
奥 油彩
庄司です。実は私もパソコンに悩まされています。
リサイクルに出すためHDDの中身を消去しなきゃいけないんですけど、散々格闘したあげくもうイヤになって本体を開けてHDDを物理的に取り出してしまいました!
これでとりあえず大部分はリサイクルに出せる。あとは残ったブツをなんとかすればいいだけ!簡単かんたん…?うーむ。
気を取り直して、作品のご紹介です!素晴らしい色使いをご覧ください。
今回は水曜朝大人クラス奥さんの油絵作品です。
今回の作品では、お人形をモチーフに選ばれました。
奥さんは、よく同じモチーフで何枚も描かれます(今回もここでご紹介していない作品がもう1枚あります)
絵によって、がらっと違う印象や表情を見せるのがとても面白い!
人形というモチーフ自体見る者の気持ちを映す要素があるので、描いている時の気持ちというものが殊更に反映されて見えるように思います。
1枚目には少し大人びた、物憂い中にも凛とした雰囲気も感じさせられます。

こちらがちょっと幼い印象の2枚目。まだまだ赤ちゃんのような無垢な印象を与えられますね。そのままだと暗くとなってしまう画面を、オレンジの効かせ色が留めてます。
そしてモデルのお人形です。とっても可愛らしい顔をしてますね。半世紀以上前の、思い出の品。奥さんのお母様がお作りになられたという衣装も、レトロな色合いでオシャレです。個性的な模様なので絵ではどんな風になるのか楽しみだったんですが、期待を裏切らない♪
1枚目も2枚目も大胆な色使いをしつつも、散漫にはならずしっかりと調和をとられています。色彩センスのなせる技ですね!
そう、奥さんと言えば色彩センス!とそれを活かした大胆な下地作りです。
下地は作品のイメージを決める重要なところ。どちらの作品でも、重ねた絵の具の隙間からのぞく下地の色、とってもいきていますよね。複雑な凸凹や色味が、画面に素晴らしい深みを持たせています。
※古キャンバスを利用してさらに色を重ねる時も、まっさらなキャンバスにペインティングナイフでばしばしっとのせていく時も、奥さんの勢いは素晴らしく圧倒されてしまいます。見る見るうちに鮮やかになっていく画面、それはもう色の奔流です!どの色も皆生き生きとして、飛び込みたくなってしまいます♪
奥さんがペインティングナイフでびしっと勢いよく画面を作ってゆく様は、大迫力なんです!絵を描く楽しさがひしひしと伝わってきて、アトリエの緊張感と活気を更に盛り上げて下さっています。
同じクラスで油絵を描かれている方も、奥さんの描き方に触発され「ぜひナイフを使って描きたい!」と挑戦なさっていたりします。波及してゆくのもアトリエの醍醐味ですね♪
今描かれている鹿の置物はかなり細身で尖った印象、奥さんの目を通してどんな風にキャンバスに映るのか…完成が楽しみです!
(※昔描いた絵や描きかけのままの絵が残っている古いキャンバスは、それを下地に利用すると以前の絵のマチエールや色味が大変面白い効果になります。
ですから、昔描いたけど失敗してしまった~なんて油絵がもしありましたら、ぜひアトリエにお持ちください!次の作品に思いがけない深みを与えてくれるかも。そんな素晴らしい資産なんです♪)
しょうじ