2日連続で版画のブログです。 オバラ
時々、よその小学校や絵画教室から、「ブログで拝見したカリキュラムは、どのような制作方法か教えていただけませんか?」と、電話やメールが来ます。もったいぶらずに全部教えます。
しかし今回、私が親戚の葬儀で急に小学生クラスに穴を開けなければならなず、このカリキュラムを大竹先生に電話で説明しましたが、「バッと塗って、ガッとこすって、ダッとめくる!あ、でも半分ずつチラ見しながら!」 と全く何のことか伝わっていないだろうなぁという解説しなってしまいました。(でも大竹先生は8年前の小学生の時に同じカリキュラムをやっているので、なんとかなるでしょう。)スピードとタイミングが肝の一版多色一回刷りはスポーツと同じです。言葉では限界がありました。背中を見て覚える昔気質な職人のように、先生のやり方を盗んで極めて欲しいものです。
そんなこんなで、素晴らしい作品が続々できてきておりますので、紹介はもう少し続きそうです!
年末と言えば版画!のイメージは、年賀状からでしょうか?
小学校でも高学年は軒並み木版画を彫らされて(変な日本語?)いるそうで、「学校でも彫刻刀、アトリエでも彫刻刀。手を切る可能性がダブルで毎日がデンジャラス!しかもうっかり学校に置いて帰って来ると、ノリ先生が鬼のような顔で『なんで彫刻刀忘れるんじゃあー!今日なにするつもりでアトリエ来とんじゃー!』ってスゲー怖いし。もう色んな意味でドキドキだよ!」との愚痴が聞こえてきます。なんだか先週の続きのようなブログになってきてしまいましたね。
暴言教師っぷりはさておき、一版多色刷りのモチーフは来年の干支『酉年』にちなんで、若冲の画集から好きな鳥(鶏・鶴・鳳凰)を選び模写をしてもらいました。イキイキとした動きのある表情、細かいウロコ状の羽、色彩豊かな色味に、子ども達も食い付きがイイ!興味を惹かれる部分も違うので、同じニワトリを選んだ子でも、こんなに異なる表現↓になりました!
一版多色刷りの魅力は、何と言っても色彩の面白さ。今回は和紙にマットな黒を染み込ませて作った版画用紙を使ったので、なおのこと発色が美しいですね!
・色が乾かぬ内に全ての面を塗らなければならない
・絵の具は薄くてもベッタリでもダメ
・できるだけ混色をし、複雑な色味にする
と注意する事も作業工程も盛りだくさんでありながら、時間勝負の慌ただしい作業でしたが、見事なクオリティで仕上がりつつあります。まだまたこれから出来上がっていきますので、どうぞお楽しみにしていて下さい! オバラ
洸生 中3 『滝と木々』 油彩 / 真彩 中1 『鍵穴』 油彩 / 一平 高2 『武者苦者』 アクリル / 喜一 中2 『summer memory』
どうも幸介です!本日は先週に続き学生クラスの展覧会出展作をご紹介していきます。大竹先生の記事にもありましたが、こちらの皆も甘えんぼさん揃いでございます。小さい頃から自分を知っている大人に「成長したねぇ」とか「昔はこんなだったのに!」とか「甘えんぼだなぁ」なんて言われるのは、中高生的には物凄く嫌な事だとは思いますが、それでも書かせていただきます!
まずは洸生から。低学年の時は、ちょうど同年代男子の多かった火曜日クラスに在籍しておりました。スケッチ遠足の際に世田谷の公園かどこかで、早々にスケッチを追えて森の中に散策に出向いていた記憶があります。もともとしっかりしている性格ではあったのですが、自由人だらけの火曜日学生クラスに入り、周囲を反面教師にしてかますますしっかりしてきました。クラスの皆を気遣うのは彼くらいなもんです。小原先生、孝見先生、僕の尖った人種3人に囲まれても、彼の柔らかな性格が変らないのはスゴイですね。もう逆に頑固なんじゃないかなって思います。今回の作品的には、アトリエでの集大成ともいうべき、積み重ねた技術が存分に発揮できた作品ですね!洸生ならきっと面接の印象も良いと思いますので、受験頑張ってほしいなと思います!!
真彩は中1ではありますが、その画力の高さと大人びた物言いから、6年生の時からすでに学生クラスに通っています。真彩には小学生クラスは騒がしくて可哀想、精神的にも落ち着いてるし学生クラスでぴったりと思っていました。が、どうでしょう。ここのところ「やだやだ」「描きたくない」「それ好きじゃない」「今日はもうヤダ」「分かんない」と、みごとな駄々っ子っぷり。5~6年生の時の方がしっかりしてたかな?とさえ思ってしまいます。しかし実際に作品はちゃんと仕上げていますし(たまーに小原先生や僕を独占して制作してはいますが)、やだやだ病もしばらくすれば落ち着いてくるかなとも思います。画力は相変わらず、どころかどんどん進化していますし、ここは広い心で彼女のやだやだ病とも付き合っていければと思います。
でました一平です。ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが、おそらく全生徒の中で一番僕にハマっている生徒ではないかと思います。簡単に説明しますと、いつからか僕の家を第2の自室にしております。今回の作品も、平日の仕事後に夜中まで手伝わされての制作でした…。あの時は眠かった…。今回の作品ですが、たしかに僕の絵に似ているような気もしますし、そういう言う意見も聞きます。しかし言いたい。僕の方が圧倒的に上手いですから!!…とまぁそんな感じですが、だんだんと張り合える立場になっていくのだなと思うと感慨深いですね。今後は大学に入り社会に出て、模倣から昇華して新しい作風や画風の引き出しもどんどん増えていくとは思いますが、まずは来年受験生ということで、血反吐を吐きながら基礎をしっかりと頑張ってほしいです!!
そして喜一!中学校に入ると同時にしばらくアトリエを休んでいたですが、今年に入り学生クラスに復活!彼とは幼児クラスから顔見知りではありますが、ちゃんと僕の受け持ちになったのは今年が初めてなのです。ちなみに復活した理由を聞いたら「夏休みに幸介先生の家に行きたかった」とのこと!嬉しいかぎりです!!たまに僕の家に中高生が遊びに来てはおりますが(おそらくゲームと漫画とフィギュアとWi-Fi目当てですが)、そんなこんなで喜一もたまに来ております。彼はほんと超がつくほどマイペースというか、ちょいズレてるというか、ほとんど周囲を観察しないところがありますので、学校やら生活やら思うところが色々とあるようです。中2ですので、嫌でも色々と悩んだり考え込んだりする時期ですね。そういう時期に、親でも友達でもないアトリエの先生と言うポジションで、悩みや思いの丈を聞くことが出来て良かったなぁと思っております。
…ということで、学生クラスの個人講評でした!!
大西 鉛筆デッサン
岩田です。本日は土曜午後クラスに在籍されている大西さんの作品です。大西さん一貫してデッサンを描いてらっしゃいますが、特に最近は靴を描くのにはまっていらっしゃいます。そこで今回は靴のデッサン3枚を並べてみました。
私も靴ってとても魅力のあるモチーフだと思います。使い込むほどに革にしわがよったり、擦れて色が褪せたり。デッサン好きの人にとってはそういった表情を描くのはこの上ない喜びでありましょう。
向かって右手、エンジニアブーツ。鉛筆の黒が画面にしっかり載っていることで、この黒革のヌラリとした表情を見事に表現しています。又つま先の金属カップが入っているツルっとした部分、その他のしわを帯びた部分の描き分けがとても良いですね。
左手は大西さんご持参のシューズ。履きこんでちょっと汚れたような表情も魅力的です。特に紐と紐通しのところ、とても拘って描きました。よく見ると一本の紐が編みこまれたところまでも実に克明に描いているんですね。
そういえば靴って靴底もとても描きがいがあるんです。履きこんでいると尚更、その下の層のゴムなんかが見えていたりする。片っぽは裏返しにして靴底と対比させて描いても面白いかもしれません。
大西さんのデッサンを見て、靴ってつくづく勉強になるモチーフだと気づかされたのでした!!
ちひろ 高2 左 / 静物 ・ 透明水彩 右 / 写真模写 ・ アクリル(右上・写真)
3歳から14年間もアトリエに通い続け(高校に入ってからは週3日受講していました)、今では美大を目指しています。ちなみに高校は私の後輩で、今は、岩田先生が昨年まで勤めていた美術予備校に通っております。ミオスと縁深いちひろ。黙々と制作を続ける彼女ですが、授業時間後も絵を描く訳でもなく教室に残り続けている事が多いです。(オバラ先生曰く、甘えんぼさんとの事)
1枚目の静物。ツヤっとした唐辛子が画面に瑞々しさを与えています。ビーカーの透明なガラスの描写やウィスキーボトルに写り込んでいるものや反射する光がよく観察できています。また、ガラス内のレモンとレモンが底に写っている描写も上手いですね。光沢があるものが得意なのかな?反面、手前のニンニクが軽そうに見え、少し物足りなく感じます。ニンニク本体の影や布に落ちる影をもっと描いても良いと思います。作品全体から一つ一つのモチーフを観察し、しっかり描こうとする姿勢が伺えます。予備校では、上手い人の描き方を盗み見してみるのもいいかもね。
2枚目のネコちゃんはちひろ家で飼っているのかな?クリっとした目がとても愛らしい!写真以上に可愛くなってる気がするのは親馬鹿ならぬ、ペット馬鹿の力でしょうか。(ちひろの飼い猫じゃなかったら、ちひろの猫に対する愛かな?)フワフワとした毛の描写は見る人に触った時の感触をしっかり伝えてくれますね。暖かそう!また、顔や体全体の毛色の違いをこれでもかと追っていて素晴らしい!猫が座ると背中や太ももあたりに毛の段が出来るのですが、それも細かいタッチで表現されているので毛がたくさん集まっている感じがよく分かります。首元ののフワフワ感も、白い毛の影をグレーではなくクリーム色で塗っているので温かみがあり柔らかさを感じます。私もメスの白い猫を飼っていますが、首元から胸にかけてが毛が沢山あって、触るとフワッとしていて気持ちいいんですよね。
どちらの作品からもじっくりとモチーフを観察している姿勢が伺えるので、これからはどんどん描き方を吸収していって欲しいと思います。来年、三年生になれば学校の課題に加え卒業制作にも取り掛かるので忙しくなっていくと思います。同じ高校の先輩として、課題で何か相談があれば聞くからね! 大竹
幼児クラス
天気予報通りみぞれや雪が降って、一日中真冬並みの寒さでした。今まで暖かい日もあったので、体が寒さに慣れずこたえましたね。今週水曜日は祝日だったので、幼児クラスは休講。こちらの作品は、先週の授業で制作しました。毎年この時期恒例となっている松ぼっくりと枝をベースにしたクリスマスツリー作品です。毎回使う素材は同じでも、クリスマスイメージをもたらす基本フォルムを年ごとに変えて制作しています。
今年のツリーは、事前に枝を木の形に組んでおきました。そこに松ぼっくりとフェルトで飾りつけします。最初は、小さくカットしたグリーンフェルトを松ぼっくりのかさの間に入れていく地道な作業ですが、今の幼児クラスメンバーは、こういった作業の時はおしゃべりをしながらも、手の動きをストップすることなく、口も手もしっかり動かして楽しくできるからすごいです!
そして、このツリーの見せ所!サンタとトナカイですね!色画用紙を円錐形にしたサンタはちょっと太りぎみ?体系。真っ白な髭がモジャモジャで、つぶらな瞳が髭で見え隠れして、愛嬌たっぷりのサンタクロースです。トナカイは、シャープな角が立派で赤鼻がかわいいトナカイです。ドアや壁に吊るして飾ったらお洒落でしょう?!1回の授業で完成させたので、飾りはこれだけになってしまいましたが、ぜひサンタとトナカイの仲間たちも作ってほしいです。(Eri Ito)
本日も引き続き、オバラのつぶやきで失礼します。
昨日は自慢話で終わりましたが、良いこともあれば悪いこともある、コインの裏表のように…と第二弾です。
『針路の描き方』で、学生達を見直したというより尊敬したことは、真摯に誠実に他人の為に2時間を捧げたということ。そんな学生が20人以上いたので、たった2人だけその時間をキモチワルイと思って過ごしている輩が非常に目立ってしまいました。中学生の時にしこたまイジメにあっていたので、高校生になった今もシャッターを下ろしっぱなし、もう他人なんて一生信用しないオーラを出しまくり、私にさえふてくされた態度を取っていたので、 このワークショップが何かのきっかけになればと思い無理矢理参加させた結果でした。
そして実はそれがトリガーになったのは私の方でありまして、そんな2人の態度にブチ切れ。「今までちょっとは可哀想に思って許してやっていたがもう許せん!我慢の限界だ!」と、怒りで私の声は震え、怖くて悲しくてボロボロ泣く1時間半の説教タイムになりました。
「あんなにお前らの為に一生懸命話し掛けてくれた仲間にあの態度はなんだ!あいつらが今まで一度だってお前らに何か嫌なことしたことあったか?それでも2時間最後まで諦めないでコミュニケーション取る努力してくれてたよな?そんな奴らになんで素直な気持ちで向き合えねーんだ。ずっとむくれた顔でだんまり決めやがって。そのやり方はお前らイジメてた奴らとどう違うのか説明できるならしてみやがれ!高校でだって最初優しくしてくれたクラスメートいたんじゃねーの?どうせそれも無下にして、私は一人でいたいから話し掛けないでって態度で突っぱねたんだろ?きっと傷付けたと思うよ。もう終わりにしよう、お互いが傷付く事。友達いた方が人生楽しいに決まってんだから。心を開くのは簡単じゃないけど、ちょっと頑張って笑顔が作れるようになるところから始めようや。」ということがありました。
(途中「こっんなこと言われてムカついてるよな?なんか私が間違った事言ってると思ったら刺せよ!…と自分の太ももに小刀を突き立て…ほら押せ!絶対恨まないから!でも刺せねーだろ?正しいんだからよぉ!」と煽ったりもしました。完璧やりすぎ。一人でアツ過ぎ。)
そして次の週、私は背中を刺されるどころか、信じられない事態が!1人は3年間長い前髪で目を隠していたのをバッサリすっきり切ってにこやかに、 1人はしっかり目を見て「こんばんは!」と言いアトリエに入室…もう正直涙をこらえるのが大変でして。立場が逆だったら「イジメられてた人の気持ちなんか分からないくせに偉そうに!オバラぶっ殺す!」ですよ、もう。
人間として尊敬します。人に言われて自分を変えるのが屈辱に思う年頃なはずなのに、人間性でははるかに私を超えています。感動です。
と同時にもう少し早く本音でぶつかってやればよかったなと後悔もありますが、 それも今回のきっかけがあったからこそかなとも思い、『針路の描き方』を開いてくれた東京大学・慶應大学の学生諸君に改めて感謝します。
そして二日間、結局うちの子自慢になってしまったヤンキーのダラダラ長いつぶやきにお付き合い頂きました皆様、ありがとうございました。
オバラです。展覧会が終わってホッとする間もなく、ハロウィンパーティーがあり、すぐにクリスマスパーティーも来てしまいます。慌ただしさに忙殺されそうな日々に流されぬよう生きていくのが大変で、笑顔で過ごして行きたいのに子ども達や学生達からは「ノリ先生は怒るの趣味だよねー!」「俺まだ人生14年だけど、ノリ先生より怖い人に会った事ないわー!」と言われる毎日。
いや、ホントすみません。こんなに罵声を浴びせているのに、皆よくアトリエ辞めないで来るよなー、偉いなーといつも思っています。もしかして皆Mなんじゃ?なんて図々しい事は、これっぽっちも思ってません。その位酷い暴言を吐いている自覚ありますし。皆が我慢強いんですよね。強くて懐の深い皆に感謝してます!
話しは変りまして…展覧会中に佳絵先生と教育学サークルの学生達が企画してくれた『針路の描き方ワークショップ』は、たった2時間という時間制限や、たどたどしい大学生達の司会進行で、正直、中高生達にどのような種を蒔けたのか微妙な感じではありましたが、私が感心したカリキュラムが一つあります。
それは、相手の想いをきちんと受け止めた上で、他の考え方を提案していくというもの。しかも一つではなくたくさん、グループ全員で1人の為に。一つの提案なら逆に重くなりそうなところを、まずは相手の為に一生懸命たくさんのアイディアを出す。ジャッジは本人にゆだねその場で判定をくだす必要はなく、否定するのでも肯定するのでもないので、恐れずとりあえず口に出せたのです。
普段、親友と呼べる友達にでも、何かを助言するのは難しいですし、怖いです。例え真実だとしても「何様?」と思われそうで、自分にはその資格がないと弱気になってしまいます。口に出したせいで嫌われたり険悪なムードになるのも、学校という狭い空間では避けたい事態ですよね。本当は相手の事をすごく大切に思っているのに、切ないジレンマ。また、他人と積極的に関わるのが難しいと感じている場合、「どうせ私はコミュ症だし。」と逃げてばかりで、改善を諦めてしまうことも多いでしょう。
そんなモヤモヤにこんなアプローチの仕方もあるのかと感心しましたし、日頃自分勝手(に見える)学生達が隣人と向き合い、他人の人生について考えている姿は感動しました。
終わった後、何人かの学生に感想を聞くと「私のグループになかなかしゃべれない子がいたんだけど、別に心を閉ざしている訳でもなかったし、斜に構えている訳でもないのがわかったから、もっと話を引き出してあげたいと思ったけど、私の力が足りなかったと思う。参加しなきゃ良かったって、寂しい思いをしていなければいいんだけど。」「私は高3で他の子達より年上だったから、年下に気を使ってあげられる人にならなきゃいけないって痛感した。」「自分が意見を言った子が黙ってしまったのが、言い方が悪かったのか、見当違いの発言に怒ったのか、理解してもらえなくて悲しかったのか、すごく気になる。もっとスマートな言い方や、意見の伝え方を練習しなきゃダメだと思った。」「皆が自分なんかの為に一生懸命意見を言ってくれて嬉しかったのに、素直に返事できなくて悔しかった。これから変わりたい。」など、前向きな意見が出てきました。(中には「あまりに大学生がテンポ悪くて回すの下手で、普段幸介先生やノリ先生がいかに上手くクラス全員をいじって取り仕切ってるか、よーくわかった。」なんてのもありましたが、純粋に付き合いの長さと経験値の差ですね。)
決意の数だけ人は成長すると言いますので、今回のワークショップをきっかけに成長してくれると思います。
怒鳴られても耐え、他人への配慮・思いやりもあり、足りない部分を見付け改善しようと努力する。人として尊敬します。感動です。久し振りに「うちの子達、最強!」自慢、「みんな愛してるぜ!」告白が出てしまいました。
左:莉子 高1 『クリント イーストウッド』 透明水彩
中:実希 高2 『食物連鎖』 透明水彩
右:和博 中2 『SCRAP & BUILD』 油彩
どうも幸介です!本日ご紹介するのは、展覧会にも出品されていた学生クラスの作品。学生ならではのエネルギーが感じられる作品です。
本日紹介の3人は、それこそもう小学生クラスからずっと見続けている生徒達ですので、彼らの人となりも合わせて1人づつご紹介いたします。
まずは莉子から! もともと小学生の時から描写力がものすごく正確な(この記事の一番下の画像の右下)で、5年生のときの自画像の課題でも顔や服のバランスの描写は抜きんでていました。大人が描いたといっても大丈夫なほどです。そして今回の作品のクリントイーストウッド。有名人って絶妙な顔のバランスをしていまして、ちょっとでも違うと「全然似ない!!」って具合で、なかなか大変なモチーフですが、見事に描き切ったなぁという印象。そもそも彼女の画力には信頼を置いておりますので、不安は何もなかったのですが。彼女の画力、このままデッサンや模写を続けていけば、それはもう誰も追いつけないほどの武器になるでしょう。そして彼女の素敵なところは、鳥山明や井上雄彦などが好きと言う、アラサーとすごく話のあう良い趣味を持っているということ!!今彼女にスラムダンクを貸しているんですが、早く最終巻の山王工業との試合のとこを読ませたい……
そして実季。こちらも小学生からの付き合いで、今では美大を目指しております。ちなみに今は、僕が高校の時に通っていた美術系予備校に通っております。まさか美術系に進むとは……小学生の時はゆるーくふわっと制作をしておりましたが、今では高校の行事での制作物(文化祭ポスターなど)もバリバリと精を出してやっております。忙しい彼女とは、大体夜中にLINEなどでやりとりするのですが、自分の制作物を送って来ては「どこ直したらいいですか」「ちょっと見てもらっていいですか」と、日によっては朝方に連絡が来ることも。学校に絵にバイトに友達にと、「いつ寝てるんだ?」と思う程。無理にでも「バイトも学校も休んでいいから、ちょっと体を休めなさい!!」って言いたくなります。でもその仕事ぶりを見て、こりゃあやり手デザイナーになるなぁと、今からほのかに期待している次第です!!
そしてでました火曜クラスの暴走族こと、トシヒロ!小学校低学年の時の彼との関係を振り返ってみると、「絵の具でもみくちゃにされた」などとブログに書いておりました。トシが小2、僕は25才ぐらいの時でしたね。まさかトシ中2、僕が32才の現在も同じことしてるなんて考えもしなかった……これは彼の喋らずにはいられない性格がいけないのか、僕の構わずにはいられない性格がいけないのか、はたまた小原先生と孝見先生の良い所も悪い所も同時に助長するような育て方がいけなかったのか、毎週のように思い悩まされておりますwwしかしあんまりこういうことばっかり書いているとトシに指摘されるので、ちゃんと良いことも書きましょう。まず学生クラスは、彼のずうずうしさによってクラス全体が明るくなっております。そして率先してアトリエの行事の準備などを手伝ってくれることにより、非常に助かっております。喋りつつも、作品もちゃんと完成させておりますのでご安心ください。
ということで、付き合いの長ーい三人の講評でした!!
そろそろ小学校受験も大詰めを迎え、嬉しいご報告も、悔しいご報告も毎日のように届きます。今まで長い時間ご家族で頑張って来られた皆様、あと少しですね。体調管理に気を付け最後の試験を楽しく成長できる一日と思い、送り出して頂ければと思います。
昨日、小学校受験コースの授業を親子で体験して頂く『秋の親子体験講座』が行われました。最初は親子で制作し、慣れて来たところでお父様お母様は別の場所で歴代の合格者の参考作品を見て頂き、子ども達だけで仕上げました。
保護者の方と一緒に制作している時は少々緊張気味の子も見受けられましたが、逆に子ども達だけになった時からは自分の制作中の生き物の特徴などを楽しそうに話してくれ、発表まですることができました。
制作を始めてみると、今まであまり目につかなかったお子さんの得意な部分や、コミュニケーション能力などが見えてきたのではないかと思います。先生のお話が始まったら手を止めて良い姿勢で聞ける子、粘土の目分量が上手な子、失敗してもめげずに続けることができる子、形を表現するセンスのある子、想像力の豊かな子など、良いところがたくさん発見できたと思います。逆になかなか感覚がつかめず大変なこともあったでしょう。はじめから全部が得意な子などいないので、せめて年少・年中さんのうちだけは、できないことにばかり目が留まってしまうことのないように、焦らず良い所を見付けて下さればと思います。
来年1月からスタートする小学校受験クラス(新年長グループレッスン)・4月よりスタートするプレ受験クラス(新年中グループレッスン)のお申込みを受け付けております。まだ、どちらのクラスにも空きがございますのでご検討下さい。
*受験クラス* 対象―新年長
期 間 年中1月~年長9月まで
曜日&時間 月曜日 14:50~16:00(月4回)
火曜日 14:50~16:00(月4回)
金曜日 16:50~18:00(月4回)
入 会 金 20,000円(プレ小学校受験クラス・プライベートレッスンから継続の場合不要)
受 講 料 14,000円/月
*プレ受験クラス* 対象―新年中
期 間 年中4月~年中10月まで(年長児も受講可能)
曜日&時間 金曜日 15:30~16:30(月3回)
入 会 金 20,000円(プライベートレッスンから継続の場合不要)
受 講 料 10,000円/月
こんばんは、大竹です。先週の土曜日に松井先生と共に東住吉小学校で行われる東住吉フェスティバルに参加しました!アトリエミオスは過去にもフェルト工作やパフェ作りで出張授業をしています。そして今回はハロウィンでも活躍したブラックライトを使用し、暗闇の中でモンスターハウスを作るというワークショップを行いました!ブラックライトで発光する蛍光紙やペンを使い、暗闇の中でも工作が出来るようにしました。
部屋に入るとまずいつも勉学に励んでいる教室の変化に驚き!そして自分が身につけてるものや教室で光っているもの探しが始まり…席に着いてからは、蛍光紙を切り貼りして一人一人違った姿のモンスターを作って行きます。口の切り方や目の形など、自由に作れる部分を多くしていたので同じ顔は一つとしてない奇妙なモンスター達が沢山生まれていきました。私たちは紙の切れ端などはゴミとして処理していたのですが、ある子は角のようにくっつけたり目玉をもう一つ作ったりしていて、松井先生とこれが日本人のもったいない精神…!と感動すると共にお互いの発想力の乏しさを反省致しました。最後には教室中央にある光るお城の周りにモンスターハウスを並べて城下町を作りました!一コマ30分で4回行いましたが、それぞれの回によって街の様子が全く違っていました。
知らない先生が来ていることへの緊張もあった為か、皆静かに説明を聞いてくれたのでアトリエの時のように頭突きや突進をされる心配もなく進行する事が出来ました。ちなみに東住吉小学校は松井先生の母校でもありました。準備中には全然変わってなーい!!でもトイレはメチャクチャ綺麗になってるー!!とはしゃぐ松井先生の姿がありました。
親子クラス
紅葉した落ち葉やどんぐり、松ぼっくり、枝など、秋の自然は工作で使える材料の宝庫です。色々な秋の実がありますが、中でも松ぼっくりは特別美しいですよね。かさの形が美しく感じる理由には、数学的法則「黄金比」の法則があると言われています。毎年親子クラスや幼児クラスの秋の工作には欠かせない材料となっている松ぼっくりです。
親子クラスでは、紙粘土をベースにして、松ぼっくり・枝・ハンノキの実・メタセコイアの実・着色ゴールドパスタ・カラー粘土でオブジェを作りました。紙粘土は、2・3歳児にはちょっと重く感じる1kgでしたが、、土台にしっかりとボリュームを持たせました。重たい粘土を頑張って持ち上げて机にたたきつけて、形を変形させたり、粘土に指を突っ込んで穴を開けてみたり、遊びながら粘土造形ができるので、楽しいスタートです!不思議な形や面白い形のベースが決まったら、たくさんの材料をどのようにデザインして装飾するか親子でアイデアを出し合いながら作っていきます。カラー粘土は、クリスマスイメージで赤・緑・黄のみを使い、枝にデコレーションしました。同じ材料を使っても、こんなにも完成形が違い、親子ペアそれぞれの作品にコンセプトを感じます。
まずは秋のオブジェとして楽しんで、その後はこの作品にオーナメントをプラスすれば、クリスマスの雰囲気があがる作品にグレードアップすることでしょう!ぜひ、クリスマスバージョンもトライしてみてくださいね!(Eri Ito)
はじめまして。10月より水曜日午前中の大人クラスを担当させて頂く事になりました、山下夏海と申します。
私は現在、武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻3年に所属しています。
作品は油絵の具を中心に、時々水彩を扱った絵画作品を制作しています。
生き物の有機的な形や儚い表情に惹かれ、動物や植物を主に描いています。
油絵科所属ですが以前から日本画がとても好きで、けれど画材は油絵の具に魅力を感じていたため、油絵の具を使って日本画のような淡く、それでいて力強さを表現する事に力を注いできました。
今もまだ理想とする作品を満足する形まで表現できておらず、日々研究の毎日です。
私は昔から人に何かを教えるという事が非常に苦手だったのですが、大学を通し様々な人と関わり、絵画教室という空間に携わる事に興味を持ち始めました。
そんな時目に留まったのがアトリエミオスでした。
大した指導の経験もなく足を踏み入れた世界に、正直戸惑いと不安はあり、やはり指導が苦手という気持ちは拭えないでいます。
けれど、自分が想像もしなかった世界を絵画という作品から目にし、作品を通してその人の事を知る事ができるのは、とても面白いなと感じ、改めてアートが持つ力を再確認しました。
当然ではありますが、芸術作品に正解などはなく、どんな形のものでも正しく、美しく、素晴らしいものであると個人的に思っています。
ただ、その中でどれほど自分が秘めた魅了を最大限に表現できるか。
作品に感じる強さとは、その事が重要であると考えます。
作品を通して皆さんの魅力を見つけ、少しでもその魅力を引き出すお手伝いができるよう、努力していきたいと思っています。
まだまだ未熟な私ですが、皆さんと一緒に歩んでいきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願い致します。
小学生クラス クールな漫画のワンシーンの描き方 授業
どうも幸介です!10月の小学生クラスの課題は、展覧会後の短い期間での制作でした。いつもの課題に比べると制作期間は半分位。ということで、10月の課題は「漫画のワンシーンの描き方講座」でしたが、漫画と侮ることなかれ。人体の描き方について、細かに練習しました。
練習として、全員「走っている人」の絵を描きました。まず最初に円や直線、正方形などの単純な形で、人体をスケッチします。棒人間のような感じですね。それを骨組みとし、徐々に肉付けして人間の体に近付けていくわけです。人体の形がだいたい出来上がったら、そこからバランスを誇張します。漫画といえばデフォルメですが、今回の授業では走っている人。前後の腕の長さや大きさは、遠近感がついているので手前を少し大きめに描きます。そして走っている人のアイデンティティの足。足を誇張する場合、手前の足を気持ち短く、それに比べ後ろに蹴り出している足を長めに描きます。漫画やアニメにもよく使われている手法ですが、左右の足の長さに強弱をつけて『歪ませる』ことによって、躍動感が出るんですね!歪んでたほうがそれっぽく見えるなんて、人間の目って不思議ですよね。
時期的に運動会の絵を描いたりすることのあるかと思いますので、今回の授業で学んだことを学校の絵画などでも生かしてくれたらいいなぁと思っております!! PS,もっともっと躍動感のある絵を描きたい子は、アニメ映画の動きの激しいシーンを一時停止なんかして研究してスケッチしてみるといいんじゃないかな!!ぜひやってみてくださいね!
竹辺 『日曜日』 油彩
オバラです。人物クロッキー会にご参加頂いています竹辺さんより、嬉しいお知らせを頂きました!まずはその内容をご紹介します。
「今回、上野で開催される公募展「JAG展」に出品しました作品『日曜日』で会員賞を受賞することが出来ました。
この作品は6月4日のクロッキー会で描いた水彩スケッチを元に100号油彩画にしたものです。
良いモデルさん良いポーズに恵まれ、評価してもらえる作品になったと感謝申し上げます。」
モデルは現在、水曜夜間大人クラスのアシスタントをしている朱莉先生で、大学生になったばかりの今年の春にポーズしてくれたもの。休日のワクワクした街歩きの様子を描いた設定として、1枚の油絵の中に構成し直した作品ですね。竹辺さんはいつも、ナチュラルなポージングを描かれるのが大変お上手です。首・肩・腰・膝の自然な傾きで、健康的な若い女の子の瑞々しさを表現されていらっしゃいます。
ぜひ皆様足をお運び下さい。
第39回JAG展
会 場 : 上野 東京都美術館 2階第3展示室
会 期 : 11月16日(水)~24日(木){21日(月)は休館日} 9:30~17:30(入場は17:00まで) 初日13:00~ 最終日入場14:00まで
観覧料 : 一般500円