モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

空気を描く

2022-11-30 23:04:28 | 大人 デッサン


林 鉛筆デッサン

気が付けば12月で戦慄しています、ナツメです。今回は日曜大人クラスの林さんのデッサンをご紹介します!

まずは9月に描かれた左のデッサン。カメラに羽、薄いペパーミントグリーンのマスカットの模型とどれも複雑なものを選ばれました。他にがさがさザラザラとした質感のものがあると、差別化して描きやすいのですが、比較的滑らかなものが多い中でそれぞれの描き分けがされているのがまず素晴らしい!形が複雑なカメラも、レンズなど細かなパーツの一つ一つまで丁寧に描写されています。そしてポイントは瓶に立てられた羽根!試行錯誤されていましたがそれもそのはず、一番奥に置かれていますが黒いためかなり強めの暗さを入れなければならない上に、ペラペラに薄いものを正面から描くという非常に難易度の高いモチーフでした。重なっている部分が透けて色が濃くなっているところや、ゆがみのシワを捉えて見事に描写されました!

右のデッサンは、先週完成したばかりの絵。前回のマスカットに続き、真っ黒なブドウの模型にチャレンジ。写真でも上達しているのが一目瞭然です!マスカットも小さい粒がひとかたまりになっている、という重要なポイントはしっかり押さえられていますが、黒いブドウではそれに加えてその中でそれぞれの粒がお互いにどう影響しているか、という「周囲の環境」が巧みに拾われているのがわかります。ワイン瓶やラクダの玩具、それらが置いてある布の影も含め、それぞれの重さや同じ空間に配置された時の関係性の描写が優れています。

前回のブログで、「一部を注視せず全体でモチーフを見ると良いですよ!」というような話をしたのですが、今回の2枚はそこが非常に良くできていると思います。瓶のラベルやカメラのロゴなど、ばらばらに見えてしまいがちな部分をモチーフの一部として、自然に表現されています。林さんのような『観察力が高く無限に情報を拾える&その情報を精密に描くような根性のある』方が、見た物をあるがまま紙に描き写す力を身につけたら、もうなんでも描けますね!『デッサンはモチーフではなく空間を描く作業』と言われるほど、周囲の環境をどれだけ反映されているかが重視されます。今回の作品のように周りの空気までもが伝わってくるようなイメージを、皆さんも是非意識してみてください!

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大きな成果

2022-11-29 21:32:49 | 小学生 絵画


勇人 / 怜似 二人とも3年

夕方がもう夜中くらいの暗さになってきていますね、ホノカです。
今回ご紹介するのは小学生クラスで油絵のカリキュラムの際に水彩を選んだ二人。希望者のみ水彩でOKというカリキュラムですが、毎年ほとんどの子が油絵を選択するので、来年からは油彩一択にするとのこと。
ですので、2ヶ月掛けて取り組む密度のある水彩画は、今回で見納めとなります。

勇人はお父さんと並び楽しそうに写真に写る姿を描きました。勇人の作品のポイントはなんと言っても肌の色です!水彩絵具のペールオレンジをそのまま使うのではなく、少し赤を混ぜたり、影には青や緑を使ったり。アトリエでは耳にタコが出来るほど伝えている方法なのですが、彼はそれを自主的に取り入れており、私たちが見に行った時にはとても小学生の水彩画とは思えない立体感や色の種類の多さがあり驚かされました!
またポーズの部分も完成度が高く見どころです。勇人の左腕は写真だと前に突き出す様な姿勢でした。どうしても想像だけで描くと、腕は体の真横から生えている様にしてしまいがちですが、こちらの作品では写真をよく見ており、上半身の厚みとそこから腕が繋がっている部分がよく描けています!またメインである人物はクレヨンも使うことでより二人がハッキリとして背景とのメリハリも生まれています。

怜似の作品はこちらに向かって牙を見せて威嚇する強そうなトラです。動物園で飼育されているトラの写真だったのですが、そのするどい目つきや大きい体は野生の力強さを感じさせてくれるほどです。
こちらの作品のポイントは立体感!元の写真はかなり日差しが強く影も少ししか分からない写真でした。ですが描く中で、後ろにある足はもっと暗くていいかも、背中やしっぽには黄色を多く使って、光がよく当たっている様に描こう、などなど自分の力で立体感を考えながら描き進めていたのが印象的でした。しかもその甲斐あって、トラの顔は前に首を伸ばしている様に手前に、足は奥側の方がより暗いことで、少し見ただけでもトラがどんなポーズなのかが分かるほどになっています。上が明るく下が暗い、と言うだけでなく、前後でも明るさが違っていることで作品全体に奥行きも感じられ、とても見応えがありますね!

小学校での水彩の描き方とは異なる方法で制作したので、普段の水彩画とは全く違う作品が完成しました!作品が完成してからブログにアップされるまで少し時間が空いてしまったので(ごめん!)もう描いた時のことはあんまり覚えていないかも?だけどこのブログを見たら自分の2ヶ月の成果を見返してみてあげてください!

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待ち遠しいクリスマス

2022-11-28 20:48:18 | 親子

親子クラス担当の伊藤です。11月の制作は、クリスマスづくし~!早めに作ったので、待ち遠しいクリスマスまでたっぷり飾れますね♪真っ赤なクリスマスソックスは、高さが40センチもあるビックサイズなので、見てるだけでもワクワクしてきます!ソックスの表と裏には、クレヨンで模様を描きました。普段白画用紙に描く時のクレヨンの印象と違って、赤い色画用紙は、白のクレヨンが映えてとても綺麗です。周りには事前に穴を開けておいたので、その穴を縫うようなイメージで、モールを通して結びます。カラフルなモールがアクセントになって可愛い仕上がりです。モールで繋ぎ合わせたことで袋状になったソックス。クリスマス当日には何が入っているか楽しみですね!サンタクロースは、『さんかくサンタ』という絵本を読んだ後に、大きな三角(帽子と体)と小さな三角(顔)を重ねて作りました。

そしてこちらは、ツリー制作です。はじめて参加された2歳のお子様でも簡単に楽しく模様が描けるように、絵の具がついたビー玉を画用紙に転がして描きました。ビー玉が転がるところには、赤・青・黄の絵の具が細い線となって交差します。線と線が交わるところは、色が混ざってオレンジや紫など新たな色が増えてくるところも魅力的。キラキラシールを貼ってオーナメントにしたり、絵の具スタンプを雪に見立てたり、素敵なクリスマスツリーが完成しました☆

次回親子クラス 12月6日(火)・13日(火) 10:00~11:30

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これ、命のある人間だなぁ

2022-11-26 23:30:19 | 大人 油絵・アクリル


渥美 油彩

岩田です。今回は、渥美さんの油彩をご紹介します。

作者の甥っ子が焚火にあたっている様子を描いたものですが、メチャクチャ良い絵だと思います。

特に良いと思うのが子供たちの表情。人間の顔って凄く難しいですね。
というのもそれを自然に描くこと、構造的なことなど諸々あるんですが、この絵は、其々の人柄、子供たちが思っていることが伝わってきそうな位、リアリティがあります。

他にも、火にあたっている顔や手の赤みを帯びた色、メチャ良い色使ってるなーって感じ。
子供に視点を置くために、色々映り込んでいた背景もとことん端折っているし、焚火は油絵の具の質感をうまい具合に使って、他と表現を変えている。そうした表現のバリエーションが見ているこちらを飽きさないんですね。

明治から昭和初期の頃に洋画と呼ばれていた頃の人物画を起草させるような素敵な雰囲気があります。
あらためて見ても、絵の具を越えて、命のある人間だなぁって感じます。とにかく素晴らしい。僕は渥美さんが描く人物好きだな。

また見せてください!

ユーチューブで画面を近づけたりしながら、詳しく解説しています。
YouTubeはこちら

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嵐の前の静けさ

2022-11-25 21:53:10 | 大人 油絵・アクリル


小川 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは小川さんの油彩画です。嵐の前触れのような荒れた海と怪しい空模様は、初めての油彩ではずいぶん難しいテーマだったかと思います。

右奥から左手前にかけて段々と暗くなっていく空模様と、波打つ水面が不穏な空気を作っています。エメラルドグリーンが透ける様な水面が美しいですね。油彩は同じ色を単調に塗るよりも、近似色を筆跡を残す様にのせていく事で色の深みを出したり質感を表現する事が可能です。観る者の不安を掻き立てる様な荒れた水面も、これらの仕事によって作られているのでしょう。手前は重い色を乗せた反面、奥にはしぶきによって白くなった波が明るい色で作られています。この明暗のメリハリによって、画面全体が引き締まりました。作品に物足りなさが感じられる場合は、明暗差によるメリハリがない鈍い画面になっている場合がありますので、困った際には明暗差を意識してみると良いでしょう。

陸地にずらりと並ぶごつごつとした岩肌の質感も、絵の具をたっぷりとのせ凹凸によって表現しています。グレーの中にも黄色や青を混ぜる事で無機質になりすぎない様に工夫が見られます。手間の波や岩肌が立体的に作られている反面、奥の森はやや平面的に描かれていますが、その中には様々な色が含まれており、沢山の色の響き合いが魅力です。

空の方は海と同じ青色でも、より深い青色によって重い雰囲気が作られています。上からのしかかれる様な湿った空気。目に見えないものを表現するのは難しいものですが、小川さんのこの作品は左から右へと重くなっていくグラデーションによってそれらが作られているだと思います。

暗い雰囲気の中でも、絵の具の美しい色が覗く魅力的な1枚となりました。次の作品も油彩を描かれていますが、どの様な仕上がりになるのか今から楽しみです。

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学生立体録その3

2022-11-24 23:44:34 | 学生

冬に向けて体重が増え続けています。マユカです!健康な証拠だと開き直っています。さて、本日は中学生立体紹介シリーズ第三弾です!


暁希 中1 紙粘土・水彩絵具

それでは暁希から!エリマキトカゲをベースに、様々な模様が入ったオリジナルの生き物を制作しました。パラボラアンテナのようなエリに付いた細かい模様は鱗感があり、背中の模様はトラのようです。目にはビー玉を埋め込み、ぎょろっとさせることで迫力を一層増しています。大きく開いた口の中は、かなりリアルに塗られており、生々しい血色を感じさせてくれる上、口の周りが黒く縁どられていることでその赤さが一層映えていますね。
色々な動物の要素が入ったキメラのような生き物ですが、この生き物の生態はいったいどんなものなのでしょうか。顔の周りのエリはおそらく獲物を探すためにあるのでしょう。2本に分かれたしっぽは体の色とは違い赤くなっているため、獲物を捕らえる毒針のようにも見えてきます。どっしりとした四肢で地面を踏みしめているポーズと、大きな声で鳴いているような表情はとても迫力があり、もしも自分がこの生き物に食べられてしまう側だったらと考えると怖くなりますね!


遼 中1 紙粘土・水彩絵具

お次は遼の作品。クワガタ虫をベースに幻想的な甲虫を制作しました。青緑がかった体の表面には星のように繊細な模様が入っています。夜空を背負っているようでとても美しいですね!まるでコガネムシのようです。この虫の頭部に付いたオレンジ色の触覚は地面に引きずるほど長く、木にしがみついたとき、その触覚で木の蜜を吸うのか、はたまた地面の下に彼らのご飯があるのか定かではありませんが、この甲虫の大事な部分であるはすぐにわかります。実物はかなり大きいため、虫という実際は小さなモチーフを、大きな立体に起こすのは難しかったかと思いますが、しっかりと作り上げられており、遼の忍耐強さにはいつも驚きます。最後につや出しで塗ったニスが、甲虫特有のつやつや感にぴったりで、本物らしい質感が出ています! 
そして、この甲虫にも色々と考えられることがありますね、どうして満天の星空を体の表面にしているのでしょうか、もしかしたら夜型の生物で、星が見える日にしか見られなかったり、天敵から身を守るために姿を変えていったり…いろいろと想像ができて楽しいですね!

のびのびと制作している学生たちの姿を見ていると、自由な発想で思いのままに手を動かしてみるのもたまにはいいなぁと感じました。大きくなって、大学で作品を作っていく中で、結構息の詰まりそうなものばかり制作してしまっているため、今度は自分が好きなように、気の向くまま制作してみようと思います!

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学生立体録その2

2022-11-23 23:04:21 | 学生


瑞希 中1 紙粘土・水彩絵具

まずは、瑞希の作品!紙粘土と水彩絵具を使用し、自分で一からデザインしたウミガメをつくりました。日頃の動物をモチーフにしたキャラクター創りを生かし、図鑑を見ながら着実に丁寧につくり進めていく姿に「好き」なもの、ことに対する姿勢が垣間見え、なんだかこちらまで気が引き締まる思いでした。完成した作品は、ウミガメの頭部の曲線や厚み、甲羅の凹凸、プロポーション、全体の色味のグラデーションなど、モチーフとした動物をしっかりと観察したことが現れており、作品を鑑賞した際に実感のもてる、見応えのある仕上がりとなっています。また、それらのリアリティと同時に、一つ一つ違う梵字のような甲羅の模様、不均等でありながら規則性を持った四肢の模様といったデザイン性もとても豊かに折り込まれています。観察に裏付けられ、細部まで作り込まれた土台に、オリジナリティと意欲を詰め込み、魅力的な瑞希らしい「好き」のつまった素敵な作品であると思います!


悠華 中1 和紙・アクリル絵具

続いて紹介するのは、ユウカの作品!なんとポンプを自ら持参し、その上に和紙とアクリル絵具を使用して張り子の除菌ポンプをつくりました。集中してもくもくと作業を進め楽しそうに取り組む姿が印象的でした。完成した作品は、猫の骨格とポンプが融合したようななんとも楽しい目をひく仕上がりになっています。本来の猫の持つふわふわとした毛並みや質感を追うわけではなく、しかしながら猫というモチーフに対する特徴をしっかりと押さえ、自分の感じたままの猫の輪郭、雰囲気を捉え、とてもよく表現できていると思います。今にもにゅっと動き出しそうな少しうなだれた柔らかな首と、前下がりに垂れた耳、焦茶と薄茶色のミケ模様、尖らせた鼻先とクリームピンクのの口元、猫の可愛らしさとポンプという圧倒的無機物の融合がとても面白い!と感じました。意識的であるかはわからないものの、自分の感性と、本やテレビで見かけたもの、道端でのふとした観察の記憶などをもとに「好き」を形にしているように感じ、見ているこちらの心が踊りました!

今回は上記の二つの作品を紹介しましたが、創り手の「好き」が詰まった作品はやはり魅力的であると再確認させられました。授業をするたび、生徒から学ぶことがたくさんありとても嬉しい限りです。みんなのこれからの作品を見守っていけることがとても楽しみです!私も制作、頑張ります!!!

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学生立体録その1

2022-11-22 21:08:11 | 学生

結局この時期はどんな格好が平均値なのでしょうか、毎日着込みすぎな気がしています、ホノカです。
今回のブログは中1の学生たちが作った立体作品のご紹介第一弾です。第二弾も後日ブログにアップされますのでお楽しみに!第一弾では鳥と亀をベースにした二つの作品を見ていきましょう。


凌太郎 中1 紙粘土・水彩絵具

まず凌太郎の作品です。こちらは鳥のような頭やフォルム、足の形状も鳥の要素が強いですが、手(翼?)を見てみると羽の姿は見えず、腕全体が皮膚で覆われているような形状をしています。羽で高く飛ぶよりは、しっかりしている足を使い狩りを行うのでしょうか?トサカの部分はツノのような帽子のような、はたまた王冠のようにも見える面白い形です。メキシコでよく被られている「ソンブレロ」にも似た印象がありますね。黄色や緑、赤の組み合わせからも想像できるように、ラテンの音楽が聞こえる作品です。
しっかり2本の足で体を支えている。と言う部分もこちらの作品のポイントです。もちろん、体の芯にはワイヤーや新聞を使用して重くなりすぎないようにしてありますが、それでも足が2本の粘土はバランスを崩しやすく立たせるのが難しくなっています。カメラも二脚ではなく三脚で支えているくらい、ここの一本の違いは大きいのです。
その中でも前傾の難しい姿勢をしっかりと立たせている丁寧な作りがいいですね!


心 中1 紙粘土・水彩絵具

続いて心の作品です。こちらはカエルをベースに、その背中にはキノコが生えており、じめっとした場所にいる生物同士の親和性があります。似た環境で長く暮らすもの同士で共存の道を歩んだのでしょうか...
キノコ、カエル共に図鑑をよく見ながらリアルさを求めて制作してあり、その甲斐あってとても精巧に作られています。またそんなリアルさだけでなく、マスコット的な柔らかい表情も可愛らしくていいですね!カエルが生息している所となると、もちろん自然豊かな所かなと思いますが、そんな牧歌的な雰囲気で悠々自適に暮らす姿も想起できる顔です。また背中のキノコも自身の一部として、ありのままに受け入れているおおらかさもこの表情ならば納得です。この共生は図鑑をよく観察し、それぞれの現実味がちゃんとあることで馴染みよく見えてくるのでしょう!実際に見てみると程よいサイズ感で手に取って可愛がりたくなる力がありますよ!

ただ作るだけじゃ面白くない!キメラにしたりオリジナルで作ってみて!というお題振りから始まった制作ですが、それぞれに個性のある、また作品としても様々な角度から観たくなる見応えのものができましたね!

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塩系絵画

2022-11-21 23:33:19 | 大人 油絵・アクリル


古田 油彩(未完成)

オバラです。上記2枚、未完成の後ろ髪を引かれながら、引越しで退会された古田さんの油彩です。仕上がりを拝見できなかったのは非常に残念ではありますが、途中とは言え彼のこだわりが目を惹きますのでご紹介させて頂きます。
以前の作品をご紹介の際は、岩田先生より「グレートーンの落ち着いた色彩と素朴な筆遣いで静かな作品世界を描く」と書かれていましたが、ニュートラルな色味を広い面積に使用すると、全体的にぼやけてしまいがちです。そうならない為に、下地はこのようなビビットな赤系の色味を置かれていたのでした。つまらなくなりがちな灰色を、ここまで魅力的に奥深く見せられる技術は素晴らしいですね。

古田さんの作品は、塩系とでも言いましょうか?あっさりとした印象で、ごちゃごちゃ感は一切ありません。どちらの絵も鍵となるのは青いガラス製品ですが、雰囲気を左右する重要なアイテムでありながら、目立ち過ぎることはなく馴染んでいます。そのように見せるテクニックは、主役に寄り添う他のモチーフに、ナチュラルな薄いトーンのものを集め、わざと無作為に配置したことにあるでしょう。しかし無造作に見えるよう、メモ用紙の貼り方一つとっても、実に練られた構図なのです。

シンプルさにおしゃれな遊び心を取り入れ、洗練された印象は男性的。スマートなクール系絵画を目指す方からは熱い支持を集めそうです。
このような絵を描きたい場合、生活感のない無機質なモチーフを選ぶと雰囲気をアップさせてくれます。頑張り過ぎない落ち着いた空間を演出してください。

古田さん、この絵が完成したら、ぜひ写真を送ってくださいね!

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展覧会などのお知らせ

2022-11-19 01:01:05 | 講師・生徒さん展覧会

岩田です。
本日は、私が参加している展覧会と企画に携わっている二つの展示会の告知です。

一つ目は、銀座のポーラミュージアムアネックスで11月2日から開催している「SPRING IS AROUND THE CORNER展」。
この展覧会は春をテーマに20名の作家がそれぞれの作品とドローイングを展示販売しています。展覧会の収益の全ては、財団法人 日本ユニセフ協会「ウクライナ緊急募金」へ寄付されます。

「SPRING IS AROUND THE CORNER」11月2日(水)-12月4日(日)
POLA MUSEUM ANNEX  中央区銀座1丁目7-7
情報はこちらから→ポーラ ミュージアム アネックス|POLA MUSEUM ANNEX 開催中の企画展

もう一つは、私の住む地元大船で11月26日、27日に開催する「玉縄暮らしの集いー一人一人ひとつひとつ」。
本展は地元にゆかりのある作り手を集めて開催される第3回目の展示会。私の主催する工房tetugiの他、織りや染め、彫金といった作家が集います。
又、今年から地元のパン屋さん5件も参加。賑わいのあるイベントとなります。鎌倉にいらっしゃる機会があれば、是非お立ち寄りください。

「玉縄暮らしの集いー一人一人ひとつひとつ」11月26日(土)、27日(日)
笑ん座カフェ、encafe 鎌倉市岡本2丁目2-1 
情報はこちらから→手工芸品とパンが集結 ものつくりの集い開催〈鎌倉市〉 - Yahoo! JAPAN

どうぞ宜しくお願いします。

 

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ミオスの王族たち

2022-11-18 02:17:02 | 幼児

大竹です。幼児クラスでは、なりきりファッションショーの衣装作りを行いました!兼ねてより棒ものを作りたい!という要望が子供たちからありましたので、まずは王族の杖作りから始めました。硬めの広告紙を細長くクルクルと巻いていきます。細長くするのはなかなか難しいですが、少しずつ丸めて丈夫な杖を作っていきました。先っぽの宝石は折り紙で作りましたが、全員違う色を選んでいたので華やかになりましたね!
その後は男の子は王様の帽子、女の子はお姫様のティアラを制作していきます。それぞれ被れるように大きさを調整し、飾りを付けていきます。被り物ができたらマントにも色紙と両面カラーのテープで装飾をしていきます。色や形の組み合わせを考えつつ、1つ1つパズルのようにボンド貼り付け、豪華な仕上がりにしていきました!マントは前面のリボンで留められるので、全てを身に付けたら気分は王族です♪


ランダムに飾りを貼り付ける子もいれば、パーツを組み合わせてキャラクターの模様を作ったりとそれぞれの性格や個性の表れる制作でした。その出来栄えには「このまま着けて帰る!」と王様の格好のままお家へ帰って行った子も。普段は飾れる絵や立体作品が多いですが、こうした身に付けられる制作も自分を含めて作品になりますので楽しめて良いですね!

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見下ろして見えてくるもの

2022-11-17 23:31:33 | 大人 デッサン


秦野 鉛筆

マユカです。今回は秦野さんの作品をご紹介します!

繊細な描写が目を惹くこちらのデッサン。布や鏡の直線を視線誘導に使い、構成されています。モチーフを上から見下ろしている構図になっていますが、これは実際に高い椅子に座って描かれました。元の形の先入観が邪魔をしてしまうため、形をとるのが難しい構図も自然な視点で表現されています。見下ろすことで、モチーフの一つである鏡を、布のように下に敷いても活かすことができ、立てかけて使った時とは違う表情を見せてくれています。

以前秦野さんが描いていらっしゃった水彩画は、優しく自然な光を感じる暖かな作品でしたが、今回のデッサンでも同じく優しい光を感じることができます。画面を構成しているメインモチーフはもちろんのこと、背景の布やモチーフの下に敷かれた鏡等、空間を構成する物の隅から隅まで丁寧な筆運びで描かれ、全体にしっかりと手を入れつつも主役である骸骨、ビン、植物の三つは特に細かく描きこまれているため、まるで写真のようなピントのつき方をしています。骸骨の石膏は、石膏特有の粉っぽさすら感じさせるほどのマットな質感の描きこみが素晴らしいですね。輪郭線をあまり描かずに、骨の入り組んでいる目元を表現しているためか、とても自然な雰囲気です。
ドライフラワーも、これは花でしょうか。穂の先の方にはぎっしりと詰まった花弁、よく見るとこの1枚1枚ですらしっかりと描かれています。ここまで描きこんでくると、線のようになってしまい、立体感が消えてきてしまうことが多いのですが、さすがは秦野さん。むしろしっかりと丸く、コロッとした印象の植物に仕上がっています。

デッサンを描く視点が変わると、普段とはまた違った表情が見えてきます。こういった見下ろす構図は「俯瞰(フカン)」というのですが、臨場感が生まれたり、空間を広く見せたりといった効果があります。その分描く難易度は上がってしまうのですが、挑戦してみる価値はありますので、皆さんも是非見下ろすような構図で作品を作ってみてくださいね。

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鍛えて、鍛えて

2022-11-16 23:56:17 | 美大・美術高校受験生作品


こころ 中3  透明水彩 / 鉛筆デッサン

街がクリスマス色になってきて焦りを感じています、ナツメです。今回は中3のこころの作品をご紹介します!
都立芸術高校を目指して頑張っているこころ。芸高には、美術科と音楽科があり、美術科の中には日本画、油絵、彫刻、デザイン、芸術学と5つのコースがありまるで美大!当然レベルも高く、学祭などに行くと「もう美大に行かなくてもいいのでは?」と思うような作品ばかりで圧倒されます。(学祭のパンフレット一つとっても遊び心あるユニークなもので、絶対持って帰りたくなる代物です!)

受験ももちろんハードルは高く、左の着彩は4時間、右のデッサンは3時間で完成させます。画用紙のサイズは、川崎総合科学デザイン科や横浜弥栄の美術科の試験で与えられる紙の倍のサイズ!必然的にモチーフも大きなものが出題されます。

着彩は時間がないため、はじめから濃い色を乗せないと絵の具が重ならず最後まで淡い色合いのまま終わってしまいます。今回は特に色の濃いモチーフが多い中、ここまで色を乗せられているのは大きいですね。形が狂っていたり光ではなく色でモチーフを見ていたりとまだ荒削りではありますが、見えるものを全部描き止めようという意思・意欲が感じられて好感が持てます。試験では個々の描きこみよりも全体の印象が求められるため、モチーフの中での役割や優先順位の判断が大切になります。
デッサンの試験時間はなんと美大のデザイン科と同じ()です。これ以上ないほど早く鉛筆を動かしていてもあっと言う間に終わってしまうので、腕と一緒に脳もフル回転させます。1番の明るさから1番の暗さまでを画面に使えていること、それぞれの質感の差を出せてきていることは素晴らしいですね!ここから少し丁寧に鉛筆を動かしたり、重さの差も意識できるようになるとより良くなると思います。

美術系の受験は、スポーツだとまで言われるほど体力や反射神経が問われます。既に息切れしそうなほど頑張っていると思いますが、息抜きもしつつ、残りの期間も走り切って下さい!応援しています!!!

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同じ気持ちになれる景色

2022-11-15 22:44:06 | 大人 油絵・アクリル


馬込 油彩

朝晩の冷え込みが強くなりましたが、皆さん体調にお変わりはないでしょうか。ホノカです。
今回は大人クラスの馬込さんの油絵をご紹介します。つい先日11月5日のブログでご紹介し、岩田先生のユーチューブの記憶が新しい方も多いはず。乾くのに時間が掛かる油絵がそんなに早く描けるはずがないのは皆さん共通の認識でしょう。馬込さんはご自宅で下地作りをし、仕上げをミオスでやられることも多いので、コンスタントに量産できるのです。

作品を見てまず感じたのは、それまでは見えなかった景色が一気に広がったような晴れやかさ、さらに空が上に向かうにつれ白く抜けていく感じが、見ていてとても気持ちの良い部分です。手前にいる人物はこの作品の主人公なのでしょうか。険しい道を歩くような格好や、軽い舗装しかなされていない道は巡礼やお遍路と言った言葉を彷彿とさせます。
この写真では分かり辛いのですが、画面下の方のマチエールには、色々な材質の物がコラージュとして埋め込まれています。これらはなんと、ガレージを掃除していた時のゴミだそうで、よく見ると小さなナットやボルト、ちぎれたほうきの先などが見て取れます。ひと口にゴミと言っても、それらは過去に意味を持って必要とされたものです。その過去の物たちが主人公の立っている地盤として使われていることで、これまで積み上げてきた道のりのように見えてきます。そんな積み重ねの上に立ち、見つめる先には次の目的地があり、そこに向かう出発の新鮮な気持ちは未来を見ていると言えるのではないでしょうか。陳腐な言い換えになってしまうかもしれませんが、過去があって未来がある。そんな主人公の歩みの過程を感じさせてくれます。

街への道はまだ半ばであり、小さく見える街は遠い様に感じます。ですが主人公は目的地まであと少しと思っているかもしれません。手前に広がる草木は鮮やかであり、希望の気持ちが溢れている様に感じます。また空にも注目すると、明るくさっぱりとした空ですが、快晴というよりは少し曇った様にグレーがかっています。曇りと聞くと暗い気分も連想させますが、これまで歩んできた疲れで目が霞んでいる故の景色にも見えてきませんか?この景色は疲れた中でもラストスパートをかけ、目的地を目指す主人公の志とも言えるかもしれません。

作品を見ていると、自身が主人公としてこれまでの道のりを辿ってきたような感慨深さや、ゴールを目前に一息を入れ出発する。思わずそんな体験ができてしまいました。また広がる風景は、登山をした時に山頂から見る景色の広大さや疲れが吹き飛んでしまう程の感動を思い出しました。一枚の作品だけでこれだけの体験を魅せてくださりありがとうございました!

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小学校受験の絵画

2022-11-14 23:38:19 | 小学校受験


左側は一人で描いた絵 ➡ 右側はプライベートレッスンで描いた絵

小学校受験があと少しで終了します。第一志望校に見事合格された方、そうではなくてもお子様に合う良いご縁と思える学校に決められた方、皆さま長い間、本当にご苦労様でした。
きっと本人たちよりも、ご両親にどっと疲れが出ているころではないでしょうか?どうぞもうひと踏ん張り、最後まで頑張ってください。

早稲田、慶應幼稚舎に合格されたお子様たち、受験の様子を聞くと「すっごく楽しかった!」「こんな絵を描いて来たよ!」と意気揚々と話してくれます。その話しぶりから「本番とは思っていなかったのでは?」と疑ってしまうほど。力を出し切ってきたのだろうと容易に想像ができます。

体験したことを絵にし、どのように感じているかを言葉にし、考え、疑問を持ち、またそれを絵にする。
そんな繰り返しが、見たこともないものを想像して絵にしたり、世の中の問題を見付けて解決策を絵にする、のような難題へもチャレンジできる力を育みました。

自分の意見を自信を持って伝えられるようになったこと、合格よりも得難い尊い宝だと思います。 小原

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