モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

最後まで手を抜かず

2022-05-20 20:37:34 | 学生


優 高2 岩絵具・銀箔/パネルに和紙

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは学生クラスの優の作品です。彼は昨年の市美術展の学生部門で大賞を受賞した実力者ですね。(作品はコチラ)今回は日本画に挑戦でしたが、慣れない画材でも作者の元々の力量の高さを伺えます。

青い蜂(ルリモンハナバチでしょうか)と青の花で主役の色を合わせた、背景の赤とのコントラストが印象的な作品です。蜂の細かな描写や、薄い花びらの質感は流石の観察力ですね。羽は透け感を出すために薄い水干絵の具で塗り重ね、本体の方は岩絵具をのせる事で蜂の体毛のフカフカ感を表現しています。花びらは線を残す様な描き方がされており、蜂との描写の違いがまた面白いですね。
当初は背景全面を箔で埋める予定でしたが、それだとギラギラしすぎて主張が強くなってしまい、折角の繊細な描写が負けてしまう可能性があったため変更に。蜂に銀箔をまぶす程度に留め、背景は暁の空へとシフトチェンジしました。雲も最初は描かれておらず、赤い絵の具の塗りムラをそのまま生かすかどうか悩み、検討の末に赤い雲に。主役の蜂と花が十分に仕上がっている分、そのまま完成させても良い位でしたが、本人の希望でここまで詰めていきました。雲の下に朱色を薄く入れる事で、太陽そのものを描写せずとも画面外にその存在を感じさせてくれます。最後まで妥協せずに追いかけたお陰で、完成度も1段階上に行きましたね。お見事!

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さわやかな空気

2022-05-19 20:35:53 | 学生


ちゆり 中1 不透明水彩

カラオケ!旅行!行きたいところが多いけど時間がない!マユカです。夏休みがもう既に待ち遠しい…。

今回ご紹介する作品はちゆりの水彩画です!今の季節にピッタリの清々しい色使いがとても美しいですね。地面に落ちる建物の影には藍色を使い、大きく広がる青空と相まって、涼しい風が吹いてくるような爽やかでからっとした空気を感じます。雲の立体感や建物の装飾など、細かいところまでしっかりと描かれており、描きたい意欲がこちらに伝わってくる絵だと思います。奥に見えるのは五重塔でしょうか。文字を入れればそのまま旅行の宣伝ポスターに使えそうなほど、構図もしっかりしている1枚になっています。

旅行がはばかられる近年、こういった空気を感じる風景画を見ると大きなキャリーバッグを持って遠出したくなります。道に沿って並ぶ建物は民家か、お土産屋さんか…。遠くに見える五重塔と手前に咲く花の対比で坂道の奥行きをより引き立てています。手前の花がダイナミックに描いてあることで自然と花⇒坂道⇒五重塔と視線が移動し、あたかもこの場所を歩いているような気分になりますね!また空に浮かんでいる雲や建物の大きさ、しっかりとパースの取れた坂道など、要所に遠近感を感じさせる表現が使われているため、実在感ある風景画になっています。

今回のちゆりの作品を見て思いましたが、やっぱり風景画って素敵ですね!労力をかけた分だけ心に残るし愛着もわきます。旅行へ行くと、写真で風景を手元に残すことがほとんどですが、行った先々でメモのように風景を描き残してみるのもいいかもしれません!

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目を通して変わる

2022-05-17 21:13:06 | 学生


彩加 高3  岩絵具・銀箔・銀泥/パネルに和紙

春はどこに行ってしまったのでしょうか!毎年ごとに短くなる春の気持ちを考えると涙が止まりません、ホノカです!今回も学生クラスから、彩加の日本画のご紹介です!
美人画の風貌もありますが、身に纏うジャケットやアクセサリーは現代的な雰囲気も。この方は一体誰なのでしょうか…という点を本人に伺ったところ、韓国のアイドルでお洋服も衣装とのこと!元は別の画材で描こうと下描きをしていた時に、ノリ先生に日本画でやってみない?と声をかけられ岩絵具で完成させました。私のイメージとしてアイドルといえば照明がギラギラに当たって、写真や映像は全てコントラストがすごい!というものがあるので、全く受ける印象が違って来るのは面白いですね!

まず、皆さんがこの作品を一瞬見た時に最初に目に入るのは"目"ではないでしょうか。少し傾けた帽子から覗く瞳はこちらに向いていて、このアイドルという存在から視線が離せなくなってしまいます。瞳が隠れることはイメージとしてあやしい雰囲気を与えてくれますが、このあやしさは「妖しさ」と言えるでしょう。目や眉が隠れることで、一度見るだけでは捉え所の無いような印象を与え、全体を見たいと思わせてくれる部分が面白いですね!さらに一番力を入れた部分は帽子についている装飾とのこと、顔に落ちる影が妖しげな雰囲気をさらに与えている要素です。

また人物や衣装のハイカラさに合わせた背景の色選びがいいですね!グラデーションの日本画らしさと、差し色に入れられた緑が画面全体の強さのようにも感じられます。色使いという点でもう一つ、人物は寒色が多く使われており、煌びやかと言うよりはスタイリッシュさという言葉が近いイメージでしょう。そして背景に暖色を使うことで、舞台上の照明の熱であったり、このアイドルがパフォーマンスで湧かせた会場の雰囲気にも見えて煌びやかな印象になっています。

どうやったらカッコよく見えるのか、またどんな描き方をすれば魅力的に見えるのか。人によって感じる部分はさまざまですが、彼女の視点を通じて感じた魅力がこれでもかというほどこだわりになって現れていますね!これが好きなものを描く醍醐味とも言えるかもしれません。

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向き合い続けて

2022-05-12 21:18:44 | 学生


 舞 中1 岩絵具・銀箔/パネルに和紙

ゴールデンウイークは大学の課題に消えました!マユカです。

今回ご紹介するのは舞の日本画です。日本画らしい桜というモチーフが、月に照らされている美しい1枚です。月には銀箔を貼り、満月をより明るく幻想的なものにしています。明るい夜空にぼんやりと浮かび上がる桜の上品なピンクがお見事!夜空の吸い込まれそうな暗さがより桜を引き立てています。細かく花が描かれていても、しっかりとした塊の立体感があるため桜の溢れるような満開さが伝わってきますね。

月が大きく、眩しく描かれていてもしっかりと遠近感が出ているのは、桜の木自体が占める面積が広いからでしょう。こういった木に咲く小花をモチーフにして遠近感を出そうとしたとき、花をぐっと手前にして描きたくなるものですが、舞が描く桜の花自体はとても小さく、こんなにたくさん描いたの!?と言いたくなるほど丁寧に根気よく描かれています。引いたアングルから描くことによって、この木の大きさが想像でき、なんだかこの景色を実際に見ている気分にさせてくれますね。私はとても飽きやすい性格をしているので、ここまで細かく描ける自信がありません!この一枚だけでも桜が好きなんだろうな、と感じる絵になっています。

一枚の絵に根気よく向き合い続けるというのは誰にでもできるわけではありません。途中で別のものが描きたくなったり、前に描いたところが嫌になってしまったり…いくつもの壁を乗り越えた先に完成という終着点があるわけなので、作品を完成させるというのは実は結構すごいことなんです。今回の作品もきっとたくさん時間がかかったかと思います。ぜひとも部屋の目立つところに飾って、長く大切にしてあげてください!

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見渡す力

2022-05-10 20:07:52 | 学生


陽飛 中3 色鉛筆

水出しのアイスコーヒーが楽で美味しいことを知りました、ホノカです。今回は学生クラスから陽飛の作品のご紹介です。なんとこちらの超大作、四つ切り画用紙を2枚繋げた、パノラマサイズ。393cm×109㎝ですので、つまり横幅は1m超えの長さです!色鉛筆のみで画用紙全面を描き上げたとは思えないほどの密度や描写ですね。

これまでも陽飛は色鉛筆で動物を描き上げていましたが、(こちらのブログの後半に以前描いた作品が載っています!)今回は画面全体で動物だけでなく、自然環境も描いたまさにパノラマのような作品になっています。しかも制作中は、画用紙を合わせずバラバラに描いているので、「陽飛、それホントに繋がるの?確かめなくていいの?」「え?なんでそこに突然水色入れてんの?あー!?左の絵の川が続いてるってこと?え?なんで場所までちゃんと揃えられるの?」という問答があったほど。常人には真似のできない的確さで常に完成形が頭にあるかのように色鉛筆を走らせていました。

この絵に描かれている動物は、実際には同じ場所にいることの無い動物の組み合わせとなっています。ですがそれぞれの動物が共存してるかの様に見えるのは、細かい自然の景色を丁寧に描いているからでは無いでしょうか。中央に走る川は澄んだ水が流れており、その近くには熱帯に生える背の高い木、それだけではなく乾燥地帯で見かける横に長くなる木などなど。本来は違う環境を一つの絵の中に動物も一緒にまとめ上げています。また、大きな作品ですが、左側は動物が生き生きと生活する様子、右側は自然豊かな森の様子という風にメインが分けて描かれていることで飽きの無い構成になっています。

そして色の使い方もアイデアと技術が光ります。自然というとどうしても緑や青で画面が埋まってしまいますが、ここでは太陽を効果的に用いることで海に大きく光が差し、手前に配置されている川と混ざらない見え方になっています。その中でもクジラが顔を出していることで海という側面はしっかり捉えてあることが素晴らしいです!

固定観念に囚われない自由な見方がモチーフ選びにも、描き方にも現れています。それに加えこの大きな画面を埋め尽くす量を描き通す丹念!驚かされる部分たっぷりの作品です!

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機転を効かせて

2022-04-28 21:04:48 | 学生


風音 高2 岩絵具・金泥/パネルに和紙

大学内のパン屋に入り浸っています!マユカです。

本日ご紹介する作品は風音の日本画です。なんと彼女も川総デザイン科!学年間の交流が少ない高校だったので、彼女達とほとんど交流できなかったことが悔しいほど、才能ある絵を描いているなと思います。

こちらへ振り向こうとしているこの女性は何をしている最中なのでしょうか。
顔が見えそうで見えない絶妙な角度によって、どんな顔なのだろうと自由に想像できる楽しさがある一枚です。
あえて平面的に描かれた着物が、白く透明感のある肌を際立たせており、女性らしい肌の感じが美しく映えています。
背景も単に一色にせず、明るい色から暗い色へのグラデーションにすることによって、画面全体が明るくなり、かなり奥行きが出ます。試しに画面の上の方だけ隠して見てみると、受ける印象がガラッと変わって見えてきませんか?たった一枚で色々な見方ができ、考えることができる作品は見ていてとても楽しく、長く愛されるものになると思います。
そして背中に彫られたタトゥーを見せるように大胆にはだけた着物がとてもセクシー!実はこのタトゥー、肌にシミのような跡がついてしまい隠す為に入れたのですが、失敗を感じさせないどころか、むしろ失敗する前よりかっこよくなっています。機転の利かせ方がとてもオシャレです。

誰もが一度は作品を制作している途中で失敗してしまうことがあるはずです。失敗なくして成功はないのですが、あと少しで完成!というときにミスするとどうしてもやる気が失せてしまいます。そんなとき失敗を成功に変えることができたら素敵ですし、失敗というのは偶然の産物ですから自分では思い浮かばなかった新たな発見があったりもします。
風音も今回の制作で学んだことがたくさんあったはず!次の作品も楽しみにしています。

お知らせ 明日よりミオスはゴールデンウィークのお休みを頂きます。それに伴い、ブログも5月8日までお休みさせて頂きます。

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空気の変わり目

2022-04-26 20:58:42 | 学生


あかり 中2 岩絵具・銀箔/パネルに和紙

暖かい日が増えましたが不安定な時もあり服選びが難しいですね、ホノカです!今回も学生クラスからあかりの日本画をご紹介です!

白く丸いフォルムが特徴のシマエナガが少し雪も積もる枝に佇む可愛らしい作品です。パッキリと明度の異なる色が置かれた背景や、枝の表皮を表すような大胆な塗り方がされていることで、シマエナガの毛なみの柔らかさがより強調されています。また少し黄色みのある色や赤みのある色が使われていることで、動物らしい暖かみのある印象にもなっています。真っ白さが特徴のシマエナガですが、その特徴を潰さないように配色が考えられた構図が素敵ですね。主役は小さな鳥1匹ですが、画面全体でしっかりとその主役が引き立てられています。

そして背景は、景色を描き表すのではなく、空気感という目に見えない部分を感じたように表しています。雪も残る寒い空気の中ですが、陽の光が差し込むような、はたまた再び雪の時期が近づくような空気の冷たさにも感じられます。そんな空気の違いがあっても、枝の様子が変わらず横断しているため、変化が徐々に訪れ始めているのだと分かります。ですがよくよく見てみると、右側の枝の端は闇に溶けているような暗さもあり、立体感もしっかりもたらされています。そして顔の向く方向が明るく示されていることで、暗さの中にいても光を見出すようなストーリー性も感じられます。

アトリエ入会後2枚目のデッサンの途中で、他のクラスメートの流行りに乗っかりこの日本画の製作に取り掛かりました。いきなり慣れない画材を使用することや、構図を考えること、様々難点はあったかと思いますが、色々な画材に触れる楽しさを感じていてくれたら良いなと思います!

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色数を増やすと…

2022-04-21 21:44:00 | 学生


彩音 高2 岩絵具・金箔/パネルに和紙

早くも大学の課題に追われています!マユカです。四月も既に後半…時間が過ぎるのはあっという間ですね。

さて、本日ご紹介する作品は彩音の日本画です。彼女も川総デザイン科!この視点から座っている猫を描くのは難しいのですが、ちゃんと地面に足がついて見えるように描けているところから彼女のデッサン力の高さがうかがえます。よく観察できている証拠です!
また、背景と花の色が補色の関係になっていることもあり、黄色がメインの背景に白い猫がメインモチーフの明るめな画面になっていても、手前にある花が画面をすっきりとまとめてくれているので、全体的にとても見やすく、スッと心に入ってくるような一枚です。

彩音が今回選んだモチーフの猫は彼女が実際に飼っている猫だそうで、その描きこみ具合からも彼女の猫に対する愛が伝わってきます。絵の下にある「Mina」のサインは猫の名前とのこと。こちらを向いているかと思いきや、ほんの少しそっぽを向いている大きな目の視線の先にいるのは彩音でしょうか。じっと見つめている顔がかわいらしいです。また、顔周りと体の毛の生え方の違いも筆のタッチを変えて差を出したことにより、絵におけるリアリティと猫の愛らしさがより一層引き立っていますね!
そしてなんといっても影に使われている色数の多さ!よく見ると、主役の猫にたくさん色をのせてあげているため、白い猫でも目立ってくれています。様々な色を入れましたが、ベースには暖色の赤系を使っているため、やわらかで生き物の温かさを感じる毛並みになっていますね。色の種類を増やしても白さを損なわずに描けていて素晴らしいです!

色数を増やすと表現の幅がとても広がりますが、その分画面がごちゃごちゃとしがちになってしまいます。一番見せたいポイントにのみ色数を増やす色彩計画をすると、自分が思い描く主張ができますよ!

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穏やかな迫力

2022-04-19 18:44:30 | 学生


蒼惟 中2 岩絵具・顔彩/パネルに和紙

やっと授業が始まり安心しています、ホノカです!今回は学生クラスから蒼惟の日本画のご紹介です!猛獣と呼ばれる虎ですが、こちらの作品では少し開いた口も相まってネコ科の動物らしい可愛さもありますね。

今回のメインモチーフであるトラは画面全体を横断するほど大きく描かれ、その身一つで絵を支えています。それが可能なのはやはり私たちが持つイメージとして、トラが強いというものがあり、それがしっかりと色使いや正確な描写で現れているからではないでしょうか。墨も使いハッキリと描いた黒の模様と、オレンジと黄色で描かれる体毛のコントラストが色からも危険性を感じさせてくれます。また、トラの鎮座する岩のような場所は、実際に岩絵具を用いて表面のザラついた質感や自然の物特有の複雑に重なる色が表現されています。ただ塗るだけではなく、色の種類を多く使うことや、黒も恐れずに入れることでトラや岩の重みや存在感が生まれています!

そして背景は、沢山描きこんであるトラ、岩とは反対に青一色で塗られており、画面がうるさくなり過ぎず、トラに自然と目線が向いていきます。青と黄色は補色の関係にあり、使い方によってはちぐはぐな印象になることも有り得ますが、青は後退色(反対に黄色や赤色の暖色は前に飛び出してみえる進出色や膨張色などと呼ばれる)のため主張しすぎず、トラを強調していますね。しかしこの作品の魅力はそれだけではなく、構図にもあります!描き始めた時はもう少しこぢんまりとトラが収まっていましたが、前足を斜めに大きく伸ばしたり、頭の上が少し収まりきらないくらいにしたことで、くつろいでいる姿にも迫力が生まれました。

彼女の少し前の作品も、トラをモチーフにしたものを描いていましたが、それだけあってよく見ているな!と感じる部分も多くあります。例えば顔は正面から捉えた分バランスの崩れが気になりやすかったり、左右対称にしすぎてしまうと人工物のようになってしまうため非常に塩梅が難しいのですが、細かい模様の形を押さえつつ黒の濃淡を使い分けることで立体感もある顔になっています。

全てを写実的に描くだけではなく、平面的になっている部分も面白くなるのも日本画の魅力ではないでしょうか。この作品には彼女のトラへの愛だけではなく技術もしっかり詰まっていますね!完成までのペースはゆっくりでしたが、このクオリティには本人も大喜びで私も嬉しいです!

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弱い人間の描く絵

2022-04-18 22:17:33 | 学生

オバラです。今日は多摩美1年生の学生の話。
小学生クラスの時からミオスに10年以上通い、高2の時に「美大へ行きたい」と相談されたので、慌てて大手美術予備校に転校させました。「絵画教室に10年も通ってたんだし、まだ高校2年生なら何も慌てなくても良いでしょう?」と思いますよね?ノンノン!人によるんです。
彼女は、優しい!人を立てる!素直!人の言うことをきちんと聞く!真面目!いつも朗らかニコニコ!
ぐぉー!ぜっんぜんダメ!ダメ人間!こんな人間、少なくても美術系にはいらない。
(↑「こんなこと言ってるお前がダメ人間だろ!」って?いやまぁそれは認めますがね。)

優しい→争いたくないだけ。 人を立てる→自分がないだけ。 素直→こだわりがないだけ。疑問に思うのが面倒臭いだけ。 人の言うことをきちんと聞く→自分で考える必要がないって楽だよね。 真面目→それしか武器がないだけ。 いつも朗らかニコニコ→無難に過ごしたいだけ。
そんな人間が無から生み出せるはずがない。言われるままに左の物を右に動かす、親や教師や上司や社会の都合の良いコマになっていればいい。

そんな子なので予備校でもなかなか力が出せず伸び悩み、高3の秋に予備校で描いた絵を「見てください」と十数枚持ってきました。
「こんな弱いデッサンばっかり枚数描いても意味ないんだよ!死ぬ気じゃ足りねぇ、殺す気で描け!金やるから、八百屋で丸のままのカボチャ買って来い!」と怒鳴り、釣られてビビった学生クラスの全員が心の中で「なんでカボチャ?のり先生カボチャで何すんの?」と疑問と不安を抱く中、外に連れ出してコンクリートに叩きつけて割らせました。

しかし案の定、何度投げても弾んで割れず「もっと本気出さなきゃ割れる訳ないだろ!?自重のあるスイカじゃねーんだ!」と発破を掛け、ようやく砕け散った時はスッキリというより、ほっとした顔をしていました。
合格の挨拶では、「あの日カボチャを割らなかったら、私は変れませんでした。多摩美なんて絶対受からなかった。」と笑いながら言っていて、作戦成功、子育て終了、と自画自賛です。
※ 上のデッサンは、受験間際の『強くなった人間の描いた絵』です。

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廃墟の萌えどころ

2022-04-15 23:30:21 | 学生


晴 高3 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、高校3年生の晴の油彩作品です。写真集の廃墟を参考に制作していきました。

廃墟好きが高じて、実際に軍艦島に行って来たという晴、(しかも「また行きたい!」と言っているそうです)作品からも彼女の廃墟への萌えどころがしっかり伝わってきますね。
ペインティングナイフを駆使し、錆びた窓枠や手術室のライト、光や埃まで上手に表現しており、中々のテクニシャンですね。汚れた壁には黄土色や赤、緑といった様々な色が入り混じっており、廃墟に至るまでの時間の経過を感じさせます。そして何よりも電力の供給が絶たれた暗い室内と、窓の外からの日光の対比がドラマチックで魅力的な画面となっていますね。絵の具をのせる量も室内と外とで差をつけて(外は遠いので薄く、室内は手前なので厚く塗る)、奥行きを演出しています。油絵らしい、重厚感と色の深みのある1枚となりましたね。素晴らしいです!

私も高校生時代、廃墟好きの友人がおり、写真集をよく読ませて貰っていたのを思い出しました。廃墟の写真集も今や沢山発売されておりますが、退廃的な物に惹かれる人々の心理の奥底には何が潜んでいるのでしょうか?社会や人間関係に疲れ、無意識に誰もいない場所を求めているのか、そこにかつてあった人の生活を想像させる風景に惹かれるのか、アンティークのように古びたものそのものに惹かれるのか…。

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自分だけの表現

2022-04-14 19:31:41 | 学生


莉奈 高2 岩絵具・金泥/パネルに和紙

毎年衣替えのタイミングがつかめません!マユカです。最近は暑い日が続いている気がしていたのに、今日はめっきり寒いですね。

本日ご紹介する日本画を描いたのは、私が川総デザイン科・高校3年生の時に、1年生として入学して来た後輩の莉奈です。
金魚鉢よりも大きな金魚、傾いた金魚鉢や水しぶきによるダイナミックな構図が印象的!画面全体が青系統の色でまとめられているので、真っ赤な金魚がとても目を惹きますね!飛び散った大粒の雫からはバシャッという音が聞こえてきそうです。また、背景の色を上下で分けることによって、今まさに金魚が水へ飛び込もうとしているようにも見え、見る人を退屈させない一枚となっています。

さて、こちらの日本画、どうしても金魚に目が行ってしまいますが、魅力は水の表現にあると思います。水というとシャープでさらさらとしたイメージがありますが、この作品ではかなりデフォルメして描かれていて、どこか鈍く重く、ガラスの塊のようにも見えます。しかしなんだか手を伸ばして触れてみたくなるような不思議な魅力があり、私は一目で好きになりました。さらさらとした水はもちろん美しいのですが、こういったジブリ映画のような、プルっとした水の表現は彼女の個性を強く感じさせます。描きこみにも一層力が入っていますね。
この作品が持つ独特なもったりとしたテイストは、この記事を読んでいる方の中にも「好き!」という方が一定数居るような予感がします。
描いた本人がこの良さを理解したうえで描いていたかは分かりませんが、もしそうでないなら是非知ってあげてほしいです。突き詰めれば絶対に自分の強みへと変換できるはず!

作品作りにおいて「この人にしか作れない」というのは最大の強みであると予備校の先生に言われたことがあります。今回の日本画で見つけた莉奈の「強み」をこれからの作品作りを通してより伸ばしてあげられたら素敵ですね!

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トンネルの向こうには

2022-04-13 22:33:28 | 学生


ゆり 中3 油彩

今週から大学が始まり早起きがツラいです、ナツメです。今日は木曜学生クラスのゆりの作品をご紹介します!

はじめての油絵で手探りの部分も多かったと思いますが、だんだんと絵の具の特性や使い方の感覚を掴めてきて、トンネルと草木の質感の差もマチエールをつけて表現しています。「また描き直すの!?」とこちらが驚いてしまうほど手直しをして「今日はトンネルを描きます!」と言って描き始めてもしばらくして見に行くと「納得がいかなくて」とさっきまでしていた描き込みがまっさらになっていることも多々あり、それだけ一つの作品にこだわりを持って取り組むことができたのがまず素晴らしい!多分どの部分も3回ずつくらい塗り直したのではないでしょうか?執念深く描いた甲斐があって細部まで手の入った作品になりました。苔むした岩や周囲の草に色味の変化を多くすることで、色幅の少ない真ん中のトンネルや跳んでいるゆりとの差をつけると共に深みが出て、少し寂れた周囲の空気感も伝わってきます。

トンネルは向こうの景色が見通せないので、抜けた時の視界が一気に開ける瞬間やそこに広がる景色などを想像したときのワクワク感が私は好きなのですが、そんな向こう側に挑むかのように無邪気にジャンプしているゆりと、千と千尋に出てくるような風景のマッチングも面白いですね。はじめてのことが多くある中で、自分の納得するところまで落とし込んで描くことができたのは大きな強みです!その根気強さ、粘り強さを武器に今後の作品にも取り組んでほしいです!!

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至福の時

2022-04-12 21:04:42 | 学生


梅 中2 岩絵具・銀箔/パネルに和紙

授業がなかなか始まらないので問題無いのに謎の焦りを感じています、ホノカです。今回は学生クラスから梅の日本画のご紹介です!ゆるい雰囲気の動物に目がないのでブログを書きながら可愛い〜〜〜と言い続けています。

こちらの作品、パンダが可愛いのももちろんですが、細かく描き込まれた木や少しくすんだ色使いが落ちついた雰囲気にも見せてくれますね!木の割れている様な表皮や細かなデコボコは実際に木を触った時の感触を思い出せるほどリアルです。また岩絵具は粒が残ったようなザラッとした描き方も可能ですが、パンダの毛並みの質感にはその特徴が十二分に生かされています。特にお腹の辺りの白い部分が分かりやすくなっていますが、影の中にも少し明るい部分があり、体毛を感じさせてくれますね。これらの細かい描き込みがあることで、大きさや重量感のあるパンダがしっかりと支えられている安定感を感じます。

そして背景は竹林の様な緑一色ですが、白っぽい緑を使っていることで、日本画らしい雰囲気がぐっと表れています。また、よく見てみると木の幹も少し青みががっており日陰の涼しい場所という風に考えられますね。確かに涼しい場所でしたらこのようにリラックスしているのも納得です。

個人的にはパンダはたれ目のような模様なだけで、実際はつり目という説を疑ってかかっているのですが、この寛いでいる姿ではたれ目であってほしいですね!色に特徴を持っていることもあり、陰影やリアルな表現が難しいパンダですがこのくつろいだ姿はひとえに彼女の観察力が高いためでしょう!

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春の空気

2022-03-31 21:21:02 | 学生


雪奈 中2 岩絵具・金泥/パネルに和紙

2月が短かった分3月はとても長かった気がしています、ホノカです。
今回のブログでは、学生クラスから雪奈の日本画のご紹介です。静謐な面持ちの鹿が佇む景色に、ちらりと桜が覗く上品な雰囲気の作品ですね。
完成した作品からは想像できませんが、なんと彼女も日本画の画材に非常に苦労していた1人です。明暗の表現や鹿表面の質感など、細かい色味の調節が必要になる部分において、日本画で使われる岩絵具は混色が出来ないこともあり、自身の思い通りに描くのは難しくなっています。そのため、途中の段階では描き込みをどう行うかとても悩んでいましたが、顔彩や透明水彩などの画材で細かく描くことで、顔のアップという難しいモチーフですが描き切っています。

また、下塗りとして緑系の色を使っていますが、背景にはそれが少し透けて見え、鹿にも青みのある色を入れることで春の夜に感じる冷たい空気感が表れています。そして桜は少し淡い光が反射しているように描かれていることもあり、月で照らされている様な印象も受けますね。月は直接絵に描かれている訳ではありませんが、その存在を感じるのは色選びや塗り方の妙ではないでしょうか。そして構図という点で言うと、右側にスペースが空いていることでこの絵の外にも大きな空間の広がりがあり、そこには桜が咲いているのではと見る側に思わせてくれますね。そう考えるとこの鹿は季節の移ろいを感じて、桜に近づくために首を伸ばしているようにも見えてきませんか?

岩絵具という苦難を乗り越え、作品を完成させたことで雪奈のスキルも大いに上がっているはず!これからも色々な画材にチャレンジしてみてください!

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