モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

グレーの世界

2021-11-29 23:26:46 | 大人 デッサン


三原 グレーデッサン/コンテ・チャコールペンシル・パステル - グレーのボード

お久し振りです!グレーデッサンの話題を繋げようということで、月曜ですが一平です!卒業制作に没頭する為、1ヶ月もお休み頂きありがとうございました!
本日は、先週末の岩田先生の記事に続き、水曜クラスの三原さんのご紹介をします。

岩田先生の説明に少し加えさせて頂きますが、グレーデッサンが普通のデッサンと1番違う、かつ勉強になる部分は「光を描ける」というところでしょう。普段のデッサンは白い紙の部分が1番明るい部分になります。つまり描いていない所が1番明るいのです。
ですがグレーデッサンはベースがハーフトーンなので、「光を描く」という普通のデッサンとは違う感覚が味わえるのです。言い方を変えると既に中間色を塗っているような状態なので、形を取って暗い部分と明るい部分だけ塗ればそれなりに見えてくるというのも、中々面白い特徴かなと思います。

その点、三原さんの今回の作品は手数は少ないですが形がしっかり取れているので存在感、色の雰囲気などが伝わってきます。グレーの中に黒い布でしっかりと暗さを作っているので、レンガやウクレレなど中間色のモチーフが多い中でも白けて見えません。むしろ黒い布のお陰でよりはっきりと見えてきますね。黒い布と影以外は実はそこまで描いていませんが、立体感や実在感を感じられます。つまりグレーデッサンのコツを掴んでいるという事!
ちなみに言い方をめちゃくちゃ悪くすると、『サボるのが上手い人が得をする』のがグレーデッサンです!勿論悪い意味ではなく、ここを描けばそれらしく見える、という「モチーフのポイント」を見定める力が、グレーデッサンを通じて三原さんに身に付いたのではないかと思います!普段のデッサンにも活かしてくださいね〜!

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グレーデッサンを描く

2021-11-27 23:05:14 | 大人 デッサン


當山 グレーデッサン/コンテ・チャコールペンシル・パステル - 左は墨で塗った紙をパネル貼り、右は灰色のミューズコットン紙を揉み紙にしてパネル貼り

土曜日といえば私、岩田です。今回は、土曜午後クラスの當山さんのグレーデッサンをご紹介します。

グレーデッサンは、一般的な白い画用紙に鉛筆と練り消しを使って描いていくデッサンとは異なり、中間色のミューズコットン紙などにチャコペンやコンテなどの白と黒の描画材を使って描くデッサンです。
描く紙はニュートラルな明るさであれば良いので、グレーの紙だけではなく、赤や青、茶色といった紙を使っても良いのです。

通常のデッサンは白に暗さを足していく作業。グレーデッサンは中間色に明るさと暗さを足していく作業です。
一見、仕上げるのにとても時間がかかりそうですが、意外にグレーデッサンの方が進みが早いです。とはいえ、いつものデッサンに慣れていると、最初は進めるのに少し苦慮するかもしれません。

當山さんが今回描いたグレーデッサンは2点。以前描いたものを含めると4点ではありますが、モチーフの質感表現がとても素晴らしいです。
※前回ご紹介した當山さんのグレーデッサンも、どうぞ合わせてご覧ください。こちら

アマゾンの顔を描いたものも良いですが、静物のランタンに細工された模様の凹凸や葡萄の艶を帯びた表情は中々のもの。いつも柔軟な思考で描画材を扱う當山さんならではです。
ここまで描くことができれば、次は剥製などの更に複雑なモチーフを描いても良いかもしれませんね。

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ユーチューブ配信

2021-10-09 18:58:41 | 大人 デッサン

土曜日の男、岩田です。
先日、土曜午後クラスで欠席の方が多かったので、生徒さんのモチーフをお借りし、約1時間ほどかけて、デッサンのデモンストレーションを行いました。
紙風船と、青いラインの入ったコットンの布のモチーフを、鉛筆デッサンしています。
早送り(+サイレント)ではありますが、どのように描き進めるかのコツが覚えられると思います。
小原先生に褒められましたが(笑)、最後まで崩れない姿勢と、描いている手元よりモチーフを確認する方が多い様子もお分かりになるかと思います。早送りなので、何百回も鶏のように首を動かしているのが見てとれるでしょう。
小手先のテクニックや、記憶で描けるといった自信に頼らず、モチーフを見ている視線の場所を変えず(頭を固定)、しっかり何度も観察・確認することが最も大切と意識して制作されていってください。

ユーチューブはこちら

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黒鉛パラダイス!

2021-10-05 22:02:31 | 大人 デッサン


左 杉本  /  右 石川

昼間は暑いんですよね〜一平です!本日は水曜夜クラスの杉本さんと石川さんのデッサンをご紹介します!

左の杉本さんの作品、そもそも上手いのは勿論のこと、デッサンの「上手く描く、よりも情報を描く」というポイントからとても良いですね。アルミホイルはアルミらしく見えること、コップの透明さ、紙テープに関しては色彩まで感じます。色々反射しているアルミホイルの上に透明のコップを置いて、透明性をアピールする構図もよく考えられています。初めてこの絵を見た人のほとんどが、この絵を見ても何が置かれていてどんな色だったのか、というのが伝わると思います。受験生の子達に見せてあげたいくらい質感や色味の描き分け、情報が伝わりやすい構図の作り方など、どれをとっても素晴らしい!白黒しか使えないデッサンにおいて色彩を感じさせるというのは中々出来ることではありませんし、画力の高さも感じます。ここまで描けるのであれば、次は素材感の描き分けというよりも、ぬいぐるみや楽器や牛骨など是非ちょっと変なモチーフに挑戦して頂きたいですね。変なモチーフは普通に生きていたら中々触れない物が多く、「情報」を描くのが難しいのですが、今までのデッサンとはまた違った所が沢山で楽しいと思いますよ!

続いて右の石川さんの作品、杉本さんの作品とはうって変わってなんだか童話の挿絵のようなメルヘンな雰囲気です。可愛いウサギの左足が鎖で繋がれているのがなんだが風刺的な気がしないでもありませんが。柔らかいぬいぐるみのウサギと硬い鎖の質感の差が見ていて気持ちがいいですね!たった二つのモチーフで空間を出すのが難しかったかと思われますが、鎖を手前に置き、奥に行くにつれウサギに絡まっていくことでモチーフの一体感も出しつつ、空間も演出しています。こういった構図の作り方は他のものでも応用できるので頭の片隅に置いておいて欲しいと思います!僕の中で石川さんはいつも落ち着いて優しく笑っている「THE・余裕のある大人」なのですが、そんな石川さんがこのような可愛らしい雰囲気のデッサンを描かれるというギャップから、水彩や油絵を描いたらどうなるんだろうと気になりまくりです。是非一度挑戦してみて欲しいです!

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ドアを開け放て

2021-07-10 00:26:39 | 大人 デッサン


大西 鉛筆デッサン

岩田です。今日は本当に暑い一日でした。

今回は土曜午前クラスの大西さんのデッサンをご覧頂きます。
近年、一貫してデッサンに拘って描き続けているだけに表現力を増しています。

たかだか鉛筆と消しゴムというシンプルな描画材のみで紙にアプローチし、モノに迫っていく行為は単純でありながらもそこはかとなく深い。
それは徹底した観察により、如何にそのモノのと自分が同化できるかだと私は思います。
更にそれは、そのモノの声を聞くとか、そのモノになり切るという言葉でも表現できるでしょう。

人はモノと対峙する時、自分の経験を元にこうであろうとある種決めつけてそれを認識しようとする傾向にあります。思い込み、観念と言っても良い。
デッサンという行為は、その思い込みを如何に取り払うことができるかが鍵です。
自分をフラットにしてドアを全て開け放った時、眼前のモノと自分の距離は0になるどころか、一体となっていくのです。

自身、モチーフ、描画材、画面との対話の中で、一つの確固たる世界が構築されていきます。

とはいえ、3次元を2次元にリアルに表現するためには、そのように描く為の「理論」も必要だといういことも忘れないでください。

大西さんのデッサンも、モチーフと自身の距離がだいぶ縮まってきたと感じます。でもまだまだ行けます。これからもっとその距離を縮ませて欲しいと思います。その扉を更に開け放ちましょう。

来週の土曜クラス・日曜クラス・月曜クラスは、お休みです。お間違えのないよう、お気を付けください!

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それぞれの金属

2021-07-07 22:47:40 | 大人 デッサン


左 釘宮  /  右 松下  共に鉛筆デッサン

いつの間にか1年も半分が過ぎてしまいましたね、ナツメです。
今回は日曜クラスからお二方のデッサンをご紹介します!

お二人とも体験の時のものを含めると4枚目のデッサンになります。
アトリエでは学生クラスと大人クラスに入会された方には、まず
3枚のデッサンを描くことをお勧めしています。体験時の絵+入会後の2枚は、全てこちらがモチーフを指定しているのですが、最後の4枚目では生徒さんに『金属でできた工業製品』を1つ選んでいただき、講師がそれに合わせて他のモチーフを選んだり、全て生徒さん任せでセットを組んで頂いたりしています。
単に金属と言ってもツルツルしていて鏡のように反射するものから、錫や鉛のように表面の反射が鈍く他との質感の描き分けが難しいもの、ナイフのように細くて軽めのものもあれば、小さいのにずっしりと重い密度のものまで幅広く用意してあるので、今回の
2枚の様に選んだ金属製品によって合わせるモチーフ、構成も大きく変わってくるのがこのデッサンの面白いところです。

今回釘宮さんが選ばれたのはアルミで出来た、イタリア製エスプレッソメーカー。反射が少なく形も難しいものですが、八角形のエッジが強調されており、また、周りのモチーフの曲線と工業製品ならではの直線の対比によって金属の硬質さや冷たさが伝わってきます。ボールのレタリングや縄目を見ると、モチーフへの観察量も伺えます。

そしてうさぎが可愛らしい松下さんのデッサン。こちらは大きく動きを変えられる鎖を選ばれていますね。一つ一つ、うさぎの脚に巻かれた時の形やチェーン特有の影の形まで丁寧に描かれているので、手前から奥へのゆったりとした流れがわかりますね。コーラ瓶のぎゅっとした暗さで画面全体も引き締まっています。

今回基礎のデッサンが終わったので、次作からは好きな画材に挑戦です。釘宮さんは透明水彩・松下さんは油彩にチャレンジされるようですよ。どんな作品を描かれるのか、楽しみにしています!

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安定した力で。

2021-06-19 21:43:02 | 大人 デッサン


殿山 鉛筆

岩田です。今回は土曜午前クラス、殿山さんのデッサンをご紹介します。

昭和40年代生まれの私にとって、この黒電話は正しく定番のかたちのもので、全く同じ型のものを我が家でも使っておりました。
使い込まれ、何とも言えない味わいを醸し出しているこの電話機。殿山さんのデッサンからも味わい深い雰囲気がにじみ出ています。

描き出しから完成まで、客観的な視点をちゃんと持ち合わせている。非常に安定した力をお持ちです。
あらためて見るとかなり複雑な形状のプロダクトですが、細かいニュアンスまで卒なく且つ丁寧に追っているのが見て取れますね。

どちらかというと端っこから描きをされるのですが、しっかり最後には辻褄を合わせてくる。とはいえ全体的に徐々に進められると、更に無駄なく合理的に、尚且つ早く描くことが可能でしょう。
ちょっと手間がかかりそうですが、このモチーフを透明水彩でも描かれると良いなぁなんて私的には思っています(笑)。

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鉛筆の世界

2021-02-02 21:55:48 | 大人 デッサン


左 渥美 / 右 古波蔵

髪をマフラーにしてます、一平です!本日は日曜クラスの渥美さんとチケット制の古波蔵さんお二人のデッサンをご紹介します!
まず、お二人に共通して言えるのはとても丁寧にモチーフの表情を読み取っていく所でしょう。デッサンから伝わってきますね。金属とリボンの硬度の違い、浜辺に落ちている貝殻とその辺に落ちている石の色味の違い。現実では当たり前のように見えるその差異が鉛筆で描写しようと思うと、ズシっとした金属が軽く見えてしまったり、貝殻の繊細な色味が汚れてしまったりと色々な関門にぶち当たります。こればっかりは描いてみないと体験できない悩みだと思います。ですが、そんな難しい関門を突破し描き切ったお二人には素晴らしい観察力が身についたと思います。

渥美さんのデッサン、まず金属の花瓶の重厚感が目に入りますね。くすんだ金属の独特の光沢がよく描写してあります。生けてある花も丁寧に描かれていて画面から彩りを感じさせてくれます。ですが、この2つのモチーフだけだと絵が重たく見えてしまうのでリボンという軽やかなモチーフを加える事で全体のバランスを取っており、デッサンとして見やすくなっています。描写力ももちろん素晴らしいです!
古波蔵さんのデッサン、テーマは潮干狩りでしょうか。薄くて繊細な模様を持つオウムガイを主たるモチーフに据えているチャレンジ精神に怠け者の僕はまず感服してしまいます。そして周りに黒い石や熊手を配置して濃いモノの中の薄いモノ、という関係性を作る事でオウムガイという繊細なモチーフが主人公でも絵として弱々しくならず、金属がメインの渥美さんのデッサンと並べても同等の迫力が演出されています。中々出来ることではありません、凄い!

モチーフの質感の描き分けはそのまま観察力のレベルアップに繋がっています。そこで養った観察眼は絵を描く上でとても重要です。モノを見る力=描写する力であり、絵の基礎となる部分なのでしばらくデッサンやってない方もたまには鉛筆に触ってくださいね!

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爽やかな空の下

2020-12-01 22:30:28 | 大人 デッサン


矢作 油彩( F10号)

12月は忙しいですね、一平です!本日は水曜大人クラスの矢作さんの油絵をご紹介します!

鮮やかな空の下の穏やかな街の雰囲気が、見てるこっちまで和やかな気分になります。「平和な昼下がりの午後」感がとても素敵で、ご本人の誰にでも分け隔てなく接してくれる優しい性格が反映されているように思います。矢作さんの暖かさを感じる絵ですね。

ちなみに、元の写真は小原先生がアラサーの頃、ドイツに1ヶ月くらい旅行に行った時のお写真。途中、ルクセンブルグに住むご友人と落ち合い、1週間程行動を共にしていたらしく、その時にご友人が撮った写真らしいです。

このハン・ミュンデンという町には、木組みの家が建ち並んでおり、ヴェーザールネサンス様式と呼ばれる特徴的な建物で、切妻屋根の下に、細かい美しいデザインの、しっかり重みのある木枠が続き、上階に行けば少しずつ出っ張って行く建て方の家並み。そんな日本では珍しい建築物を丁寧に描写されています。年季の入った材木の質感も、立ち並ぶ家全体の遠近感もバッチリですね!

そんな観光地なのに小原先生はなぜかフワちゃんみたいな腹出し、雪駄で、チャリンコに乗って移動する不審者スタイル。矢作さんはなぜこの写真を選ばれたのでしょうか

不審者小原先生に対し(失礼?)、作品自体は爽やかなこちらの絵、近くで見てみると手前のタイルが敷き詰められた道の経年変化、並んでいる木の立体感や奥行きなど凄く細かく表現されており、油絵特有の重量感が感じられとても見応えがあります。しかも鳩は公園を散歩しているときにご自分で写真を撮ってきて資料を持参するほどの行動力、本当に素晴らしい!

想像で描くのも勿論おもしろい絵が生まれるきっかけになりますが、やはり現実のものを丁寧に描写する力は自分の創作を助けてくれますね!

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静かなデッサン

2020-10-13 22:23:52 | 大人 デッサン


瀬戸 鉛筆

眼精疲労で目が石のようです、一平です!本日は日曜クラスの瀬戸さんのデッサンをご紹介します。

夜に見たらヒヤッとしてしまいそうな雰囲気の骸骨と頭像のデッサンです。2枚どちらも瀬戸さんご本人のように淑やかな空気感が流れていて、絵を見ているとこの骸骨や頭像が置かれている空間を思い浮かべてしまうような、そんな絵以外の思考の広がりも持たせているとても素敵な出来栄えです。

一見、明度差の少ない暗めのデッサンで目立たなさそうに思えるかもしれませんが、平面の台上にしっかりと置かれているように見えたり、表面の凹凸だけでなく、大まかな立体感や重量感を出し、モチーフと空間の関係性を絵を見ている人に違和感なく理解させる、などデッサンにおいて大切な事がしっかりと落とし込まれています。確かな基礎力を感じさせる静かな強さがあるデッサンです。瀬戸さんは今まで木炭紙大という大きいサイズで描いていましたが、この二枚は八切りという少し小さめのサイズで描かれました。サイズダウンする事で描きやすかったのではないでしょうか??受験生は描いているサイズを選べませんが、ミオスの生徒の方々は選ぶことが出来ます。ぜひその権利をフル活用して自分に合ったサイズを見つけていただきたいと思います。

デッサンは基本的に受験のためのもの、絵を始めたての人がやるチュートリアル的なものなどと思われてしまいがちですが、瀬戸さんのレベルまできたら誰が見ても「作品」と言えますね、素晴らしい!

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全ての基本がここに

2020-09-08 23:08:27 | 大人 デッサン


堀 鉛筆

通り雨にまんまとやられました、一平です!
本日は月曜クラスの堀さんのデッサンをご紹介します!
普段僕は月曜日の夜のクラスにはほとんど顔を出さないのですが、大学の夏休み中に月曜の小学生クラスに出ていて、小学生クラスが終わったその後の流れで堀さんをご指導させて頂きました。

まずなんと言っても銅製のヤカンの金属感がとても素晴らしいですね。
色が濃いブドウと透明な電球など苦労するモチーフもあるのに加え、ここまで量感があり、さらには金属質なものを描き分けなければならないのは大変だったと思います。とても整理され見やすい良いデッサンです。

ですが堀さん、最初の方は金属の質感が出ず、金属が曇ってしまうと悩んでいました。現実では金属はキラッと光るもののはずなのに、デッサン上では発泡スチロールのようにあまり陰影が付いないもののように見えていたら変ですよね。しかも陰影が弱目についていると、綿のように質量が軽く見えてしまいます。重い、フワフワ、美味しそう、透明など描いているモチーフの情報を正確に伝えるはずのデッサンが、絵を見る人に別の印象を与えかねません。

デッサンでモチーフが曇ってるように見える原因は大抵、表面の明るさや反射の明るさがキッチリ取れてないか、陰影の部分の色の濃さが足りてないか、もしくはその両方に絞れます。要は明るい所はキチンと練りゴムなどで明るくし、暗い所はB系の鉛筆でグッと暗くするという事です。

その事を僕が説明し、少しヤカンに練りゴムで光を入れただけで即座に理解して頂けたようで、一気にこのクオリティにまで駆け上がりました、素晴らしいです!誰が見ても金属質の硬そうなヤカンに見えますね。そのモノがそれらしく見える、当たり前のように聞こえますがとても難しいです。ヤカンのクオリティに周りのモチーフも引っ張られ、デッサンとしてのレベルもグッとあがりました。

絵の入り口として親しまれているデッサンはちょっとした気づきやテクニックで劇的に変わっていきます。今は「油絵などと比べて面白くなさそう」「勉強ぽくて退屈そう」と思っている人もデッサン中に培った事は必ずその後の創作に役に立ちますよ!日進月歩!

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いくつもの山を越えて

2020-07-18 21:02:32 | 大人 デッサン

箕輪 木炭デッサン

皆さん如何お過ごしですか。土曜日の男、岩田です。
今日は勉強会の最終のリハーサルをしました。当日は出来るだけ内容を分かり易くお伝えしたいと思っています。
まだ募集をしていますので、興味はあるけど迷っているという方も思い切って参加してみて下さい。

今回は、土曜午前クラスの箕輪さんの木炭デッサンをご紹介します。
最近、木炭でデッサンを描き続けている箕輪さん。前回までアトリエにある一連の石膏を描き続け、ここにきて牛骨をデッサンされました。
鉛筆を扱っていると、木炭という素材は最初は特に扱いにくい描画材という印象を持ちますが、その深さとバリエーションのある色合いに魅かれていきます。箕輪さんもそうした木炭の持つ魅力に魅かれていらっしゃるのでしょう。

石膏像は人の手で作られたものですが、牛骨は人為的なものではないので形が大変複雑。微妙な面の変化を読んでいかなければいけません。
全体的には、クリーム色のような統一感のある色に見えますが、実際は歯や骨の部位によって、微妙に色が変化しているので明暗の変化が捉えにくいモチーフです。

掲載した画像、左が一枚目、右がその次に描いたものです。その捉え方が格段に良くなっているのが一目瞭然です。
デッサンを描く上でどうしても細かい部分に囚われてしまうということをご自身でもお話されていますが、2枚目のデッサンは、どこかそういった次元から抜け出たような印象を受けるのです。

箕輪さん、現在は牛骨3枚目に挑戦中。といっても大変難しい角度から描かれているので苦戦を強いられるかもしれませんが、その山を見事乗り越えていかれることと思います。

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多年の一瞬

2020-03-06 00:46:51 | 大人 デッサン


鈴木 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、鈴木さんの油彩です。熊川哲也のカルメンのポスターを見て制作された30号の大作です!美術館や大学では見慣れた大きさでしたが、アトリエで見るとより大きく感じますねー!

 動きを感じられるポーズや服の皺の表情すばらしいですね。描いては消し直しては消しを何度も繰り返してここまで辿り着かれています。時間と共に重ねられたさまざまな色により、一目で12週間で作られた画面ではないと分かります。暗い部分は美しい深みが感じられ、それに引き立てられるスポットライトの光がドラマチックに舞台の二人を際立たせます。映像では一瞬のシーンでも、絵画になるとその一瞬を沢山の時間をかけて再現、作り上げていける事が面白いですよね。ただ、納得する形が見えて来ずに時間だけが過ぎていくと、その絵に向かう事自体が嫌になってしまうものですが、鈴木さんは辛くなろうともこの絵に向き合い続けておられました。その姿勢にはもはや拍手よりも畏怖の念から思わず手を合わせてしまいます。私は上手くいかない絵があると、別の絵に逃げたり投げ出したりしてしまう学生でしたから…)完成された時も、完成というよりも開放という感覚を感じられていたのではないでしょうか?

開放後の鈴木さんが次はどんな作品に囚われてしまうのか、講師側としては楽しみでもあります。作品から気持ち良く開放されるよう、少しでもお手伝いできましたら幸いです。

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全く違う世界観を作り出す。

2020-01-25 15:22:46 | 大人 デッサン

長沼 油彩

寒い日が続きますね。岩田です。

本日は、水曜日夜のクラスに在籍されている長沼さんの作品をご紹介します。

サバンナで暮らしているような動物たちをモチーフに力強い色彩で迫ってくる長沼さんの作品群。活き活きとした栄気がみなぎっています。
どの作品を見ても長沼さんならではの独特の佇まいを有しているのですが、感心するのはどれを見ても同じような色使いが一つとして無いというところです。

パレットに置いた絵の具を感覚的に使っていると意識的に絵の雰囲気を変えているつもりが、あまり変わらない色使いとなり、結果的に同じような絵になってしまうことが私なんかは多々あります。
しかしここに掲載した作品は、一貫した作風でありながらどれも全く違う方向性と世界観を示してるのです。

例えば同じように象を描いた作品でも、左上のものは赤く塗られた象と背景がヴィヴィッドな色でまとめられ、現実と乖離した異空間の中に迷い込んだようにも見えます。それに対して右下のものは、夕闇の中を一団の象の群れがこちらに突進してくるような現実の風景として捉えることもできるでしょう。

長沼さんは、絵具を素材に描くことを心から楽しんでいらっしゃるのではないかと思います。

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暗さを活かす

2019-01-21 22:02:34 | 大人 デッサン

杉浦 鉛筆

どうも幸介です!本日ご紹介するのは、月曜大人クラスより杉浦さんのデッサンです。英字のブロックと電球などのモチーフを集めた配置。どれも小さなモチーフではありますが、それぞれディテールが豊富で描き込み甲斐のあるモチーフですね。

ここのところかなり筆も早くなり、一気に描き上げてしまう杉浦さん。完成したデッサンも力強い印象です。そんな「強さ」や「勢い」が魅力の杉浦さんですが、今回の作品は背景を暗くグラデショーンにし、とても落ち着いた作品になりました。電球の映り込み、ブロックの英字のちょっとした立体感など、繊細な部分の描き込みもしっかりしていますね。質感やモチーフの重さも感じます。背景の暗さにより奥行きが増したので、全体的にこじんまりとせずに空間を感じる事ができるんですね。暗さとの対比で、電球やブロックなどのハイライトも気持ちいいです。

今回のように暗さを描くデッサン、杉浦さんに合ってる気がします。もともと筆にスピード感はありますが、そこにさらに重厚感も加わって説得力が増しました。デッサンにしろ着彩にしろ、次回作は是非「暗さ」を取り入れた絵を描いていただきたいなぁと思います(塗るのが面倒でなければ…笑)!!

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