モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

こだわりどころ

2018-10-11 22:26:18 | 大人 水彩

大平 透明水彩

どうも一平です! 今日は日曜日クラスに通われている大平さんの絵をご紹介します!

今回の水彩画はピンクにこだわりを持ち、苦心しながら様々なトーンのピンクを一つの絵に落とし込まれました。しかし一つの色に対してたくさんのバリエーションを作る、というのは汚い色が出来てしまったりと意外と難しいものです。
絵の具は混色すればほぼ無限に色が作れる、と思われがちですが混色しても作れない色というものも数多く存在します。
分かりやすいのはシアン(彩度が高い青)とマゼンタ(彩度が高いピンク)でしょうか?これらはプリンターでおなじみの色ですが、青➕白=水色と、赤➕白=ピンクとは全く異なります。白を混ぜると一般的に明るくなると思われていますが、明度が高くなるだけで、色としては彩度が下がりくすんでしまいます。
このことを理解していないと「自分が未熟だから理想の色を作り出せないのか…」と凹んでしまいます。水彩歴の長い大平さんも途中まで赤➕白でピンクを作り色幅が出せず苦労されていました。
ですが、その苦労を新しい絵具(オペラやルミナス=蛍光カラーのブライトローズ)をプラスすることで乗り越え、見事にピンクにバリエーションが生みました。分かりづらいですが、女の子の肌にも紫に近いピンクが使われています。他にも鮮やかなピンク色の衣服のシワ、背景の春を感じさせる爽やかなピンク、桜の花びらの表裏など、全てのピンクがくすむ事なく美しく見えてきますね。この絵を見てるとやはり絵を描く上で、一つでも良いからこだわりを持つことがとても大事だなぁと改めて思い知らされます。

そしてこの水彩画、やはり1番最初に目に入るのはこの可愛らしい女の子。彼女は女子中高生に大人気(もちろん僕も知ってます!)の大原櫻子さんがモデルです。女の子の複雑な恋愛の感情を歌っていたり、モデルの仕事をしていたりと多方面で活躍する大人気の女性です!
「なぜ大原櫻子さんにしたんですか?」と聞いてみると、いつも読んでいる音楽雑誌の1ページに載っていたとのこと。「普段は描かないようなモノを描いてみるのも良いかなぁと思って。」とおっしゃっていました。

皆さんもたまには自分が普段見慣れているものではなく、大平さんのようにふっと目に入ったモノを描いてみて新鮮な体験をしても良いのではないでしょうか!

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静物から風景へ

2018-09-15 23:27:57 | 大人 水彩
 
殿山 透明水彩

いつも有難うございます。岩田です。今回は土曜午前クラス、殿山さんの作品をご紹介。

クラシックなアメ車、ルート66や電飾の看板。今回は、所謂、古き良きアメリカと言われるような風景を透明水彩で描きました。
今まで、静物着彩や受験作品の模写などを地道に積み上げてきた殿山さん。最近では、風景を主体とし水彩の腕を更に上げています。

こちらもその一環で、画像を参考にしつつもご自身なりに少しアレンジを加え仕上げたものです。サラっと描いているのですが、車のボディやホイルの金属の質感を美しく描き出しています。光と影のコントラストも綺麗です。
静物で培ったテクニックがこうしたイラストレーションにも存分に生かされているのが分かります。

入会当初から、着実な観察眼でデッサン力を付け、その後水彩へと繋げてきた殿山さん。
画像を参考にするのみならず、今回のような軽快なタッチで、更には人物や動物などを描いていっても面白いと感じます。私が最も見てみたいのは、ご自身が出生された、かの地の美しい風景です。

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鮮やかな街並み

2018-09-14 21:14:27 | 大人 水彩
佐藤k 透明水彩

一平です!今回紹介させていただくのは、チケット制ですがコンスタントに日曜クラスに通われている佐藤さんの作品。ご自分でご旅行され撮った写真を選び絵の題材にされることが多いのですが、こちらもその一つです。

まず目に入るのは、なんといっても鮮やかな色とりどりの街並みですね!よく晴れた青空と相まってとても楽しげで、活気にあふれた街の雰囲気が伝わってきます。
透明水彩で描かれた建物の壁面の絶妙な濃淡は、実は時間が経っているような歴史を感じると共に、不思議な哀愁があります。そんな楽しげな中に、昔ながらの生活も感じるとても面白い絵ですね!

特筆すべきは、こんなにも鮮やかで色数の多い建物が隣接しているにもかかわらず絵が見やすい事。露天商のようなたくさんのお店や、歩いている人々などをあえて無彩色に押さえる事で、賑わう人混みを充分感じさせながらも、画面がゴチャゴチャうるさくなることを防いでいます。色のあるものの明るい場所、グレートーンの暗い場所の相違が全く違和感なく共存しているのです。

そしてその鮮やかな色が建物だけでは終わらず、下の水面にも綺麗に映っていて、美しい街の雰囲気を演出するのに一役買っています。

僕はまだ学生なので「自分の描きたい場所に行って描く」というのは夢のまた夢ですが、いつかは佐藤さんのような余裕のある大人になりたいと思います!

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色とバランス

2018-08-31 22:54:03 | 大人 水彩

晴香 透明水彩 

大竹です。今回ご紹介するのは韓国アイドルグループファンでおなじみのハルカの作品。(前回の作品はコチラ)
今回もポーズと衣装は別々の写真で、それらをうまく組み合わせて製作しています。それでも違和感なく仕上がっているので流石です。アイドルのファンに向けた写真って、カメラ目線でバッチリキメ顔!というイメージがあったのですが、こうしてメンバー達がくつろいでいる日常の一部のようなものもあるんですね。

色は淡く仕上がっていますが、ソファで寛ぐ人間の重さや重心はしっかりと感じられますね。素晴らしい!服のシワもあまり線画では描かず、色で表現している事で柔らかい印象になっています。晴香は服のシワを捉えるのが上手いなあ~。何でもないように描いていますが、靴の形もよく描けているなあと思います。実は足って結構大きいんですよね。自分の足裏と腕(肘から手首まで)の長さって、ほぼ同じなんですよ!
背景もまた上手いですね。左上から地面にかけては影で濃くなっている分、右上は明るい色で薄く塗ることで全体の画面のバランスを取っています。また画面下は人物が集中して描画の密度が高い分、画面上はアッサリと仕上げる事で抜けを作っています。

 今回、彼女の前前回の作品の紹介で題材のアイドルグループへのインタビューの愛に満ちた熱い回答を読み返し「今回もこんなに素晴らしい作品なのだから、絶対にアイドルたちへの熱い愛が込められていたはず…!インタビューをすれば良かった…」と反省しております。是非次回もアイドル達への愛を込めた作品と共に、どんな思いで制作をしているか聞かせて頂きたいと思います!

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軽快なタッチで

2018-07-21 16:54:10 | 大人 水彩

鈴木M  透明水彩

いつも元気な岩田です。
本日は、水曜午前クラスにいらっしゃっている鈴木さんの作品。鈴木さん一貫して水彩に拘り続けコツコツ描いてきました。時には同一の絵を何枚も描いたりとそのひたむきさは筋金入り。

これまでにも様々なモチーフを描かれてきましたが、今回はギリシャの港を題材に制作をされました。
とはいえ、鈴木さんと言えば海に関わる作品を作っている方だと連想されるほどで、漁師、市場の競りの様子など、日本に於ける海辺の風景を主に描かれてきたイメージが強いのですが、今回は一転、エーゲ海をモチーフに持ってくるとは大きな心境の変化があったのかと思わず推測してしまいます。

5年近く地道にひたすら同じ描画材で描かれて来ただけあって、その扱いは流石の域です。
停泊している大小様々な船や波止場に集う人々、そんな観光地ならではの賑々しい風景と多くの人が憧れるギリシャという土地が持つどことなく澄んだ空気感が鈴木さんの軽快なタッチで活き活きと描かれています。
白とブルーの対比が美しい、まさにこの時期にマッチする一枚です。

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模写~モチーフへ

2018-06-30 22:33:30 | 大人 水彩

 殿山 水彩 

朝からとても暑い日でした。岩田です。本日は、土曜午前クラスの殿山さんの作品をご紹介致します。

先ず、向かって左側はアトリエにある日本画受験生が描いた静物着彩の一部分を模写したものです。
今まで銅製のヤカンなど静物を透明水彩で描いてはいますが今回は既に描かれたものに習い、瓶の描き方を掴もうという試みです。
殿山さん、プロセスをしっかり踏んで完成までもっていくのがとても良いところ。模写とはいえ、この作品も鉛筆デッサンの段階をきっちり踏んで絵具へと入りました。
描いていくその様を見ても、美大受験という道を通っていないのにも拘わらず着彩を完成させる為の道程を心得ているなと感心してしまう程。
模写する対象をしっかり分析し最後の仕上げまで客観的に進めていくところは流石です。

右側は、模写の後に実際のモチーフ並べ描いたもの。実際のモノを見て描くのは模写をするより何倍も難しいですがアボカド、瓶を本当に良く観察していますね。
特にアボカドは絵具を何層にも重ねとても深い色を出しているのです。模写で描いたものよりも格段にリアルな印象を受けます。ワイン瓶の色も実に美しい。模写という行為を通過し、あらためてモチーフを観察することで得られるものが幾つもあったのかもしれません。

殿山さんのように模写を経て実物のものを描くというやり方、皆さんも是非やってみては如何でしょうか!?

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日常の美しさを

2018-06-23 17:43:37 | 大人 水彩

                                                  秦野 水彩

岩田です。本日、作品をご紹介させて頂くのは水曜夜に通っていらっしゃる秦野さん。
向かって右の作品は新作ですが今月は土曜日に通われていらっしゃったので、私も途中経過を拝見させて頂いてました。

川沿いの向こう岸に立ち並ぶ家々。私の住んでいる鎌倉市にもありそうな日常の風景です。秦野さん、こうした本当に何気ない住宅街といったどこにでもあるようなシーンを切り取って、美しい一枚に仕上げていきます。
広葉樹が茂る小高い山、電気を送り日々の暮らしを支える送電鉄塔、決して清流とはいえぬ川、傍らに佇むススキ。秦野さんの作品を見ると日頃目にしても足を止めることなどないようなものたちであっても愛を持って描いているのだと感じます。

左の猫の絵、マルちゃんというビールにCMに出ているネコがモチーフ。段ボール箱の中にすっぽり入ってしまった猫を愛らしく描いています。こちらも日常にあるようなシーンを実に魅力的に描いています。

秦野さんの描く作品からは、「日常こそ尊く美しいんだよ。」そんな言葉が聞こえてきそうです。

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お久しぶりです!

2018-06-15 00:15:35 | 大人 水彩

佐藤k 透明水彩・ペン 

今回ご紹介させて頂くのは佐藤さんの水彩画です。

カラフルな街並みに合わせて人物の服装もポップな色合いになっています。描かれている人物それぞれに物語がありそうです。彼らのストーリーを考えながら鑑賞するのも楽しそうですね!
右の看板にとまっている鳥と、左の旗の下にいる黒猫が睨み合っているのもコミカルで可愛らしいですね。
石畳も一つ一つ色味を変えながら塗られています。窓の色も見てみると黄色だったりピンクだったり青色だったりと見れば見るほど発見があり、見飽きる事がありません!

しばらくご無沙汰しておりました大竹です。出身中学校の教育実習へ三週間行っておりました。

実習前はミオスでも中学生に指導した事はあるし余裕余裕♪と奢っていましたが、まあ現実はそう甘くはありませんでした!ミオスへ集まる生徒は、当たり前ですが美術に関心のある子ばかりです。しかし、学校では美術が好きな子から苦手な子、嫌いな子までいて、そういった生徒全員に同じ授業を展開していかなければなりません。私が授業を参観した時は一年生がレタリングを行なっていましたが、「先生ココが分かりません!できない!もう美術なんて大っ嫌ーーーい!!!」と叫びながら絵筆を折りかける女子生徒もいました。私はその子に何度も呼ばれ、その時間はほぼつきっきりで指導していました。その時は美術教諭のサポートという形で入っていたのでまだ良かったのですが、私が本当に先生だったら一人の生徒に付きっきりになる事はできません。かといって、その生徒を放ったらかしにしていたらその子の課題は進まない…。アトリエよりも生徒が多い学校では、個人よりも全体を見て動かして行く事が本当に重要になってくると感じました。授業が終わった後、自分が先生ならどう対応していくかを考えさせられました。

色々トラブルもありましたが、それらも含めてとても充実した三週間を過ごさせて頂きました。最終日には担当クラスからメッセージカードを頂いたりして、家で読んで少し泣いてしまったり…。教育実習ではアトリエの経験が生かされる場面が多くありました。今度は教育実習で学んだ事をアトリエで生かしていけたらと思います。よろしくお願いしまーす!

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隙を見せる

2018-03-02 18:33:06 | 大人 水彩

オバラです。今回は水曜午前クラスの西山さんの作品をご紹介します。
西山さんは、「風景の中の現象や味わいを微妙な点まで悟ることが得意。また、それを具体的に表現する為には
どうすべきかの状況判断が出来る。そして水彩画で一番大事で一番難しい、何を描かないか(削り・減らし)を選択する感覚が優れている。」方だと思います。
透明水彩の良し悪しは、紙の白さを活かす(残す)ことができるかに掛かっています。白さを活かすと言っても、全く塗らないのではなく、薄く塗った絵具の層の下から透ける白を『光』として感じさせるように描くのが大切なのです。
しかし白さを大切にするあまり、全く手が入っていない塗り残しを作ってしまう人がいますが、それでは未完成に見えるのは当り前。水だけを含ませた筆で紙をひとなでするだけで、描いた行為=仕事がなされていることと同じになり、色を塗った場所と馴染んでくれます。
西山さんは上記の技法を上手に取り入れ、画面の白い部分を効果的に利かせることが得意です。しっかり描写したところと抜きの部分を響き合わせ、隙が美しい画面作りをしています。
余談ですが私は、モテる為には上手に隙を見せる必要があると思っています。(+意外性)それは性格でもファッションでも言えること。完璧な人に尊敬や畏れは抱いても、なかなか愛は芽生えません。
西山さん、良く忘れ物をなさいます。「また忘れちゃいましたっ!ごめんなさーい。後で取りに行きまぁす!」と屈託なくお電話をくれます。かなり年上の男性に失礼ですが「お茶目な人☆」と思ってしまいます。もしかして、それも隙を見せる作戦なのでしょうか!?

話しは変りますが、川崎の素晴らしさを伝えるため、西山さんはボランティアで『川崎の産業観光を支援する会』のナビゲーターをされていますので、写真ではなくスケッチで魅力を伝えようと、このように膨大な枚数の風景画をせっせと描き溜めています。
西山さんの魅力溢れる作品は展示会イベントに出品されます。皆様ぜひ足を運んで生で観て頂きたいと願います

日時 3月3日(土)10:30~16:00
場所 幸区役所1階・ゆめ広場 〒212-8570 川崎市幸区戸手本町1丁目11番地1 JR南武線矢向駅から 徒歩約15分 JR南武線鹿島田駅から 徒歩約20分
電話 044-556-6609
以下 幸区役所HPより抜粋
幸区市民活動交流イベント『さいわいみんなの交流広場』は、さまざまな分野の市民活動団体がブースを出し、活動の実演・体験コーナー・パフォーマンスなど、個性豊かに活動をPRします。

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1枚の中に込めた想い

2018-02-21 23:34:59 | 大人 水彩

米本 透明水彩

  水曜日担当の滝口です。 水曜日の午前クラスでは4月にグループ展をされるので、皆さん集中力も高まってきていて、作品が仕上がるペースが早まってきています。でも、誰も一切手抜きなく持てる力を最大限に出し切って仕上げています。そこがアトリエミオスの皆さんの意識の高いところだなと改めて思います。小原先生の厳しさがしっかりと教室の雰囲気を作り出しているんだなと思います。

 今日は、そんな午前クラスから米本さんの作品を紹介したいと思います。米本さんは、僕がアトリエミオスに来てから同時期ぐらいにこの作品を始めたかなと思いますが、透明水彩も初めてでいらして、最初描きたい写真の画像を見せてもらうところから始まりました。正直この写真を絵にするのは難しいなと思うほど、雑多な草木の中にカラスがいる写真でした。この作品だけを見ると、言いたい事のイメージがとてもストレートに伝わって来ますが、この絵に行き着くまでには色々な駆け引きが米本さんにありました。どこの花を描くべきか、どう葉を描いたら良いのか。カラスの周りの明るい部分は目立たせたいが目立ち過ぎてしまったとか、それはもう多くの多くの苦難の道のりがこの1枚には込められています。
 生みの苦しみと言いましょうか、作品ってやはりどこか苦しい思いを体験した後に表現されることが、とても大事なんだと思います。でも、そんな苦しみは本人が言うべきではないということもあるので、本人に是非代わって僕が言いたいと思います。この小さな1枚の作品には、凄い想いがいっぱい詰まっています!! 

 僕は、いろんな美術作品や音楽が好きで、大量に見たり聴いたりして、自分の好きな作品に出会えたら良いなと思って消費していますが、ふと立ち止まって考えてみるようにしてます。やはり一つ一つの作品に、もの凄い苦労や想いが込められていて、それこそゴッホのように命を削ってでも表現された作品もあるわけです。ついつい批評的に見てしまう側面や、軽く見てしまうこともありますが、でも造ったり表現したりするからこそ分かる作品の背景を感じ取ってみることは大切なことなんだなと、歳をとってみて思っています。
 ちょっとだけ、ほんの1分でも、この作品をじっくりと見てみてください。色んな声が、この作品から聞こえてくると思いますよ。 

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青とオレンジの魅力

2018-01-19 00:21:08 | 大人 水彩

秦野 左上 アクリル / 他 透明水彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、アトリエ・ミオスで最も水彩画がお上手とまことしやかにささやかれていらっしゃる、水曜夜間クラス秦野さんの作品です。ここに紹介しなければ講師作品と見紛う完成度です!左上はイギリス郊外のアパートメント、左下はクロアチアの朝市、どちらも小原先生の旅行の写真を見て描かれました。右の2枚はモチーフ棚にあるので、皆さんもご存知のアイテムではないでしょうか?

左上イギリス郊外のアパートメント こちらはアクリルで制作されているので、他の水彩作品とはまた違い、絵の具がもったりと乗せられた少し重ためな雰囲気ですね。それでも、地面のオレンジとアパートの屋根の青の組み合わせは秦野さんらしさが伺えます。干された真っ白な洗濯物からは住んでいる人の生活感が感じられ、今にも中から人が出てきそうです。建物や地面は暗めの色が使われていますが、クリーム色の空が作品の印象を柔らかくしてくれています。

左下のクロアチアの朝市 お店に落ちるパラソルの影からは、朝市らしいさわやかな空気感が伝わってきます。使われている色一つ一つがどれも魅力的です。光背後は細かく描写、というよりも色を重ねて表現されていますが、それでも沢山のお店が並び賑わっている様子が伺えるのが秦野さんの技術の高さが伺えます。オレンジをつまみ食いしたいる店主や、肘を脚に置いている女性など、人物のちょっとしさ仕草がまた良いですね。

右上のランプとホオズキ 鮮やかなオレンジのホオズキが見ていて心地よいですね。ホオズキの繊維やシワも見逃さず描写されていて、触れたらクシャッとしてしまいそうな脆い質感もよく伝わってきます。主に鉛筆デッサンのモチーフとして長い事ミオスで活躍している錆びかけのランプですが、水彩で描かれるとまた違った一面があるんだなあと奏野さんの作品を拝見して思いました。錆びた色となると、濁った色や暗く重たい色合いになってしまいそうですが、影になる部分に青を使う事で鮮やかに仕上げつつ、ホオズキのオレンジと補色の関係でお互いを引き立てあってます!素晴らしいですね。

 右下のマスク アトリエのモチーフ棚の中でも特に怪しい雰囲気を放っているヴェネチアンマスクですが、こちらの作品では秦野さんのお人柄が現れているのでしょうか、なんだか暖かく優しそうな印象になっています。秦野さんの作品はどれもオレンジと青の対比が上手く使われています。マスクの淵の装飾や、羽の根元飾りなど細かい部分もしっかりと追われています。羽の先やマスクの紐の描き過ぎずサラッと仕上げている辺りもお上手ですね。

 私は個人的に、クロアチアの朝市の作品が好きです。パラソルのピンクと手前の水色の組み合わせがとても可愛らしく、なにより一目見てここに行ってみたい!と思いました。

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初めまして。水曜日クラスを担当することになりました滝口です。

2017-12-06 22:18:50 | 大人 水彩

鈴木m 水彩
 
 初めまして。水曜日クラスを担当することになりました滝口です。
簡単な経歴ですと、現在は40歳でおじさんですが、実は今年から大学院へ通っております。20代で東京芸大のデザイン科を卒業後、都内の大手美術予備校の講師をしながら作家活動をしていました。美術講師業としては、その他に美術系の専門学校や高校の非常勤講師もしており、現在も高校の非常勤講師でCGとデザインを担当しています。
作家活動としては写真家として活動をしてまして、写真集を出したり撮影の仕事もしています。
そして現在の大学院生…デザインを学び直したいという気持ちもありますが、実は美術教育に関心があり、遅まきながら教員免許取得を目指して頑張っております。う〜〜ん、簡単な経歴といっても、自分でも何をやって来てるんだろうと思うくらい色々な経歴持ってるなと思ってしまいますが、こうしてアトリエ・ミオスで、子供達や社会人の方達と交流できて、また一層色々な経験を積めていると思います。

 今日からブログデビューですが、早速作品の紹介をしたいと思います。
冒頭の作品は鈴木さんの最近の作品3点です。僕がミオスに初めて来た9月頃にご老人のポートレートを少し小さめの水彩画として描いていらっしゃいました。何度も修正された人物の肌の色合いは、その人物の人生の証と思うようなシワや深みを表現できていて、単に写真を見て写すというところに止まらなず、絵画ならではの魅力を引き出していました。その後も、白い部分のタオルやTシャツも繊細に描いていて、肌とのコントラストが引き出され大変魅力的に仕上がっています。
 しかし、 驚いたのはその後!!一度描き終えたテーマを、今度はもう少し大きな絵で描きたいとおっしゃり、その後にもう一枚同じテーマで描いてしまったのです。同じ作品を、モチベーションを落とさずに描き直す姿勢にはびっくりしました。絵を描くことは楽しいことですが、苦しい部分もいっぱいあると思います。鈴木さんは純粋に描く喜びを感じていらっしゃるのだと感心いたしました。そうでなければ同じ絵を何枚もご自宅でもアトリエでも繰り返し描いて練習するなどできないでしょう。
 他の作品も自宅で練習して描いた作品だそうで、船の風景画の奥から手前までの遠近感や、海面のキラキラとした水の反射、先ほどの老人に通じる船の古びた歴史を感じる質感の表現など、感じたことを素直に写して描いています。花の絵も、花束の空間などは意識しないとついつい同じように花を全部描いてしまいがちですが、全体の空間を把握し後ろの花をぼかしたりしているのは、表現方法を分かっている方だなと思います。手前のオレンジの花の強調の仕方なども、アクセントとして活きていますよね。下のみかんとも呼応していきます。

 アトリエ・ミオスに来て3ヶ月が経とうとしています。これまで10年以上美術予備校講師として、美大受験のために必要なデッサンのテクニックや色彩の表現も色々と生み出して教えて来ましたので、それらは趣味で美術を学ばれる方々の美術表現の基礎としても十分活かしていけると思っております。2019年度に教師になる為、期間限定ではございますが、是非これから色々と皆様のお手伝いしていきたいと思います。
 最初の自己紹介に戻りますと、これまでやって来ている表現としては、デッサンから始まり、アクリル絵の具の色彩、油絵、粘土を用いた立体、ポスターなどのデザイン、映画やアート系のアニメーション、フォトショップやイラレなどのCG、そして写真と、それぞれ作品などを制作して来たので聞いてください。機会があれば、作品もお見せできたらと思ってます。
 今後共どうぞ宜しくお願いします!! 
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清涼感溢れる風景

2017-12-02 23:44:19 | 大人 水彩

佐藤k 透明水彩

大竹です。あっという間に12月ですね。最近は年末への準備でバタバタと慌ただしい日々を送っています。今回は、そんな落ち着かない心を穏やかにしてくれるような佐藤さんの作品をご紹介させて頂きます。

まず目に入る鮮やかな緑から、この森の豊かさがよく感じられます。一本一本の木々が丁寧に描かれているので、より森に存在感が出ていますね。全体的に緑の面積が多いので、単調にならないよう陰影を付けたり、手前の木々の隙間に濃い藍色入れメリハリを与えるなどの工夫が見て取れます。森の奥にスッと抜けていく空気感も、見ていてとても気持ちが良いですね。また、木々が水面に映る表現も素晴らしいです!現実の木々に比べ、揺らぐ水面に映る木々は少し暗くなり、ぼやけて細部が見え難くなります。佐藤さんの水鏡は、その細部の描き込み具合のバランスがとても良いですね。水鏡の空にもターコイズブルーやエメラルドグリーンなど、さまざまな青が使われています。現実の鮮やかな緑と、水面の濃い緑と空の色の組み合わせからは天然水のラベルにも使用できそうな清涼感が感じられますね。

佐藤さんのもう一つの趣味は釣りですが、なんと今年の日曜クラスのクリスマスパーティー(大人クラスで最も充実した?クリスマス会と評判の日曜クラス☆差し入れは毎年日本酒が多いです。)では、佐藤さんが前日に釣って来た魚をミオスでさばいてくれるそうです!(ぼうずの場合、責任を持って買って来て下さるそうですよ!)クリスマス会で朝10時から飲みまくりという時点ですでに絵画教室とはなんの関係もないのに、さらに生の魚をさばいてカルパッチョを作るなど、もうなんだかよく分からなくなってきておりますが、生まれてから21年間生魚に触った事のない私も、この機会に三枚おろしをマスターさせて頂こうと思います!(さばき方講座を受講したいチケット制の方からもう予約が入っているというから、さらに驚き!まるでお料理教室ですね。)今から佐藤さんの講座&大人な?クリスマスパーティーが楽しみです!

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模写を通して学ぶ

2017-11-11 00:48:50 | 大人 水彩

藍 透明水彩

岩田です。今回は土曜午前クラスに在籍の藍さんの作品。主に水彩を中心に絵を描かれています。

最初に比べて短期間の中で着実に力を付けてきました。そのカギとなったのは模写かもしれません。アトリエにある木炭紙大で描かれた日本画科の講師が受験生の時に描いた静物着彩を参考に、一部分を切り取って模写をされていたのです。

筆の運び方、絵の具の重ね方といったことを参考作品とまねることで、対象をどのように描いているのかが実感できる。そして次は、そこで描いたモチーフを実際に描くことで一度学んだことを再現するのです。藍さん、初期は特にガラス製のモチーフを描くのに苦労されていた記憶があります。ビールジョッキなども模写を重ねていくことでコツを掴んでいかれたのでしょう。

画像左の作品、絵付けされたポットと貝を描きました。
ポットの微妙な影、良く観察されています。白の中での微妙な色の変化は表現するのが難しいものです。手前の巻貝は細部までしっかり描かれていますが貝の内側を絵具の滲みを使って美しく表現しています。描画材の扱いがちゃんと自分のものになっていますね。

右側の水玉模様が可愛い赤ちゃんの絵は、もうすぐ生まれくるRANちゃんへの人生初めてのお手紙『生まれてきてくれてありがとう』カードを描きました!どうぞお体ご自愛くださいね。

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2年ぶりのご紹介!

2017-11-10 00:11:26 | 大人 水彩

大平 透明水彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは大平さんの水彩の作品です。前回作品をご紹介させて頂いた日付が2015年の10月ですので、2年ぶりのブログ掲載となります!その時も私がご紹介させて頂きましたが、懐かしいですね。

前回はギタリストとその楽曲をイメージして描かれていましたが、今回はシンガーソングライターの藤原さくらさんと彼女の楽曲のイメージが盛り込まれています。全体的にカラフルで明るい雰囲気ですが、背景の明度が低めの青と、人物の服装のモノトーンが組み合わさっているのでうるさすぎずバランスの良く仕上がっていますね!カップに入ったスープの描き分けもお見事です。特に手前から2番目の中華風のスープ、薄い溶き卵が浮かんでいる様子なんて、見ているとお腹が空いてきそうで…とても美味しそうです!散りばめられた食べ物やキッチン用品なども、スープと色が被らないようにしつつ、全体のバランスも良く配置されていますね。大平さんは事前に何枚か下書きをして、構図や色の配置をしっかりと確認されてから作品制作に入っていたので、そのお陰でしょう。1番のメインの藤原さくらさんも、背景に負けないようしっかりと描写されていますね。セーターの縦縞の溝や厚みなど、水彩でよくぞここまで…!布のもたっとした重たさが感じられます。逆にスカートは黒のベタで仕上げてあるので、重くなりすぎず、より描き込みがしてある顔やスープなど、メインの方に目がいくようになっていますね。過去の作品を拝見しても思いましたが、大平さんは描き込みの『粗と密』のバランスを取るのがとてもお上手です。

そして忘れてならないのが右上の黄色いおすわりニコニコくん(正式名称ではありません)。この子は大平さんの作品のいわばマスコットキャクターのようなものでして、過去の作品にも必ず登場しているんです。是非探してみて下さいね!

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