モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

スケッチ会

2010-08-31 19:46:23 | スタッフ講師
Kurokki108人物クロッキー会のお知らせです。
20分ポーズを5回とも同じ姿勢でとってもらう固定ポーズです。
今回は、中学生の女の子にモデルをしてもらう予定です。
ミオス生徒さん以外の方も参加していただけます。
アドバイスが必要な方はお申し出下さい。

日時   9月4日(土) 16:00~18:00
参加費 1500円 (ミオス生徒 1000円)
持ち物  スケッチブック、画材etc (イーゼル、画板、イスなどはご用意してあります。)
お申し込みはお電話でお願いします。   044-411-1600

ぜひ皆様のご参加お待ちしております!


本日クロッキー会の宣伝をアップする為、佐藤先生とブログを代わりました。   オバラ

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油絵的通信簿:その伍

2010-08-30 02:54:00 | スタッフ講師
どうも幸介です。夏休みも終わり油絵通信簿もラストスパート!!今日も張り切ってまいります!!(目標は夜明け前に書き終わる事!!!)

201008301
左 花音(かのん) / 右 琴葉(ことは)

まずは花音の作品から。本人は気づかずに描いているのかもしれませんが、ガラスのボールに入ったリンゴとその前にある透明のグラス重なりが美しいですね。ガラス越しのリンゴが、レンズ効果でずれて見えているのをそのまま描写しています。本人は一年生の時からアトリエに通っていまして、昔っから大人びた口調で一年生ながら六年生と対等に会話するような、ちょっとませた性格。最近ではグッと大人になってきまして、気だるい印象で週末のOLのような口調で話しているのが印象的です。ですがその割に、絵はけっこう素直ですよね!?ものを真正面から捉える構図や、素直な色彩。それぞれのモチーフも、「疲れたーめんどくさいー」とか「いったいどう描いたらいいワケ??」なんて僕ら講師に突っかかりながらも、意外とすんなり描けています。実はけっこう小原先生や僕に似て天の邪鬼!?なんじゃないかと思いますがいかがでしょうか。めんどくさいと毎週のように言い続けて、しっかり5年もアトリエに通い続ける彼女。言葉とは裏腹に内面が垣間見えた作品ですね!!

そして琴葉の作品。最近アトリエに通い始めて、もちろん初めての油絵。少し人見知りなところもあるけれど、慣れてくれば何でもウェルカム!!な精神の持ちぬしです。そしてこの油絵、主役の鳥ももちろん良いんですが、小物のリンゴやサクランボの陰影に使っている深く鮮やかな赤が画面の印象を引き締めていますね!!その陰影の描き込みも素敵です。油絵は乾くのが遅い画材ですので、隣どおしの色が混ざって濁ってしまう事も少なくありませんが、彼女の絵はどこの色も鮮度が高く、それが全体をフレッシュな印象にさせているのでしょう。そして、一番手前にある水色の宝箱が一番描きたかったモチーフ、と本人が語っていました。この宝箱を描いたのは彼女だけでしたが、この鮮やかな青色も画面を引き立てていますね。完成してしまったのでもう分からないんですが、この宝箱を鉛筆で描いた下描きの状態も非常に良かった!!なんの説明もせずに立体的に描けていたので驚きましたが、やっぱり絵は好きな物を描くのが一番の上達の近道なのかなぁと思いました。この場所に宝箱を置いて良かったです!

201008302
左 りお / 右 美月(みづき)

左はりおの作品。彼女は油絵の授業の途中から入会しました。なので、ただでさえ油絵の授業日数が他の曜日に比べ少なかった木曜クラスの中でも、さらに油絵を描く回数が少なかったんです。ですがこの出来映え!!!こちらは僕が組んだモチーフでしたが、斜めに立てかけた木に鳥がとまり、ごうごうと火の燃えるインドのロウソクと緑のランプと、銀のトレイに乗ったサクランボとプレゼントボックスとオレンジ、という具合に、ごちゃごちゃと材質のバラバラなモノが入り乱れている場所だったんです。そんな難しい場所を、ことごとく「油絵初めて」な生徒達が選んだもんだからどうなることかと思いましたが、りおも例に漏れず素晴らしい作品となりましたね!もともと描写力の非常に高い彼女ですが、それぞれのモチーフのバランスや構図が良いですね。そして凄くカッコいいのが、真ん中を斜めにどーんと横断する流木の配置!!左上から右下へ、まっすぐ斜めに分断された構図がオシャレです。北斎のようですね。これのおかげですごーく収まりのいい絵になっております。この構図、真似したいぐらい良いです。この安定感なら、お家のどの場所に飾ってもしっくりくるのではないでしょうか。

そして美月の作品。一年生の夏休みに「夏休みの宿題をやるためだけに、一ヶ月だけ通います」とアトリエの門を叩いてから、もう気づけば5年目になる美月。ほんわかして屈託の無い彼女は、ずっとマイペースに制作してきました。立体感についてや色の使い方など、のんびりした彼女とは相反するように全力で(風景画の授業の時に、道路を動き回って建物や道路の立体感の描きかたを教えた事もありました)教えてきたつもりですが、ついにこんなに美しい絵が描けるまでになりましたね!!初めてアトリエに来た時も花の絵を描いていましたが、今回の作品の花も色合いがとても美しいです。画面をはみ出るダイナミックな葉や、ガラスの花瓶の青の微妙なコントラスト。立体感とかモチーフのカタチとかそういうことはすっとばして、素直に美しい作品だと思います。ゆっくりと培って来たものが実った感じですね。彼女を知っている人ほど、この絵には感慨深くなるんではないかなぁと思います。ちなみに青い花瓶の下にレコードが敷いてあるのですが、最近はレコードを目にする機会もあまりないようで、彼女に「レコード」という言葉が通じずに小原先生がショックを受けていた姿が印象的でした(笑)

201008303
左 あみか / 右 あゆみ

あみかはものすごーく手先が器用で、自分の携帯ならまだしも、中学生の姉の携帯も細かく綺麗にデコってしまうようなセンスの持ち主。小学生にして僕や小原先生に「手に職つけたな」と言わしめるほどです。しかし彼女の本領はその「色彩センス」で、毎回毎回どの作品も類い稀なる色合わせが影で光っています。今回の作品も、果物のみずみずしい鮮やかさや紫がかって落ち着きを持った花びら、青みがかって高山植物のような色合いの葉など、すべて自分の好きな色になるように仕上げてあります。どれもその場に置いてあった本物のモチーフの色とは違います。でもそれで良いんです。好き勝手色を使ったらたいてい散漫になってしまいますが、あみかは必ず色の統率が取れる。色を作り出すだけでは色彩センスがあるとは言えません。彼女のように色の「統率を取る」ことが出来て初めて、色彩センスがあると言えるのではないでしょうか。この感覚は実は訓練で身につけられるものではないそうなので、このままこれを武器に、どんどん色んな物を豊かな色彩でデコって行ってほしいと思います!

そして本日最後のあゆみの作品。明朗闊達で、いつもニヤリとした笑顔で好きなように制作しているあゆみ。2年生の時に体験授業で来た時から知っているんですが、その時から変わらず、ずっと子供らしいおふざけを謳歌しながらアトリエに通っています(こんなこと書いたらまた怒られそうですね…)夏休みの変則的な授業や、自身の予定などで少々制作が遅れましたが、なんとか本日完成致しました!!!そして今年の油絵の成長っぷりにびっくり!チェックの布の模様もさることながらその遠近感もしっかり描写しています。紙風船に入った陰影も、影ではなく色彩で描いているので魅力的ですね。全体的に軽いモチーフが多く油絵の厚みを出すのが難しいモチーフでしたが、モチーフそれぞれの陰影や細かなチェックの描写で、しっかり作品として完成しましたね!画面の中の空間がとても広く、軽やかで明るい彼女自身の性格が絵によく現れています。なんとなくですが、彼女を知らない人でもこの絵を見るだけでだいたいの彼女の人となりが見えてくるんではないでしょうか!?


…というわけで本日も6人紹介しましたがいかがでしょうか。今日はかなりのハイスピードで、夜中の3時を回る前にここまで書ききることができました!!今日はぐっすり眠れそうです。
残すところ月曜&木曜クラスはあと5人。みなさま、あと少しだけお付き合いくださいませ!

田中幸介

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どちらが好き?

2010-08-29 07:08:00 | スタッフ講師
Umedarahu
梅田  左 『嘘を貫くこともできずに…』F6、 右 『大地礼賛』M8、 油彩

梅田は、まだ発展途上でありながらも、若手にして油画の魅力を見せてくれる気鋭の新進作家であると、私は思っている。
たくさんの絵画がある中でも、うっかり見過ごす事などできないような、人を惹き付け魅了する力が感じられる。

オイルにより光沢が出るのが特質である油絵の具を使いながら、あえてマットに仕上げるという手間もテクニックも必要とする技法で制作する、執着に近いこだわり、その妥協を許さぬ姿勢こそ、この作品の隠れた魅力と言えよう。

彼の描く世界は、万人に受け入れられる共感性からは離れていながら、それでもなおメッセージが届くのは、美を卓越した独自の世界を築きあげ、画面の中の個性が見る者の気持ちに触れ、相乗作用により輝き出すからであろう。

自称美術評論家-小原京美
(本日、林先生が教員採用試験中の為、小原が代わりました。)


以下、梅田さんから

作者はどっちが一般ウケするか、気になっています…

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夏もおわりですね・・・

2010-08-28 00:37:00 | スタッフ講師
St330302檀 「砂浜に落ちていそうなもの」 鉛筆

チノです。夏も終わりのはずなのに、、、相変わらず残暑が厳しいですね。
そして、このウィンドウ(もしくは8月分のブログ)の子どもの作品率の多いことに改めてビックリしてしまったのでした。

そんななか今日は大人クラスの作品をご紹介したいと思います。何だかこの時期にぴったりの、哀愁漂う、過ぎ去った日々を思わせるようなデッサンです。いつもは幻想的な水彩画を描かれている檀さんですが、展覧会に出品する作品が一区切りつき、久々のデッサンとなりました。(一昨年もそうでしたが、展覧会の作品を境に、違う画材にチャレンジされたり、原点回帰のデッサンに戻る方が多い気がしますね!)
砂時計の上の部分の支柱が欠けているのがおわかりでしょうか?長い年月が過ぎゆき、朽ち果てたような演出も、物語性のある作品を描かれる檀さんならではの演出だなと感じました。最近、好きな作家の1人である有元利夫(1946-1985)さんの展覧会を見て再認識したのですが、「欠けていることで、欠けている前よりもより存在感が強調される」ということがあるように思います。それはそのモノが辿った時間の経過までも画面に表現されているような、そんな気がするからかもしれません。

以下檀さんのコメントです。
「左奥のサンゴの形が複雑で大変でした。貝は細かい形をしていますが、描いている時、一番楽しかった部分です。」

この繊細な形の貝の名は「フィッシュボーン」・・・かと今まで思っていたのですが、どうやら日本では「ホネ貝」と呼ばれているようです。う~ん、いまいちな響き・・・。

難易度は高いですが、細かいものを描くのが好きな方、是非チャレンジしてみてはいかかでしょうか?


実はこの記事、書き終わって、貝殻の名前が正しかったかどうかgoogleでチェックしていたらフリーズしてしまい、最初から書き直しました・・・。過ぎ去った時間のむなしさを感じてしまった夜更け・・・よよよ。

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作品というより人物紹介

2010-08-27 02:57:00 | スタッフ講師
オバラです。田中先生が前回の通信簿(ブログ)を書きながら、早朝眠気に耐えられずパソコンに突っ伏して眠ってしまったと聞き、無理矢理4人奪いました。
私が書くと決まってからも「僕が書きたかったです。無念です…」と口惜しそう。
田中先生の子どもに対する愛情表現と責任の果たし方はいつも明快で美しく、彼の生徒として出会えなかったことが本当に残念でなりません。

さて、超長文の小学生クラスの油絵紹介に、大人クラスからぼちぼちクレーム来てますが、まだ続きます!
2010aburagetu
左 顕成 / 右 廉人

顕成が行動する前には常に脳内の実況中継が入ります。
「さっきここは幸介先生に少し赤を混ぜた方がいいって言われてたんだよな。でも先にこっちも気になるな。ん?でも僕が今持っている筆にはなぜか赤がちょっぴりついている!ってことは、きっと赤を混ぜろってことだな。あぁ、しゃべっている内に時間がいっぱい過ぎてしまった!じゃー混ぜまぁす!よいしょよいしょ…」
そして、ひとつの作業が終わると電池が切れ、行動もおしゃべりもプッツリ途絶えて、ぼーーーーーー。
しばらくして名前を呼ぶと「はっ!?僕は今どこにいたんだ?ぼーっとしている間にまた時間が経ってしまった!次はどこをやろうと思ってたんだっけな?思い出したぞ!ここを…」続く。
一生懸命制作する時と充電時間の境目がわかりやすくて、またお休み中の表情がなんとも愛らしくつい声を掛けるのをためらってしまい、元々遅筆な顕成の作品がどんどん取り残されてしまいます。でも焦っている時の行動と脳内の実況中継もまた面白いんです。
これはそんな愛おしい顕成の最後の作品。一人だけあまりに長く油絵を描いていた為モチーフがなくなってしまい、描き掛けの赤い塊がなんだったかわからなくなってしまいました。それでも私を責めたり、悲しんだりは一切なく「この形はなんだかカニに似てるから、カニにしよう!」とポジティブに取り組みました。とってもユニークな作品になりました。
引越し先でも他人と違うことを誇りに、胸張って我が道を進んでね!

廉人の美術に対するこだわり、執着はまるで妥協を知らないプロの作家のようです。
それゆえ上手く行かない時の怒りと悲しみもストレートで、芸術家のパワーと情熱を感じます。
わがままとは全く異なる“本気”の姿勢が見えるので、煮詰まって発想の切り替えができない時だけプライドを傷つけないようにそっとアドバイスするようにしています。
それでも納得のいかない時は一緒に苦しんで、納得のいく結果を出せるまで粘りに粘ります。その根性は尊敬に値します。
と書くと、どんな堅物かと思われそうですが、イタズラ大好き・ちょっと元気過ぎる健全な男の子。おちゃらけと真剣を交互に出して、怒られたり褒められたり呆れられたり感動されたりほっとかれたり構われたり、彼の周りはめまぐるしく変わります。私たちも彼に付いて行く為大忙し。
だからこの作品も、ラムネのビンを集中して描き(この時うっかりアドバイスを入れようとしたら「今は何にも言わないで!自分の力だけですごく頑張ってるんだから!」と怒られ、頼もしくてうれしかったです。)できたらちょっとふざけて息抜き、また下駄をよく見て漆塗りの光まで写し、と、メリハリをつけて制作しました。
これからも廉人が思いっきり自分を出してストレスを発散しても、片手で余裕で受け止められるよう、私もまだまだはっちゃけるぞー!
2010aburagetu2
左 史穏 / 右 風花

甘え上手な史穏なので、「今日は絶対あのかわいらしさに惑わされないで厳しくやるぞ!」と思っても、「先生、史穏、水の色がわからないのぉー。ここが難しいのぉー。」とついつい彼女の思惑に引っかかり、そばにいる時間が長くなってしまいます。
「自分でもう一度よーく考えてもわからなかったら、また来るから呼んでね。」と言ってる側から「史穏よーく考えたもん!考えてもわからなかったから先生呼んだんだもん!」とむくれられると、「ハイハイ、ごめんね。」とつい謝ってしまうのがいつものパターン。
しかも、あとちょっとしつこく質問したらそろそろ怒られそうだなと察するのも早く、「もうわかった!一人でやってみる!」と集中し始めます。
また初めて会う先生、先輩でも瞬時に人柄を見抜き、自分のペースに引き込む事ができる女の子。
全くもって末恐ろしい小悪魔ですがこの処世術、人間関係食うか食われるかの力技だけで生きている私も見習わなくてはいけないかもしれません。
そんな人間を見る洞察力を、油絵にも活かしました。
可愛いものは可愛いく、綺麗なものは綺麗に描けて、隣り合わせになる色だって考えて選んだ訳ではなくても最高のハーモニーになるのは、やはり世渡り上手な史穏のなせる技なのでしょう。

風花は物静かで思慮深く、取り組む前に考える時間が人より長く必要です。
彼女と初めて出会った頃はそんな性格がわからず、大人しいが故なにをしていいのか困っているのに「助けて」と言えないのだと思い、つい構いすぎていました。
でも話しかけると物凄くしっかりした口調で「今、こういうアイデアが浮かんでいるので、こんなやり方で形にしてみようかと思っています。」「先生がさっき言ってくれたのと、違うやり方をしたいんですけどいいですか?」なんて大人の口調で静かに真っ直ぐ視線を向けて話してくれるのです。
自分のやりたい事を優先するのではなく、講師にまで気遣いができる程しっかり者でした。
この油絵は前回のカリキュラムの仮面が最後に完成してしまったので、全員モチーフの場所取りが済んだ後に入り込まねばならなくなりました。
奥ゆかしいので、密集した人の間に割り込む事は絶対できない。「でもあのステキな鏡だけは絶対絵の真ん中に描きたい!先生はよく見える手前の物を描いた方が楽だし上手くいくよ、と言ってたけど、鏡は譲れない!」という情熱で、彼女の座った位置からは離れた場所にあった鏡を中心に入れたのです。
描きたい気持ちが現れて、丁寧に観察しています。こんなに描いてもらったら、このモチーフをセットした田中先生も本望でしょう。
また勢いよく燃えるロウソクの炎もリアルです。(油絵完成も最後になってしまったので、授業の度に毎回点火していたロウソクが短くなって、ごうごう燃えた。)
落ち着いた静かな色合いの画面の中に、一ヶ所熱く燃え盛るロウソクがあるなんて、まるで風花そのものが絵になってしまったようです。


と、ここまで書くのに3時間。田中先生が捨て台詞で「小原先生が代わってくれるのは諦めましたが、相当大変ですからね!4人とは言え生半可な覚悟じゃ書けませんよ!」と言ってたのが今沁みました。
田中先生ごめん。ちょっと侮ってたかも。
最後まで読んで下さった皆様も書いた私も(ずーずーしい)お疲れ様でした!
千野先生ごめん。明日の土曜午前クラス、寝坊しちゃいそう。(なーんて、土曜はいつも寝坊で遅刻してるんですけど♪)

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粘り強さで彼の勝ち

2010-08-26 22:44:00 | スタッフ講師
2010_0826

プライベートレッスン 年中作品 

見ての通り、カブトムシとクワガタの対決です。
何回も何回も勝負したのに、私は残念・・・・0勝。

色画用紙で作った昆虫を空き箱の上にのせて、トントン相撲風の紙工作です。

アトリエには小原先生採集(?)の標本がたくさんあるので、絵画の時も工作の時も本物を見た刺激が制作意欲に繋がって、毎回楽しく制作がスタートします。

この授業での工作の制作方法は、あえて制作方法は説明しませんでした。
自分のアイデアと試行錯誤しながらの彼の粘り強さで、ここまでリアルに完成しました。

平面の画用紙を立体的にするには?
尖ったツメをもった細い足を切り取るには?
頭と体の接続は?

制作指示がないので、疑問がたくさんあったはずです。

でも、
私が立体的に組み立てていく過程をとても集中して見ることで、自分の作品にも反映させて正確に形にしていくことができました!

これは、決して人のマネをしているのではなくて、自分がもっている完成のイメージに近づく為の作業のなかで、自分に必要な要素を見つけて制作しているのです。

工作完成後は、2人で無心に対決を楽しんでしまいました!
圧倒的な勝利を勝ち取った年中さんの彼は対決に火がつき、そのあとの絵画も対決シーン。
木のしる目掛けて、クワガタとカブトムシがえさの取り合いをしているところです。
こちらは、カブトムシとクワガタ、どちらが勝ったイメージなのでしょうね。

・・・彼がはじめてアトリエに来た時は、年少さんでした。
動物や昆虫の絵を描く事が大好きで、初回プライベートレッスンが始まる前のほんの短い時間にも、アトリエの壁に掛かっていた馬の絵を見ながら、あっという間に描きあげてしまったことを思い出します。
馬の絵は、小学生クラスが砂から絵の具を作って描いた作品だったのですが、砂の絵の微妙な色合いを、彼が描く絵ではクレヨンで色を重ねて描いていました。
この昆虫の絵も画像では分かりにくいですが、クレヨンの混色が見事です!

鋭い観察力に発想力。
最近は集中力も増してきました。
幼い年少さんの時から授業を見ていますが、集中するところと無邪気に楽しんで遊ぶところをきっちりと分けて制作できるように成長して頼もしい限りです。


伊藤












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現代のジャポニスム

2010-08-25 02:22:00 | スタッフ講師
Ishiyamae_2
石山 日本画
幅広い年齢層の方が集う水曜大人クラスでのムードメーカー、石山さんの日本画が遂に完成しました!
屏風絵の一部を模写した作品ですが、もう模写の域を超えて琳派に影響を受けたオリジナル作品と言っても良い位です。
実は私は琳派・狩野派などの江戸中・後期の屏風絵や襖絵が大好きで、無駄の無い構図や間の取り方、煌びやかな金箔の背景を見るたびにため息をつき、日本に生まれて良かったな~としみじみ感じています。また当時は西洋でジャポニスムという日本ブームが起き、ミュシャやクリムト、モネやゴッホなど、日本でも人気のある作家達が影響を受けているのです。
今回石山さんにそんな屏風絵のハイセンスさをすごく上手に汲み取り、現代的でお洒落な作品を作っていただいたので、展覧会でお披露目するのがもう石山さん以上に楽しみです!!
実際の屏風絵は植物をもっと平面的に描いてありますが、こちらの作品は本物の写真を見ながら立体感をつけてあります。平面的な背景と立体的な植物の対比が力強く、人目をパッと引きます。これはそれぞれの植物の描写がしっかりしているからこそ!
またサイドも実はちゃんと絵の続きが描かれています。
Ishiyamaside
パネル自体が作品ですね!!
初めての日本画で、ここまで完成度の高い作品づくりができる石山さんの力量に感服です。

今年の展覧会は日本画が多く展示される予定ですので、ミオスに今以上のジャポニスムが起きるんじゃないかとワクワクしています!

赤尾

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油絵で見えたこと

2010-08-24 03:56:00 | スタッフ講師
Sayakotomikuehaさとうです。
今回も火曜日小学生クラスの油絵作品をご紹介します。・・・と、それにしても小学生のみんなは夏休み終盤とあって、アトリエにやってくる姿は真っ黒に日焼けしています!たくさん遊んで笑って泣いて、今しかできない思い出を作ってほしいです。

それではまず、紀美・(左)の作品から。
紀美は作品からも伝わってくるように、非常にコツコツと作業を進めそして集中力もあります。みんなの中ではしっかりとしたお姉さん的存在なため、ついついこちらも紀美に対する完成度のレベルを高く求めてしまいました。しかし彼女はひとつひとつの物を丁寧に、そして画面にしっかりと再現しようとしています。そうした意思を感じられる作品になりました。あともう少しのところを言うと、「立体感」でしょうか。物に落ちる光と影がほんの少し加えられていると、この大胆な構図に更に実物らしさを感じられるようになってより良くなるかなと思います。少し難しいですが・・・。
紀美もこれからもどんどん描いて、自分の持っている感情とは別の気付いていない感情が出てきてしまうような、冒険した絵を描いていってほしいですね。


佐弥・(右)
佐弥も一度集中し始めるとどんどん進み、今回も一番早くに色塗りの段階に入りました。ただ早いだけではなくて、そういう時は本人の中に完成図の世界観が出来上がっているのでしょうね。途中はあまり声をかけない方がよいなというオーラが出ていました!この絵を見てもわかるように、モチーフはふつうのやかんなのにここではすごく温かみを感じられ、アイビーの葉と手前のビンとの重なり具合が絶妙です。これらの主役の物のタッチによって優しい印象を感じる空間となっているのです。
油絵の具の面白いところは、人により筆使いや濃淡によって大きく描き方にも違いが出て、感情をストレートにぶつけやすい絵具ではないかなと思っています。(例えば、一気に絵具をぶつける、点描のように描く、厚塗り、薄塗りなど。)それにより、印象も大きく変わります。ですので佐弥の場合も技術が付いてきた分、より強く自分のイメージを相手に伝えられるのではないかと思います。


紅華・(下)
紅華の作品はなんといっても、ゼラニウムの葉の葉脈が本当に素晴らしいです。筆では線を描くには太すぎたため、爪楊枝を使って一本一本丁寧に観察しながら描きました。完成間際の最後に取り掛かりましたが、葉脈を描いたことよりググッと全体が引き締まりました!紅華はとても素直に自分の気持ちを話すことができる生徒で、楽しくお出かけした事や身の周り出来事の話しをよく聞かせてくれます。そのような気持ちを言葉にできていることと同じように、絵からも明るい印象がとても伝わってきます。葉脈に加えて、後ろの黄色い布も実物以上に魅力的な物になったのも、「この布可愛くて綺麗だね」という素直な気持ちをそのまま表現できています。
「自分の感じた気持ちを、そのまま表現する」というのは、簡単なようで実はすごく難しいことです。感じた想いと、それを表現することの狭間にたくさんの障害物や邪念が出てきてしまうものです・・・。ですので、紅華もそして他のみんなも今の気持ちを忘ずにいて欲しいなぁと思います・・・!

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油絵的通信簿:その四

2010-08-23 04:26:00 | スタッフ講師
どうも幸介です!本日も油絵を紹介していきたいと思います。あいかわらず長文になりますが、どうぞもう少しお付き合いください!!

201008231

まずは左の莉子(りこ)の作品から。普段は物静かな彼女ですが、作品からは並々ならぬ意思を感じますね…!!主役の鳥もそうですが、燃えるロウソクの炎やそれに相反するような暗く深みのある背景、そして乱雑に散らばったモチーフ。水彩画が得意で、いつもは統率の取れた画面作り・作品作りをする性格でしたが、油絵を描くのは初めて。当然水彩と違って扱いの難しい画材ですから、いつものような「自分の思い描くような画面」になかなか近づけずに苦悩したんじゃないかなと思います。その苦悩があったおかげか、今までの殻を破った作品になりましたね!色彩もそうですが、構図や描写も統率を取ろうと思っても取れないアトリエのモチーフ。しかし持ち前の「頑固さ」で、なんとかモノにしてやろうという意思を感じます。普段の水彩画は彼女そのままの印象の作品でしたが、今回の油絵は彼女の内面深くにあるものが出て来て魅力になっています。彼女の性格からは想像出来ない、こんなダイナミックな作品も描けるんだ!!と、小原先生と感慨深く見入っていました。

そして右の作品は有紀(ゆき)の作品。女性的で色彩豊かで、華のある作品になりました!!モチーフの花や葉に立体感があまり無いんですが、それが逆に絵を「一枚の図版」として纏めていますね。画面のおさまりもすごく良いです。そして色彩ですが、黄色などの明るい色を使っているのに子供っぽくないし、少し青味の入った葉のグリーンが花や鳥などを引き立てています。この葉がもし、黄緑や深緑などの緑だったら、この絵はここまで纏まらなかったでしょう。この微妙な色彩感覚が素敵ですね!全部の色のバランスが「ここじゃなきゃダメ!」ってとこでしっかり着地出来ているこの色使い、絵画というよりもデザインですね。たまに授業を見ていると「子供にしてこの色彩感覚を持っているのか!?」と思わせるような生徒に出会います。有紀もそうですね。安易に原色は使わず、赤も黄色も青も全部、自分で混色して自分なりの色にするんです。この油絵もチューブそのままの色はどこにも無くて、黄色には白を混ぜてオフな印象に、ピンクには紫系統の渋みを与えて落ち着きを出しています。大人でもなかなか身につけるの難しい色彩感覚、このまま大事に育んで行ってほしいなと思いました!

201008232

次に紹介するのは上記画像の左の絵、帆花(ほのか)の作品です。いっつも自由な感じで制作している彼女ですが、毎回「あれ?あんなに自由に色々してたのに、いつのまにこんなにちゃんと絵を完成させてたんだ!!?」と驚かされます。今回も、想像以上の完成度で出来上がりましたね…!!描き込んでるモチーフの量は多くありませんが、ハッキリとした色合いの中に細かな陰影やグラデーションを多様し、ひとつひとつをちゃんと描ききっています。布までもしっかりと描かれていますね。初めての油絵でしっかりここまで描ければ文句はありませんね!!フランクですがちょっと大人びていて、どこか達観したような物言いをする子ですが(あんまり書くと本人に怒られそうですが…)、作品を「これでいいや」と妥協することは無く、自分で決めた完成まで持って行くスタイルは見習いたいくらいですね。前回の帽子の課題でもひときわ大きな花のコサージュを作っていましたが、実は内に秘める制作意欲は情熱的?なんて思ったりしました。

次に右の作品、こちらは花(はな)の油絵です。型にはまらない構成と色合いが素晴らしいですね!ハッキリとした画面構成と色合いがエネルギッシュです。背景に大きく入った自転車の黒がドラマチックです。可愛い色合いやモチーフではありませんが、本人も大満足な仕上がりになりました。油絵の良さをしっかり掴んでいますね!普段からわりと思った事はちゃんと言い誰とでも分け隔てなく接する、真っすぐした&しっかりした性格が絵にも出ていると思いませんか?ここまで真正面から制作した絵は見ていても気持ちが良いですね!ビンだろうが鳥だろうが自転車だろうが、しっかりと重みを持ってカタチを捉えています。しかもただ単純にハッキリ形を描いてるだけではなくて、ビンの透明感や鳥の止まり木の質感、スプーンの反射光や自転車のマットな陰影まで、余すところ無く描いています。油絵は「どこまで描いたら完成なのか」が難しい画材ですが、この絵は胸を張って「完成!!」と言えるんではないでしょうか。

201008233

そして上記画像の左の絵は、剛士(まさし)の作品。すごいですよねこの絵。じつはこの絵、グラスに鳥(インコ)がとまっているモチーフを描いていたんですが、インコの背中と足を大きく描きすぎたために、鳥の下半身とグラスの上の部分だけしか描き入れていないんです。今回の油絵の授業の中でも、僕の最も好きな作品のひとつです。授業ではなかなか本人の思うように行かずに途中ちょっとあきらめかけた時期もあったけど、最後の方はマンツーマンで頑張って追い上げ、最終的には本人も満足の仕上がりとなりました!ひとなつっこく自由奔放な彼は、しばし制作を忘れがちになります。しかしやるときの集中力はなかなかのもので、そのメリハリが利いたスタイル故に作品もいつも思いもよらぬものを作ったりします。この油絵も、最初と最後の授業の集中力はすごくて、毎週毎週の途中経過も見せたいくらいです。ムラのある制作なので作品も週ごとにガラッと雰囲気が変わります。それが彼の良いところでもありますので、体力の持つ限りなんとか彼の疾走についていかねば、と思います!

そして本日最後にご紹介するのは、右の翔馬(しょうま)の作品。彼もまた、思いもよらぬ疾走をする生徒です。ひとつのことにはまると気の済むまで他の事は考えられない性格故に、ピタっとハマると100%の確率で魅力的な作品ができますが、その「ハマる」ベストポジションを探すのもひと苦労。こっちがモタついていても彼は待ってはくれませんので、彼と向き合うのにはかなりの瞬発力を求められます。そんな翔馬の今回の作品ですが、みごとに彼にハマった作品となりました!油絵は自分の性に合っているのか、この作品は額に汗をかきながら黙々と制作していました。辞書の上にランプが置かれ、その横に小さな地球議が転がっているモチーフ。この不思議な場所を選んだのは彼ひとりだけでした。辞書の厚みの陰影やページ上の文字なども良い味を出していますね!!なんだかエキゾチックでもあり、哲学的でもあり、子供っぽくもあり、妙な雰囲気です。きっと彼本人を知っている人がこの絵を見たら、なんとも言いがたい、プラスとマイナスを織り交ぜてもゼロにならないこの不思議な彼らしさに納得していただけると思います。この危ういバランスは、彼の最大の魅力ですね!


というわけで長文になりました。彼らの絵から、大人達が学び取れる物は抱えきれないくらい多く、貴重です。しかもそれらは、決して大人がひとりで絵を描いていたのではたどり着けない要素です(たどり着けたのはピカソやマティスぐらいじゃないでしょうか)。これは子供も大人も通うミオスならではの事ですので、是非肉眼で作品を見て、常識にとらわれない彼らの絵に頭を悩ませて欲しいと思います。

田中幸介

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わが道を行こう

2010-08-22 05:12:00 | スタッフ講師
はやしです。
今日から水曜小学生クラスの油絵の紹介をします。
すでに赤尾先生が紹介されている水曜組の4枚とあわせてお楽しみください♪

Suiyou_1_2
左:5年の美紀の作品です。途中何度か「もーいいでしょ~」と飽きそうになっていたのでどうなるかな?と思っていたけど、ここまでの完成度にできるとは!いつも明るく、積極的に寄って来てくれるのですが、内面は繊細なところがある彼女。絵もタッチは力強いですが、一つずつのモチーフの中にある沢山の色を見つけて表現しています。モチーフの素材のちがいも工夫して「らしさ」がばっちり出ています。特にかぼちゃは抜群!!そういえばお面作りのときも「もういいでしょ~」といいつつ最後までずっと粘っていたのを思い出しました。彼女の「もう~」はまだできる合図ですね(笑)

右:1年生の柚寿の作品です。初めての油絵ながら色合いや構図がキマっています!背景を補色に近い橙にしたことで、カボチャや植物の深い緑がきわだちつつ、似た色調で落ち着いた雰囲気になっていますが、植物やパンに加えているタッチが活き活きとアクセントになっています!遠くを見るような視線でモチーフを捉え、線ではなく量感や奥行きを表現できているところに並々ならぬ観察眼を感じます。おとなし気な見た目からはわかりませんが、意外と肝の据わっている彼女。この絵の次がどうなるかが楽しみです!


Suiyou_2_2
左:同じく1年生の琴和の作品です。明るい彼女らしい絵になりました!明るく、且つマイペースな彼女ですが製作に入ると時々悩み顔(眉間に皺が寄っている・・)をして一生懸命描いています。一生懸命あれも、これもと見えるものを描いていくうちにモチーフを沢山詰めたことと細かいものが多かったので、細かい所を描くうちにつぶれてしまうかも?と心配しましたが杞憂でした。小さな葉のつや、お手玉や鞠の模様に布の模様、かごの網目まで余すとこなく描きました。特に下駄の立体感が出せて絵に奥行きが見えるようになりましたね!

右:1年生の雪乃の作品です。さて、上の1年生の2人と雪乃はいつもは仲良く寄り合って作品を作っていますが、ベタベタすることはなく各々常にマイペースと言う、独特な1年生女子たちです(笑)。今回、場所選びのタイミングが異なりましたが、あとから来ても「○○ちゃんの傍で描きたい」と言うこともなく自分の場所で黙々と描いていました。雪乃以外の2人は「晩夏~初秋」のようなモチーフを選びましたが、雪乃は「真夏」のようなモチーフ。はっきりと自分の意見を持つ雪乃ならではの選択でしょうか?ミオス歴は浅いですが、何年か居るように馴染んでいる彼女。どこでも自分の世界を構築できるのでしょうね。靴のデザインもややこしく、花、林檎、マンゴー、ユニフォームと雑多なモチーフですが、はっきりとした鮮やかな色をのせて、靴ひもや細かい葉もよく観察して描いて、この絵ができました!背景や敷布は混色で落ち着いた色を乗せたのでモチーフたちが主役になっています。今回で観察力がぐーんと上がったと思うので、この機会を生かして次で更にパワーアップしようね!

さて、水曜クラスは今日で8人終わりまして、あと14人です。夏休みに入っても沢山の生徒が粘っていました。
展覧会の作品もその他日常の諸々の仕事も、最後までDo your best!の精神で頑張りましょう~!



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その時にしか描けないもの

2010-08-21 03:06:00 | スタッフ講師
チノです。今回は私も小学生クラスの油絵をご紹介したいと思います♪
油絵は今までご紹介した作品からもおわかりの様に、みんな魅力的な作品を描くのですが、大人でも扱いがムズカシイ油絵、そして手も顔も足も気付くとベトベト。だから「油絵はイヤ~」とか「疲れた~」とか「めんどくさ~い」と言いながら描いてる子も少なくありません(笑)それでもこんな作品が描けるのですから、「子ども、侮りがたし」です!大人になったら描けない、今の表現をご覧下さい♪

Oilpaint1
左が5年生の美妃ちゃんの作品。今回が2回目の油絵です。まずパッと見た時に、布のパターンにあったら素敵だろうな!と思わせる華やかさがありました。点々は最後に入れたのですが、色合い、リズム感に彼女のセンスを感じます。私の美妃ちゃんの印象は「淑女」です(イイ子、と簡単に行ってしまうのは違う気がするんです!)。遠足の時のお菓子交換の時に「先生もどうぞ」と丁寧にお菓子くれたのが印象に残っていて、どちらかというと静かな印象ですが、決して消極的なのではなく、美妃ちゃんを通してお喋りする機会ができ、仲良くなった子がいたり、体験に来た子にも話しかけてくれたりと、友達から先生まで、だれに対しても自然に気配りできるのです。アドバイスをした時などは、にこりと笑いかけてくれ、レディだな~!と感じます(笑

右は、同じく5年生の遥ちゃんの作品。1年の時からアトリエに来ているということで、私よりも断然アトリエ暦の長い先輩です!初めてあった時から遥ちゃんの印象は「元気」ですね。本人の笑顔からも作品の力強さからもいつも力をもらっています。「ここはこうする!」「それはイヤ!」などはっきり自分の考えがあり、なかなか完成の見えない油絵も、自分の中で「完成」があったのでしょう、どんどん描き進んでいきました。透明の硝子の器のクリアの色の美しさが見事です。大胆に筆さばきがより硝子らしさをだす結果になりました。

Oilpaint2
続いて左は3年生の匠悟の作品。お喋りが大好きで、何事にも積極的な彼。今年の遠足では学芸員さんの質問にすべて答えてみんなを驚かせたり、アトリエでも授業の最初に確認の質問をすると、率先して答えてくれたり、頼りになる存在です。しかし、制作中、気づくと口も動いていたり、謎のギャグをとばしたりと、たまに注意をされながら、のびのびと制作しています。この作品でも、自転車のスポークなど、筆さばきがとても気持ちよいですね!チェリーも遠目でみてもしっかりと立体感が表現されていて美味しそうです!これから高学年になっていって、どう絵が変化するのか見るのがとても楽しみです。

最後は右の智弥子ちゃん、5年生の作品です。なんと彼女は幼児クラスから通っているということで、アトリエ6年目のお姉さんです。夜空に咲いた花々がなんとも幻想的です。私がアトリエで小学生の油絵を見始めてから、夜空のバックにした作品は今回が初めてでした。このモチーフならではの工夫で、イマジネーションの豊かさを感じます。正面を向いている花びらのやわらかなふくらみの表現もすばらしいですが、後ろのくすんだピンク色、良いですね。すべての色の引き立て役になっています。おとなしい印象の彼女ですが、聞いたことをじっくりと自分の中に落とし込み、確実に自分の表現として描いていくのを見ると、絵に対する強い情熱を感じるとともに、「素直」なんだなと感じます。










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生徒作品展

2010-08-20 21:48:09 | スタッフ講師
Dm2010_5
Mios_dm_2010_3オバラです。
いよいよ展覧会も押し迫ってきて、大人クラスの方々の焦りもヒシヒシ感じています!(子どもたちは展覧会だからって特別意識しないので余裕♪でも夏休みの宿題に汗かいてます。)
間に合わなそうな方は2クラス受講されたり、チケットを買い足したり、と大人ならではの奥の手を使い始めた方もチラホラ。
9月17日のアトリエ搬入までにどうにか頑張って下さいね!
展覧会のDM案が友人のデザイナーから届きました!(前回DM制作担当だった田中先生は、油絵的通信簿書きで大忙し!?なので今回はフライヤーや広告作りのプロに依頼しました。)
皆さんはどれがお好きですか?

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風物詩

2010-08-19 23:50:48 | スタッフ講師
Hanabi20100818

左上から右へ
ひなの(年長) こうき(年中) かいな(年長)
左下から右へ
あん(年少) そうた(年中) みな(年中)

アトリエ夏休み明けの幼児クラスは、いつも以上に楽しい会話が途切れなくスタート!!
お休みの間に出かけたことや楽しい経験を話したくて話したくて仕方ない様子です。そんなたくさんの会話の中にも出てくる夏の遊びの中で、花火も楽しみのひとつですよね。

手持ち花火の部分は、折り紙をクルクルと巻いて、ストライプ模様です。この花火に一人ずつ紙で作ったロウソクの火をつけてあげると・・・・。まず、花火の先に黄色のクレヨンで火がつきました。そのあと、色鮮やかな色の花火が飛び散ります。花火にはどんな色が見えるかな・・・?と思い出しながら、クレヨンで勢いのある線や細かい点描で花火を表現しました。

この花火は、1箇所の点から放射状に手を動かして方向性のある描き方ですが、年少さんでもどの部分からどのように花火が出ているかよく描けています。

夜は、黒のイメージですが、実際は真っ黒ではないので、花火の色が映える色画用紙をセレクトしました。通常の白画用紙に描くよりも、しっかりとクレヨンを塗らないと発色がよくないのですが、どの花火もきれいですね!

手持ち花火だけではなく、「打ち上げ花火も描こう!」とか、「夜だから提灯も描こう!星も描こう!」とか、夏祭りや花火大会を思わせるイメージがこども達の中でどんどん広がっていきました。
よ~く花火を見ると、線香花火のような形だったり、七色ロケット花火のような形もあって、それぞれよく描けているので、今日は全員の作品を載せてしまいました!

幼児が描く花火の表現方法にはいろいろあって、毎年手法や画材を変えていますが、今年の作品の花火はクレヨンの特性が生かされて美しい!!さて、来年は・・・?

伊藤






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中性的

2010-08-18 02:31:00 | スタッフ講師
Itou伊藤 水彩

じっくり納得いくまで絵に取り組む姿勢を見習いたくなる伊藤さん。
今回は季節感を感じる夏らしいモチーフを選び、画面の隅々まで気を配って制作されました。
伊藤さんの絵を何枚か拝見する中で、同系色のモチーフなのに豊富な色幅、暖かな色彩に惚れぼれしつつ、パースや形に対しても職人のように鋭く理性的な目線を感じる不思議な感覚を味わっていました。
なんとも言い表し難いこの感覚・・・最近ふと気づいたのですが、伊藤さんはすごく中性的な目線を持たれていると思います。
よく女性は色彩、男性は形やパースに対しての感覚が優れていると言います。
形にこだわりを持ちきっちり仕事をこなす男らしさと、女性らしい柔らかな色調で絵をまとめるバランスの良さは伊藤さんの最大の魅力だと思います。
アトリエの皆さんも、色に目が行きやすいは構図や形を、形に目が行きやすい方は色をいつもの倍くらい気にかけて描いてみるとレベルアップできるかも?!自分で言っておきながらなかなか難しいことだな・・・と思いますが、ぜひ意識してみてください♪
赤尾




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まっすぐな気持ちで

2010-08-17 03:53:00 | スタッフ講師
Ricohinakoさとうです。
前回から引き続き、今回も火曜日小学生クラスの油絵完成作品をご紹介します!

理瑚(りこ)・左
今回りこは水彩絵の具を使用して制作しましたが、油絵の具と同じくらい抵抗感のある絵となりひとつひとつの物をしっかりと描ききりました。特に色とりどりの布と、その上の白い綿の花とのコントラストは色の響きあいがとても鮮やかに表現されています。りこは静かな集中力を持っていて、淡々と絵を描き進め、その中で目の前の状況を整理する力があるように見えます。
難しい柄の布の上にビンが横たわり絵としては少し描きにくい構図ですが、りこの描いている姿を見ていると物応じせずそれらを冷静に捉えることができていると感じるからです。それとともに丸みのある形の描き方でまとめられていて、冷静かつ温かさといった、まさに少し大人っぽさも感じてしまう作品に仕上がりました。

陽南子(ひなこ)・右
ひなこもしっかりとした意思を持つ性格の持ち主で、やると決めたら最後まで貫くことができます。まわりの声に頑固なくらい(!?)惑わされることもなく、もしかすると芸術家としては必要不可欠である「我が道を進む」タイプなのでしょうか。
まずモチーフのサルビアの花の鉢植えが、絵が完成に向かう日々と反比例してみるみるうちに枯れていくのに対し、ひなこは怯むことなく描き進みました。なんともたくましく、枯れたサルビアを当初の新鮮な花の姿で再現したのです。
そしてポストの錆ついた質感と色合いも単調にならずに表すことができています。一見すると赤色と捉えがちな物を、「錆びたポストを描く」という強い意志を感じます。そのため、とても複雑で一言では表せない風合いになりました。
こうしてなんとも潔く大胆に描かれた絵から、ひなこの特性がこれからも失われずに進んで行ってほしいです。


Kanayuuki

佳奈(かな)・左
かなはとても丁寧に、そしてまっすぐな気持ちで作品に入り込むことができます。わからないことはすぐに質問し、納得してから筆を執ります。よく授業の合間にお家での出来事や学校であったこと、大事な愛犬の話などを私達に話してくれるのですが、そういったお話でもとても楽しそうな情景が目に浮かびます。そうしてこちらもホッと気持ちが温かくなることがよくあるのです。そのような「自分のことを相手に伝える」ことが会話を通してできることも、かなの才能のひとつです。それは、もちろん絵の中にも反映されていることです。トランペットの置かれた構図は難易度も高かったのですが、その分たくさん考えることができたのではないでしょうか。どうしたらトランペットになるか、ぶどうや植木鉢になるのか試行錯誤を繰り返しながら描ききりました。なによりも「完成したらお母さんに見せたい」というところに向かっていたためだと思います。伝えることは難しいがゆえにそこに向かう過程に魅力があるのですね。

優希(ゆうき)・右
ゆうきも実にマイペースで一つ一つにじっくりと向き合い、丁寧に形を捉える力があります。
ゆうきとのやりとりで、ほぼ完成し作品も彼女自身も煮詰まってきたように見えたため、こちらからの判断で「そろそろ終わりにする?」と彼女に聞いたときがあります。その時「まだもっと来週もやる」と小さな声で呟いてくれた時はすごく嬉しく思いました。周りの速い流れに呑まれることなく、ゆうきはゆうきの軸をしっかり持っているのだと感じさせられた言葉でした。そうしてできた作品は、隅々まで神経の行き届き、きっちりと完成度の上がった作品となりました。特にレンガとその上の植物は、固いものと柔らかな葉を(葉脈まで描き)しっかりと描き分けることもできています。また次の作品も、「もっとやる」という声が聞こえるように、打ち込む姿勢を失くさないでいてほしいと思います。

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