モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

並んだ小鳥たち

2022-06-02 22:56:23 | 大人 パステル・色鉛筆・他


黒木 水彩色鉛筆

日焼け止めが手放せなくなってきましたね、マユカです。今回ご紹介するのは、色鮮やかな小鳥たちが印象的な黒木さんの作品です。

ちょこんと木にとまっている姿がとてもかわいらしく、見ているだけでほっこりするような1枚です。
4匹並んでいてもしならず、しっかりと足場になっている枝から、小鳥たちの軽さが伝わってきます。丁寧な形どりをされているので、影をくっきりとつけずともちゃんと立体感を感じ、背景色や葉っぱと手前の小鳥たちとの関係性で遠近感も出ています。鳥特有のサラサラとした毛並み(羽並み?)も美しく表現されているので、撫でたいと思わせる魅力があり、なんだか触り心地も想像できそう!また、1匹のお口が少し開いていて歌っているみたいで、他3匹が左端の小鳥に視線を向けており、そのさえずりに耳を傾けているようです。こころなしか小鳥たちのお顔も楽しそうに見えてきますね。

今回黒木さんが使用した水彩色鉛筆、使ったことがある方ならわかると思いますが、簡単そうでとても扱うのが難しい画材です。色鉛筆としても使え、塗った後に水を含んだ筆でなでることで水彩絵の具のようにも描けるというとても便利そうに聞こえる代物なのですが、最初は色鉛筆として描くので紙がボロボロになりやすく、線が残ってしまったり、塗り重ねると色が濁ってしまったり、広範囲を塗るのがとても大変だったり…私も何度か使ったことがありますが、いったん乾かさないと上から色鉛筆で塗ることができず、完成までもどかしい気持ちでいました。根気と計画が大切になる画材というわけです。

黒木さんも大変苦労をして、ここまで美しく仕上げましたが、次回は透明水彩をお勧めしました。これでセロファンを重ねたような濁らない美しい塗り重ねができるでしょう。
皆さんにも「お手軽な画材が難易度が低いという訳ではない」と認識して頂ければと思います。

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癒しの場

2022-03-25 19:23:36 | 大人 パステル・色鉛筆・他


赤塚 墨汁・和紙

大竹です。今回ご紹介させていただくのは、赤塚さんの墨絵のドローイング集です。
今まで、アクリルやパステルなどを描かれていたのですが、小学生クラスで鳥獣戯画のカリキュラムをやっていた時に「一発描きも、結構楽しいですよ!恐れずに、失敗したら捨てれば良いんですし。」とお誘いの後、墨絵にハマっていらっしゃるそうです。
最初こそ鳥獣戯画を模写していたのですが、最近は図鑑を見ながらオリジナル動物に発展していき、生き生きとしたと言うより、ほのぼのとした少しとぼけた表情の生き物たちが魅力的になっています。鹿のポヤン…としたおすまし顔もたまらないですね。写真を撮り忘れてしまいましたが、タコなどの軟体動物も描かれており、特に猫の丸い塊の様なシルエットは軟体動物っぽさが感じられますね。(私も猫を飼っているので、このぬるっとした感じ、すごく分かります!笑)
シンプルながら、墨絵の線の強弱や、墨の濃淡を使い所、筆の流れなどを細かな部分で模写の成果が発揮されている様に見受けられます。シンプルだからこそ、余分な要素は削ぎ落とし必要な線のみに絞る難しさは、今このブログを読まれている方々にはお分かり頂けるのではないでしょうか。しかし、墨絵の曲線は見ていて気持ちいいですね…下のネコ科らしき生き物の、背中から尻尾にかけてのラインが特に気持ち良さを感じます。尻尾と足の線が重なっているのもまた良いですね〜。

こうした絵が、例えばポロシャツにワンポイントで刺繍されていたり、Tシャツにドーンとプリントされていたらすごくかわいいと思います。グッズ展開に向いていそうな愛らしさもありますね!

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年を始める一枚

2021-12-15 23:18:05 | 大人 パステル・色鉛筆・他


瀬戸 パステル

布団に常駐しています、ナツメです。今回は月曜大人クラスから、瀬戸さんのパステル画をご紹介します!

今年の年賀状に使う絵にしたいとのことで、雪原を歩く親子の虎を描かれました。よく見る虎の写真は図鑑や動物園の紹介のようにバッチリ写っていたり、ジャングルで生活している様子だったりすることが多い印象があるため、雪と虎という風景は新鮮な気がします。

考えてみると、冷たい↔︎温かい、無彩色↔︎有彩色、動かない↔︎動く、といった具合に結構対称的な位置にいる存在なのでは!?共通点と言えばどちらもやわらかいものですが、雪のしっとり・しっかり積もった量感と虎の骨と筋肉・皮膚を包むふわふわした毛とそれぞれ手触りが違う中で、色やタッチを少しずつ変えていくことで見事にその差が伝わってくる絵になりました。
小さい子虎のいかにもふわふわしているお腹の毛なんて触りたくなってきませんか??先がくるんと丸まった尻尾や脚の運びなど一つ一つの挙動がとても可愛らしく、下書きの段階からこだわり抜いて何度も描き直された分、澄み渡った冷涼な景色を感じます。
また、まっさらな雪は影の部分以外にはほとんど色が乗っていないのですが、虎の体の暗さ・鮮やかさに強調された紙の地の白が上手く活かされているのも見所です。

こんな空気で新年が始まったら最高ですが、瀬戸さんから年賀状が届いた方々はこういうデザインのハガキがあると思ってしまいそうなので、是非描いたことをアピールしまくって欲しいです!

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パステルで描く

2021-08-21 17:42:19 | 大人 パステル・色鉛筆・他


左 坂本(月クラス) /  右 赤塚(チケット制)

暑い日が続きます。皆様お体ご自愛ください。

本日は、パステルを使った作品をご紹介します。
パステルは、ふんわり柔らかい印象が特徴的で発色も良く、美しい絵が描ける反面、触れると手についてしまう位繊細な描画材です。
ティッシュや柔らかい布などで軽く擦って馴染ませたり、パステルでザっと描いたままの筆致を活かすなど、その絵肌にはまると描画材としてたまらなく好きになってしまうでしょう。

坂本さんの作品を見ると、そのパステルの特性を存分に活かしているのが分かります。
雑木林の中、木にとまっているルリビタキがとても可愛らしい。
どちらかというと、細部までしっかり描くということには不向きな描画材だからこそ、このような外連味のない素朴さが表現できるのですね。実に美しい作品です。

右手の赤塚さんの絵は、パウルクレーの模写。
こちらは元は水彩のようですが、パステルの持ち味を活かし、その軽やかな印象を上手く捉えています。
色同士の境界線が良い意味で曖昧になるので、それらの響き合いがより一層美しく感じられます。まるでフェルトの質感のようですね。

皆さんも油彩や水彩などいつも扱っている描画材からたまに離れ、あまり手に馴染みのないパステルのような素材で描いてみるのも良いでしょう。

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グレーデッサンを描く。

2021-06-12 20:32:48 | 大人 パステル・色鉛筆・他


當山 左/パステル  右/透明水彩・パステル  両方とも色画用紙を揉み紙にしてからパネルに水貼り

岩田です。本日も宜しくお願い致します。

今回は、土曜午後クラスの當山さんの作品をご紹介します。
當山さんは、様々な描画材を試しながら制作を続けています。今回はグレーデッサン。左右それぞれ異なる描画材を駆使し描いたものです。

手のデッサンはデューラーの模写。とても雰囲気のある作品ですが、単なるグレーの紙ではなく絵の具を使って紙自体に滲みやぼかしの表情をつけています。時間が経って古びたような味わいが作品に加味されると共に、繊細に描かれた手が非常に美しく映えています。
この雰囲気作りの妙が當山さんの持ち味と言えるでしょう。

左手は青い紙に描いたデッサン。白い紙に黒を足して描いていく通常のデッサンに対して中間色の紙にチャコペンで白と黒を足していくデッサンです。描くほどに中間色の中に徐々に像が浮かび上がってくる感覚は、何とも言えない面白味があります。
髑髏の石膏や白い布。実にリアルに質感が表現されていますね。ペンの動かし方などとても気を使って描いているのが分かります。本当に色々なものを描いてきた方だけあってその辺りは流石。初めて扱う描画材でも直ぐに自分のものにしてしまう當山さんです。

グレーデッサンのポイントとしては、最初から比較的繊細にペンを扱っていくのがポイント。
果たして自分は、白から黒までの色を的確に把握しているかという確認にもなるデッサンです。皆さんも是非やってみてください。

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ふわふわ、ホワホワ

2021-04-23 23:13:54 | 大人 パステル・色鉛筆・他


重松 色鉛筆

衣替えが間に合っておりません、大竹です。今回ご紹介させて頂くのは色鉛筆で描かれた可愛らしい鴨の親子です。
毎年、アトリエの展覧会に向けて可愛らしい動物を制作されている重松さんですが、今回もおもわず手で包んでしまいたくなるような愛らしさですね。鴨達のほわほわとした羽の感触が良く伝わってきます。この柔らかさを出すためには、色鉛筆で羽毛を1本1本生やすように描き込まれているのでしょう。体の輪郭に当たる部分は明るくする事で、光を感じさせると共に鴨達の存在感をより出しています。ふわふわ感もこの光によってより感じられますね。子供達と比べ、親ガモは羽も大きくなっているので、柔らかさよりもしっかりと羽が集まっている密度を感じさせる描き方となっています。気の遠くなるような時間をかけてじっくり制作された事が一目で分かります。
水面の揺らぎや写り込みの表現も素晴らしいです。何度も何度も色を重ねていき、簡単には真似できない深い色味がなんとも魅力的です。鴨がいるような池の水は海のように青青とした水と比べると綺麗な色とは言えませんが、こうして色鉛筆で表現された色は美しく見えてきますね。
奥の陸地の質感も見事ですが、さらに奥にある草木も暖かい光を受けているかのような色合いで、画面全体を優しい雰囲気に演出してくれています。こうした背景の仕事も、作品が与える印象を作る上で重要になってきますね。

親ガモによじ登る姿がまた可愛いですね!毎回もはや「あざとい」とまで言われてしまいそうなカワイイ生き物のチョイスですが、ここまでしっかりとした作品へ練り上げる事で、誰もがそのあざといと言う言葉を飲み込み、作品に釘付けとなる事でしょう…!

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たまに触ってみると

2021-03-09 21:58:09 | 大人 パステル・色鉛筆・他

左上から 佳菜穂(高3) / 眞田(社会人) / 下 中崎(大学生)

目がカピカピです、一平です!本日はミオスにもアシスタントで来てくれているカナホ、土曜クラスの眞田さん、水曜クラスの中崎さんの3人の水粘土をご紹介します。

まず上段の手の作品ですが、僕はデッサンで「粗密の関係」という話をよくすると思います。これは大きく開けた空間と、ギュッと詰まってものが密集した空間が1つの画面の中にあると絵が間抜けにならず良いバランスでデッサンを進められるという構図の考え方の話ですが、僕は水粘土でも同じ事が言えるのではないかと考えています。こちらの手、デッサンなら複数モチーフがあるから粗密が作れるけどこっちは手だけでどうするんだ!と思った方もいると思いますが、手をそのまま見るではなく骨、関節、指と細かく見ていくとどうでしょうか。手を作るにしても指が伸び切ったパーのような手では単調でつまらない、粗密でいう「粗」だけの作品になってしまいます。逆にギュッと握ったグーの手ではドラえもんの手のような感じで人間の手らしさ、手の良さが出てきません。粗密の「密」だけですね。なので、適度に握っていて適度に開いている、そんな手を目指すと凄く考えやすいと思います。2人とも小指と薬指が少し握られていて親指から中指は少し開いているような見せ方です。ここに空気が抜けるような空間感を感じることができます。親指の肉の盛り上がり方や関節のゴツゴツ感など結凄く人間の皮膚の表情になっていて素晴らしいですね。

また、下段の中崎さんの作品はご自分のスニーカーを参考にしての製作でしたが、もちろんスニーカー自体の量感やソールとアッパー、タンなどのディティールへのこだわりが見えて完成度がとても高いのですが、僕が痺れたのはこの靴紐のたるみ方です。スニーカーの平たい紐の独特のたるみ方に勝手に共感し、「確かにこうなるよな」と一人でニヤニヤしていました。観察力の賜物ですね。是非今度はもっとパーツの多い細かい物を作ってみて欲しいなと思います。

中崎さんの以前作った水粘土『手』の作品はこちら

粘土は子供達が工作によく使っているイメージだと思いますが、沢山の種類があり奥が深く面白いです。レンジでチンして固くしたり、食べれる粘土だったり本当に様々なので普段絵を描いている人達もたまにやれば新鮮で楽しいですよ!

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水粘土で立体を捉える

2020-10-02 15:43:40 | 大人 パステル・色鉛筆・他


中崎 水粘土

大竹です。今回はこのブログでは珍しい水粘土のご紹介です。
水曜夜間大人クラスに通われている大学生の中崎さん、ストイックに基礎の鉛筆デッサンを重ね、手のデッサンを数枚続けて描かれていたそうです。そこで小原先生が「彫塑で使う水粘土はご存知ですか?平面の絵に立体感を出す為に良い勉強になりますよ!」とお薦めし、水粘土に取り組まれておりました。短時間で雰囲気をサッと出す事ができ、初回とは思えない完成度の作品になりました。
私も大学の彫塑の授業でモデルさんのバストアップの制作をやりましたが、デッサンのような立体を平面に置き換える作業とは違い、立体から立体を写しとらなければいけません。その為、あらゆる角度から観察し形の辻褄を合わせなければならず大変苦戦した記憶があります。同じ方向ばかり観察して作っていても、その方向から見た時は良い形に見えても他の角度から見ると歪んで見えてしまいます。ですので、その授業ではモデルさんは回転する台の上に座り、10分毎に台を少しづつ回転させてあらゆる角度から観察しながら制作していました。
また、表面的な表情(手でいうとシワや血管の凹凸など)を先に追いたくなってしまいますが、まずは形そのものをきちんと捉え、立体感を掴んでいく事が大切です。こうした事はデッサンと同じですね。中崎さんの手もしっかりと形を捉えており、掴んだら握り返してきそうな迫力さえあります。ご自分でも向いていると思われたようで、もう一度チャレンジされたいと現在は水粘土でスニーカーを模写しています。

水粘土にチェレンジされたい方は、アトリエに材料は揃っていますのでお声掛けください。普段見慣れて知っているつもりでも、立体物として見ながら制作してみると新たな発見が沢山あると思いますよ!

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手で考える

2019-08-26 23:05:00 | 大人 パステル・色鉛筆・他


出町 木版画(一版多色刷り)

今、父方の祖父母の家に来ている一平です!
本日は日曜日クラスの出町さんの木版画をご紹介します。
般若の青白く恐ろしい形相が、背景の鮮やかな色合いと面白いマッチングを見せてくれています。全体的にくすんだ感じが逆に絵の雰囲気をより強く醸し出していて怖いけれどもっと見たくなる、とても面白い作品です。

原版となるものは同じなので一見同じ絵が並んでいるように見えますが、こちらは膨大なトライ&エラーの繰り返し!よくみると色が鮮やかなものや、顔のほりが深いもの、背景が鮮やかなものなど様々なパターンがあります。

「正直、どれも似たようなものじゃないの?」と思った方、違うんです。一回刷って「なんか違うもしかしてこうか?」と考えていく事がとても重要なのです。たとえ1番最初に刷ったものと100枚目にようやく出せたこだわりの1枚が最初のものと全く一緒だったとしても色々試した98枚は全く無駄ではありません。それは自分の答えに近づくための98枚であり、これからの自分の作品へのどこで筆を止めるべきか、ここにどんな色を使えば映えるのか、など判断基準を作ってくれます。そういう意味で出町さんのこの様々なパターンは今回だけでなく、これからも活かされていくでしょう!

なので頭で考え過ぎるのではなく、ある程度のところでとりあえず手を動かしてみる、という事はとても必要だと思います。
絵を描く人にとっては手の方が脳みそに近いでしょうしね!

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孔雀と花と蝶

2019-06-04 20:16:21 | 大人 パステル・色鉛筆・他


金 色鉛筆

どうも幸介です。本日ご紹介するのは、大人クラスより色鉛筆の大作、金さんの作品です。美しい孔雀に花と蝶、絢爛なモチーフですね。全体が爽やかなブルートーンでまとまりながらも、しっかりと重ねられた色鉛筆で重厚感ある作品となりました。

一見しつこくなってしまいそうなモチーフですが(孔雀も花も蝶も主役級)、金さんの作品が纏まっている所以はそれぞれのモチーフの描き込みのバランスでしょうか。孔雀の羽は、綿密に色が何層にも重ねられています。青の合間に見える紫が効いていて、立体感や重みを感じます。蝶はパステルカラーで描かれ、舞い散る花びらのような印象。そして花の暖色があることで、主役の青を上手くひき立てていますね。僕自身、ついつい色んな色を使い過ぎてしまったり画面を隅々まで派手にしてしまいがちなので、金さんのような適材適所の色使いを見るとハッとさせられます。

大胆で鮮やかな色使いの中に繊細な気遣いの垣間見える金さん。ぜひ次も、色鮮やかで豪華絢爛なモチーフの作品を描いてほしいです!

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時間をかけ、拘りを持って

2019-05-18 21:59:57 | 大人 パステル・色鉛筆・他


當山 ペン・墨

宜しくお願いします。岩田です。
本日は、土曜日午前クラスの當山さんの作品をご紹介します。どくろを描いていますが、色が青いだけに、こうしてあらためて見ると、その不気味さが何ともたまりません。

描画材はボールペンです。しかも単色ではなく、何種類かの同系色のペンを使い描かれています。普段事務用品として使っているボールペンもこれだけの手数をもって徹底的に対象を描きこむと、言い知れぬ説得力を持ってくるのが分かります。
緻密な描写のみならず、最初のスケッチ、形取り等を入念にしたこともあって、完成度の高さを見て取ることができるでしょう。
又、背景に施された墨の景色も滲みを上手く使うことで、その有機的な表情を引き出し、画面全体を耽美な印象のものへと昇華させています。

當山さんの今までの作品の中でも時間をかけて打ち込んだものだけに、ご本人曰く落款を押し終えた後の達成感は、ひとしおだったようです。
因みにこの落款もご自身が刀を使い名を彫りました。画面の隅々にまで拘った一作。素晴らしいものとなりました。

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鮮烈な色

2018-10-19 01:03:50 | 大人 パステル・色鉛筆・他

瀬戸 パステル

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、瀬戸さんのゴッホの油絵『桃の木』をパステルで模写された作品です。こちらの作品は来週の展覧会にも出品されますが、実は間に合うか微妙でチケット制で他の曜日にも来られていました。(暴露してしまいました!)

元の油絵は写真で見るともう少し彩度が低いものでしたが、瀬戸さんは「もっと明るく華やかな色にしたい!」と、より全体が鮮やかな色合いになっています。桃の花の鮮烈なピンクが見た人の心を惹きつけますね。その花を支える木の幹にも様々な色が使われ、枝は花と共に上に伸びていっており、根元はしっかりと大地に根付く力強さを感じます。メインの桃の木に負けずとも劣らず、周りの風景も手を抜かず描ききっています。制作中はゴッホの筆のタッチをパステルで表現するのに苦労されていました。特に平たい地面を表現するタッチは、何度も色を重ねて研究されています。手前に強い赤や背後の柵に明るいオレンジを置くことで、桃の木が絵の中で浮きすぎないようバランスも取れています。

この力強い作品を描かれた瀬戸さん、作者ご本人は実はちょっぴり心配性なお方で、制作中もこれで大丈夫でしょうか?ちょっとズレているような?でも描きすぎるとバランスがと悩みながら進められています(暴露その2)。でも、そんな作品と作者のギャップも美術の面白さの一つだと思います。沢山悩むという事は、その作品にそれだけ意識を向けて力を注いでいる事になります。制作中もアトリエで拝見していましたが、改めて作品展の場で作品を拝見するのが楽しみです!

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「シエスタ」

2018-10-13 01:34:05 | 大人 パステル・色鉛筆・他
小泉 パステル

今回は、土曜日午後クラスに通われています小泉さんの作品をご紹介致します。
題名は『シエスタ』、コアラがユーカリの木の上で眠っている様子を描いた一枚です。

とても柔らかい印象の作品で、パステルという描画材の特質をご自身が良く理解し、支持体となる紙と上手にやり取りを重ねているのを見てとれます。
紙に負担がかからない程度に筆圧をコントロールしながらも、明暗をしっかり表現していますね。

パステルは、その形状から、どちらかというと細かい描写よりも、ざっくり大きく描く方が向いている描画材ですが、小泉さんの場合、背景のグリーンの部分など、パステルの角を効果的に使うことで、その様を上手く描いていますし、コアラのふんわりとした毛並みとの質感の差異を魅力的に表現しています。
又、コアラの描写は、その質の表現のみに留まらず、色の響き合いが大変美しいことは特筆すべきことでしょう。

小泉さんが次に描かれるのは象です。今回のように、パステルという個性の強い素材を柔軟に自身の中に取り入れながら、美しい作品を制作されて下さい。

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一気にお披露目です。

2018-10-05 20:27:46 | 大人 パステル・色鉛筆・他

出町 一版多色刷り

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは出町さんの版画の作品です。出町さんは鈴木基一という江戸時代の絵師の作品を元に制作をされています。去年の9月に上段真ん中の向日葵をご紹介させて頂きましたが、今回はこれまでの作品をダダッとお披露目です!

やはり黒い版画用紙ですと彩度、明度の高い色がより映えて美しいですね。左下の花はうっすららと発光しているようにも見えてきます。また、葉っぱや柿の部分など小さな色の粒が集まって形が作られていて魅力的ですね。右上の家鴨の体の部分なども、筆では作れない版画の色のムラがよく表れています。多色刷では、版を彫る作業よりも美しく刷り上げる方が難しかったりします。水が多ければベッタリと伸びてつまらない質感になってしまい、水が少ないと色が乗りません。これだけ版画作品を制作されている出町さんも、未だに絵の具の水加減には苦労されていました。その分、納得のいく出来になった時の喜びも一入でしょう。

 こうした素敵な作品が並んでいると、自分もやってみたいという気持ちになってきますね。まだ版画をやった事がなく、出町さんの作品を見て多色刷りに興味をお持ちになった方!この機会に筆の代わりに彫刻刀を握ってみてはいかがでしょうか?

 今までずっと黒い版画摺り紙(発色を良くする為に、白い和紙にマットな黒が塗られている特殊な版画用紙)を使われて来た出町さんですが、今回の展覧会を期に、普通の白い摺り和紙を使い、色数分、版木も使う木版画にもチャレンジしようかなとおっしゃっていました。
木版画には『彫り進み版画』という技法もあります。版木を少しずつ彫っては異なる色のインクを載せて(重ねて)刷っていくことにより、多色刷りにしていく手法です。計画的に作業を進めていかねばならないので、子どもにはなかなか難しい技法。ぜひ大人な出町さんにオススメしたいです!

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やさしい光

2018-05-25 13:36:52 | 大人 パステル・色鉛筆・他

菅原 / 左 油彩 / 右2枚 色鉛筆

今日は木曜日の夜のクラスに通われている菅原さんの作品を紹介します!
菅原さんは、私がミオスで働き出した頃から既に通われていた方で、私がガチガチに緊張して話しかけるととてもフランクに応じてくださり、会話が続くにつれ緊張が一気に溶け「なんて優しい人なんだ…」と感動した思い出があります。

そして作品を見ますと、さらに菅原さんの人柄がわかる気がします。
色鉛筆で繊細なタッチで描かれた鳥、花。毛並みの艶や花びらの透明感、細かいディテールの表現が素晴らしいです。描き込みの足し引きのバランスの成せる技でしょう。
今回のつつじはやわらかな新芽が美しく、小原先生が「私が草食動物なら、一番最初に食べちゃいますよ!」と言うと、「小原先生に初めて植物を褒められた!」と喜んでいらっしゃいました。個人的にこのツツジの絵の背景の色合いがとても好みで、この同系色で明度を変えた組み合わせを自分の作品にも盗ませてもらおうと思いました(笑)

油彩の方も光のコントロールに成功しており、絵に奥行きが生まれています。塔の影も威圧感を出し、静かで厳かな雰囲気が演出されています。
本当はこのモチーフを描きたくなかったのに、緑の色幅を広げる修行の為に我慢して描かれたそうです。自分を鍛える真面目さ、勉強熱心さ、見習わなくてはと思わせられますね。同じ菅原の姓を持つ者として喝を入れられたような気持ちです!   菅原でした!

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