高橋 油彩
大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、高橋さんの油彩作品です。今回で油彩は2作目となりますが、(1作目はこちら)前作と比べるとより光を感じさせる軽やかな雰囲気となっていますね。かなり広い公園の様ですが、人の姿はなくひっそりとしています。元々置かれていたベンチに誰かが別の物を持ってきたのか、素材も位置もチグハグな椅子が画面にはいない人の気配を感じさせます。休日にこうした穏やかな公園で、日光浴も兼ねてベンチでゆっくり読書に耽りたくなりました!
木漏れ日が覗く手前の木々は逆光のため暗い色を置き、画面中央〜下にかけては陽光を受けた柔らかい色合いで、対照的になっています。手前の木の捻れる様な表皮の表情も魅力的。風景画を描いたり、鑑賞していくと、そのうち「あの木、形や色が魅力的だな」「この時間帯の光の当たり方、絵になるなあ…」と、今まで気づかなかった魅力に目が向く様になると思いますが、皆さんはいかがでしょう?高橋さんのこの作品を観た後は、昼間なのに静かな公園の持つ魅力にもきっと気づく事でしょう。
地面は手前と奥で違う色が作られており、細やかな仕事が行き届いています。特に手前の地面は、紫や青、黄色といった色を入り交ぜながらも”白”を感じさせる色に仕上げられているのが良いですね!そこに木やベンチの影が落ちていますが、ここも青みがかったグレーで描かれているのが効いています。影には濃いイメージがありますが、実際は半透明なのでその下の地面が透けて見えるほど。重い色にせずパステルカラーでまとめたからこその柔らかい雰囲気なのでしょう。
密集する葉っぱは何週間もかけて点描画の様に描かれ、決して楽な作業ではありません。が、その苦労をまるで感じさせない上品な雰囲気は、作者が楽しみながら描かれているからこそ。それが観る人にも伝わってくる1枚だと思います。現在京都でモネ展が開催されておりますが、モネの様な印象派の光を捉えるタッチに通ずるものがあり、お家のどの場所に飾っても素敵だと思います!