モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

Happy Halloween!!

2022-10-31 21:53:53 | 親子

ハッピーハロウィン!!今月の親子クラスは、ハロウィンづくしです♪

始めに大量の紙コップを使ってお友達と一緒にタワー作り。高くすることも一気に崩すこともどちらも楽しそう!紙コップは軽いけれど安定感があるので、小さいお子様でも簡単に遊べてお勧めです。

紙コップを使った制作はふたつ。『ニョキニョキオバケ』は、紙コップの中に隠れていた傘袋の中に息を吹き込むと、ビニールオバケがムクムクと出てくるところがとっても楽しいです。『オバケボーリング』は、お母さんとお子さんそれぞれにオバケのボーリングピンを作ってもらいました。これは、制作後にお友達と一緒に遊べるので大人気!!ボーリングのボールも勿論ハロウィンカボチャの形をしています。

そして、こちらの作品はハロウィンガーランドです。10月始めに制作したので、ご家庭で長く飾っていただけたかと思います。お子様の白い手形に目玉になるシールを貼るとオバケに変身!どちらかと言うと可愛いオバケ達です。カボチャは、細長い紙の角をハサミで切って貼り合わせて作りました。簡単な制作方法ですが、ガーランドのアクセントになって、ハロウィンの雰囲気を盛り上げてくれますね!!(伊藤)

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彩度を考える

2022-10-29 20:25:36 | 大人 油絵・アクリル


植松 油彩

岩田です。
今回は、植松さんの油彩をご紹介します。スイスの山小屋のある風景を描いた作品です。
以前にブログに載せたもスイスの山を描いた作品も良く描けていますが、この作品も同じように力作です。

画面がさほど大きくないぶん、気持ちが散漫にならず、集中して描いている様子が伺えます。
密度も高いし、ご自身も納得している作品だと思います。山小屋の壁の木の風合いや薪、針葉樹の描写、ベランダの花など細かいところを描くことが得意ですね。

そこで気になるのが緑の使い方。分かり易く言えば、緑色が絵の具そのままの色に見えるのです。とはいえ、ご自身の中では様々な色を混ぜて描いているとは思いますが、色相環の反対の色をもっと混ぜて良いのです。更には青系、オレンジといった色をもっと大胆に取り入れて欲しいと思います。

「空間」で言えば彩度。
つまり手前に鮮やかな色、奥は鈍い色を意識的に置くと良いでしょう。
例えば、屋根の後ろに置いている黄色は鮮やかすぎるので、黄色や緑の補色である紫や赤系の色を混ぜて、彩度を低くすると効果的です。手前はコントラストを強く、奥は弱くということを意識しましょう。空間を出すには、彩度を考えて描くことはとても大事なのです。

植松さん、明度で捉えることはできているので、これから必要なことは特に彩度をテーマに描いていきましょう。

画面を近づけて詳しく解説しています。是非ご覧ください。
YouTubeはこちら

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一足お先にハッピーハロウィン

2022-10-28 19:43:39 | 幼児

最近鍋が美味しい気温になってきて嬉しい大竹です。今回は幼児クラスで制作したハロウィンがテーマの作品をご紹介させて頂きたいと思います。
立体工作の方では粘土を使用してジャック・オ・ランタンを作りました。黄色い粘土をまん丸にこね、そこへ黄緑の粘土をくっつけてかぼちゃの形にしていきます。黒い粘土で目や鼻、口のパーツを作って貼り付けていきましたが、その顔も1人1人全く違った表情になっていてなんとも愛らしいですね。どことなく作者に雰囲気が似ています…笑。10分お絵かきのパンダはハロウィンとは関係ありませんが、パンダ描きたい!というリクエストが多かった為制作しました。パンダのどっしりとした大きな体と、美味しそうに笹を食べている様子がよく伝わってきますね。笹の葉がモリモリに描いてあるので、なんだかみんな食いしん坊なパンダさんに見えてきます。

絵画制作の方では箒に乗った魔女とお化けのお城を描きました。後ろになびく髪の毛からビュンビュンと風を切って空を飛ぶスピード感が伝わってきますね!箒の柄がお尻の下にくるように描いてちゃんと座っている様に見えるよう描いていきました。
お化けのお城では最初に赤、オレンジ、黄色の絵の具で夕日のグラデーションを作りました。久しぶりの絵の具でしたが塗り残しもなく綺麗に塗れています。乾いた後に黒いクレヨンで影絵の様に大きなお城を描いていきました。マンションの様に沢山部屋があるお城もあれば、カリオストロの城の様な城と城をつなぐ通路があったりと形も様々で面白いですね!お墓やお化け、枯れ木なども描いたらこわ〜いお化けのお城の完成です。
賑やかな作品が多く楽しい幼児クラスの10月でした。来月もお楽しみに!

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春の景色に思いをはせて

2022-10-27 23:30:26 | 学生


愛菜 中1 『犬山城とさくら』 油彩

コーギーを飼いたい、マユカです!今回は愛菜の油彩画をご紹介します。

桜が咲き乱れる景色、春らしい陽気を感じる一枚です。奥に見えるのは愛知県にある犬山城でしょうか。織田信康によって築かれた犬山城は、通称白帝城とも呼ばれ、国宝にも指定されています。日本のお城と桜の相性はとてもいいですね。最近はめっきりと寒くなってしまいましたから、見ていてとても温かい気持ちになります。

中心にどっしりと描かれたお城は、なんだかこちらを見据えているようにも見えてきます。お城の影に寒色系の色を混ぜているので、無機質なお城の壁の質感が伝わってきますね!瓦や窓、木枠等、かなり目を凝らしてみないと見えないような細かいところまでしっかりと描写しているため、白と黒を基調としたお城ですが、鮮やかな青空や咲き乱れる桜に、全く負けない存在感があります。
また、桜は遠近感を出すために、手前の枝に咲いた花弁は、白く光に照らされているかのように描かれています。花の形は見えなくとも、点描のように小さな点で表現することで、小花のかわいらしい雰囲気が出せています。こういった花のもりもりとした立体感は出すのが難しいのですが、奥の方へ行くほど花弁が重なり合って見えてくることを踏まえ、少しずつピンク色が濃くなっていくところまでしっかりと観察できていますね!桜などの植物を遠景で描くと、どうしても小さな花の集合体になってしまうので、描くのに苦労したと思いますが、最後まで食いついて描き切りました!

建物という人工物と、桜という自然物の直線と曲線の対比は見ていて美しいと感じます。愛菜も、その差が上手く表現できており、前後感がしっかりと出せていたため、とても見やすい仕上がりになっていました。この作品が愛菜の見た景色か、はたまた写真かは愛菜のみぞしるといった所ですが、戦国時代にも白い桜があったといいますから、当時の人も同じ景色を見ていたかもしれませんね!

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ステップアップ!

2022-10-26 23:42:12 | 学生


瑞希 中1 『鹿の行方』 油彩

芸祭準備が終わりません!!ナツメです。本日は木曜学生クラスから瑞希の作品を紹介します!

小学生クラスの頃の油絵にから一転、モチーフも色使いも落ち着いた雰囲気の絵です。この鹿の頭の骨はアトリエでも多くの方が描かれていますが、やはり自然物なので複雑な凹凸が多く、形をとるだけでも一苦労のモチーフです。そつのないような苦労を感じさせないほどの観察眼が素晴らしい!

また、今回の油絵を骨を限界まで描くためにかなりギリギリを攻めて下の方に集めて配置しています。このように画面下にモチーフを配置する構図は、重い印象を与えてしまうため基本的には避けられます。今回瑞希は背景に限りなく黒に近く明度の低い紺色を選ぶことで、明度で絵を見た時に上の方が重く感じるように工夫されて置いています!

空間も良く拾っていますね。穴の向こう側に見える骨や、奥に置かれているレンガなども存在感を失っておらず、「穴に見える穴」が描かれています。今回のような油絵に限らずデッサンでも、暗くなっている穴を描くのは非常に難しく黒い丸のような模様に見えてしまいがちです。少し明るい部分を境界に作り、奥に広がる空間との距離感がかけないと穴には見えません。穴の暗さでの距離感だけでなく骨の厚みなどにも目をつけて気を配っているため、描かれている部分の裏側の光景まで伝わってくるような一枚になりました。

全体も、骨、レンガ、瓶と茶系を中心とした色幅の少ないモチーフで構成されていますが、布やレンガに少し鮮やかな色を置き、骨の影にも青〜黄色の色幅で影を塗ることでそれぞれの中でも色幅を増やし、豊かにしています。小学生クラスの頃からめちゃくちゃ上手いですが、また更にステップアップしているのを感じますね。今後の成長もどうぞお楽しみに!

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興味の深さ

2022-10-25 21:00:37 | 学生


悠華 中1 『ぬらめあいっこ』 油彩

ここ最近の星座占いでの順位が良いのでなんとなく嬉しくなっています、ホノカです。
今回は学生クラスから悠華の油絵のご紹介です。
水の泡が弾ける中で、楽しそうに悠々と泳ぐ"ベタ"(熱帯魚の一種で、金魚ではないと本人から10回以上解説されました)が重厚感を出せる油絵ながらも、ポップな印象で見ていて楽しくなれる作品です。

今回の作品で私が1番驚いた部分は、まずなんと言ってもベタの精細さです。油絵の特徴として、乾くまでに時間がかかるため、塗り重ねるうちに形がどんどん崩れてしまうという難点があります。その中で、最後まで泳ぐシルエットが美しく綺麗に描かれていることは、彼女の観察眼や生き物に対する興味の深さが窺えます。これまで油絵の経験は無かったとのことですが、全体の描き進め方など自分なりにコツを掴んで描いていましたね。
また、全体に青が多い画面ですが、ベタの青には緑や赤も入って色の数が多く複雑な印象に。反対に背景の青はシンプルに青や水色だけで纏めていることで、同じ青であってもメリハリを感じられて、単調にならない工夫があります。さらに、その中に浮かぶ赤色のベタには青みのある色や黄色、緑など、青色のベタにも使われている色が用いられることで、2匹の間にまとまりも感じます。彼女自身ベタの色にはかなりこだわりを持っていたため、何度も色を変えて自身の理想の色になるまで重ねた甲斐あっての色たちですね。

また、元々参考にしていた写真は黒い背景に2匹のベタが照明に照らされて凛と浮かび上がる格好いいイメージのものでした。ですが、描き進める中で背景が水流の様なグラデーションになり、さらに水の泡のようなドットも加えられて完成していきました。ベタが油絵らしい複雑な色で構成され、重厚感もあるため、背景は黒で仕上げ、写真と同様の凛々しい雰囲気に仕上げでも良いのではと思いましたが、ここで写真とはガラッと印象を変えた悠華のセンスと思い切りが光りましたね。ベタたちのポーズも相まって飛び跳ねているような、爽やかな空気になっています。

元気な雰囲気は小学生クラスの生徒たちの油絵にも溢れていましたが、それとはまた違う少し真面目な明るさがとても悠華らしく、好きな作品です。次の作品も楽しみにしています!

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小学校受験のクラス

2022-10-24 23:27:07 | 小学校受験


今、小学校受験真っ最中の年長さんのプライベートレッスンにて

先週より、年中対象のプレ小学校受験クラスが2クラスに増えた関係で、水曜クラスに3名の空きがでました。くわしくはこちら
【プレ小学校受験クラス】水曜 15:00~16:00
月曜クラスはウェイティングの方が控えていらっしゃる状況で、1月からの新年長対象の小学校受験クラスへも、ご入会はお待ち頂くようになります。

また、10月より開講した年少対象のキッズ小学校受験クラスにも空きがございます。くわしくはこちら
【キッズ小学校受験クラス】水曜 14:00~14:50

☆体験授業のお申し込み方法☆
下記の必要事項を明記の上、メールの件名を「キッズ受験体験申し込み」または「プレ受験体験申し込み」として、e-mailアドレスへ送付してください。お申し込みの確認(定員がございますので、受付時に参加可能かどうかをお知らせいたします)と授業内容を返信します。
必要事項 ①お子様の名前 ②電話番号 ③ご希望の授業日
メールアドレス mios@ace.ocn.ne.jp

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建物への意識を

2022-10-22 17:47:22 | 大人 水彩


佐藤k 透明水彩

岩田です。今日は、佐藤さんの透明水彩の作品をご紹介します。

こちらは、ドイツのハイデルベルグという都市、ネッカー川に架かるカールテオドール橋の風景を描いたものおです。
こう見ると、かなり大きい川のようで、橋の上を歩く人の小ささをみても橋自体がとても大きいものだと思われます。風景を遠くから俯瞰して捉えている故、大きい広々とした感じが良く出ていますね。

背景の森?もしくは山なのか、その鬱蒼とした表情を透明水彩を淡く使って表現しています。
川に反射している建物、この辺りとても良いです。はっきり描きすぎず、かなりぼかしながらその雰囲気を上手く伝えていてとても綺麗です。そのお陰で、手前に架かる橋との空間も出ています。

そうした良いところもありつつ、私が敢えて指摘したいところは、建物のかたち、構造的な見方。それらが歪んで見えるのは気になりますね。
奥はまだしも、手前の建物だけでも、もっとしっかり描けていたら、全体の見え方も違ってくる筈。
佐藤さん、建物は沢山描いていると思うので、そこは気を付けましょう。
とはいえこれだけあると、一つ一つきっちり描くのも大変なのは分かりますが、何とか頑張って下さい。

そして最後に、もう一度背景の色の使い方で言うと、緑の中でも例えば青や他の色に振ってあげることで、更に見え方が良くなると思います。

あらためて、建物は今後も是非気を付けて描いていって下さい!

動画では、作品を近づけたりして詳しく解説しています!YouTubeはこちら

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薄く塗り重ねて

2022-10-21 23:21:28 | 学生


心 中1 『午後』 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは学生クラスの心の作品です。今年小学生クラスから学生クラスへと上がりましたので、油彩も小学生とは違った描き方に挑戦しています。小学生クラスの元気でエネルギッシュだった雰囲気から、しっとりとした上品で大人に一歩近づいた作品になったかと思います。

小学生クラスの時は絵の具を置く様に塗っていき、色を変化させながら点描画の様に描いていくやり方をしていましたが、今回はペインティングオイルを使用し、色を薄く塗り重ねながら質感を出していく方法で進めていきました。その描き方を活かす為、モチーフも表面がつるっとした光沢のある物や透明感のある物を選択しています。
青い花瓶のグラデーションが非常に美しいですね。背景のワインレッドを透かす事で、半透明の質感もよく表現できています。ガラスの反射や光沢もよく観察しており、持った時の重さや冷たい触感が伝わります。葡萄のツルッとした丸い形は、反射光やハイライトをうまく活用しました。元々のモチーフはほぼ真っ黒のフェイクのブドウだったので、葉っぱはやや偽物のようですが、果実は紫に変更し布の黒と差別化させる工夫もしています。1粒1粒手を抜かずに丁寧に描かれている姿勢にも好感が持てますね。黄色いミニポッドも色の変化を細かく追って描かれているので、シンプルなモチーフながら素朴な魅力を感じます。映り込みはオイルで溶かした絵具で薄く塗っている反面、蓋の光沢は厚めに絵具を置いており、メリハリの付け方が上手いですね。

布地の縞模様は幅が一定ではなかったり少し固そうに見えますが、心はまだ中1、これから先もっと観察力や技術が身についていく事が期待できるでしょう!この先の制作も楽しみにしています。

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針と糸でお絵描き!

2022-10-20 22:14:09 | 小学生 工作

夏の暑さに慣れきった頃に冬がやってくるのはどうしてでしょうか。マユカです!
今回は刺繍をやっていた時の小学生クラスの風景についてお話ししたいと思います。

昨日のナツメ先生のブログでもちょっぴり触れられていましたが、皆に挑戦してもらったのは、自分の名前をハンカチに刺繍しよう!というものです。ノリ先生からの、針にまつわる怖い話のおかげか、小さな針に気を付けながら制作していました!
縫い方は、普通に縫うよりも、縫い目同士が繋がって縫いやすいバックステッチ(一度縫ったら2目分先に針を出し、一目分戻す縫い方)を試してもらいました。好きな色の糸で縫ってもらったのですが、一色だけでなく、一文字ごとに糸の色を変えてみたり、半分は赤、もう半分は水色…のように、糸の色で色々と工夫をしながら個性をだしつつ、真っ白なハンカチに各々の名前をローマ字で少しずつチクチクと縫い進めていきました。
アトリエで使用した糸の色の数は、ざっと数えても15~20色ほど!似た色や、渋めの色もありましたので、もっとあるかもしれません。その中でも青や水色、黄色やオレンジなどは人気の色で、最後の方にはかなり少なくなっていましたね。

刺繍をしている最中、同じ場所に針を刺してしまい糸が絡まってしまったり、せっかくたくさん縫ったのに、糸が足りなくなってしまって、玉結びが出来なくなってしまったり、針に糸が通らない!等、様々なハプニングがありましたが、先生だけでなく、裁縫が得意な友達に手伝ってもらったり、アドバイスをもらうなど、協力もしつつ制作していました!

自分の名前を縫い終わって時間が余った子には、名前の周りや、ワンポイントで自分の好きな絵を刺繍してもらったのですが、小さな模様をたくさん散りばめてみる子、一つの図柄を丁寧に、さながらお店で売っていそうなくらいの精度で作り上げる子など、縫い方にもそれぞれの性格が表れており、見ているだけでもかなり楽しい!色の感じもイメージしやすかったでしょうから、文字を縫っているときよりも楽しかったんじゃないかな?
名前などの文字には、直線が多めだったと思うので、縫っていて少し物足りないな…と思った子もいたと思います。時間が無くて名前だけしか刺繍できなかった子たちは、糸と針さえあればできるので是非、お家でも刺繍をやってみてね!

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針の運びも十人十色

2022-10-19 23:17:15 | 小学生 工作

秋服がありません、ナツメです。10月の小学生クラスのカリキュラム、刺繍についてご紹介します!今回は白いハンカチに自分の名前を刺繍しました。同時に制作した染色については一昨日と昨日にブログで紹介しています。

まずは刺繍の魅力についてお話を!私は中学と高校の頃に家庭部という部活に入っていて、裁縫や刺繍に取り組んでいました。パッチワークや、部エプロン(部Tのようなもの)など様々なものを制作した中でも、特に部員一人一人がデザインを選んで作ったクロスステッチは強く印象に残っています。私はピンクの薔薇のデザインを、他の部員達は犬や猫、果物など、好きに選んだデザイン達をそれぞれ個人で刺繍しました。いざ完成した作品を並べてみると、不思議なことに誰がどれを作ったのかあまりに一目瞭然にわかってしまうのです。何が好きでどのデザインを選んだのか、色の選び方や糸のほつれかた、少しの配置のズレなどに自然とその人の個性が出てきます。私は刺繍の多くの魅力の一つにそれが挙げられると思います。少しずつチクチクと縫い、常に作品と触れながら進んでは間違え、少し戻り、また進み、そんな風に一緒に時間を過ごしながら出来上がっていく刺繍だからこそ個性が出ると言う醍醐味を感じます。

のり先生(左)と私(右)で、事前に試作品を製作し、子ども達の見本としたものです↓
のり先生は刺繍初心者用の教本(昭和のテキスト!)通りに、私は4月のカリキュラム『オリジナルキャラクター作り』の際に生み出したドラゴンを刺繍しています。

低学年などは特に授業で習う前なので運針に慣れていません。糸で線を描くように縫い目を繋げることが難しいため、どのような縫い方にすれば上手く行くかを模索しながらでした。その他にも糸が長すぎると途中で結び目ができてしまいやすかったり、太い線を刺繍しようにも刺繍針にそこまで糸が入らなかったりと懸念事項のオンパレードだったこともあり、小学生クラスを担当していないのでどうなっているのかなと気になっていたのですが、最終的に出来上がった作品を見せてもらって見本を凌ぐ完成度に驚きました!

はじめに描いた絵がだんだん布上に出来上がっていくのも楽しかったのではないかと思います。糸と針と少しの根気さえ有ればいつでもどこでもできるので、ぜひ他のものにもオリジナル刺繍をしてみて下さいね!

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全ては化学から

2022-10-18 20:14:31 | 小学生 工作

衣替えをしていると記憶にない服があったりするので去年の私に問いただしたくなります、ホノカです。今回のブログでは、月のカリキュラムであった藍染についてご紹介していきます。

ノリ先生のブログでも少し紹介されていますが、藍染は植物から作られた染料である「藍」を用いた染色の技法です。藍は人類最古の染料とも言われ、日本では古く奈良時代から技法が伝わっています。今でこそ藍染は高級品のイメージも持っていますが、江戸時代では染まりやすい木綿の衣類が愛されたこともあり、庶民的な染物の位置にありました。

「藍」の色素は水に溶けない性質を持つため、蓼藍(たであい)という植物の葉などを「発酵」させ染め液を作成します。この液体に、手ぬぐいやTシャツなどを浸し乾かすことで、藍染の染物が完成です。ところでこの染め液なのですが、完成したばかりの液体のままでは、緑色の状態になっています。(下の写真のタライに入っている布が少し青緑なのが伝わるでしょうか)そのため、染め液から取り出した時には、まだ布は緑色になっています。授業の時に藍色でなく緑色で、疑問符だらけになっていた生徒もたくさんでしたね。さて、このままでは綺麗な藍色にならないのでは?と思われますが、ここで「酸化」というキーワードが出てきます。酸化とは化学反応の一種で、金属の錆や、りんごの変色、カイロが暖かくなることも酸化の反応の一つです。藍染では、元々緑色の色素が空気中の酸素に触れて酸化することで、藍色に変化するという特徴があります。
そのため、染め液に浸けた後に洗い流したものを広げて干すと、空気に触れた部分から「酸化」が始まり、きれいな藍色の染物が完成します。

今回の藍染では、輪ゴムを使い、布をしばることで、様々な模様をつけていきました。
布をしばり、染め液が入り込まないようにしてあげることで、布の元々の白い部分と藍色に染まる部分ができて、模様が生まれます。規則的に折りたたんだ後にしばると、格子のような柄に、ランダムに布を集めてしばると水の波紋のような輪の模様ができるなどなど。使う道具は同じでも全く違う柄が作り出せるのです。丁寧に折りたたみ、ズレのないように輪ゴムで留めている慎重な子、手に取れる部分からくしゃくしゃと適当にまとめてランダムに輪ゴムで留める子、などなど性格が出る部分ですが、どのように留めても完成品にはそれぞれ違う魅力がありますね!
さらにTシャツなどの大きなものは、薄い手ぬぐいに比べて染め液が中心まで浸透しづらいので、縛って出来た模様だけでなくグラデーションのようにもなっています。

油絵の時には適当にやった瞬間に先生たちから横槍が入りましたが、今回の藍染では、適当にやっても想像していなかった模様が完成するため、テキトーでも何も言われない珍しい授業だったのではないでしょうか?もちろん丁寧に留めてあっても、人それぞれ留める場所が違うだけで違う模様になるため一つとして同じものはありません。
私も今回のカリキュラムで藍染を体験するまで一度もやったことがありませんでしたが、自分の想像した染め方にすることが本当に難しく、楽しい部分でもありました!大人でもなかなか体験する機会のない藍染。これを機に染物の面白さを知って貰えていたら私も嬉しく思います!

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知識は面白く楽に身に付ける

2022-10-17 12:24:50 | 小学生 工作

オバラです。当校は小学校受験クラスも開講していますので、敵?を知る為にゆきち大先生の著書を読むこともあります。専科教育では「手近く物を見せて分かりやすく面白く楽に」を大切にしていると書かれています。実体験を多く積む事が、興味を引き出す近道。もちろんそれには先行して講師が試行錯誤を繰り返す必要があります。

私もこのカリキュラムの前に藍染工房に足を運び、自分の思い描く模様を作る難しさ、逆に偶然できた模様の美しさを体験しました。
工房で聞いた説明では、土の中に埋め込まれたカメの中に砕いた藍の葉と水を入れ、専門用語で『ハナを咲かせる』=発酵させるそうです。なかなか臭いです。ぬか床におならが混じったような匂いでしょうか。

そして布をこれに漬けただけでは藍色に染まりません。最初は緑色なのを、空気にさらし酸化させることで、ようやく皆さんがイメージする藍色に変化します。

しかし工房のご主人のお話で、ハナの作り方(毎日撹拌しPH値を測る)、ハナを守ることの難しさ(発酵が進まなかったり、カビが生えたり)、期待通りの色(インディゴブルー)を作り守る大変さを伺いました。
そのような伝統を子ども達にも知ってほしいと、今回のカリキュラムを考えましたが、「手近く物を見せて分かりやすく面白く楽に」体験できて、大人になっても「藍染やったことある!」と覚えていてくれれば嬉しいな!

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年月をかけた拘りの賜

2022-10-15 14:54:54 | 大人 油絵・アクリル


服部 油彩

岩田です。本日は、服部さんの油彩をご紹介します。

こちらの作品は、ご自身がドイツの城壁のある街に行かれた際に、その建物の中にある砲台のある様子を描いたものです。
とはいえ、描きたかったのは砲台ではなく、向かって右手にある大きな壁を主役に据えました。

その壁を近くで見てみると、ナイフなどを使って黒に近い色の中でも、様々に色を使いながら絵の具を立体的に扱って描いているのが分かります。一番拘りを持って描いた部分です。
とはいえ、砲台や瓦礫が落ちているような地面の表情も良く描いています。
左側の壁は右手に比べて、ややあっさりとした印象。窓周辺の壁面も色が綺麗です。

服部さんの作品、離れて見ると、全体的に暗い画面だということが分かります。
例えばレンブラントが描いた同じように全体が暗いトーンの作品。背景の暗闇は、ダンマル樹脂などで表面に艶を出していますが、油絵の黒はこうして艶を出すのが基本。
しかしそうしたスタンダードな方向を選ばず、敢えてマットな質感で仕上げているところも服部さんの拘りと言えるでしょう。
それは元の写真から受ける古び朽ちた室内の佇まいを表現したいという意志の表れなのです。

因みにこちらの作品、完成までに、かれこれ一年半くらいの歳月を費やしています。
描いている途中では、もっと壁の色が明るかったり、レンガを積み上げた目地のような線が描かれていたりと、現在の状況までには幾多の紆余曲折を辿ってきました。
今回の作品はさて置き、エスキースの段階でイメージをしっかり作って、あまり時間を掛けずにそれを最後まで貫くということも必要な経験だと思います。

次は油彩?デッサン?これからも拘りのある作品に期待しています。

 

動画で詳しく解説しています!是非ご覧ください。
YouTubeはこちら

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作品から伝わる関係

2022-10-14 14:59:43 | 大人 油絵・アクリル


石山 アクリル

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは水曜クラスの石山さんの作品です。お友達ご夫婦の写真を見ながら制作されています。
寒色の青を基調としながらも、柔らかな筆遣いと仲睦まじいご夫婦の笑顔により、画面からは暖かさが感じ取れます。人物画を描かれたことがある方にはお分かり頂けると思いますが、人の肌の複雑な色合いを表現するのは中々難しいものです。石山さんの作品では、皮膚の下にある血液の赤みや、影も濁らずに色が作られています。影の色はただ暗くする以外にも、彩度(鮮やかさ)を落としたり、色味を変える事で表現する事もできます。石山さんの作品が温もりに満ちているのも、暗すぎない影の作り方が影響しているのでしょう。また、髪や髭を黒だけではなく紺色が使われているのも良い工夫ですね。洋服の色や影とマッチして、全体にまとまりが生まれています。
眼鏡やスカーフ、帽子などの小物もよく観察して描かれていますね。面を意識した色の塗りにより、しっかりと立体を感じる事が出来ます。細かい所ですが、衣服や帽子の色の変化など非常に美しいですね。絵具そのものの色の美しさも引き出されているように思います。
元の写真が撮られた場所は日差しの強い真夏の海辺だったので、ハイライトの飛ばし方に大変苦労されたそうです。しかも、アクリルを透明水彩のように薄塗りで使われたので、技巧が難しく時間が掛かりました。その強いハイライトのお陰で画面にメリハリが生まれ、より主役である人物がクッキリと浮かび上がっています。人の目は明暗差が強い部分に惹かれやすいので、顔周辺に強い光が入る事で、見た人によりご夫婦の表情が印象的に残る事でしょう。


自分と無関係の人や、好きでもない人をここまで心を込めて描くことはできないでしょう。作品から、ご夫婦の仲だけではなく、作者とご友人夫婦の温かな関係も伝わってきますね。

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