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モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

更に理想に近づいていきましょう

2024-11-30 09:38:40 | 大人 油絵・アクリル


城内 油彩

 

岩田です。本日は、城内さんの油彩をご紹介します。

白い壁に革張りのソファ、日差しが差す室内には、レースのカーテンを揺らしながら、心地よい風が吹き抜ける。どこか、ヨーロッパの風景の一角に佇むカフェのような雰囲気が漂ってくる空間。
そんな広い室内に一人読書にふける女性。休みの午後の心地よいひと時を喧騒をよそに、一人静かに贅沢な時間を楽しんでいるといった情景を起草させてくれる、とても美しい佇まいの作品です。

枚数を重ね、描き方、色づくりといった様々な経験を経て、作者が描きたい油彩に徐々に近づいてきている感があります。とにかく丁寧に絵の具を重ねていく行為が、特に髪の色や肌の色の奥深さに繋がっているようです。

これから更に、作品をご自身の理想に近づけていく為には、絵作りをしていく意識とデッサン力が鍵になってくるでしょう。
写真を元に、美しい色に変換しながら描くことが出来るので、今後描く上で、実際よりもっと背景をぼかして、人物に視点がいくようにするなどの操作を大胆に行ってみても良いと思いますし、デッサンを通して立体感、空間感を再認識することも、間違いなくその手助けとなります。

決して焦らなくて良いので、ご自身のペースで階段を上っていってください。

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思い出の光景

2024-11-29 23:04:06 | 大人 油絵・アクリル


玉井 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは玉井さんの油彩作品です。キャンバスは少々大き目のF10号サイズ(530×455mm)で、自分が幼い時の記憶をたどり制作されました。一切の資料無しというのは非常に難しいものですが、毎回コツコツと描いては修正を繰り返して今の形になりました。
赤いパジャマにお団子髪が可愛らしい女の子は、作者の幼い頃の姿だそうです。小さい時に住んでいた家を思い出しながら制作しましたが、思い出と空想が入り混じる様な不思議な構成になっていますね。外を見つめる女の子の足元には毛布が山を作っており、夜中に目を覚ましてしまった事が分かります。外からはリトリバーのワンちゃんが女の子と遊んで欲しそうに見ていますが、小さなご主人様の関心は向こうにいる動物達にあるようです。よく見てみると、ウサギの後ろにも小さなリスが続いていますね。デフォルメされたぬいぐるみの動物達の姿と、小さな花が一面に咲いている庭はまるで絵本の世界のよう。奥には薄暗い森が続き、右側の柵の向こうは斜面になっています。手前の家の中は立体的に描かれているのに対し、窓の向こう側は陰影を排除して模様の様に描いており、手前と奥で現実と夢の中、異なる世界が広がっている事が表現されています。
賑やかな外に負けぬよう、家の壁は無地ながら様々な色が重ねて塗られており、単調にならぬ工夫がされています。無彩色の壁と庭の緑色が、主役の女の子の赤いパジャマを鮮やかに引き立てていますね。色合いにも作者のこだわりを感じます。

作者の中で描きたいもの、作りたいイメージがしっかりあったからこそ、逆にそれが思ったような表現にならず、長い時間が掛かり大変な苦労をされました。しかし最終的に自分で納得のいく着地点に辿り着いた事が作品から伝わっていきます。是非これからもご自身の中で対話を繰り返しながら、理想の世界を作り上げていって欲しいと思います。

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大人な雰囲気

2024-11-28 22:53:47 | 大人 水彩


川上 透明水彩

二週間振りです、マユカです!今回は川上さんの作品をご紹介していきたいと思います。

バーで飲んだカクテルを描いたこちらの一枚。オレンジの皮の独創的な切り方や、使われているグラスがとてもスタイリッシュで、芸術品のようです。しかし、それゆえ絵にするとなると非常に高い技術が要求されます。カウンターの向こうから差し込む間接照明の表現にも苦労されました。グラスがかなり複雑な構造をしているため、ここにおそらく長く時間をかけられたのでしょう。質感の表現や、持ったときのずっしりとした重さが伝わってくるようです。

奥を薄い色、手前にはしっかりとした色を使用することで狭いバーカウンターの中にも奥行きを作り、二次元的なのっぺりとした仕上がりにならないよう工夫がされています。これは見せたいものをくっきりと強調させる効果もあるので、細密に描写されたグラスの凹凸感や、映り込み、反射等のこだわりポイントに注目しやすくなっていますね。全体的にオレンジベースの色味をしていることもあってか、鮮やかな青が際立ちます。また、手前に影を濃く入れているのも、奥からの照明によるものなのだというのが伝わってきますし、光の強さや周囲の暗さまでもが分かる要因となっているあたり、よく考えて描かれているなぁと感じました。

複雑で難しいモチーフだからこその楽しさや工夫のされ方が見える、オシャレなバーに行ったような気分になれる作品でした。いつかこんな素敵なお店に、私も行ってみたいです!

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水彩マスター!?

2024-11-27 22:17:52 | 大人 水彩


福嶋 透明水彩

冷え性なので近頃の寒さが堪えます、ナツメです。今回は月曜大人クラスより福嶋さんの作品をご紹介します!右上、右下、左の順で水彩画の描き方テキストを参考に、風景画を模写して描かれました。

右上の作品は海外の街並みです。かなりパースが効いている構図のためデッサンの線の角度に苦労されていましたが、真摯に調節を繰り返しながら奥行きを見事に描かれました建物の側面や地面にしっかりと影を落とし、左側からの光がとても綺麗に見えます。柵や壁のレンガなどの細かい箇所も細い筆を巧みに使い表現されました。

続いて右下の川の絵ではぐっとした暗さを入れることに注力されました。川の流れがとても丁寧に描かれていて、見ているとその場の空気や水の音まで感じられるようです。透明感や流れの勢いを筆のタッチで表現されていて、動きを錯覚してしまうような生き生きとした印象を受けます。岩のゴツゴツした質感や色の微妙な変化も絶妙で、自然そのもののリアルさと美しさを伝えていますね。全体的にやわらかな色合いが心地よく、川辺に佇んでいるような穏やかな気持ちになれる素敵な作品です。

そして、左のモン・サン・ミシェルと船を描いたものが1番新しい作品です。風景全体が柔らかな色合いで描かれていて、とても穏やかで心地よさを覚えます。手前の砂浜に停泊した船の描写が大変細やかながら力強く、前から見た時の形も上手に捉えられているため見る人の視線を自然と引き込みます。マストやロープのラインも繊細に描かれていますね。船、海を挟んで島とモン・サン・ミシェルの順に乗せる絵の具の段々と薄くしていき、手前は濃く、奥は淡くと言った遠近感が見事に表現されています。物語の一場面を切り取ったかのような風景です。

このように並べて見てみると、手前遠くの空間の出し方や明暗のコントロールなど、枚数を重ねるにつれメキメキと上達しているのがわかりますね!長く水彩を描かれてきたので、次から油絵に挑戦されるとのこと。どんな作品になるのか今から楽しみです。

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色を重ねて生き生きと

2024-11-27 00:00:52 | 小学生 絵画


左上 里都 3年 / 右上 優百 5年
左下 紗奈 6年 / 右下 和奏 6年

サヤカです。今回は、YouTubeでご紹介できなかった、ゆっくり完成の4人の油彩を文章でご紹介します。

里都 画面いっぱいの笑顔がとってもエネルギッシュ!3人とも明るい表情ですが、それぞれに表情の個性があり、丁寧に観察して描いたことが伝わってきます。人物は明るい色彩で、背景や服装はシンプルにすることで、描き込まれた人物が印象的になっています。観察力で的確に描き込み、笑い声が今にも聞こえてきそうな作品に仕上がりました。

優百 こちらを見つめるつぶらな瞳が可愛らしい作品ですね。何色も色を重ねつつ、光と影が表現されていて、深みのある色合いになっています。また、背景は単調なタッチで描かれているのに対し、ワンちゃんたちは厚みのあるタッチでより主役が際立っています。落ち着いた雰囲気がありつつも、主役たちへの注目がしっかりと誘導されるまとまった作品になっています。

紗奈 追いかけっこをしているワンちゃんたち、楽しげな雰囲気で生き生きとしています。陰影でしっかりと犬の骨格を捉えていて、リアリティがありますね。正面から見たポーズは、遠近感を表現するのが難しかったと思いますが、ワンちゃんたちがこちらに駆け寄ってくる様子がしっかり再現されていて素晴らしい!

和奏 満開の桜に不思議そうな表情がなんとも愛らしい猫ちゃんですね。表情も素敵ですが、もっちりずっしりした猫の体や毛の質感が表現されています。また、遠近感が桜の花の濃淡で表されていて、画面全体に奥行きが生まれています。手前で持ち上げられ、桜を触ろうとしている猫と、高い位置に咲いている桜という立体感のある構図が活きています。

4人とも時間をかけて完成させたということで、何度も絵の具を重ね、試行錯誤した姿が想像できる作品でした。小学生クラスとは思えない素敵な作品で、私のパソコンを横から覗いた母も「本当に小学生!?信じられない!」と感嘆していました(笑)4人の素敵な作品をこれからも楽しみにしています!

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もっともっと遊ぼう

2024-11-25 23:43:31 | 大人 油絵・アクリル


香月 油彩

月曜日ですが岩田です。今回は、香月さんの作品をご紹介します。

これまでの作品は、ご家族(お孫さんやそのお母さん=娘さん・奥様)を描くことが多かった香月さん(今までの作品はこちら)。

色々な場所に訪れては、写真を撮影し作品に落とし込んでいます。
左手は、東京都大島町にある波浮港(はぶみなと)。高台から入り江になっている湾を見下ろした雄大なパノラマが、作品を見ているだけで、実に清々しい気持ちにさせてくれます。

右手の作品は、山の風景ですが、同じく青と緑が眩しい自然の風景を描かれています。F20号(72㎝×60㎝)という大きめのサイズのキャンバスに、大きな筆を使ってのびのびと描いているのが分かります。
腰に手を当て、遠くの山を観ている警察官の息子さんを描き入れました。香月さんのご家族への思いがここにも表れていますね。

2点共に、香月さんが写真で見た風景を素直に描いているのは、とても良いところだと感じます。反面、比較的写真に忠実に描いておられるなあ、ということも感じるのです。絵を描くということで言えば、もっともっと遊んで欲しいと私は思います。

写真で見ると、確かに海は青系の色、山々は緑系です。
色を作る際には多くの色を混色しているとは思うのですが、思い切って下地に置いていた補色の黄色を、その色が少し下から透過している位でざっくり仕上げてみるとか、手前を鮮やかにした分、奥はもっと彩度を落として、更に広く大きい空間を絵の中に感じさせるように演出してみる等、作者の「意図」が絵に入ってきて良いのです。

そうすることで、より香月さんらしい作品へと昇華していくことでしょう。

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美術系高校受験生に今、伝えたい事

2024-11-23 20:06:30 | 美大・美術高校受験生作品

昼と夜の気温差に踊らされています、カサネです。昨日のサトル先生に続いて高校受験組のデッサンご紹介です。
今年はミオスに10人以上の受験生が在籍していますが、それぞれ目指す進路が本当に多様で、川総、弥栄、芸高、橘、女子美、トキワ...と初めて全員の志望校を聞いた時は驚きました。

私の代(4年前)はミオスの受験生全員が川崎総合科学デザイン科が第一志望だったので、それに比べると組むモチーフにも幅が生まれ、良い刺激になっていると思います。私もかつて同じ場所で同じ時間を過ごした身として、当時のことを思い出しつつ、効果的だった練習法を書いていこうと思います。

この時期になるとエスキース帳(下書きやアドバイスを書き留めるスケッチブック)にも厚みが出てきて、自分自身が冷静に判断でき、目が肥えた状態になってきていると思います。講評会で聞く自己評価でも先生の視点と重なってきて、客観的に見えるようになってきたなぁと感じます。しかしその分、自分のデッサンの粗さ・拙さも気付いてくるでしょう。講評会で何度も何度も同じことを言われると「なんで分かってるのにできないんだ...」と焦りますよね。

みんなに、90分制作に慣れてきた今だからこそ、やっておいて欲しいことが3つあります。すでにやったことがあっても、もう一度やるとまた違った学びがありますから。デッサンに「冷静に見直す時間」が必要なように、今の自分を冷静に見直してこれから何をするべきか課題を明確にしていくことが大切です。
デッサンは「慣れの集積」です。「基礎」ができているか今一度一緒に確認しましょう。基礎ができていないと、結局どんなモチーフを描いても上手くまとまりません。

①グラデーションスケール
4B〜4Hの全ての濃さを1つずつ、全種類使ってつくるものを1つ、の計11個つくってください。スケール1個1cm×20cmほどのもので構いません。
いまさら鉛筆の使い方!?と思うかもしれません。しかし鉛筆の扱いこそが上手い・下手の最初の別れ道であり、基礎の基礎であるからこそ、ここでの別れ道がつくる亀裂は大きくなります。一番暗いところは紙に穴が空くほど強く濃く、一番明るいところは見えるかさえ怪しいほど優しく薄く。みんなには一度4Bと4Hの全力塗りつぶしがどれほど違うのか体験してほしいです。これができるようになり、鉛筆を自在に扱えるようになると一気に表現の幅が広がり、かなりの時間短縮に繋がります。

②基礎形態
球や立方体などです。物体の基礎として、これもまたとても大事なんです。基礎形態が完璧に取れれば、どれほど複雑な物になろうと追えない形などありません。球、立方体、円柱、円錐の4つを別視点から3つ、横たわった円柱、円錐を1つずつの計14枚。見えないところも透過して描いてください。

③タイムスケジュール
今まで皆のタイムスケジュールを確認したことはありませんでしたが、ちゃんと作っているのでしょうか?頭の中だけではなく、表にしないとダメですよ。
タイムスケジュールの役割は大きく分けて2つあります。
 1.「立ち止まる」を無くす
 いつ何をするのか明確にしておくことで、デッサン中に「次何をしよう」などと考える余計な時間を短縮できます。
 2.自分の作業スピードを客観的に見ることができる
 時間に区切りを作ってあげることで「形取りに手間取って残り30分しかない」などの状況を防ぎます。
初めてつくるタイムスケジュールは「完璧な理想」のものを作ってください。そしてそれを横目に置きつつ数枚デッサンをします。見るべきところは、「どこでどれほどズレたか」そのズレを見て初めて、客観的に自分の得意・不得意分野が分かるんです。
以前美大の友人に「形取る時間とか、モチーフによって変わらない?」と言われたことがあります。もちろん変わります。でも、だからこそ大事なんです。どんなモチーフが得意で不得意かもよく知ることができるので「なんか上手く描けない」という漠然とした焦りを抱くことがなくなります。「急ぐ」必要はありますが「焦る」必要はありませんからね。
もしタイムスケジュールの作り方が分からなければ一緒につくるので声をかけてください。
①〜③ができたら誰でも先生に見せてください。

長々と書いてしまいましたが、とても伝えたいことだったんです。基礎練習はやればやるほど効果が出るので、サトル先生も言っていたように学校の隙間時間に適当でもいいのでやりまくると、「私頑張ってる」と気持ちも落ち着き吉です。
最近どんどん寒くなり受験の冬が近づいて、90分完成が当たり前になり「いよいよ」という感じがしてきますよね。私がそうだったのですが、この時期は「不安定」が天敵になります。気温や天気の不安定、それに伴う体調の不安定、そして本番に近付くにつれ大きくなる精神的な不安定...たくさんあります。
この「不安定」を支えて、踏ん張らせてくれるのが「基礎」です。よく寝て、よく食べ、よく学ぶという生活の基礎、手洗いうがいお風呂などの健康面の基礎、何が出ても対応できるようにするデッサンの基礎。これからより踏ん張るためにも、強かな地盤づくりが必要です。今の時期だからこそ、しっかりと定着させましょう。
分からないことや不安なこと、デッサンだけでなくても何かあったら何でも話してください。一生懸命描いて、未来に向かって努力する皆さんを応援しています。身体を温かくして、風邪に気を付けてくださいね。残りの約2ヶ月半、一緒に頑張りましょう。

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隙間時間を活かすデッサン勉強法

2024-11-22 20:24:38 | 美大・美術高校受験生作品

日曜クラス担当のサトルです!今回は高校受験対策のデッサンを見ながら、僕が受験時代に意識していたことや、デッサンのコツについて解説しようと思います。

今から8年前の中学3年生の頃、僕も川崎総合科学高校のデザイン科を受験しました。高校受験のデッサンは90分制限で、かなりのスピードで描かないと完成せず、毎日タイマーを掛けて急いで描いていたのを覚えています。

デッサンにおいて最も大切な要素の一つは形の正確性だと思います。どんなに質感がリアルに描写されていても、狂った形だと鑑賞者に対して違和感を持たせてしまいます。そこで僕が受験時代やっていたトレーニングの一つが、スケッチブックに何も見ないで、想定の立方体、球体、円柱の想定デッサンをひたすら描くことでした。スケッチブックと鉛筆があればどこでも出来たので、学校の休み時間や家で暇な時にやっていました。
最初の頃は立方体のパースもガタガタ、円の形も左右対称に描けず、円柱の楕円もラグビーボール型になってしまったりとダメダメでした。それでも毎日続けていると少しずつ上達して、受験の前日には完璧な形で想定デッサンが描ける様になりました。
形を取る力も付きますが、鉛筆を扱う能力も上がります。綺麗な形を取るのは思ったより難しく、完璧に形を取ろうとするとかなり繊細な作業が必要ですし、形をとった後に光を設定して明暗をつける作業も、出来るだけ綺麗に均一に塗る様にすると練習になります。

高校受験で使われることの多いシリウス紙やサンフラワーM画用紙はザラ目が強く、中々綺麗に塗るのが難しいです。モチーフの質感によってはザラ目を生かして表現する技法もありますが、小さい画面のデッサンの場合、モチーフに対してザラ目のサイズが大きすぎてノイズになる場合がほとんどです。多くの生徒が白がブチブチとザラ目状に残ったままの生っぽい質感のデッサンになってしまっているので、ベースを乗せたらしっかりと擦ってその上から硬い鉛筆でザラ目を潰す様に描写していくと上手くいくでしょう。

ほとんどの生徒が公立中学ですから、これが初めての受験。しかもデッサンという自分以外の同級生は誰もやらない試験なので、僕も当時はとても不安でした。試験当日、緊張からあまり色がのらず、普段より薄いデッサンになってしまいました。落ちるかもしれないと軽く絶望していたのですが、結果を見てみると意外と高得点でびっくりしました。自分では良くないと思っていても意外と平気です。落ち着いて、普段ミオスでやっている通りに描けば大丈夫!

これから受験シーズンに入ってくるので一層緊張感を持って描いていくことになりますが、体調に気をつけて頑張っていきましょう!

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キラキラ☆ガイコツ

2024-11-21 19:46:06 | 小学生 工作

ひとみです。もう11月も終盤、時季外れのハロウィン・ガイコツ制作の紹介となってしまいましたが、昨日の大志先生に続いて本日もお見せします。親御様はお子様達が持って帰ってきた作品を10月のハロウィンに飾って頂けたかと思いますが、もう仕舞われたでしょうか?みんなカラフルでそれぞれとても個性的な仕上がりになりました。昨日に補足してお話しようと思います。

紙粘土が固まった後のベースの着彩では、ベースに時間を掛け過ぎて模様や飾りが描けなくならないよう3色限定!けれど人によっては1色だけの色使いをする子もいて「そう攻めていくか!」と大志先生同様に関心されました。装飾の色つけでは、とにかく沢山色を使う子、あえて限られた色に絞りパターンを作って華やかにする子、モノトーンでシックにする子、多彩なセンスが見られました。1週間預かって乾かしている間、階段に並べて置いてある骸骨を見られた大人クラスの方は、まさにハロウィンである賑やかさを感じられたのではないでしょうか?私も通るたびにわくわくした気分になりました。

そして最終週のストーン付けの時間では「付けていいよ!」と言った瞬間に一斉に歓声が上がり、目を輝かせて「沢山付けていいの!?」と確認してくるほどに喜んでいました。一人辺り50個ほどのストーンシールを買ってきていましたので、目移りしてしまいますね。私自身も宝石のようなキラキラした物が大好きなので、子どもたちの興奮がとても良く分かります!
ストーンを貼る際も、選ぶ色や位置によってみんなの個性が表れ、見ていて心躍りました。ガイコツのキラキラ度が上がるごとにみんなのテンションも上がりました。
着彩の時も楽しそうでしたが、ストーンを貼る瞬間のあの目の輝きは忘れられません!このガイコツ制作は通常の制作と比べると短い時間ではありましたが、自由で楽しい思い出になったのではないでしょうか。

是非お子様が作られたガイコツは毎年飾ってあげてください。きっと制作した時の高揚感が思い出されると思います!

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金欠のハロウィン

2024-11-20 20:44:16 | 小学生 工作

大志です今回は死者の日のドクロの制作から完成まで生徒の様子を交えながらお伝えしていきます。
11月1日はメキシコの「死者の日」ということで、ドクロの飾りを制作しました! このドクロはカラベラと呼ばれていて、悲しみではなく喜びの象徴とされており、亡くなった人を明るく楽しく迎え入れたいというメキシコ人の考え方が反映されているそうです。(詳しくはノリ先生のブログで。)

写真で見るとどれも独創的でユーモアに富んだ作品ですが、制作途中も紙粘土を手で捏ねて、頭を大きくしてみたり、目を離してみたり、歯を作って見たり、みんなで見せ合いっこしながら人との違いを比較して語り合い、夢中になっていました。形に完璧を求める制作物ではありませんので、いびつで面白い、むしろ変でいい、というのはリラックスして楽しめますね。

色塗りの場面では、お友達と仲良く同じ色にしてみたり、カラフルなアクリル絵具が目の前に何十色もあるのに、思い切って一色で仕上げようとする生徒までいました。僕にはその選択をする勇気はなかったと思います…パチパチ。

着彩すると、みんな自分に似てくるような雰囲気があり、完成がとても楽しみでした。

ベースを塗り白い部分がなくなった後は、模様を描いたりの装飾です。試行錯誤を繰り返しながら、細部を仕上げていきます。ここで登場したのは…そう、ゴールドの絵の具!みんなが待ちに待ったゴールドを配ると、「ゴールドォ!!!」と目を輝かせながら駆け寄ってきました。机の真ん中のお皿に金の絵の具を出した一瞬の隙に無くなり即・金欠?状態。しかし、少量の金の絵の具も誰かが占領することもなく、みんなで分け合いっこしていて、とっても優しい気持ちになりました。

最後に小さな宝石のラインストーンシールを貼り付けて完成!!短い期間でしたがバラエティーに富む作品ばかり、また異国の文化を知れる良い機会だったと感じました。楽しい思い出になったと思います!!!来年以降もハロウィンの時期が来たら飾ってね。

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世界観を構築

2024-11-19 20:57:57 | 学生


香那 高1 / 唯 中1 どちらも油彩

ハルです!一段と冷気が深まり冬の訪れを感じますね。今日は学生クラスから二枚の作品を紹介します。

まずは左、高校1年生のカナから。この作品は上から青・黄緑・桃色・朱色・黄色・水色と、たくさんの賑やかな色味を使用しているにも関わらず、静かな空気が流れる不思議な絵画。俗界を離れた強い世界観を持っています。全体を通して温かい光がとても印象的で、真ん中を流れる川には灯籠のようなものが流れており、ぼんやりと光る姿を見ると穏やかな気持ちになります。ユートピアのような幻想的な空気感を持ちつつも、建築や水に光が映る現象をしっかり捉えているからこそ絵に説得力があっていいですね。川の傍に咲き誇る桜からたくさん花びらが散っていたり、奥にはまだ雪の残る山々があり、そこから川が流れてきていたり、この絵は参考資料として1枚の写真も見ることなく想像で描いたそうですが、見れば見るほど魅力を発見することのできる絵です。

右は中学1年生のユイ。海の中の景色、幻想的で透き通るような海の青い色に目が奪われます。青色が丁寧に作られているおかげで黄色の魚がより一層鮮やかに見えます。珊瑚礁や魚の描きっぷりが良く、納得のいくまで真剣に取り組んだ姿が想像できます。特にゴツゴツとした珊瑚礁は印象を捉えるのは難しいですが、この絵ではとても上手に表現されています。遠くに小さく見える魚も描いたことで奥行きも持たせることができました。
手前の魚はもちろん、この絵の魅力は奥の水の表現にもあると感じます。画面左上に海に差し込んでくる光を丁寧に描いたことで、光が透き通るほど水が綺麗なことや、照っている太陽まで想像ができてしまいます。モリモリと描いた珊瑚礁に対してここで薄く綺麗にグラデーションの光を作っていることで、対比が効いて互いを引き立たせているのですね。

どちらの絵も自分の絵の世界観が徹底されていて素敵です。最初にこんな絵が描きたい!と思った気持ちを完成するまで持ち続けることが大切ですね。

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明日よりお休みです

2024-11-18 23:43:13 | お知らせ

慶應義塾横浜初等部の小学校受験直前の為、明日よりプライベートレッスン期間となります。全クラスの授業がお休みとなりますので、お間違えの無いようお気を付けください。

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展覧会告知

2024-11-16 09:09:03 | 講師・生徒さん展覧会

岩田です。今回は2つの展覧会の告知です!

1つめは11月22日から始まる展覧会です。
私と陶芸家の幡上さんとの2人展。長野県から移築した古い民家の薄暗い空間と、新たに建てた細長く美しい空間。その2つからなる展示スペースに2人の作品が並びます。

私は、初日22日に在廊します。その他の在廊の日程は、まだ未定です。金曜日から月曜日迄の4日間のオープンなのでお間違えのないよう、お越しください。

「土と樹液」 岩田俊彦×幡上早苗
2024.11.22(金)-12.9(月)開廊 金 土 日 月 / 予約制 火 水 / 休廊 木
オビギャラリー 神奈川県藤沢市村岡東3-12-7 駐車場なし Tel:0466-25-7581 ウェブサイト


※藤沢駅から江ノ電バス8番乗り場(ODAKYU湘南GATE前)「渡内中央」行きに乗り、「渡内会館入口」下車徒歩1分

2つめは、現在開催中の展覧会「Place in my heart」
こちらは、22人の作家が能登半島災害支援を目的としたチャリティーオークション展です。
ふるさと、故郷、HOMEをテーマに作品を制作しています。
作家の在廊はありません。

「Place in my heart」
2024.11.8(金)-12.1(日)会期中無休
POLA MUSEUM ANNEX 東京都中央区銀座1-7-7  ポーラ銀座3F Tel:050-5541-8600 ウェブサイト

ご都合が合いましたら、ご高覧くださいませ。どうぞ宜しくお願い致します。

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お久しぶりの幼児クラス紹介

2024-11-15 13:35:34 | 幼児

大竹です。小学生の油絵紹介が長引き、遅ればせながら幼児のハロウィン制作をご報告させて頂きます。お絵描きの方では、水彩絵の具で作った夕焼けのグラデーションをバックに、魔法使いは折り紙で、お化けのお城を黒いクレヨンで描いています。ルミナスカラー(蛍光色)のポスターカラーを使ったので、発色が美しいですね。お城は三角、四角、丸といった簡単な形を積み木のように組み合わせて描き、それぞれ形が異なる個性的なお城ですね!黒い折り紙の魔法使いは、竹串とシュロ縄で箒も作って貼りました!これからハロウィンパーティが始まるのでしょうか、お城にたくさんのお化けが集まっていますね。ワクワクしてきます!

(別日にはメキシコ風のガイコツも作りましたが、粘土と絵具で大わらわ写真が撮れませんでしたので、見本のガイコツから幼児達の作品をご想像下さい…m(_ _)m)

そして今週の制作テーマはステゴザウルス!草食ながら大きな身体をもつ恐竜ですね。頭が小さいのであまり賢くは無かったようですが、背中の突起がなんとも面白い造形をしています。柔らかい紙粘土を使用したので子供の手でも扱いやすく、まずは丸めたり細長くして素材に慣れていきました。その後は好きな色の絵の具を練り込み、足が太いトカゲのような形にしていきます。短くて太い足なので、芯材を入れなくても自立しました。予めカットしたスチレンボードをザクザクと背中に刺していけばステゴの完成です!

粘土が完成したら、今度はお絵描きでもステゴサウルスを描いていきました。こちらも色は自由!皆それぞれの色の組み合わせがあり、カラフルで見ていてとても楽しいですね。いずれまた、他の恐竜にも挑戦していきましょう!

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構図の工夫が視線をつくる

2024-11-14 23:42:20 | 大人 油絵・アクリル


箕輪 アクリル

マユカです!今回は箕輪さんの作品をご紹介したいと思います

スイカの花の蜜を集めるミツバチを描いた1枚。ハチと花の黄色、スイカの緑が美しく対比を作り、印象に強く残る画面づくりがされています。ただ普通に黄色と緑を乗せただけではチカチカとしてしまう画面を、中間に当たる青や紫、黄緑等の色を花に使用し、鮮やかでありながら自然なグラデーションを作り上げています。

端から端まで描き込まれており、見ていくと面白い部分も沢山ありますが、この作品において重要になってくるのがスイカの縞模様です。この縞模様、黒く強い色を使用せざるを得ないがゆえに使い方を間違えると、蜂に目がいかなくなってしまったり、逆に弱くし過ぎてスルーするとつまらない画面になるという意外に扱いの難しいモチーフなのです。それを踏まえてもう一度作品を見ていくと、花の下に蜂へ向かってスイカの縞、一番右のスイカの縞も蜂の方を向いており、一番上のスイカはわざとらしくならないよう横にして、花に視線を留まらせる役割をしています。

このようにすることで、画面のどこから見始めても、ミツバチへと視線が動きます。左右のスイカは、言うなれば集中線(見て欲しい物を中心にした放射状の線)の役割を果たしているわけですね。緻密に描き込まれたハチや花の美しい色味を、じっくりと見てもらう為に工夫された構図づくりが素晴らしいです!

 

ちなみに、今回ご紹介した箕輪さんの作品は第12回ミツバチの一枚画コンクールに入選されています!!以下のリンクからご覧になれます
http://beekeeper.3838.com/activity/ichimaie/con_12/result.html#Winning

何度か制作過程を拝見させていただいていたのですが、スイカの数や位置など、見る人に対しての工夫を凝らし、長い時間をかけて試行錯誤されていたので、そういった努力が審査員の方に伝わったのだなぁとなんだか私までとっても嬉しい気分です!入選おめでとうございます!

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