川上 透明水彩
二週間振りです、マユカです!今回は川上さんの作品をご紹介していきたいと思います。
バーで飲んだカクテルを描いたこちらの一枚。オレンジの皮の独創的な切り方や、使われているグラスがとてもスタイリッシュで、芸術品のようです。しかし、それゆえ絵にするとなると非常に高い技術が要求されます。カウンターの向こうから差し込む間接照明の表現にも苦労されました。グラスがかなり複雑な構造をしているため、ここにおそらく長く時間をかけられたのでしょう。質感の表現や、持ったときのずっしりとした重さが伝わってくるようです。
奥を薄い色、手前にはしっかりとした色を使用することで狭いバーカウンターの中にも奥行きを作り、二次元的なのっぺりとした仕上がりにならないよう工夫がされています。これは見せたいものをくっきりと強調させる効果もあるので、細密に描写されたグラスの凹凸感や、映り込み、反射等のこだわりポイントに注目しやすくなっていますね。全体的にオレンジベースの色味をしていることもあってか、鮮やかな青が際立ちます。また、手前に影を濃く入れているのも、奥からの照明によるものなのだというのが伝わってきますし、光の強さや周囲の暗さまでもが分かる要因となっているあたり、よく考えて描かれているなぁと感じました。
複雑で難しいモチーフだからこその楽しさや工夫のされ方が見える、オシャレなバーに行ったような気分になれる作品でした。いつかこんな素敵なお店に、私も行ってみたいです!