モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

見下ろして見えてくるもの

2022-11-17 23:31:33 | 大人 デッサン


秦野 鉛筆

マユカです。今回は秦野さんの作品をご紹介します!

繊細な描写が目を惹くこちらのデッサン。布や鏡の直線を視線誘導に使い、構成されています。モチーフを上から見下ろしている構図になっていますが、これは実際に高い椅子に座って描かれました。元の形の先入観が邪魔をしてしまうため、形をとるのが難しい構図も自然な視点で表現されています。見下ろすことで、モチーフの一つである鏡を、布のように下に敷いても活かすことができ、立てかけて使った時とは違う表情を見せてくれています。

以前秦野さんが描いていらっしゃった水彩画は、優しく自然な光を感じる暖かな作品でしたが、今回のデッサンでも同じく優しい光を感じることができます。画面を構成しているメインモチーフはもちろんのこと、背景の布やモチーフの下に敷かれた鏡等、空間を構成する物の隅から隅まで丁寧な筆運びで描かれ、全体にしっかりと手を入れつつも主役である骸骨、ビン、植物の三つは特に細かく描きこまれているため、まるで写真のようなピントのつき方をしています。骸骨の石膏は、石膏特有の粉っぽさすら感じさせるほどのマットな質感の描きこみが素晴らしいですね。輪郭線をあまり描かずに、骨の入り組んでいる目元を表現しているためか、とても自然な雰囲気です。
ドライフラワーも、これは花でしょうか。穂の先の方にはぎっしりと詰まった花弁、よく見るとこの1枚1枚ですらしっかりと描かれています。ここまで描きこんでくると、線のようになってしまい、立体感が消えてきてしまうことが多いのですが、さすがは秦野さん。むしろしっかりと丸く、コロッとした印象の植物に仕上がっています。

デッサンを描く視点が変わると、普段とはまた違った表情が見えてきます。こういった見下ろす構図は「俯瞰(フカン)」というのですが、臨場感が生まれたり、空間を広く見せたりといった効果があります。その分描く難易度は上がってしまうのですが、挑戦してみる価値はありますので、皆さんも是非見下ろすような構図で作品を作ってみてくださいね。

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アクションペインティングのような下地を活かして。

2022-09-10 20:24:39 | 大人 デッサン


左 木村 / 右上 渥美 / 下 加藤 ー墨・カラメル色素・金泥・木炭・パステル・コンテ

岩田です。

以前、ゼミで墨汁やカラメル色素などを使って、スパッタリングやドリッピング、つまり液体を筆で垂らしたり、勢いよく筆で絵の具を飛ばしたりして遊んだ紙を下地として、鹿の骨や牛骨を描いた作品を3つ並べました。

下地として使った画材は同じですが、結果的に仕上がりに皆ちょっとづつ違いが見受けられます。とはいえ、3つとも2時間で描いているにも関わらずクオリティが高く、魅力的な絵になっています。
いつもは白い紙に黒い鉛筆で描いていくけれど、今回のような作品は、中間のトーンを作ってから黒い炭や白いチャコペン等で描いていくので通常のデッサンより時間短縮ができる上に完成度も高く見えるのです。

例えば渥美さんの作品を見ると、2時間で描いた以上に完成度が上がって見えるでしょう。
白から黒までのトーンが綺麗な上、下地が牛骨の明暗に丁度良く当てはまっています。スパッタリングでできたしぶきを上手に活かしていてカッコいいです。

加藤さんは、下地の上に主に墨で描いているので、どちらかというとラフな感じ。更に木炭によるハッチングも使っていますが、敢えてそのように着地させているのです。普段は、かなり突っ込んで描ける方なので、今までにないザクっとした仕上がりは、ご自身にとっても新鮮だったと思います。

木村さんは鹿骨を画面の中心に据えて描いている故に、どこかモチーフが象徴的、もしくは絵自体が宗教的な雰囲気を醸し出しているのが面白いところ。
細部を見てみると、鼻先に使っているちょっとしたチョークの使い方など上手いなあと思うところがありつつ、背景のコントラストがきついので、鹿骨が目立たないという点もあります。とはいえ、木村さんにとってもこういう描き方は初めてだと思うので、そのワクワクドキドキ感が伝わってくるようです。

所謂グレーデッサンと云われるものは、古くはダビンチなども描いていますね。
皆さんも画材屋でミューズコットン紙のような中間色の紙を買ってきて、今回のような描き方に是非チャレンジしてみて下さい!

映像で更に分かり易く解説しています。ユーチューブはこちら

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1年半の成果

2022-08-20 10:41:52 | 大人 デッサン


出町 鉛筆

岩田です。本日は出町さんの作品をご紹介します。

こちら人物スケッチなのですが、2021年1月から書き始めました。初めは、外国人が多い。その中でも突然現れる古今亭志ん生、とても味わい深く描いています。

一冊通してみても、上達していることは分かりますが、2冊目になるとそれぞれの人物の特徴を良く表現しています。
中には内容を詰めて描いているものもあれば、そこまで深追いしていないものまで様々。同一人物を3枚描いているものまで。

3冊目は一番最初に描いたであろうモデルをリベンジして描いているものまであります。比較してみても見違えますね。
こうした一つの行為をずっと続けるということは、大変なことであり、同時に非常に価値あること。近作は、人物としてとても自然に描けています。

そんな中でも僕が好きなのは、チャーチルと安田顕。互いに特徴は捉えているものの、やはり近作の安田顕の方が名前を見ずとも誰かは一目瞭然、1年半で確実に進化しているのが分かります。

また新作見せて下さい!

出町さんのYouTubeはこちら

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視点の遠近

2022-07-20 23:37:31 | 大人 デッサン


林 鉛筆デッサン

日焼け止めを忘れがちです、ナツメです。今日は日曜大人クラスの林さんのデッサンをご紹介します!

ドライフラワーのカサカサ感、固くてひんやりしている錫製の花瓶、ふわふわで軽めのミニフクロウなど、それぞれのモチーフの温度や重量感までが伝わってくるほど、本当によく観察してディテールまで緻密に描写されました。

奥に細かな描写が必要な色の濃いモチーフが置いてあったので遠近感を出すのが難しかったと思いますが、手前にいるフクロウの足を細く硬く描き、目の部分などにもかなり強い暗さを入れることで、白いモチーフながら後ろの花瓶との遠近感を出しています。

そして今回のデッサンのもう一つの工夫は、布を描いていることです。普段はモチーフを置いている椅子の木目を隠すために白い床として布を敷いているため、描く対象としては扱わず質感の表現もしません。ですが今回は敢えて布の折り目や起伏まで描かれたため、同じ台上に置いてあるモチーフ同士を繋げる役割を果たしており、空間までも非常に良く表現されています!

デッサンで描き込みをしていくと、描いていたモチーフがシールを貼り付けたようなペラペラの平面に見えてきてしまうことがあります。今回林さんも「ステンレスの花瓶の光が、立体的にならずストライプ模様に見えてしまう」と悩まれていたのですが、実は目が良く注意深く観察して描こうとしている人ほど起こりやすいのです。

これは映り込みやラベルの印字や木目など、目に見えているものを出来る限り描こう!と思っている内にモチーフ全体から意識が逸れていき部分のみを見てしまうため、段々ものとしての立体感が損なわれてしまう現象()です。1番はじめにつける立体に沿った陰影(ベース)をもう一度思い出して、その場所にあった明暗を取り戻すことで大抵の場合良くなります!

もちろんデッサンだけではなくその他の絵を描く時も、一つの場所を注視していると離れて見た時に意外と良くならないな、となることが多々あります。受験生にはよく「とにかく沢山立って離れて見ろ!」などと指導したりもするのですが、定期的に絵全体を見ることを心がけてみると見えてくるものがあるかもしれませんよ!

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ベース作りから始めるデッサン

2022-06-25 21:37:24 | 大人 デッサン


左 當山 / 右 加藤
カラメル色素・墨汁・チャコールペンシル・木炭・コンテ・鉛筆・パステル・色鉛筆・アクリル絵具

 

岩田です。今回は、加藤さん、當山さんの作品をご紹介します。

これは鹿の骨、レンガなどを構成し描いたものですが、當山さんが最初にモチーフを組んで描いたものに加藤さんが触発され、同じようなモチーフを組みました。
見て分かるように、こちらは普通のデッサンとは違います。砂糖を焦がして作るカラメル色素という液体に水を加え、木炭紙大画用紙に撒いたり、垂らした後に画面を傾けて流す等の行為により、液体が醸し出す偶然性を使って素地を作りました。そしてその上から白やグレーのコンテ、チャコペンを使ってモチーフを描いた作品です。
こうした描き方は、古くはデューラーやミケランジェロなどが描いているグレーデッサンを元にしています。

互いの絵を比べてみると、當山さんは引きの構図で捉え、加藤さんは近づいて描いている。
當山さんはモチーフに対して若干余白が間抜けに見えるかなという印象。背景に色を付けてはいるが、それが薄いぶん背景の移り変わりが物足りなく見える。偶然性による濃淡がもっと顔を出しても良いでしょう。
一方加藤さんはモチーフをクローズアップして描いているぶんインパクトはある。画面の中の色幅もあるのでモチーフの中の微妙な色調が表現され、質感へのアプローチに繋がっている故に見ごたえのある絵になっています。骨の形体やレンガの重量感も良いですね。

今後の課題として、當山さんは、画面に対してのモチーフの大きさ、入れ方、アングル。加藤さんは一枚の作品としての説得力、魅力を、ここまで描けるからこそ更に追求して欲しい。そしてこちらも期待をしているのです。

7月16日の土曜日に勉強会を行います。
当日は、今回ご覧頂いたように、木炭紙大画用紙にカラメル色素、墨などを使ってモチーフを描く為のベースを作って貰い、同時に私の受験時代の絵を教材にしながら、モチーフの配置の仕方、視点の誘導のさせ方、主役脇役の作り方、メリハリの付け方といった絵の構造を中心に解説をします。
ご都合が合いましたら是非ご参加下さいね。

一昨日ご紹介した高校生も、お二人の絵に触発され、同じ技法で描いています。こちらも合わせてご覧ください!

YouTubeはこちらです

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素直な視点

2022-05-14 19:54:03 | 大人 デッサン


王 油彩

岩田です。今日は王さんの作品を紹介します。

ご覧頂いている花とコーヒーカップの油彩。王さん一枚目の油彩でが、実に良く描いています。モノに対する観察眼が素晴らしい。モチーフの形状、色など本当に良く見ていると思います。

油絵具は最初は扱いがとても難しいと思うのですが、コーヒーカップの縁の描き方にも繊細な表現が見て取れます。楕円も狂いやすいのですができる限り形を整えるように描いており、布に落ちるソーサーの影も綺麗です。

ガーベラの其々の色を良く捉えていると共に、二段で咲いている花弁が折り重なる影色もとても良いです。葉っぱや他の花も同様に観察しています。対象をとても素直に捉えていて、描き方にも破綻がありません。
しいて言えば、垂れている布が広げると四角形ということを意識して描いて欲しいというところはあります。とはいえ落ち着いた佇まいの良い作品です。

次に描く作品もこうした素直な視点で描いて欲しいと思います。

ユーチューブはこちらをご覧ください。

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安らぐ微笑み

2022-04-27 23:16:08 | 大人 デッサン


三原 鉛筆

慌てて夏服を引っ張り出してます、ナツメです。今回は水曜大人クラスの三原さんの作品をご紹介します!

優しい笑顔が印象的な鉛筆画。おばあさまに渡すために描かれたそうで、困ったような眉毛とにっこり笑った口元から覗く歯がとってもチャーミングです。 

紙の目を残して素朴な雰囲気を出しつつ全体を暗めのトーンにしていて、その中での少しずつの陰影の差を繊細に読み取って描いているためコントラストが弱めになりふわっとした柔らかな印象に繋がっています。また、その中でも体の下の方にさらに暗さを置いており安定感が出ています。安定感というと絵に関しては避けられることが多いのですがこの絵の場合はゆったりと構えている重さを感じ、どこか安心させてくれるような表現になりました。着ている浴衣もゆとりがある分、布が余って大小のシワが多くなり少し着崩れている様子が描きづらいところを浴衣に入っているストライプの模様を上手く使い、布の起伏に沿った形を丁寧に描写することで立体感により説得力を持たせています!

私事になりますが、つい先日祖母が自宅に遊びに来た時に、小学生の頃にアトリエで描いた油絵を待ち受けに設定してくれているのを発見しました。三原さんの作品もきっと喜ばれることと思います。おばあさまにとって宝物になること間違いなしです!

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2人の女性

2022-02-15 23:42:51 | 大人 デッサン


竹永 鉛筆

学外展無事終了致しました、一平です!本日は日曜クラスの竹永さんのデッサンをご紹介します。

写真を参考にしながら描かれたこちらの2枚、どちらも寝そべっている女性の絵ですが、左は優しい笑顔の朗らかな雰囲気、右は強いライティングが当たり、グッとこちらを見つめている力強い雰囲気で、並べて見てみるとその2枚の差異が面白いですね。
左の女性は全体的に柔らかいトーンでまとめられ、日光を浴びているかのような暖かい印象を覚えます。シーツの上や草むらに寝っ転がっている様にも見えますね。
右の女性は強くハッキリとした光を当てることで、頬のラインがしっかりと見え何にも屈しない逞しさを感じます。強い光を感じるのはしっかりと暗い影があるから、とたまに生徒さんにも言いますが、この右の絵はそのお手本の様な作品です。しっかりと髪の毛や背景の上部に暗さを持ってくることで肌の明るさが際立つのです。受験生がやる様なデッサンではあまり見られない光量ですが、しっかりと黒を付けられずに絵がやわやわになってしまう受験生に見せてあげたい作品です。

普段は絵を描く際の基礎、練習としてやる事が多いデッサンですが、かの有名なダヴィンチのデッサンは13億円の価値がついたそう。つまり油絵や日本画などと同じくらいまだまだ奥が深いということ13億とは言わずとも、練習としてではなく、作品としてデッサンを学び深めていくのも、解答が決まっていない美術の世界では1つの正解と言えるでしょう!

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アリアスとアリアス

2022-02-09 23:46:49 | 大人 デッサン


石膏像アリアス鉛筆デッサン 左 加藤 / 右 佐原

寒すぎてほとんど外出していません、ナツメです!大人クラスから2枚の石膏デッサンをご紹介します!

石膏像は観察・描写力が問われるシビアなモチーフで、例えばポットならどんなに曲がっていても「ポットを描いたんだろうな」と思ってもらえますが、人物は全てのパーツがそっくりでも位置がちょっとズレるだけで他人の様に見えてしまいます。また、描いている内に像を大きな一つの立体として捉えることを忘れてしまい、ついつい段々髪の毛や顔面などのパーツごとに見えた情報ばかりを追って全体の陰影がばらばらになってしまいがちです。今回お二人はそんな難しーいモチーフから逃げずに立ち向かって鉛筆を重ね、描写も質も素晴らしい作品になりました!

左の加藤さんのデッサンは、白い石膏像ですがこれだけ濃く色を入れたおかげでずっしりとした重さを見事に表現していますね!移動させる時には2人がかりで運ぶのですが、確かにこれくらいの重量だな、という実感が湧いてきます。髪より凹凸が少ない胸部なども、鉛筆はしっかり乗せつつ情報量を描き分けられています。

そして石膏像自体は全体的に明るめな佐原さんのデッサンですが、背景を暗くしたことで石膏像に入っている中間色がとても美しく見えますね!それだけではなく光が当たる側の背景は暗く、当たらない側は明るくと陰影の差がつけられているので、それによって明暗が強調される相乗効果が生み出されていることにも感服です。

加藤さんの通われている日曜クラスは朝、佐原さんの月曜クラスは夜に授業があるのですが、お二人のデッサンを並べてみると、時間帯や光などの環境まで見えてくるようで興味深いですね。今回磨かれた観察力と描写力が今後の作品にどう活かされるのか、胸が膨らみます!

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絵の基本、やはり奥が深い!

2022-01-18 23:14:09 | 大人 デッサン


左 - 林  /  右 - 石川

年始一発目です、一平です!本日は日曜クラスの林さんと、水曜クラスの石川さんお二方の鉛筆デッサンをご紹介します。

まずは林さん、ウサギのぬいぐるみが可愛らしいですね。かと思いきや手前の方には重たい石がモチーフのギャップが強く、とても面白い構図ですね。山羊の家族を食べてしまった狼が、生き残った山羊に石をお腹に詰められてしまう童話を思い出しました。基本的にデッサンは、その人本人の画力や、基礎を見るために描かれることが多いですが、このデッサンはなんだかストーリー性を感じてとても印象に残ります!もちろん質感の描き分けや手前と奥の関係性などもしっかりと感じられます。ウサギなんかは耳と足裏にカラフルなボーダーがプリントされているとても複雑な色味と質感を持った難しいモチーフですが、初めて見た人にもどのようなウサギなのかが伝わります、素晴らしい!

続きまして石川さんの作品、先程のウサギのような可愛らしいモチーフはなく、ドスンと無骨なブーツを一足。潔い構図でとてもカッコいいです。黒いものが二つ、という手前奥が感じづらく少し難しいモチーフですが、見事に描き切っております。手前のつま先部分は6Bをゴリゴリと描いているのを我々も目撃していました。そのおかげでしっかりと手前にグイッと見えてきます。3Dと言っても過言ではありません。奥の靴も黒ではあるけども、奥だから描きすぎると全体が見えにくくなってしまう、でも描かなすぎると黒いブーツに見えないという難しいラインをキッチリとクリアしています!玄関先に飾れそうなくらい存在感のある一枚です!

お二人に共通するのはミオスの最初の基礎デッサンを終えた後も、鉛筆デッサンを続けていらっしゃる所。基礎デッサンを終えると油絵や水彩、日本画に挑戦する方が多い中、デッサンを続け、絵の基本を理解しようとする意欲にはいつも脱帽です
お二人共かなりモチーフの特徴を捉えられています。ここで培った基本がデッサンはもちろん、他の手法を試した時にも必ず役に立ってきます!

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主役はどっち?

2021-12-17 20:35:47 | 大人 デッサン


米本 鉛筆

大竹です。本日ご紹介させて頂くのは米本さんのミオスでの最後の作品です。
米本さん私物のボクササイズのグローブを描かれましたが、主役はどちらのグローブか分かりますか?

ヒント1 構図
ヒント2 描き込み
ヒント3 焦点

…どうでしょう、分かりましたか?正解は左側のグローブです。制作前半は右側のグローブの方が書き込む要素も大きく、上に重ねているのもあって主役にしたい左側のグローブが埋もれてしまっていました。そこで、右側の背景の明るさを落とし、指で擦ってコントラストを弱めたりして目立ち過ぎない様に抑えました。逆に、左側は濃い黒、明るい白を隣り合う様にバリバリと入れ、存在感を強くしています。主役を引き立たせる為に様々なテクニックを使い、全力で描き切っています。また、革のクタッとした部分と、パンパンに張っている部分の対比も見事に描かれており、紐のくたびれた感じからグローブの使用感も伝わってきます。米本さんのモチーフに対する愛着が作品のクオリティに表れていますね。ここまで描き切るのは大変な作業だったかと思います、お疲れ様でした…!

鉛筆デッサンに限らず、絵画制作では見たものをただそのまま描くのではなく、そこからもう一歩先に踏み込む必要があります。主張したい物はどれなのか?それをどう見せたいのか?そして、演出する為にどんな事をすれば良いのか?制作中にどうも迷走してしまう…という方は、まずは制作前にじっくりと考え、エスキースを重ね、計画を立てて進行していくと良いでしょう。

オマケ 水曜午前クラスの忘年会にお誘い頂きました。私と小原先生はご馳走になってしまいました。いつもお昼にお弁当を買っているお店だったのですが、中には初めて入りました。今年最後の授業日に皆さんと色々とお話し出来て楽しかったです。皆様ありがとうございました!

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グレーの世界

2021-11-29 23:26:46 | 大人 デッサン


三原 グレーデッサン/コンテ・チャコールペンシル・パステル - グレーのボード

お久し振りです!グレーデッサンの話題を繋げようということで、月曜ですが一平です!卒業制作に没頭する為、1ヶ月もお休み頂きありがとうございました!
本日は、先週末の岩田先生の記事に続き、水曜クラスの三原さんのご紹介をします。

岩田先生の説明に少し加えさせて頂きますが、グレーデッサンが普通のデッサンと1番違う、かつ勉強になる部分は「光を描ける」というところでしょう。普段のデッサンは白い紙の部分が1番明るい部分になります。つまり描いていない所が1番明るいのです。
ですがグレーデッサンはベースがハーフトーンなので、「光を描く」という普通のデッサンとは違う感覚が味わえるのです。言い方を変えると既に中間色を塗っているような状態なので、形を取って暗い部分と明るい部分だけ塗ればそれなりに見えてくるというのも、中々面白い特徴かなと思います。

その点、三原さんの今回の作品は手数は少ないですが形がしっかり取れているので存在感、色の雰囲気などが伝わってきます。グレーの中に黒い布でしっかりと暗さを作っているので、レンガやウクレレなど中間色のモチーフが多い中でも白けて見えません。むしろ黒い布のお陰でよりはっきりと見えてきますね。黒い布と影以外は実はそこまで描いていませんが、立体感や実在感を感じられます。つまりグレーデッサンのコツを掴んでいるという事!
ちなみに言い方をめちゃくちゃ悪くすると、『サボるのが上手い人が得をする』のがグレーデッサンです!勿論悪い意味ではなく、ここを描けばそれらしく見える、という「モチーフのポイント」を見定める力が、グレーデッサンを通じて三原さんに身に付いたのではないかと思います!普段のデッサンにも活かしてくださいね〜!

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グレーデッサンを描く

2021-11-27 23:05:14 | 大人 デッサン


當山 グレーデッサン/コンテ・チャコールペンシル・パステル - 左は墨で塗った紙をパネル貼り、右は灰色のミューズコットン紙を揉み紙にしてパネル貼り

土曜日といえば私、岩田です。今回は、土曜午後クラスの當山さんのグレーデッサンをご紹介します。

グレーデッサンは、一般的な白い画用紙に鉛筆と練り消しを使って描いていくデッサンとは異なり、中間色のミューズコットン紙などにチャコペンやコンテなどの白と黒の描画材を使って描くデッサンです。
描く紙はニュートラルな明るさであれば良いので、グレーの紙だけではなく、赤や青、茶色といった紙を使っても良いのです。

通常のデッサンは白に暗さを足していく作業。グレーデッサンは中間色に明るさと暗さを足していく作業です。
一見、仕上げるのにとても時間がかかりそうですが、意外にグレーデッサンの方が進みが早いです。とはいえ、いつものデッサンに慣れていると、最初は進めるのに少し苦慮するかもしれません。

當山さんが今回描いたグレーデッサンは2点。以前描いたものを含めると4点ではありますが、モチーフの質感表現がとても素晴らしいです。
※前回ご紹介した當山さんのグレーデッサンも、どうぞ合わせてご覧ください。こちら

アマゾンの顔を描いたものも良いですが、静物のランタンに細工された模様の凹凸や葡萄の艶を帯びた表情は中々のもの。いつも柔軟な思考で描画材を扱う當山さんならではです。
ここまで描くことができれば、次は剥製などの更に複雑なモチーフを描いても良いかもしれませんね。

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ユーチューブ配信

2021-10-09 18:58:41 | 大人 デッサン

土曜日の男、岩田です。
先日、土曜午後クラスで欠席の方が多かったので、生徒さんのモチーフをお借りし、約1時間ほどかけて、デッサンのデモンストレーションを行いました。
紙風船と、青いラインの入ったコットンの布のモチーフを、鉛筆デッサンしています。
早送り(+サイレント)ではありますが、どのように描き進めるかのコツが覚えられると思います。
小原先生に褒められましたが(笑)、最後まで崩れない姿勢と、描いている手元よりモチーフを確認する方が多い様子もお分かりになるかと思います。早送りなので、何百回も鶏のように首を動かしているのが見てとれるでしょう。
小手先のテクニックや、記憶で描けるといった自信に頼らず、モチーフを見ている視線の場所を変えず(頭を固定)、しっかり何度も観察・確認することが最も大切と意識して制作されていってください。

ユーチューブはこちら

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黒鉛パラダイス!

2021-10-05 22:02:31 | 大人 デッサン


左 杉本  /  右 石川

昼間は暑いんですよね〜一平です!本日は水曜夜クラスの杉本さんと石川さんのデッサンをご紹介します!

左の杉本さんの作品、そもそも上手いのは勿論のこと、デッサンの「上手く描く、よりも情報を描く」というポイントからとても良いですね。アルミホイルはアルミらしく見えること、コップの透明さ、紙テープに関しては色彩まで感じます。色々反射しているアルミホイルの上に透明のコップを置いて、透明性をアピールする構図もよく考えられています。初めてこの絵を見た人のほとんどが、この絵を見ても何が置かれていてどんな色だったのか、というのが伝わると思います。受験生の子達に見せてあげたいくらい質感や色味の描き分け、情報が伝わりやすい構図の作り方など、どれをとっても素晴らしい!白黒しか使えないデッサンにおいて色彩を感じさせるというのは中々出来ることではありませんし、画力の高さも感じます。ここまで描けるのであれば、次は素材感の描き分けというよりも、ぬいぐるみや楽器や牛骨など是非ちょっと変なモチーフに挑戦して頂きたいですね。変なモチーフは普通に生きていたら中々触れない物が多く、「情報」を描くのが難しいのですが、今までのデッサンとはまた違った所が沢山で楽しいと思いますよ!

続いて右の石川さんの作品、杉本さんの作品とはうって変わってなんだか童話の挿絵のようなメルヘンな雰囲気です。可愛いウサギの左足が鎖で繋がれているのがなんだが風刺的な気がしないでもありませんが。柔らかいぬいぐるみのウサギと硬い鎖の質感の差が見ていて気持ちがいいですね!たった二つのモチーフで空間を出すのが難しかったかと思われますが、鎖を手前に置き、奥に行くにつれウサギに絡まっていくことでモチーフの一体感も出しつつ、空間も演出しています。こういった構図の作り方は他のものでも応用できるので頭の片隅に置いておいて欲しいと思います!僕の中で石川さんはいつも落ち着いて優しく笑っている「THE・余裕のある大人」なのですが、そんな石川さんがこのような可愛らしい雰囲気のデッサンを描かれるというギャップから、水彩や油絵を描いたらどうなるんだろうと気になりまくりです。是非一度挑戦してみて欲しいです!

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