モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

アフタヌーン四季大賞受賞

2024-05-31 22:13:34 | お知らせ

大竹です。今回はこの場をお借りして、友人の宣伝をさせて下さい。
高校時代からの友人、矢子園知弓(作家名)が月刊アフタヌーンが開催する漫画賞『四季賞』にて、最優秀賞である四季賞を受賞しました!アフタヌーンはミオスにも読者がいる『ブルーピリオド』や、実写映画化された『寄生獣』など、多数の作品が映画化やアニメ化されており、今勢いのある漫画雑誌と言えるでしょう。大賞を取った読み切りはアフタヌーン本誌に掲載され、デビューへの第一歩となります。受賞作では、白人と黒人の少年の友情、そして差別をテーマに74pもの物語を描き切っています。

原稿執筆にあたり、私もほぼ全てのページのトーン張りをお手伝いをさせて頂きました。モノクロで印刷される漫画では、濃淡を表現するために模様や柄が印刷されているフィルム=トーンを貼り付けます。一番使われるのはドット模様でしょうか、大きい点は濃い色、小さい点は薄い色として印刷されます。新聞の写真もよく見てみると、白黒で濃淡を出すためにドットになっている部分があります。一昔前の漫画家とアシスタントといえば、同じ部屋で机を並べて原稿に取り組むイメージがありますが、今はパソコンによるデジタル作業も普及し、データを共有しリモートで作業する事が可能です。私も自宅でデータのやり取りをしながらお手伝いしました。

彼女は高校卒業後は漫画の専門学校に通い、コールセンターでアルバイトをしながら漫画の執筆を続けておりました。今回の大賞受賞前にも同賞へ応募し、佳作を受賞しておりました。そして次の賞へ挑むにあたり「次に大賞を獲れなかったら漫画家の夢を諦める!」と覚悟を決めていたそうです。その意気込みで見事大賞を掴み取り(なんと賞金100万円!)、現在は連載に向けて担当さんと準備をしています。受賞作はアフタヌーン6月号本誌、またコチラからも無料で読む事が出来ますので、是非ご一読ください!(佳作作品もコチラからどうぞ!私もお手伝いしました。)

それにしても、宝石の国最終回&市川春子先生の美しい表紙の本に自分の漫画が載っているなんて、羨ましすぎる!!(連載当時からのファンでした)この間、友達特権を行使してサインを貰っちゃいました。もし矢子園先生のサインが欲しい方は、火曜&水曜担当の大竹まで!笑

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手に取れるような質感

2024-05-30 23:34:40 | 大人 水彩


加藤 透明水彩

マユカです!今回は加藤さんの作品をご紹介していきたいと思います。

ぼんやりとしてしまいがちな水彩でこれだけくっきりと見やすく、さらに物質の質感まで伝わってくるような作品たち。左の作品は描写力は勿論なのですが、同系色のモチーフで固められているにもかかわらず濃淡と、イエロー寄りのブラウンから赤み寄りのブラウンを使用し、色相を変えることで単調にならないような色使いをされています。細やかなラベルのレタリングによって実在感が一層増して見えますね

右の作品は海を感じさせるモチーフで統一していますが、セピア調の背景色と青色の浮き球、魚の置物がお互いの色彩を引き立てあい、とても目を惹く作品になっています。対極の位置にある色彩は、慣れないうちは合成の様になってしまうこともあるのですが、加藤さんの作品では空間になじみ、鮮やかな青を局所的に使用することで、茶色同系色に起こりがちなくすんだ感じもさせずに描写されています。どのモチーフも手に取ったときの重さや触り心地を容易に想像することが出来てしまうあたりに、見る人への気配りを感じました。
何処を切り取ってもその精密さに驚いてしまいますが、「いつも仕事ではスピード重視だわ、結果出さなきゃいけないわ、しかもそれが当然で誰も褒めてくれないから、ここで褒めてもらえるのメッチャ嬉しいです!」とよく言ってます。(笑)

物体だけでなく背景にも色を付けることで同じ空間上に物が置いてある様子や光の入り方が統一され、反射光などに背景と同じ色を入れることで情報量も増え、見ていて飽きない作品となります。私たちが普段見ている物達は情報量の倉庫。見れば見るほどに新しい発見があるものです。そういった「よく見ないと気づかないそのもの特有の性質、質感」を発見することでモチーフへの解像度が高まり、見た人にどんな素材のモチーフなのかを伝えるきっかけになります。どういった映り込みが入っているか、写真を撮って確認してみても描きやすくなりますね。

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二頭に馳せる思い

2024-05-29 23:44:30 | 大人 油絵・アクリル


野中 油彩

 

ナツメです。先日紫陽花を見に鎌倉へ行ったのですが少し早かったようで、一面の葉っぱだけ眺めて帰ってきました。本日は大人クラスの野中さんの作品をご紹介します!

たんぽぽが咲く牧場でのんびり散歩する馬の親子。今の季節にぴったりな作品ですね。フォロワーズといって馬は離乳までの間親と子が常に行動するので、まさにこの時期にしか見られない光景です。馬の体は下塗りの効果が利いて、重量感やしなやかさが感じられますね。リラックスした様子で牧場を歩する親子の姿に、見ている側まであたたかい気持ちになってきます。ツヤツヤの毛並みも美しく、手触りまで伝わってくるかのようです。

茶色と緑、そして青と画面を占める色の数が少ない中、時間をかけて丁寧に塗り重ねられたためどこを切り取っても深みのある色合いになっています。草木の表現がとりわけ素晴らしく、奥に見える木々は茶色みがかった色も織り交ぜつつ暗い色をメインにしているのに対して、草原は青々としたフレッシュな若葉を描くために鮮やかな緑を使っています。そしてそのどちらも前後で描き込みの量に差をつけることで広い空間を作り出しています。

思わず微笑んでしまうようなのどかな光景ですが、きっと時間をかけたからこそここまで魅力的なずっと見ていたくなる作品になったのでしょう。親子の歩んできたこれまでの過程や、仔馬はどんな風に成長していくのかと見れば見るほど想像を掻き立てられ、絵の中に入りこみたくなるような不思議な力を感じる作品です。

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フレッシュな感性

2024-05-28 23:48:52 | 大人 油絵・アクリル


矢作 油彩

 

サヤカです!帰宅すると犬からしつこくペロペロ攻撃を受け、愛しくも疲弊しています。今回は大人クラスの矢作さんの作品をご紹介します。

奥にパースがついた窓のデッサンに苦労されましたが、最終的にしっかり整い、手前の花が安心して見られるようになりました。手前の草花と奥の草花の書き込みに差をつけることで、遠近感が生まれています。遠近感がしっかりついているので、手前の花から奥の窓が覗いている様子が伝わってきます。花に囲まれた家に住んでいる人は、どんな素敵な人なのか、それとももう空き家なのか…想像力が働きますね。花たちは散歩の途中で観察したそうですが、縦横無尽に咲く姿はのびのびとしていて、自由な力強さを感じます。矢作さんの前向きで明るく朗らかなお人柄が表れています。

矢作さんの作品はいつもフレッシュな感性に溢れていて、私自身もずっとそんな感性を持ち続けたいと密かに憧れています… !これからも、矢作さんの作品を楽しみにしています!

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操り人形3

2024-05-27 22:35:06 | 小学生 工作

オバラです。小学生クラス5・6月のカリキュラム『マリオネット(操り人形)』の中間報告第三弾。必要なパーツ(数・サイズ・形)は、ほとんど揃えられて来ました!
今回の制作は、1年生~4年生のチームと、5・6年生のチームに完璧に分けています。(私は5・6年担当)
低学年には最初に全貌を説明しても、今やっている目の前の作業が何に値するのか分からないので、一工程ずつぶつ切りに指示します。足並みをそろえないと目が行き届かずに怪我をすることもありますので、一斉に同じ作業をさせます。

高学年には、一番最初の導入で大まかな工程や仕組みを板書。木で操り人形を作るには、どの段階でどのような作業が必要か、なんとなく覚えてもらいます。
その後は違う事をしていても、何も言いません。自分の頭で考えてその順序でやっているならそれでいいし、間違っていたって回り道すればいいだけだし。やり方は一つではないですしね。
道具だけ「のこぎりはココ、ペンチはココ、やすりはココ、ペンキはココに置いとくねー。」と声掛けします。高学年は力があるので、ちょっと危険な道具の使い方をしても、切りそうになる前にセーブできます。だから怪我しても大した傷にならない。(力が無いから、「あ!危ない!」と思っても、ストッパーが利かずにザクっとやっちゃうんですよね。)
あごの大きい電工ペンチ、先端の細いラジオペンチ、ワイヤーを切断する為のニッパー、太いボルトやナットを掴む為のプライヤーをどさっと置いていますが、一度試して上手くいかないと道具を変えて…と、ちゃんと用途に合わせた道具を選んでいるから素晴らしい!工具の扱いって、なんか楽しいよねー!

立体制作は平面絵画のような小手先のテクニックが通用しないので、どのように導けば子どものイマジネーションが広がるか、講師の力量が試されます。腕が鳴るぜ!
と言いつつ、5月の頭から咳喘息であまり声が出ないので、普段よりやや暴力多め。医者によるとあと1ヵ月は声が出ない状態が続くそう。危ないと思ったら手近な木の棒でスパーンと殴るので、弾け過ぎないでね!

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新しい一面を垣間見せる

2024-05-25 23:39:27 | 大人 水彩


佐藤K 透明水彩

岩田です。本日は、佐藤さんの作品をご紹介します。

こちらは、昭和に建てられたアパート。既に人は住んでおらず、網戸も外れっぱなしの状態で放置されています。今まで旅行先のヨーロッパなどの風景を描かれていらっしゃった佐藤さんですが、突然描いたこの廃墟。
美しく整然とした街並みを描かれていた時は、どうしてもデッサンの狂いなどが目立ってしまいましたが、ゆらゆらとしたペンで描いた線とラフな塗りが、傾きかけたアパートの様をよりリアルに感じさせくれます。

今まで使っていた鮮やかなトーンは影を潜め、全面が落ち着いたグレーに覆われ、枯れたような雰囲気に包まれていて、作者のこれまでの作品には見たことのない新しい一面を垣間見られたような気がします。

身近に見られる建物をどこか擬人化したような面白さを持つこちらの水彩。これから描き方を更に洗練させていきながら、シリーズ化していっても良いかもしれません。

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紫陽花スタンプ

2024-05-24 20:52:30 | 幼児

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、幼児クラスの作品です。大きく立派な紫陽花が花屋に並び始めていたので、その日に購入し授業のモチーフにしました!
まずは葉っぱをクレヨンで描いていきます。一人1枚葉っぱを渡し、形や葉脈を観察しながら描いていきます。黄色、黄緑、緑から青や赤まで使う子もおり、それぞれかわいらしい葉っぱが育ちました。そして花びらの方は、四角いスポンジを輪ゴムで十字に縛ったスタンプを押して描いています。様々な色の絵の具を使い、ポンポン押しまくりたくさんの紫陽花を咲かせました。押していくにつれ、スポンジの中で色が混ざり合い、グラデーションの花も咲いていて綺麗ですね。
紫陽花が完成したら紙粘土でカタツムリを作りました。実は1枚目の写真の作品の中に、葉っぱに乗っかっているカタツムリ達が各1匹ずつ隠れています。見つけられるかな?

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ポスターにしたらどう見える?

2024-05-23 22:53:06 | 学生


左上 恵菜 中2 / 右上 梅 高2
左下 優心 高2 / 右下 暁希 中3

マユカです!今回もサヤカ先生やナツメ先生に引き続き、学生クラスの水のデザインの紹介をしていきます!
今回は学生たちに足並み揃えて同じテーマを与え、作品を作ってもらいました。水をテーマにしたデザインということで、広告を作るイメージで構図を大きく、見せたいものを分かりやすくしよう!と伝えてみたところ、かなり大きく画面にモチーフを配置してくれました。どの作品もポスターなど、遠くから見られるような媒体に移しても目立ってくれそうなほど大胆な構図をしています!

恵菜
手と水を組み合わせ描きました。このデザインを制作する前は手のデッサンに挑戦したりと、「手」というモチーフに意欲を感じ、多摩美の受験期に一生分の手を描いていた私からしたら少し嬉しかったり…水を手の甲に流すことで指先から下へと滴っていく雫や水の流れが、手の形と合わさり逆三角形になっているのが分かるでしょうか。これは不安定な構図になっており、安定した構図よりも人の目を惹くという効果があります。背景を黒にすることで手と水の対になっている配色が分かりやすく見えてきますね。扱いの難しいアクリルもうまく使えています!


こちらは水彩絵の具で描きました。色を重ね、紫、水色、青、緑と様々な色彩が見えてくる様は実際の水晶の様に光を反射してきらきらと輝いているようです。多面的な立体はかなり描くのが難しいのですが、影に当たる部分に鮮やかな青と紫を重ねることで暗さを表現しつつ画面を濁らせないなど、配色一つをとっても工夫を感じます。また、彼女の構図も逆三角形になっていますね。上から下へと視線が移動し、一枚の絵に物語性が宿るのです。それによって印象に残りやすくなるんですね。

優心
優心は目、涙をモチーフにデザインしました。目というモチーフは強く、それだけで画面が成立してしまうため他のモチーフを差し込むと目立たなくなってしまう(目にしか視線が行かなくなる)のですが、彼女はそこの水の扱いを涙として処理し、更に一番視線が行く瞳の部分を溶けたような表現にして涙と繋げました。そのため水の描き方は勿論、その色彩の複雑さにも注目できます。組み合わせによって双方を引き立たせる描き方は素敵ですね。

暁希
暁希はペットボトルと水を描きました。一番身近な液体は飲料だと思いますが、そんな身近な飲料ボトルからスライムの様に粘度のある液体が出たらどうだろう?というアイデアをデザインに落とし込みました。でろでろとした質感が液体の映り込みによって表現され、濃い青や薄い青の中に背景のオレンジが映り込み透明感を出しつつ、差し色としても機能しています。青とオレンジは相性がとてもよく、対色にとても近いです。引き立てあう効果があるためどちらもくすまず鮮やかに目に映りますね。

「デザイン」は絵画とは違い、自分の好きな物を描くだけではうまくいきません。常に見る人のことを考え、どんなに難解な内容だとしても視覚だけで一発で分かるような画面を作ること。そうしないと一瞬しか見てもらえない広告は興味を持ってもらう前にスルーされてしまう。
注目を得るには?分かりやすくするためには?情報量は足りてる?それとも多い?等、何度も何度も考えながら画面を作ることでいいデザインは生み出されてきたんですね。もし街中で気になるポスターがあったら「どうして自分はこれが気になったんだろう」と分析して見てください。もしかしたらその中に良いデザインのヒントが隠されているかもしれません…!

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水のデザイン-学生編-

2024-05-22 22:26:05 | 学生


左上 瑞希 中3 / 右上 千佳 高2
左下 明日菜 高1 / 右下 郁人 中2

ナツメです。今回は学生クラスより水のデザイン作品をご紹介します!4月に作ったテキスト「無色透明の水の描き方」を参考にして描きました。流石は学生と言うべきか、素晴らしい描写力と独創性です。作例として本に載せたいくらいの力作揃いですね!本の中で紹介した波紋の描き方に加え、「上級編」と称して巻末に掲載した水の王冠にもチャレンジしています。

瑞希
鳥の足先から広がる波紋。目に飛び込んでくる赤色が印象深いですね。脚が水に反射している様子、丁寧に描かれた波紋など非常によく観察して描いているのが伝わります。水面のコントラストを強くするため明るいところはあまり塗らずに残しており、透き通った水の清涼感が出ています。

千佳
水を受ける両手を描きました。恐らくカサネ先生が描いた表紙の水滴を参考にしてくれたのだと思います。映り込みを捉えた水自体の描写も素晴らしいですが、水と手が関わった時に起こる現象の方にスポットを当てることで千佳がどこに興味を持ったのかがダイレクトに伝わるメッセージ性の強い画面になりました。

明日菜
水の王冠を描くだけに留まらず、水中の様子まで描いてくれました。ぱしゃっと軽い音が聴こえて来そうな躍動感。形だけではなく空気中の水は黄色、水中の水は紫と色で対比させることで違いを明確に表現しています。奥行きを出し辛い真横からの構図でよくぞここまでよくぞここまで描きました。

郁人
ペットボトルの水を勢いよく注ぐ様子。水面に暗めの緑青をメインで置いているため、注がれて跳ねる水飛沫がとても見やすいですね。水面の波紋は細い筆でストロークを重ねて描いているのに対し暗い深緑はざっくりと乗せているので水深の深さも感じます。カラフルながらどこか涼しげな一枚です。

予備校時代、デザインでとにかく一番大事なのは「わかる」ことだと耳が痛くなるほど教わり、大学の制作でもそれを実感しています。ターゲットに正しく伝わらない限りどんなにいい商品を作っても手に取ってもらうことができません。その点で、今回の4人の作品は何を描きたかったか、水のどこを面白いと感じたかが一目で伝わることがまず素晴らしい!液体をリアルに描く描写力だけでなく、伝えるための構成力も引き続き培っていって欲しいです。

 

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一つのテーマから

2024-05-21 22:14:01 | 学生


左上 紗希 / 右上 希
左下 文美 / 右下 由唯 全て中1

サヤカです!夏のような天気で気分も明るくなりますね。今回は、小学生クラスから上がって来た、新中学1年生の作品を4枚集めてご紹介します。
小学生クラスで行った水の描き方から派生して、学生クラスでは液体をテーマにデザインを行いました。同じテーマとは思えないほど、個性豊かで自由な作品たちですね。

紗希
大小様々なトマト、そしてトマトが射抜かれて破裂しているというポップでユニークなアイデアが光る作品です。光を意識できていたり、完全に熟れていない色が再現されていたりと、アイデアだけでなく光源や配色も見ていて楽しいこだわりが感じられます。


ワインが注がれるシーンを切り取り、おしゃれなムードが演出されています。背景を真っ黒にするのは勇気が必要だったと思いますが、黒の背景にグラスの反射がよく映えています!グラスやボトルの形どりに苦戦しつつも、グラスの繊細さ、軽さに対してボトルは厚み、重さがあるという質感の違いが再現されていて素晴らしいです。

文美
思い切った背景の配色が目を惹きますね!グラスの倒れ方、水のこぼれ方をどうすれば思い描いた構図になるのか、試行錯誤しながら描いていましたが、水平線の中に動きのある液体があることで、より躍動感が際立っています。赤、白、緑…イタリアの国旗を連想する配色ですが、何か意図があるのかな?今度会ったら聞かせてください!

由唯
水のデッサンで学んだことを応用した躍動感がある作品です。背景も青色なので、水の反射、陰影をしっかりつけなくては埋もれてしまいますが、しっかり光と影を描けていますね!水の描き方のテキストには載っていなかったまとまりのある水にも挑戦し、水滴の描き方を複雑な影の入れ方に応用できていてチャレンジ精神を感じます。

小学生クラスの時よりも自由度の高い課題に悩みながらも、アイデア溢れる作品を完成させました。小学生クラスで学んだことを活かして、これからも楽しく創作活動を続けてください!

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操り人形2

2024-05-20 22:59:07 | 小学生 工作

オバラです。小学生クラス5・6月のカリキュラム『マリオネット(操り人形)』の中間報告第二弾。
いよいよ低学年も、のこぎりにチャレンジする子が多くなりました。おっかなびっくりの及び腰ですが、意外とイケる!イケてる!
のこぎりで難しいのは、切ることではなく、木を抑えること。低学年は体重が軽すぎてしっかり踏み込めません。そこで子どもが足で木を押さえている上から、こちらも靴で踏みつけ、ダブルで抑えてあげます。動かぬように抑えられれば、後は地道にギコギコやればOK。
ちなみに子どもに軍手は履かせませんが、講師は履きます。力の加減を誤っても自分の手は切らないけど、他人の手は勢い余って切っちゃうんですよねー。軍手に血がにじむほど切られていますが、それだけ一生懸命なので気にしない。

小さなパーツに切り分ける前に、一度大まかな形を組み立ててみます。薄い木をサンドして厚みをつけるようにばかりしていると、パズルのように平面的なつまらない人形になってしまいます。三角に切って前後に角度を付けたり、真ん中を空洞にするなどして、密度が無くても軽いまま幅・厚みをだせるよう指導します。
木の彫刻(置物)なら重くてもいいのですが、片手で持って操れなければいけませんからね!

接着してから着彩すると、単色になってしまったり、汚く雑な塗り方が目立ってしまうので、どこのパーツにするか決めていない状態で色を塗らせてしまいます。カラフルな積み木がたくさんできて綺麗です。1つ1つ違った模様を描く子もいます。
但し顔などは書いてはダメ!具体的に描くのは禁止。全て塗る必要は無し。無垢の木肌そのままの部分があってもOKです。
来週の報告もお楽しみに!

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課題を乗り越えながら

2024-05-18 22:43:34 | 大人 パステル・色鉛筆・他


近藤 色鉛筆

岩田です。今回は、近藤さんの作品をご紹介します。色鉛筆の楽しさを実感し、様々なものを描いている近藤さん。

以前描いたこちらの作品バイクの色鉛筆画も記憶に新しいかもしれませんが、時間をかけ丁寧に塗りこみ描き切るといったスタイル。
今までも、女性のキャラクターを描くことがありましたが、今回のように情景と絡めて描くことは初めてだと記憶しています。

先ず、描く前にどのようなキャラクターにするか、本などを参考にしながらコスチュームや髪型といった容姿、それをどういう場所に置くのかといったことを実に慎重に計画立てていくのが見て取れます。作者にとって一つのシチュエーションを決めていく作業は、自身の空想力を掻き立てる最も楽しい作業なのかもしれません。

今回は、先に人物、後で背景といった順番で作品を仕上げていったのですが、両者が上手く溶け込まず苦労していたようです。
確かに近藤さんの描き方を見ていると、全体を同時並行的にというより、部分的に描きながら最終的に全てが繋がっていくという感じ。ご自身にとっても、今回の作品は、一つの課題を見つけることができた良い機会になったことでしょう。

今後も様々な課題を乗り越えながら、色鉛筆で描くことを極めていってください。

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隅々まで描き切る気概

2024-05-17 20:39:53 | 大人 デッサン


大塚 鉛筆デッサン

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、大塚さんの鉛筆デッサンです。入会してこちらでお勧めする鉛筆デッサンが終了後も、続けて基礎固めを続けていらっしゃっる大塚さん。現在持てる力・技を全て出し切った渾身のデッサンです。黒〜グレー〜白までの色の段階を作る事が出来ていますね。デッサンでは、持っている全ての濃さの鉛筆を使い、モチーフの細かな色の変化を追う必要があります。隅から隅まで、全てを描き切ってやろうという気概が感じられます。
また、色は濃くするだけではなく、時には練りゴムで白を作っていく必要もあります。消すというよりも、白い線を描き加えるイメージで進めていくとより良いでしょう。なんだか真っ黒になってしまう・色の幅が出ないという人は白い部分を作る意識をしてみて下さい。特に金属などは黒さと鉛筆の線の密度が必要となってきますので、沢山線を引いては消してを繰り返して調整していく必要があります。ランプ・アイスペールなどは金属の重みがしっかりと出ました。デッサンで学んだ描き方は、油絵や水彩など、他の表現でも活用する事が出来ます。是非色々な物に挑戦し、様々な物への理解を深めていって欲しいと思います。

次回からは石膏デッサンにチャレンジされるとの事。これまでの静物デッサンとはまた違った難しさがありますが、この気概を持ったまま挑んでいってほしいと思います。

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葉の一枚一枚が見えるような。

2024-05-16 23:38:09 | 大人 水彩


釘宮 透明水彩

マユカです!今回は釘宮さんの作品をご紹介していきたいと思います

透明水彩で風景を描き続けていらっしゃる方です。今回は花々が咲き誇る温かみのある庭園を描かれました。前回の作品はこちら
今の季節にピッタリ合わせてフィニッシュを迎えられました。色とりどりの花がありますが、全体的に暖色でまとまっているため見やすく、花に注目しやすいカラーリングになっています。ぐっと暗い低木の地面や枝が画面を引き締め、遠くにあるものはふんわりとした印象にすることで花の鮮やかさが際立ち、目に楽しい一枚となっていますね。

釘宮さんの作品の持ち味はその細かさでしょう。前回の作品も今回の作品同様植物のある風景を描かれていますが、木や建物の木組み、屋根の雰囲気に至るまで細やかなタッチで描かれています。今回の作品でも花の描き方と茂みの描き方が少し違っていたり、奥にある葉の種類を変えられていたりと、様々な個所から観察力の高さも伺えます。それはかなり難しいパースのついた楕円形の構図が全く違和感なく描かれている所からも。繊細な描写が出来るのは、間違いなく鋭い観察力があるからでしょう

見る力は描写力に繋がります。実物やモチーフをよく観察し、観察眼を鍛えることで描くことが出来る絵の幅が格段に広がります。もし時間があれば、身近な物のスケッチなどをしてみてもいいかもしれません

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偶然の産物

2024-05-15 22:18:20 | 大人 パステル・色鉛筆・他


佐原 木版画・一版多色刷り

 

黄砂に喉をやられてしまいました、ナツメです。本日は月曜大人クラスの佐原さんの作品をご紹介します!

今回は2017年の有馬記念の様子を版画にされました。力強くターフを蹴る疾走感が伝わってきますね。色版をいくつか使い分ける版画の浮世絵などとは違い、今回は一版多色刷りという一つの版に数色の絵の具を乗せる方法で印刷しています。あまり水で溶かない状態の水彩絵具を直接板の上に塗り、絵の具が乾かない内に刷ります(下図が印刷後の版です)色ごとに版を分けないため色入れ作業に時間がかかりますが、ずれずに綺麗な仕上がりになるのが特徴です。

尻尾の毛や手綱、筋肉の凹凸など非常に細かい線も丁寧に彫っています。黒い紙に刷るため彫った部分が黒く浮き上がるのですが、それを活かしてまるで競走馬が浮かび上がって見えてくるかのようにシルエットで形を捉えていますね。背景の白の掠れ方も相まって、息を呑むような会場の臨場感も伝わってきます。版画ではインクが筆のようにコントロールできず、掠れや溜まり、滲みなど偶発的に生まれる表情が魅力の一つです。彫っている間にイメージした完成図のようにはいかず、思い通りにならないからこそ、今回の掠れのような相乗効果が生まれた時の喜びもひとしおです。

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