暖差に悩まされています今回は中学2年生の楓と中学1年生の樹の作品を紹介します。こちらの作品は、先日の展覧会に出品されていたものです。覚えていらっしゃいますか?

まず、油絵初挑戦だった楓は、牡丹を題材に選びました。初めての油絵とは思えない大胆な筆致!花を描くと、花びら一枚一枚に気を取られて全体のバランスが悪くなったり、複雑な構造が再現できなかったり、いろんな壁にぶつかりがちですが、楓の牡丹は光と影になる部分をしっかり把握し、牡丹のボリューミーな立体感を表現できています。失敗を恐れずどんどん油絵具を塗り重ね、豪華な牡丹の大輪になりました。

次に、樹は鬼たちの世界を空想で描きました。小学生の頃から「写真を見て描く写実画じゃなくて、自分の世界観を自由に油絵で描きたいんだ!」と強く訴えていただけあって、学生クラスでようやく好きに制作していいカリキュラムになり、欲求を全て出し切りました。見た瞬間、おどろおどろしくもどこかユーモラスな雰囲気に惹き込まれますね!口が縦に大きかったり、丸々とした腹に模様があったり、昔話から連想される鬼とはまた一味違った樹の世界観が感じられます。完成時の満足気な顔からは、見ているこちらも嬉しくなるような充実感を感じました。

2人ともとても「らしさ」が表現された作品になりましたね!同じ人が同じテーマで描いても、時が違えば絶対に同じ作品にはならないことが、表現することの醍醐味だと思っています。これからも、2人の「らしさ」が詰まった作品を楽しみにしています!

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小学校受験-年少対象クラス

2023-10-16 23:26:12 | 小学校受験

先週から【年少対象ーキッズ小学校受験クラス】が開講しました。
毎回の授業で絵画と制作を交互にカリキュラムを組み、年少さんのうちから慌てず無理なくクレヨンやハサミなど基本的な道具の使い方、塗る・切る・貼るといった巧緻性につながる部分の基礎力を身に付けるような指導を繰り返していきます。お母様が隣についての制作ですので、初めての習い事でも安心です。フォローをしてもらいながら、絵を描く楽しさ・物を作る面白さを感じていきましょう。
また毎回授業で生き物の描き方を1匹ずつ練習します。全18回の授業で描いた生き物が全て揃えば、オリジナル生き物図鑑が完成します。
お問合せや体験のお申込みはメールで承ります。<mios@ace.ocn.ne.jp>

【キッズ受験クラス】
期   間 : 年少10月~年少3月まで(年中児も受講可能)
年内授業日 :10月18日、25日、11月1日、8日、15日、22日、29日、12月6日
曜日&時間 : 水曜日 14:00~14:50(月3回)
入 会 金 : 22,000円(消費税込‐以下全て)
受 講 料 : 9,900円 / 月
テ キ ス ト  :18,000円(入会時のみ徴収)
体 験 料 : 3,300円
定      員 : 10名(親子参加の為20名が受講)

※年度内(3ヶ月)の授業は9回、年明けは1月10日(水)より9回行います。(1月31日お休み)
※授業は水曜1クラスのみですので、欠席の際の振替授業はできません。補講を希望される場合、月に1回まで7,700円の割引料金でプライベートレッスンを受講できます。
※満席になるまで、途中入会を受付けます。月謝を日割り計算させて頂きます。
※材料・道具はこちらで全て用意致します。作品を持ち帰る為の袋(エコバックのようなもので大丈夫です)だけお持ちください。
※土足入室可能ですので、上履きは不要です。
※スモックは暑がることもありますので、お洗濯が簡単な服装でご参加ください。(先輩の皆様も親子共にお気軽な服装でいらして頂いています。)

年少さんの内から簡単な制作で成功体験を増やし、楽しいな!⇒もっとやってみたい!⇒上手になりたい!と気持ちの中に意欲が湧いてくると、お子様の方から積極的に取り組んできます。工作に必要な道具の使い方や材料の扱い方を学ぶスタートラインで、最初に「楽しい!」という気持ちが芽生えれば、その後で技術面はどんどん発展させていくことができます。キッズ小学校受験クラスの授業では、このスタートラインを大事にします。

たとえ思ったように出来なくて失敗しても、「ここは上手にできたね!」とできた箇所を褒めたり、「今度はどうやったらいいかな?」と親御様と一緒に手を動かして試行錯誤する経験の積み重ねが、必ず自信へと繋がっていきます。レッスンでは、ワクワクしながら取り組んでいけるように、サポートしていきたいと思っています。

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巨匠の作品を料理する

2023-10-14 22:37:58 | 大人 油絵・アクリル


奥 油彩

岩田です。今回は、奥さんの作品をご紹介します。

多彩なモチーフを描き続ける奥さん。人物や風景のみならず近年になって日本を代表する巨匠の作品を題材に、それらをあらたに再構成するような作品を油彩で描いています。
例えば上段の絵は、達他や光琳が描いてきた風神雷神図。こちらは題材を自分なりに料理したというより、実物に比較的忠実に描いた作品と言えるでしょう。とはいえ、実物に負けぬ躍動感を感じます。

下段は、北斎作富嶽三十六景の中の一枚。右手は鳥獣戯画ですね。
どちらの作品も、元の絵はこんなんにカラフルではありません。敢えてそうしたモノトーンに近いような絵画を選んで自分なりの視点で鮮やかな作品に仕上げようというコンセプトがとても楽しく、奥さんらしいなあと感じるのです。

富嶽三十六景はまるで桜が満開の如く、鳥獣戯画は春の野山で動物たちが戯れているような活き活きとした印象が魅力です。

描くことに益々貪欲になってきた奥さん。アトリエでも家でも常にキャンバスと対峙していると聞いています。さて、次はどんな作品を見せてくれるのでしょう。

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