モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

清らかな印象を与える絵

2019-10-05 19:58:28 | 大人 日本画


七菜子 岩絵具

岩田です。最近は暑かったり涼しかったりで大変です。
本日は、土曜日午前クラスに通われている七菜子さんの作品をご紹介。
以前にもお伝えしたように、こちらのクラスは夏に日本画を同時スタートした方々が数名いらっしゃいますが、その中でも七菜子さんは、時にチケットを追加購入し午後の時間も使いながらじっくりと時間をかけ制作をされてきました。

こちらは、古道具のピューター(中世のイギリスなどで盛んに作られた錫の皿)にアケビをのせた様を描いたものです。
先ず、日本画でこのモチーフを選ぶというところにセンスの良さを感じざるをえません。
何層にも重ねた岩絵具のマットな質感が、経年の変化で古びた皿の佇まいと大変マッチしています。アケビのくすんだ緑も非常に美しい色合いで表現されており、野山から摘んできて直ぐのような瑞々しささえも湛えています。
花などの自然のものを特に透明水彩を使って描き続けてきた七菜子さんにとって、独特の描き方を求められる岩絵具という素材は中々思い通りにいかないという部分を含みながらも、不思議と波長が合っているようにも見受けられます。
もしかしたら描き始めの時点で、完成予想図が頭の中に割合しっかりとイメージできていたのではないでしょうか。
非常に透明感があり、清らかな印象を見る者に与える作品です。

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ちょっと怖いけど

2019-09-16 23:39:45 | 大人 日本画

 
馬込 岩絵具・金泥(日本画) 

今週は3連休でしたがアトリエは通常通り授業がありました。来週の3連休はおやすみですよ、一平です!本日は水曜クラスの馬込さんの日本画を紹介したいと思います!

今回描かれたのは動物のような、中国の神獣のような、はたまたお化けのようななんだか不思議な生き物(生き物なのかも分からない)です。
馬のような足に、鬼のように真っ赤なツノをたずさえ、体にはサラサラの白い毛。そしてお腹の部分からはカラフルな巾着のようなものが溢れ出ています。一見、少し不気味ですが、ずっと見ていると可愛らしくエサを待つ犬のようにも見えてきます。

お祭りのヨーヨーのようなポップな色合いと影の部分に少し青を入れた涼しげな白い毛の色の対比がとても美しいです。背景の黄土色(金泥)の濃淡は3パターンほどで床と背景の色がしっかりと描き分けられています。写真屋さんのロールスクリーンのように、同じ色味で背景と床を描き分けるのはなかなか難しいのです!また背景が控えめな色な分、謎の生き物の色が際立ち、とても不思議な存在感を強く感じます。仕上げに左上に雅印を押し、完成です。

ちなみに僕の中での「不思議な」というのは神様のような目に見えないものを絵を通して見ているような感覚の事です。本来見えないはずのものが絵の上なら見ることができる、という特別な感覚は昔の人の方が強かったかもしれません。
昔の人は自然災害のような人間にはどうしようもない脅威、雨や穀物など自然の恵みも全て神様や妖怪のせい、おかげだと考えていました。どうあがいても避けられない事への恐れや感謝、祈りを向ける対象が欲しくてお地蔵様が出来たとも言われています。

今回の馬込さんの絵からは少し怖いけれど惹きつけられる、脅威も恵みももたらす、かつての日本の神様のような捉え方にも似た不思議な力を僕は感じました。
  と、ここまで神聖に持ち上げて書いたのに、小原先生からこの絵が自画像だと伺いました!ええー!?自画像だったのですか?もしや目の周りの赤いのは眼鏡?胸の巾着のようなものはおっぱい!?騙された。ちょっとショック…

8月の終わりに水曜夜間大人クラスの皆様に加余子先生、旭先生、僕の3人、通称「平均年齢下げ部隊」を誘って頂き、暑気払いに参加させて頂きました!
アトリエで絵を描かれている皆様しか知らないので、普段やっている事、好きなもの、日本の将来、嫌いな人のタイプなどなど授業では聞く事ができない話をおいしい串カツを食べながら聞く、とてもおもしろい時間でした!僕の大学での事や好きなものもたくさん話させていただいて、聞くのも話すのも楽しかったです!
僕たち若者三人はご馳走になってしまいました。皆様本当にありがとうございました!

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坂本さんへの期待

2019-09-07 19:24:49 | 大人 日本画


坂本 岩絵具(日本画)

早いもので9月となりました。秋も近づいております。
今回は、土曜午前クラスの坂本さんの作品をご紹介します。お堀沿いの桜の並木が最盛期を迎えた春の景色をモチーフに描かれました。手前から奥へゆったりと広がった空間が目を引きます。

坂本さんにとって岩絵具は未知の素材ではありながら、やはり色の取り合わせという意味ではいつもながらのセンスが反映されています。
以前からも水面を描くことはしばしばありましたが、それを表現する上での色の取り合わせが何とも美しいのです。桜の色が影の投影と共に水面に反射して、うっすらと紫がかった色など絶妙な色をあてはめているのが見てとれます。
それでも全体的には桜を主役として引き立たせる為に、抑えるところはちゃんと抑えるといった絵作りもぬかりがありません。

今回は、日本画の最初のチャレンジということで桜の花の柔らかさ、繊細さはまだまだこれからという印象をもつ反面、坂本さんが岩絵具描を扱い続けるならば、どんな絵を見せてくれるのだろうかという期待感があります。

幾ばくかの面白みを岩絵具に感じたとしたら、是非又描かれることをお勧めします。

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光を読む。

2019-08-31 17:04:32 | 大人 日本画


箕輪 岩絵具 / 日本画

本日は、土曜日午前クラスの箕輪さんの作品をご紹介します。
土曜クラスの方々は、夏に何名かが揃って日本画をスタート。皆さん、最初は慣れない材料や描画法に戸惑いなどもありましたが、岩絵具の特質を徐々に把握しながら面白い作品を制作されていきました。

箕輪さんは朝顔をモチーフにされました。濃淡を活かした背景に紺色の花が映えています。ツルもバランス良く配され、そうした構図取りにも箕輪さん独自のセンスが感じられます。
何枚かある葉に強弱をつけて描き分けている分、それに伴いツルの中にも背景に溶け込むところやそれとは逆にコントラストをつけるところを作り、前後関係を明瞭にしても良かったでしょう。

平面上に3次元的仮想空間を構築するには、一方向から差している光を設定することがキーポイントです。以前私が行った勉強会でも花単体を描く時に光の設定の話をしましたが、今回のようなツルを描く上でも大変重要な事柄なのです。

そういう意味では、箕輪さんが現在取り組んでいる石膏デッサンは、ものに光がどのように当たっていて、それによってものがどのように見えるかを観察する良い機会です。「光」を意識し対象を観察しましょう。

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様々な色を取り合わせて

2019-08-24 00:16:29 | 大人 日本画


河内 岩絵具(日本画)

岩田です。ようやく日射しも和らいできました。

本日は、土曜日午前クラスの河内さんの作品をご紹介します。
花が密集しているだけに、大変細かい描き込みが必要となるモチーフですが、日本画の題材としては巨匠と言われるかつての御仁たちもその美しさに魅かれ、絵に描いているのを良く見かけます。

河内さんの作品も梅雨から初夏にかけて旺盛に咲き誇っているその姿を美しい色合いで表現しています。一つ一つの額の中にも中央から外へと向かって濃淡を上手く作って描いているのを見てとれます。
浅葱色、濃紺といった同系の色を取り合わせた繊細な描き込みは河内さんならではでしょう。又、花だけではなく葉に使われている色も赤みを帯びたものから背景の緑青色まで、所謂緑といわれるような中にも様々な色を取り入れているところも見逃せません。

紫陽花という花は、一度描いただけでは中々一筋縄にはいかないものでしょう。是非今度は違う描画材でも描いてみて欲しいです。

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岩絵具へのチャレンジ

2019-08-17 01:13:40 | 大人 日本画


白仁田 岩絵具/日本画

暑いですがお元気ですか。岩田です。

本日は、土曜日午前クラスの白仁田さんの作品をご紹介します。
近年は、透明水彩を中心に描かれている白仁田さんですが今回初めて岩絵具に挑戦しました。ご本人曰く、どうも水彩絵の具とは勝手が違うようで、扱いにくいとのことでしたが、重層的に色を配置した背景が大変美しい作品となりました。

岩絵具は、鉱物やガラスの粒子の大きい粉体で重い為、透明水彩などと比べると画面上で色が溜まりやすく、通常のそれと同じような感覚で扱おうとすると違和感を感じてしまうでしょう。
しかし経験を経て扱えるようになれば、他素材とは全く違うアプローチの作品を生み出すことができます。

今回の作品は、梅の枝の色合いに深みがありリアリティーを感じますし、鳥の顔や羽根の表情にも白仁田さんならではの繊細さが見て取れます。
ご本人が思っている以上に魅力的な作品となりました!思い立つことがありましたら是非又、日本画に挑戦されて下さい。

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蠱惑的世界

2019-08-03 19:39:01 | 大人 日本画


當山 日本画(岩絵具)

皆様お元気ですか。土曜日の人、岩田です。

今回は、土曜午後クラスに通われている當山さんの作品をご紹介します。
初めての岩絵具に挑戦した當山さん。率直にいって描画材が変わっても、その素材に上手く順応し作品に仕立て上げる力を持ち合わせている方だと今回も感じました。

選んだモチーフはランチュウ。調べてみると和金を品種改良してこのような形態になったとのこと。人間というものは中々奇妙な生き物を作り上げるものだと感心してしまいますが、日本画のモチーフとしてはその不格好な姿が不思議と絵になります。

當山さんの作品も紺色を基調とした背景に赤白模様のランチュウの存在が何とも言えぬ独特な雰囲気を醸し出していますね。
ぷくりと膨れたお腹周りも鱗の下に置いたパステルトーンの絵の具が白の下から透け出し、とても面白い効果を生んでいます。
岩絵具を始めて触ったとは思えない位、巧みな描き方をしているのです。
眼の辺りなどは、色鉛筆を使って描いているのですが、こうした細かい部分はご本人にとってはお手のものでしょう。

ここ最近の作品は、當山さん独自のある種蠱惑的な世界観がストレートに画面に現れ始めていると感じています。
これからも自身の審美眼を通して、美しくも怪しげな世界を表現していって下さい。

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画面の中の時間

2019-07-19 19:12:18 | 大人 日本画


松岡 日本画

大竹です。今回は松岡さんの二枚の日本画をご紹介させて頂きます。

まず左の枝垂れ桜の作品。小さな雪の粒が集まっているかのような桜の花が美しいですね。こうした穏やかな風景の花を見ていると、じんわりと心が柔らかくなっていくようです。今週は夏休みで元気が有り余る小学生達に埋もれないよう大声を張り上げてヘトヘトになっていたので、肩凝りを優しく解されたような、そんな気分になりました。こうした時に、やっぱり絵美術は人の心に必要なのだなと思ったりします。

こちらの作品、下書きも拝見させて頂いたのですが、それも凄く面白かったんですよ!赤と黒のペンと修正液で描かれていて、同じ枝垂れ桜の風景なのに雰囲気が全然違って見えて…(下書きの写真も撮らせて貰っておけば良かった…!)

そして右の雫がこぼれ落ちる寸前を切り取った作品。こちらは色の揺らぎが素晴らしいですね。一目でじっくりと時間をかけて作られたとのなのだとわかります。見れば見るほど様々な色が見えてきて、まるで宝探しのようですね。海の底にも見えてくるような背景の青にウットリしてしまいます。雫を生んでいる葉の形、色、入れ方も面白いですね。奥の葉の水はチョロチョロと流れていってしまっているのに、なぜこの水滴だけは大きく膨れ上がっているのでしょう?なんとも不思議な時間が流れている画面です。

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さまざまな竹

2019-07-05 03:23:16 | 大人 日本画


佐竹 岩絵具(日本画)

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは水曜日午前大人クラスの佐竹さんの作品です。竹林の作品で、作者は佐竹さんで、紹介しているのは大竹となんだか竹づくしですね。
連日ブログでは小学生クラスの日本画が紹介されていましたが、水曜日大人クラスでも日本画ブームがひっそりときておりました。

混色が出来ない日本画には膨大な数の顔料がありますが、それらの色を上手に選んで使われています。それぞれの緑の響きあいが美しいです。全て同じ竹でも、一本一本色味や濃さに違いがあって面白いですね。若々しい竹は見ていて気持ちが良いものです。竹の線がまっすぐではなく少し歪んでいる事で、カッチリし過ぎず柔らかい雰囲気を生み出してくれていますね。
水干で色を乗せた後、仕上げに白の岩絵具をのせることで、竹の表面に付着している白い粉(チロシンというアミノ酸の一種で、チーズに付着している粉と同じ物だそうです。)も見事に再現されています。写真では見えにくいですが、タケノコの方にも黄色い岩絵具を塗っているので、タケノコの皮のザラッとした質感もよく表現されているんですよ。

佐竹さん、現在は初めての油絵に挑戦されています。油絵の具ではどのような雰囲気に仕上がるのか、今から楽しみです。

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モノトーンの奥深い世界

2018-09-08 22:28:40 | 大人 日本画

松岡 / 墨・胡粉・顔彩・鉛 

いつも有難うございます。岩田です。
本日は、水曜日午前クラスの松岡さんの作品。
松岡さん、ミオスと並行して墨絵も習われていて、主に日本画系の材料を使うことが多い方です。

今回ご紹介するのは風景がですが、ご自宅では、テレビの画面に向けてデジカメをセットされ、気に入った風景が映し出されるとそれを撮影し、作品のヒントにされているのです。

今回もそうした写真から、独自のモノトーンの世界を表現した風景を選びました。
左手は、雲海を描いた作品ですが、柔らかい雲の表情を胡粉の白を使って表現しています。

真ん中と右手は、雪の表現を主体に描かれた風景。レンガ造りの建物に降る雪も印象的ですが、右手の富士と雲の表現が絶妙です。
和紙の性格を良く心得た上で、墨の濃淡を自身の感覚で上手くコントロールしているのですね。
モノトーンというシンプルな表現媒体故の奥深さを感じます。

左手の作品は、10月の大人クラス作品展に出品する作品!  提出・堂々1位の絵!
他の皆さんもラストスパート頑張りましょう!

オマケ
麻場さんから、こんな素敵な(!?)お中元を頂きました!ご自分で描かれた油絵をTシャツにして私達にプレゼントしてくれました!小原先生とまさかのペアルック!?
麻場さんより「携帯で撮った写真でも意外と簡単にこんなTシャツになるので、皆さんもお気に入りの絵でTシャツを作られてはいかがでしょうか?」
因みに麻場さんは鹿、小原先生と私はハシビロコウを描いた作品です。

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森の賢者の視線

2017-09-29 21:31:15 | 大人 日本画

武田  日本画、絹本

大竹です。
今回ご紹介させて頂くのはチケット制の武田さんの作品です。武田さん、小原先生の作品が絹に描かれていることから「ぜひ真似してみたい!」と、今回初めて絹本(けんぽん‐と読みます)に挑戦されました!
絵を傾けると絹が光を反射しキラキラと小さく輝きます。絹の織り目が効いたマチエールと滲みを活かしながら、時間を掛けて仕上げたので羽根のやわらかさが自然に感じますね。触った時の羽のフワリとした感触が見て感じ取れます。
凛々しい顔と落ち着いた佇まいとは裏腹に、ガッシリとした足からは力強さが感じられ、猛禽類の魅力が存分に引き出されていますね!濃い橙色の瞳の視線は、鑑賞する人によって、何を見つめ、何を思っているのかを想像させてくれます。(ネガテイブ思考気味の私は、眼を合わせるとやましい考えを見透かされてしまうようで、少しドキドキしてしまいまた…!)
いつもブログの画像だと細かいところが潰れてしまいがちですが、その潰れてしまっている状態からでも羽根の模様が一つ一つ細かく描かれているのがよく分かります…作品に込められた時間と熱意がヒシヒシと伝わってきますね。
背景の緑も最後まで手を抜かず、様々な色を使用して工夫されていました。明るい部分と暗い部分を作ることにより、単調になりすぎず、うるさくなりすぎずちょうど良いバランスでメインの梟を引き立てていますね。

キャンバスや紙とも違う初めて扱う素材である絹で、ここまでのクオリティに仕上げられた武田さんの技術と制作に対する熱意、素晴らしいです!次回作も、そのパワーで素敵な作品が生み出されるのを楽しみにお待ちしております!

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岩絵具で桃を描く

2017-03-04 18:16:15 | 大人 日本画

神宮 日本画(岩絵具・パステル・和紙)

 少し花粉症の岩田です。
今回は神宮さんの作品をご紹介致します。ずーっと油絵を描いて来た神宮さん、今回日本画は初の試みです。 皆さん既にご存じだと思いますが日本画は鉱物やガラスの粉体を膠やアクリル樹脂と混ぜ、それを描画材として描いた絵画です。仕上がりもどちらかというと少しザラッとしたような感じに仕上がるのが特徴です。

神宮さん、初めての経験だけに今回はやはり勝手が違ったかもしれません。とはいえ仕上がってみるとそこは今までの経験を活かし、初めてなりにもクオリティーをここまで上げてくるのは流石です。全体の雰囲気も中々。
背景のマチエールもパステルを併用し、それぞれの色をうまくぼかしながら 良い味を出しています。更に背景と桃の質感の違いもしっかり描き分けているのです。3つの桃の色がやや似すぎてしまったのは勿体ないところですが。

日本画の場合、油絵具と比べると絵の具の粉体の粒子が大きいだけに、いつも比較的薄塗りの神宮さんにとってはかなり描きづらかったことでしょう。それだけにご自身が思い描いていた完成形と大きくかけ離れていたかも知れません。
でもこれに懲りず、是非又チャレンジして頂ければと思います。 

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二面性

2017-01-20 02:44:33 | 大人 日本画

出町 岩絵具・金箔

今回ご紹介させて頂くのは、日曜日クラスの出町さんの日本画の作品です。
本来のバラの薄い花びらよりも厚みがあるように見えますが、それがなんともいえない魅力になっていますね。可憐、儚いといったイメージよりも、簡単には手折らせてくれなさそうな強かさを感じます。遠目で見ても存在感のある力強い作品です。
写真だと分かりにくいですが、花びらの明るい部分が岩絵具の厚みでぷっくりしていて面白いのです。昨年ご紹介したボタンと比べてみるとまた雰囲気が違っていて面白いですね。出町さんの日本画の作品は、描かれたものも魅力的ですが、同時に岩絵具という素材も楽しめる作品だと思います。
更に私が面白いな、と思ったのは葉っぱです。花びらに比べて、立体感や書き込みはあまりありませんが、それによりより重厚な描き込みがされたバラが引き立ち、ちょうどよいバランスを保っています。ここでもし葉の方もビッチリ描かれていたら、少々息苦しい画面になっていたかもしれません。その分、色で魅せていますね。色の差で葉をかき分けているので、デザイン的でパッチワークのような面白さがありますね。

余談ですが、前回の出町さんの作品も私がご紹介させて頂きましたが、それが去年の2月というのにビックリしてしまいました。時の流れの速さをしみじみと感じてしまいました…大竹でした。

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水墨画の展覧会

2016-10-26 22:45:59 | 大人 日本画

松岡 『瞑想』 水墨画

水曜午前クラスの松岡さんは、アトリエで透明水彩や日本画を描かれながら水墨画も描く、二足どころか三足のわらじを履いていらっしゃいます。今年も水墨画展に出品された作品が入選されました!こちら伊達政宗の作品は50号の大作です!
和紙に後戻りのきかない墨で描く作業は、時間を掛けることができませんので、描く前に完成図をしっかり思い描き、決意を持って取り掛かる必要があります。そんな覚悟を持ち続ける松岡さんと、穏やかに見えて意志の強さを感じさせる政宗の肖像が重なって見えるのは、当然でありましょう。
金曜日までで終わってしまいますが、入場料が無料ですのでぜひ上野方面にご予定ある方は都美館まで足を伸ばしてみて下さい。

現代水墨画協会主催 第55回記念 現水展 - 新しい水墨画の創生 - 
展覧会期 平成28年10月21日(金)~10月28日(金)
開催時間 9:30~17:30(入場は17:00まで)  最終日入場14:30まで/閉会15:00
場  所 2階 第1展示室 第2展示室

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描かない絵

2016-02-19 22:13:39 | 大人 日本画

出町 左『ハイビスカス』 / 右 『牡丹』 日本画(岩絵具・土・金泥)

ブログの方ではお久しぶりです、大竹です。
今回ご紹介させて頂くのは日曜日大人クラスの出町さんの日本画の作品です。それぞれ違った雰囲気をもっていて、並べてみると面白いですね。
ハイビスカスの方ですが、こちらは花と葉や背景の色の対比がとても美しいです。左上の奥行きの部分も純粋な緑色(ビリジアン)ではなく、エメラルドグリーンを選ばれたのもナイスです!自然な奥行きが出ると共に、よりハイビスカスの赤色が引き立ちますね。他の葉の緑系の部分も、色の選び方がお上手です。ハイビスカスの花びらの重なりや花の脈の表現も良い感じに仕上がっています。
二枚目の牡丹の方ですが、こちらは先ほどのハイビスカスとは打って変わってあえて描き込まず、下絵(骨描き)と荒めの岩絵具の素材感で魅せているのが非常にカッコいいです!
時間をかけてじっくり描き込む事ももちろん大切ですが、逆に沢山描かずに格好良く見せる、というのは大変難しいです。手抜きや未完成に見えてしまったり…出町さんの作品は色数が少ない分、花びらの多い牡丹の線画が墨で丁寧に描かれているので、完成度の高い作品になっていますね。花びらや葉の濃淡のバランスも良くとれています。余白もナチュラルな薄い茶色(小学生クラスの日本画講習会で行った、畑の土から作る水干作りの泥でできた絵具)で塗られているので、全体的に落ち着いた上品な作品に仕上がっています。
普段じっくり描き込んで制作されている方も、あえて描かないで魅せるというのに挑戦してみてはいかがでしょうか?大きい作品ですと難しいですが、出町さんのようにF0号などの小さいサイズならやり易いと思います。

日本画で季節の花をテーマに描かれている出町さん。アトリエの展覧会ではどの様な作品を出展されるのでしょうか?楽しみにしております!
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