モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

色彩で更に魅せる遠近感

2024-04-18 23:57:26 | 大人 油絵・アクリル


大澤 油彩

マユカです!今回は大澤さんの作品をご紹介します。

イタリアの南部にある白がベースの三角屋根のお家「トゥルッリ」という名前の家々が世界文化遺産に登録されているアルベロベッロを描いたこちらの一枚。1500戸ものトゥルッロ(複数形を「トゥルッリ」)が並んだ景観はまるで絵本の中の世界のようにかわいらしく、談笑しているような雰囲気のある中央の人物たちの元へ小さな動物すらやって来そうなファンタジー感に胸が躍ります。大澤さんが旅した写真を元に制作されました。
落ち着いた色合いの家な上、漆喰や石を積んで作られていそうな質感が自然によく合い、様々な植物が街並みに色どりを加えています。写真は勿論美しいでしょうが、この暖かさは絵にすることで一層輝きますね、ぽってりとした油絵具の厚塗り感が風景の雰囲気とベストマッチしています。さらに壁も単純に白いだけではなく光によって落とされる影の色の差によって前後感を表現されていますね。手前は黄色を多めにし明るい印象を与え、奥は青をベースに描くことで植物の涼し気な雰囲気まで感じさせます。

色の特性として寒色(青、緑、紫等)は奥に配置することで遠くを強調、暖色(赤、オレンジ、黄色等)は手前に配置することで、前にあることを強調してくれる効果があります。大澤さんの作品では白い壁にそれがされているので遠近感をより強く感じました。だからこそ、見えない画面外へと続く風景も想像できそうな雰囲気があります。さらに2、3軒ほど家が連なっているのかもしれませんし、植物を挟んで道が続いているかもしれません。とにかく、絵の奥へ奥へと歩いて行けそうですよね。

こういった平面に風景を描く時、かなり忘れられがちになってしまうのは画面外に続く「描かれない風景」ではないでしょうか。キャンバスの中で完結してしまいがちな風景ですが、その周りの風景を脳内で補完できてしまうほどに空気感を表現することが出来たら、それは見た人の感情を動かす一枚になるのかもしれませんね。

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言葉を交わしたくなるような魅力

2024-04-16 23:13:16 | 大人 油絵・アクリル


置田 油彩

サヤカです。暖かい日差しを感じ、お散歩したくなるような毎日ですね!今回は、大人クラスの置田さんの作品を紹介させていただきます。

前回の作品(こちら)をアップしたのが2月1日ですので、かなりの早描きと言えるでしょう。
前作の妖しいムードのカップルから一転、初夏のような爽やかさを感じる女性の絵です。広告写真を見ながら制作されていらっしゃいましたが、文字などで隠れていた部分は想像で描かなければなりませんでした。その為、どうしても肩や腕がぎこちなくなってしまっていたので、私がタンクトップ姿で寝ころび、モデルを勤めさせて頂きました。(笑)私が言うのも何ですが、その後は自然なポージングとなり、女性特有の腕の柔らかな曲線も再現されました。

私が特に心惹かれたのは、肌の質感です。この女性が人生で積み上げてきたことが読み取れるような目元の雰囲気がとても魅力的です。遠くをまっすぐ見つめる瞳や朗らかな表情からも生き生きとした活力を感じ、彼女と言葉を交わしたくなりました!なんだかタメになる人生のアドバイスをしてくれそう…また、暖色を中心に描かれた女性をより映えさせる背景の青色も素敵です。鮮やかで、空のような深みがある青と女性の瞳のカラーがマッチしていて統一感が出ています。

3枚目の油絵となりましたが、確実な技術の向上が伝わってきます。これからの置田さんの作品がますます楽しみです!

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暖かなひと時

2024-04-11 22:37:17 | 大人 油絵・アクリル


松下 油彩

マユカです!今回は松下さんの作品をご紹介したいと思います。

今までも家族をモデルに制作を重ねる松下さん。(前回の絵はこちら)4枚目となる今回は、奥様と娘さんを描かれました。飲み物を手に微笑を湛えた表情をしている様子と、柔らかな光から微笑ましい家族の風景を感じます。
様々な色が塗り重ねられており、壁の影や奥のドアなどは黒や青も多く使われているものの、手前の木の机や明るい茶髪など、至る所にパキッと入った白が画面全体を明るく見せているため暗く重い雰囲気にならず、かといって明るく軽快な雰囲気でもなく、静かでゆっくりとした空気感と日常感を感じさせるような色使いになっていますね。この日常感ですが、例えばジュースの残りを見ている娘さんの視線やストローの持ち方が自然に描かれていることからも伝わってきます。細やかな仕草の描写が自然な空間を作り出しているのです。

暖色がメインの画面に寒色を置く際は、明度が同じ色を隣り合わせるか、暗い色として置くと体感で馴染みやすいかなと思います。現に松下さんの作品では暗い場所に重点的に寒色が置かれており、それによって画面が単調にならず、雰囲気も壊さずに描けているのではないかなと感じました。

現在はセザンヌの自画像を模写されています。次回にご自身を描く為の練習だそうですが、「今までご家族を描かれる時には、事前に練習をされたと聞いたことがなかったのに、自分を描く前は予習をするのかな?」などとちょっと意地悪に思いました!

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学ぶは真似ぶ

2024-04-10 23:56:26 | 大人 油絵・アクリル


大坪 油彩

新生活に睡眠リズムを合わせるのに必死です、ナツメです。本日は月曜大人クラスの大坪さんの作品をご紹介します!

フィンセント・ファン・ゴッホの『ゴーギャンの肘掛け椅子』という作品を油彩で模写されました。元の作品はゴッホとゴーギャンが同居していた際に描かれたものだそうです。ゴッホといえば大胆な色遣いが特徴の一つとしてよく挙げられますが、こちらの作品も例に漏れず黒い縁取りに青い影が効果的ですね。大坪さんも色を作っていく段階で何度もその大胆さに驚かれていました。

メインモチーフとなっている椅子が正確にパースを取って描かれたものではないため、模写の際も不規則な線による形取りが難しかったのではないかと思うのですが背もたれや座面のカーブなど立体感を出すポイントまでしっかりと抑えて描かれていますね。床に広がっているガス灯の光は暗い茶色をベースにした上に明るい黄色を乗せているためキラキラと反射している様子が表現できています。

作品の模写は、画力を上げるだけでなく普段自分ではしないような色使いや筆の運びに気付くため作風の幅を広げるきっかけにもなります。「学ぶは真似ぶ」とも言いますが、描いた人が何を思ってどんな意図で筆を置いたのかと想像し追っていく先に新しい発見があるので、好きな絵画の色遣いや筆運びの一部だけでも真似してみると引き出しを増やすことができますよ!

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下色で思い切り遊ぼう

2024-03-30 14:08:34 | 大人 油絵・アクリル


箕輪 『おもちのようせい』 アクリル

岩田です。もうすっかり春でした。

今回は、箕輪さんの作品をご紹介します。
こちらは、見ての通り赤ちゃん。アップで撮影したお子さんの写真を元に描きました。F10号(455×530mm)サイズのキャンバスで制作されたこちらの作品。目を閉じた顔が実際の3倍以上!静かな雰囲気と共に、やはりこの大きさには圧倒されます。

描く前に、どういう完成にしようかということをしっかりイメージワークした上に、アクリル絵の具ということで、かなり効率よく仕事も進んだ様子でした。
とはいえ最初は、こちらに掲載した完成作品と同じような、かなり明るい色を全体に置いていたのですが、もっと最初は色で遊びましょうということで、一度方向転換し、パーマネントレッドやオレンジといった彩度の高い色を思い切ってガンガン塗っていきました。

けっこう戸惑いもあったように感じましたが、アクリルのよう不透明水彩は、透明水彩に比べ、下に置いた絵の具を覆い隠すことが容易で、落ち着かせることが簡単なので、最終的に地の色を活かして仕上げる為には、むしろ慎重に上から絵の具を置いて良いくらいなのです。
そういう意味でこの作品の肌の仕上げ方は、ジョンブリアンなどの白の分量が多い不透明色を水で薄めて隠ぺい力を弱め、それを上からグレーズして地の色を活かして仕上げた成功例と言えるでしょう。

不透明色でグレーズした場合、透明色でグレーズした場合、全くその印象が変わってきます。皆さんもモチーフによってそうした表現方法を色々試してみて下さい。

こちらはコンクールに出品する為に制作されていたのですが、第28回越後湯沢全国童画展に入選されたそうです!『童画』の公募で、そのままズバリ赤ちゃんの顔を描くという素直な感性もお母さんならでは。

箕輪さん、おめでとうございます!

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両足揃えてお澄ましポーズ

2024-03-15 20:22:28 | 大人 油絵・アクリル


大渕 油彩

大竹です。今回ご紹介させていただくのは、月曜クラスの大渕さんの油彩画です。基礎デッサンが終わって初めての着彩は油絵を選ばれました。ご自身が飼われている猫ですが、おすまし顔の表情もさることながら、ヌルヌルする油絵具でしなやかな毛並みを表現するのに、大変な苦労をされました。その甲斐あって、触った時のふんわりとした感触が伝わってきますね。
黒やグレーといった無彩色の体毛ですから、無機質にならないよう色味も試行錯誤されたのだと思います。単調にならないよう、緑や茶色、青といった様々な色を加えながら塗っていったのでしょう。(首から胸元あたりが分かりやすいと思います)ふわふわと毛並みと、透明感のある瞳との質感の差もよく観察して描きわけられていますね。透き通る美しいグリーンの瞳が鑑賞者を見つめてきます。瞳の上あたりから生える長い毛(触毛・上毛)や、ヒゲなどの細い線も一本一本丁寧に追っていますね。
背景はカーテンでしょうか、気品のある落ちついた紫でまとめられています。グレーの猫ちゃんより目立たないよう、彩度の低い色で描かれていますね。影には濃い藍色を入れ、紫のカーテンと調和するようにしているのでしょう。反対に、足元の色は鮮やかなイエローで作られており、画面の中でアクセントとなっています。これが暗い色だったり、彩度の低い色だったらボヤけた印象の画面になっていたでしょう。サバトラ柄が引き立つよう、計画的に絵作りされている1枚だと思います。

私も昨年の末からキジトラ白の子猫を迎えたのですが、こうした柄の子たちは目の周りが白く縁取られているのが可愛らしいですよね。隅々まで手を抜かずに描かれている制作姿勢からも、猫ちゃんへの愛情が伝わってきます。
2枚目も油絵に挑戦されたいそうですが、題材を「もう一匹飼っている猫にしようか、他のものにしようか?」と悩み中。人間の子どもだと「なんで妹を先に描いたの?次は僕を描いてくれるんだよね?」と拗ねられそうですが、猫なら安心ですね。笑

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色を重ねて

2024-02-28 23:36:36 | 大人 油絵・アクリル


増井 油彩

春休みも残り1ヶ月となり悲しみに暮れています、ナツメです。今回は月曜大人クラスの増井さんの作品をご紹介します!

入会後の基礎デッサンを終えられてから初めての作品となる油絵。紅葉の時期のスペインの路地を描かれました。

抜けるような空に紅葉、秋の爽やかな空気が伝わってきますね!人通りこそありませんが、帽子が売られている様子からは現地での生活も感じられます。葉は点描で、建物や帽子などの人工物は絵の具を延ばして描かれており、初の油絵でしたがマチエールのコントロールもされています。

画質が荒くなってしまうブログ用の写真でも確認できるほど、葉の描き込みをされているのがわかります。木一本、植え込み一つをとっても、重なった点によって複雑な色合いが生まれていて興味深いですね!色の違う点が集まると色と色が混ざって見える『視覚混合』という錯視現象が起こるのですが(ジョルジュ・スーラの作品が有名です!)、まさに植物の絶妙な色の変化を捉えられているように感じます。

同じ緑色でも、植え込みにはビリジアンのような深い緑を中心に近似した色を使っているのに対して、緑の補色である赤やオレンジ色の葉と並ぶ木の緑は、色同士が馴染むように黄緑に寄せた色を選びました。また、手前に落ちている紅葉には画面内の多くの葉の中でも1番鮮やかな色を手前に置き、遠近感の表現へと繋げるひと工夫がされています。

私が初めて油絵の具に触れた時は不慣れな画材の扱いに戸惑った記憶があるのですが、増井さんは意欲的に、時間をかけて丁寧に筆を重ねられたため、ここまで魅力的な作品になったのだと思います。既に計画されている次の作品も壮大で、とても楽しみです!

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ファンタジーな油絵

2024-02-22 01:36:10 | 大人 油絵・アクリル


藤澤 油彩

春服をもう出すべきか悩んでいたら、3月が目前に迫ってきて焦っています。マユカです!さて今回は藤澤さんの油彩画をご紹介していきたいと思います!

藤澤さん初めての油彩です。フランスの絵本作家ゲオルク・ハレンスレーベンの作品に憧れて、静物画でありながら絵本のような、ほのぼのとした画風を目指しました。一見鮮やかですが、背景やうさぎのぬいぐるみにパステルカラーの優しい色合いを活かし、温かみを感じる一枚になっていますね。特にうさぎの耳の中や脚がマルチストライプになっているところからも、ファンタジーな雰囲気を感じます。

この作品を絵本のように感じさせているのは、背景が描かれているからでしょう。文字がまだ読めない子や、苦手な子でも本を楽しんでもらえるように、絵だけでストーリーを伝える為には、キャラクターの動きや周りの風景の様子を書き込んでいくことで、どんなお話かを想像することができるようになります。

今回藤澤さんが選んだモチーフはポール・スミスの布製のうさぎ、果物、折り紙だったため、風がそよぐ草原にレジャーシートを敷いて、うさぎがピクニックに来ているように見えますね。見る人によってはもっと他の物語が見えてくるかもしれません。

藤澤さんにも「油絵とても楽しいです!」とおっしゃっていただけて、なんだかこちらも嬉しくなってしまいました…!物語を感じさせる絵を描くには主役の動きや背景がどんな場所か、季節は、何時頃なのか…といった情報を入れることで、見る人がストーリーを自由に考えたり、感じ取ったりすることができます。皆さんも絵の中に情景を入れ、物語を思い描いてみてくださいね。

〜お知らせ〜 

ミオスは本日22日(木)~25日(日)まで、授業がお休みとなっております。間違えてお出でにならぬよう、お気を付けください。またそれに伴い、ブログもお休みさせて頂きます。

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自然を描く

2024-02-21 00:15:35 | 大人 油絵・アクリル


植松 油彩

目まぐるしい寒暖差に風邪をひきそうです、ナツメです。今回は日曜大人クラスの植松さんの作品を二つご紹介します!

まずは左の作品から。広大な草原には辺り一面に雪が積もっており、厚い雲が空に立ち込めています。草原にぽつんと一軒屋が佇む光景はまるで絵本のワンシーンのようにも感じられます。無彩色の白と灰色をメインに使い、葉の緑と木々の茶色以外には有彩色をほとんど使用せず画面全体の色数を絞ることで冬の閑散とした雰囲気が伝わってきます。遠景なので木々の一つ一つは小さく写っていますが、遠くの枝などの細部まで丁寧に描かれているため、しっかり見応えもあります。雲の表現も素晴らしいですね!明暗の差で強い遠近感を出すだけでなく、無彩色で濃淡の他に所々で青や紫を乗せたり差し色としてアクセントに黄色を入れることで色の重なりがより絶妙な加減になっていますね。曇天が多い冬ですが、この後雲が引いて青空に変わっていくのではないかという予感がします。

そして右は日没のサバンナ。先程の作品とは対照的に鮮やかな暖色を多く使い、太陽の光とシルエットのコントラストも強く描かれています。沈みゆく太陽により大地が明るくなっている部分を幾度も調節されていました。大地の色をただ明るくして塗れば良いというわけではなく、太陽の影響を受け、明るいながらも赤みがかった色になっている難しい箇所なのですが、試行錯誤を重ねられた末に色思わず目を細めてしまうほどの眩しさを感じさせる作品になりました。手前をほとんどシルエットで描いたため暮れていく空の色の変化が印象的です。

どちらも自然の雄大さやその場の雰囲気がひしひしと伝わってくる作品になりました。これだけの差があるので並べてみるとよりお互いの絵の良さが引き立って見えますね。植松さんは今までも各地の風景を描いて来られましたが、それらも一度並べて拝見してみたい!という興味が湧いてきます。

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穏やかな佇まい

2024-02-14 22:04:30 | 大人 油絵・アクリル


宇佐美 アクリル

ナツメです。本日は日曜クラスの宇佐美さんの作品をご紹介します!瓶に生けられた花と、周りの風景をアクリル絵の具で描かれました。

突然ですが、皆さんは絵を描いている時に見ている色や想定している色をそのまま乗せたはずなのにちょっと違うな、何故か浮いて見えてしまうなと思った経験はないでしょうか?色は周囲のものの色相や明度によって、本来とは違った見え方になります。例えば、一色の同じ灰色でも白と並べた時には暗く、黒と並べた時には明るく見えます。

特にアクリル絵の具は乾くのが早くほとんど滲まない画材なので、油絵具や水彩と違い少し色味を変えて他の色と馴染ませるといった作業が難しいです。今回は外からの光のみに照らされた、少し暗めの室内の様子を描かれたため色の作り方に試行錯誤されていました。たくさん悩まれただけあって、弱い光の中でもなお鮮やかなカーネーションのマゼンタや深みのある葉の緑など、少しずつ色を変えて巧みに表現され、総合して空間の雰囲気がとてもよく出ている作品になりましたね。瓶の屈折や反射も丁寧に描写されています!ちょっとした像の歪みまでも緻密に追っていて、思わずじっと眺めてしまうほどの仕事です。工業製品である瓶をしっかりと描かれているため、植物も生き生きとして見えてきます。ひっそりとこの空間を彩っている、静かで品のある佇まいが伝わってきます。

ぜひ今回の色作りや細部まで入念に描かれた経験を今後の作品作りに活かして下さいね!

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あざやかな色が持つ力

2024-02-08 22:17:37 | 大人 油絵・アクリル


赤松 左-アクリル/ 右-油彩

寒さにかまけて寝てばかりでは体に悪いと、散歩するようになりました。マユカです!歩いているだけでも絵の題材になりそうなものは見つかるものですね。さて今回は赤松さんの作品をご紹介していきたいと思います!

今回紹介する2枚は、共に鮮やかな色彩が印象的でありながら非常に立体的、奥行きを感じます。ビビットな色合いに影をつけようとすると濁って見えてしまうことがしばしばあるものですが、鮮やかな部分の周りに落ち着いた色を持ってきたり、がっつりと暗い色をのせることで、更にその鮮やかさを引き立てています。

左の絵ではその相乗効果を使い、色とりどりな布で着飾った象たちがメインであることが一目でわかりますね。像使いの人間も目立ちはしますが、全員が同じ色をしていたり、奥に見える城は細かく描かれているものの強い日差しに照らされて煌々と輝いているため、神々しい様子を持たせつつ目立ちすぎないように抑えられています。明度がくっきりとわかりやすく手数の多さからも、自然と象たちへと視線が吸い込まれていくのでしょう。

また、右の室内の絵の方も同じように、床にはライムグリーン、傍には赤、天井付近にレモンイエローを配置することで、ビビットな色面の多い床から天井へと視線が移っていきます。誘導されることにより、平面に描かれた空間の広さを感じさせ、長く見ていても飽きの来ない作品になっているように思います。

今までアクリルや色鉛筆で制作されていた赤松さん。左のインドの絵はパネルに水貼りした紙にアクリルで手慣れた制作の印象ですが、右は麻のキャンバスに初めての油彩です。勝手が違うので、少々画材に翻弄されたようにも見えました。
昭和の白黒写真を元に、自由に色を想像して乗せられました。白黒写真に想像で色を付けてここまで立体的かつモダンな雰囲気を感じるのは、赤松さんの色遣いや元の写真の家具や柱の配置にモンドリアンのようなセパレートがあるからでしょうか。
思い切った色をのせるとやはり画面が映えますね。はっと目が覚めるような色彩は扱いが難しいですが印象にも残りやすく、華やかな印象を与えてくれるものです。差し色に使ってみたり、輪郭の隙間にチラリとのぞかせてみるだけでも大分印象が変わるため、皆様も作品制作中に「全体的な色味が地味かもしれない」と悩んだ際にはぜひ、ビビットカラーやビタミンカラー・ネオンカラーを使ってみてくださいね。

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自分から見た景色

2024-02-07 23:59:29 | 大人 油絵・アクリル


香月 油彩

昨日、久しぶりの雪にはしゃいで手のひらサイズの雪だるまを作りました。ナツメです。本日は土曜大人クラスより香月さんの作品を2つご紹介します!

左の絵はお孫さんたち、右は奥様のいる風景を描かれました。どちらもその場所でのやり取りやご家族の感情までもが浮かんでくるような、香月さんが描くからこその臨場感のある作品になっています。

まずは左の作品。空や木々、そして隙間なく咲いているヒマワリの鮮やかな色が夏を感じさせます。お孫さんたちのコントラストが強く真夏の眩しい日差しを感じる一方で、奥の風景にはあまり明暗の差をつけないことで遠近感も出ています。私は花畑に行ったことがないのですが、これほど一面を埋め尽くすようにヒマワリが咲いている様子はさぞ壮観なのでしょう。背が高い植物なので、小さい子供から見たら余計に印象に残る風景になったのだと思います。そんなお孫さんたちの感銘まで背中から伝わってきます!

そして右の奥様を描かれた作品は、打って変わって少し大人びた色合いになっています。先ほどの作品では色遣いから夏の日差しや子供ならではのパワフルさも感じさせましたが、こちらは奥様の落ち着いた雰囲気が描かれていますね。どちらも晴天、花畑というシチュエーションですがこうも印象が違うのは、元の写真がそうだったからというだけではなく香月さんが描く対象に合わせてコントロールもなさっているのでしょう。ドアのパースも綺麗に取れており、自然物に囲まれた中で更に直線が効果的になっています。

どちらの作品にも、まるで私も一緒にこの場へ行ったかのように錯覚させるほどのリアルさがあります。制作中も、見た景色やそこに行くまでの道のり、ご家族との会話などを思い出されたのでしょう。愛がなければ描けない作品というのはこういうものなのだなあと、香月さんの記憶一つ一つを大切にされる心に、思いを馳せました。

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純度が高い作品

2024-02-03 17:23:09 | 大人 油絵・アクリル


山田 アクリル

岩田です。本日は、山田さんの作品をご紹介します。

こちらは、前回描いたフクロウに続く第二弾。
前回のフクロウはとてもキュートな印象でしたが、今回は、落ち着いた大人のフクロウといった感じ。自然の側からこちらの人間達の営みを只耽々と見つめているといった印象。

何と言っても、私はこれを描きたくて描いている、ってのが素直に伝わってくるんですね。
緻密に描けば描くほど技巧的になりすぎて、そのテクニカルな面に目が行ってしまうのですが、山田さんの描く絵はそうした類のものちょっと違う気がします。
描いているのだけれど、表面的ではない、生き物が待つ霊性のようなものが滲み出てくるかのようです。
それは多分、このフクロウを見た時の最初の強烈な印象を絵を描き終えるまで、ずっと胸に留めたまま描き切ったからでしょう。

決して小難しいことは考えておらず、ズバっと直球で入ってくる感覚。
画面も理路整然としていて無駄がない。展覧会で出品された粘土のゴマアザラシもそうですが、自分の心に限りなく正直だからこそ、作品の純度が高いのです。

これからも、自身の意思に只々素直に。描きたいものを描いて下さい。

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深みを増すための工夫

2024-02-01 22:55:40 | 大人 油絵・アクリル


置田 油彩

休みの日はいつにも増して布団から出られないマユカです!
本日は置田さんの作品をご紹介していきたいと思います。

前回1枚目の油絵からの成長が著しい2枚目の作品は、力強いまなざしをこちらに向ける男女。レコードジャケット?を見ながら描きましたが、そのままではなく、省いた部分やトリミングした場所(本当は二人の顔がきちんと入っていました)も多々あります。男性を思い切って見切ったことより、女性の顔が際立ち、強い光(白やペールトーンの色)を描かずとも影の濃さで、西洋の凹凸の多い顔が立体的に表現されました。女性のキッと見据えるような鋭い視線に、視線が吸い込まれていくようです。奥にいる男性も、身体が影で覆われるほど顔だけに強い光が当たっているように描かれているため、ホリの深さや鋭く力強いまなざしが強調されて見えてきます。
背景は黒のみではなく青緑をほのかに感じる色が混ざっており、単色には見えないところが素晴らしいですね。単色の背景はポスターのようになって圧迫感が出ることも多いのですが、置田さんの乗せた黒は手を差し込んで奥へ伸ばせそうな奥行きを感じます。シンプル故にメインの人物が引き立てられるような背景で、厚塗りによるリアルなタッチが際立ち、作品の魅力を更に増しているように思います。

写真と絵では、構図の作り方は似ているものの、色味や雰囲気といったものは、写真そのままに描き写すことがかなり難しく、色味や形にちょっとした差が必ず生まれてしまうものです。その差が温かみや奥行きを感じる深みのある雰囲気に繋がるのですが、全く同じような色を使うだけでは表現しきれないのが絵の難しい所ですね。意図して鮮やかな色を入れたり、反射光を作るなどすることで雰囲気を統一したり、ごちゃっとして見せないようにあえて省いたりと、全体の写真から絵に描きおこす為に、よりカッコいい・美しい・見栄えがする構成の絵作りが必要になってくるのです。

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現代版・赤富士

2024-01-31 23:01:00 | 大人 油絵・アクリル


坂本 アクリル

少しずつ日が長くなってきましたね、ナツメです。本日は月曜大人クラスの坂本さんの作品をご紹介します!

今回は葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」より『凱風快晴』をアクリルガッシュで模写されました。アクリルのビビッドな色合いが冴えていて目を惹きますね!

アクリルガッシュはムラなく綺麗にベタ塗りをすることができるのが特徴の画材ですが、逆にほとんど滲まない上にすぐ乾いてしまうためグラデーションを作るのにはかなり不向きです。今回赤富士の麓は水分を多めにすることで2色を馴染ませるように塗り、グラデーションだった雲には一度白を塗った上に影の色として水色を置くことで、画材の特性を活かしながら作品の本来の色味を損なうことなく表現されました。頂上から山腹までの色の変化もお見事です!

また、空や富士山も単色で塗るのではなく、ベースの色に少し暗さを足したり色味を変えて絵の具を重ねているので、空の色ひとつをとっても絶妙な色の変化を見てとることができます。浮世絵は大量生産するために木版画が多く、使う色ごとに版を分けて一枚の紙に重ねて印刷していました。そのため、一枚の画像だけを見ても、一見ベタ塗りのような色面にも木目によるインクのムラが確認できます。その上世に出ている数々の凱風快晴は、刷り師、紙、版などが少しずつ違っているため、実は画像によって随分と表情の差が現れるのです。そんなアナログな表情まで筆で描き切った坂本さんの技量に拍手!お手製の判子も加わって、「現代版・赤富士」が誕生しました。

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