モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

黒インクから生まれる躍動感

2023-11-16 22:48:56 | 大人 パステル・色鉛筆・他


佐藤M ペン画

マユカです!今回は佐藤さんの作品をご紹介していきたいと思います!

軽やかに駆けていく馬の姿、ふわりと宙に舞う尻尾と後ろ足がその躍動感を美しく見せています。パカラッと軽快でリズミカルな足音すら聞こえてきそうです。
今回の作品は半年前にご紹介したアクリル画とは打って変わって、ペンのみで乗馬の風景を描かれました。ハッチングなどで繊細に陰影を描写し、眩しい太陽光に溶けるように光に当たった部分を白飛びさせた為、競馬ウマの体重500㎏の重量感を出されるのに苦労されました。踏み込んだ足の力強さや、その筋肉のたくましさを見れば、その重さや力強さが伝わってきますね。

スケッチのようにさらりと書かれているように見えますが、どの個所を見ても細かに描写されており、馬は勿論のこと、上にまたがる人間もよく見れば服のシワや横顔の曲線の美しさなど、馬に引けを取らないクオリティで描写されていることが分かります。お互いに同じ進度で描き切られているために、絵として浮いたりせず、その場の雰囲気や空気感をより現実的に感じさせてくれるようです。同じくらいの完成度、というのは簡単なように見えて意外と難しいんですよね。
また、絵の重心が一点しかない馬の左足で支えられているという、不安定な構図をしているため、見ている人たちは少しのスリルをもってこの作品を見ることになるでしょう。このスリルが、絵をより印象深くさせてくれるのです。

色は付いていなくとも、その構図と時間をかけた描写によって、魅力あふれる一枚へと昇華された今回の作品。ペン一本でここまでの表現ができるのは、佐藤さんのデッサン力の高さと、光の扱い方が美しいためであると感じました。

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初めての画材を使って

2023-11-11 00:43:36 | 大人 パステル・色鉛筆・他


小嶋 模写 水彩色鉛筆・色鉛筆

岩田です。今日は寒かったなー。本日は、小嶋さんの作品をご紹介します。
こちらは、絵ハガキを模写したものですが、2匹のヒヨドリ?が赤い実をつばんでいる様子が可愛らしく描かれていますね。

小嶋さんは、入会後、最初に描く基本的なデッサンを終えて、初めて色を使った作品に取り組みました。色鉛筆や水彩色鉛筆を駆使し描かれた作品ですが、色をしっかりと乗せ、メリハリある誠実な印象の作品に仕上がりました。

水彩色鉛筆は、色をそのまま塗ることもできるし、上から水を付けた筆でぼかしたり、色同士を混色するなど、工夫次第で表現の幅が広がる描画材だと思います。

今回は、鳥や植物などは色鉛筆で、主に背景に水彩色鉛筆を使って描いていますが、モチーフを描く際にも水彩色鉛筆の特性を活かし、遠くにいくに従ってぼかしていけば、画面の中にも更に空間が広がって、オリジナリティ溢れる作品へと昇華していくことでしょう。

初めて使う描画材で、ここまで描いたことは作者にとっても自信になったことと思います。今後も色々な素材にチャレンジしていって下さい。

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同じ景色も塗り方ひとつで

2023-09-23 15:43:15 | 大人 パステル・色鉛筆・他


横山 オイルパステル

マユカです。今回は横山さんの作品をご紹介します。

横山さんにとってはアトリエでの初めてのカラー素材。オイルパステルを使用した風景画です。左は白い画用紙に、下塗りとして薄く透明水彩を塗ってから描きました。右は水色の色画用紙に描いています。
だからでしょうか、右の方は朝日を受けてぼうっと光っているような、少し神々しさを感じる仕上がりになっており、右は青空の澄み渡る昼頃の、爽やかな印象を受けます。同じ構図ではありますが、受ける印象がだいぶ変わって見えてくるあたりから、モネの「積みわら」を連想しました。あの作品は陽の光の移り変わりや空気感を朧気ながらも確実に描写したものですが、今回の横山さんの作品も、左から順に朝方~昼頃というようなグラデーションしていく時間を表現しているように見えてきます。
柔らかでありながらもどこか自然の厳しさを感じるような、壮大な空気感を上手く表現されています。山の立体感を出す為わずかに描かれた細かな凹凸が、ごつごつとした雰囲気をかもしだしつつ、描きすぎないことで下方の広大な自然と繋がります。手前の湖もてらてらとした光沢感や、その深さを感じさせるような濃くしっかりとした色遣いにより、奥の山を一層引き立てていますね。

オイルパステルは子供たちが使うクレヨンとよく似ていますが、固めでしっかり描けるクレヨンに比べると、柔らかくて伸びがよいため、色をぼかしたり混ぜたりしやすいのが特徴です。油絵のような立体感や迫力も出しやすいので、油絵の上から併用して使われることもあるほどです。
横山さんの作品ではクレヨン感は薄く、雲より下を見れば油彩と言われても、「そうかも」と思ってしまうほどに何度も何色も塗り重ねてあり、複雑な印象を与える仕上がりになっています。
画用紙の目が残るように描けばさらっとした印象が与えられますし、目をつぶすようにしっかりと塗り重ねれば、重厚感のある絵になります。オイルパステルはもちろん、水彩や油彩等でも塗り方ひとつで見ている人への伝わり方は大きく変わってきます!与えたい印象によって表現を変え、描き比べてみるのも面白いかもしれませんね。

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現代の浮世絵

2023-09-21 22:29:49 | 大人 パステル・色鉛筆・他


鷲見 『八重洲2023』 油性マジック・アクリル

サヤカです!今回は大人クラスの鷲見さんの作品をご紹介します。

この絵を見れば「あ、あそこかぁ」とピンとくる方も多いはず。タイトルにもありますが、鷲見さんの馴染みのある八重洲の街並みをモチーフに制作されています。
しかし「江戸街並みの浮世絵風に描きたい。キャンバスにアクリル画で。」とおっしゃったのが8月。しかも「せっかくだから間に合わせて展覧会にも出品したい!」との欲張り発言から、この絵が出来上がりました。(皆さまご存じ搬入提出期限は831日でした。提出されたのは99日でした。しかも購入してこられた額が薄い紙用だったので、木枠から取り外したそうです。)
アクリルで下塗りをした時点で「わ?アクリル難しい!拭き取っちゃおう。」キャンバスに下描きした際に「ん?麻のキャンバス、ざらざらして描きづらい。」ペンを入れながら「え?油性マジック、思ったより細かい所が描けない。」と次々に難題にぶつかるも、ポジティブに前進されました。最後の発言は「完成度ではなく、出品することに意義がある!と思うことにします。」でした。潔い!カッコいい!見習いたい!

試行錯誤を経て完成した作品は、現代の都市の中心を描いていながら、伝統的な浮世絵の雰囲気を持つ絶妙なマッチングを表現した作品になりました。人々が高いところからの眺めを楽しむのは今も昔も共通で、江戸時代にも山やお寺のお堂などの絶景スポットが多くあったそうです。浮世絵には、そういった場所に集まる人々がよく描かれています。鷲見さんの作品にも共通していますね。浮世絵風の絵をアクリル(と言うよりはペン画)という全く違う手法で描くことで、浮世絵の表現が現代的に洗練されています。失敗を臆せず、新しいことに挑戦する鷲見さんの作品がこれからも楽しみです!

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線を重ねていく

2023-09-14 23:57:45 | 大人 パステル・色鉛筆・他


黒永 ペン画

既に課題に追われています!マユカです!今回は黒永さんの作品をご紹介します。

こちらは黒永さんがペンで描かれた多彩な生き物や植物、手などをコラージュして一枚の作品にしました。動物の手足の筋肉などを捉え、特徴がしっかりと表れたポージングはもちろんのこと、手のようにすべすべとした質感の物でも、違和感なくしっかりと描けています。
これらは黒永さんの優れたデッサン力に加え、じっくりと対象を観察する鋭い観察眼と根気によるものでしょう。ミリペンのペン軸の種類を輪郭や毛並みによって使い分けるテクニックは、一朝一夕で身に付くものではありません。長い期間ご自宅でも制作を重ねられた結果、ここまで卓越した技術となったそうです。

ペン画の影の描き方はデッサンに近いものがあります。ハッチングの技法を私は主に使っていましたが、使う画材が『黒か白』しかないのでグレーの調子を出すためには細かく網目にしたり、斜線を引いてみたりと様々な工夫が必要です。粗密が上手くいかず、白くスカスカに見えてしまったり、黒くし過ぎ穴に見えてしまったり、ハイライトで手数を抜いた部分と密度の詰まった箇所のバランスが大変なのです。
そのため、通常は描けば描くほど絵は上達するとは言いますが、ペン画にとっては毛の密度の差だったり、動物の自然な仕草、皮膚の皺の寄り方というのは、ただやみくもに描き続けるだけでは習得が難しいと思います。リアリティや実在感をもって描けるというのは、黒永さんが様々な資料に目を通して沢山インプットし、その吸収した技術をより多くアウトプットした結果でしょう。この完璧な世界…筆を動かすのが楽しくてしょうがない、という黒永さんの気持の弾みを感じました。

ちなみにミリペン(ドローイングペン)は、私も愛用していますが、漫画やイラスト・製図作業を行う時の必需品とも言えるアイテムです。さらさら書けるので軽いメモなどにも使うことがありますね。
最近は私もデジタルで描く方が多くなりましたが、ザクザクと描き進めていく感覚が懐かしくも感じます。画面が少しずつ埋められていくあの感じは、パズルなどが好きな方であればハマってしまうかもしれません。
ミリペンはアナログ派に欠かせぬ画材。他のペンよりも繊細なコントロールがしやすく、にじまないので思い通りに美しく描けます。ペンのみで描かれた作品はペン画と呼ばれ、筆や鉛筆とはまた大きく違った仕上がり方をしますので、ペン一本での作品作りに皆様も是非挑戦していただければなぁと思います。

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フラミンゴの旅

2023-09-08 20:25:32 | 大人 パステル・色鉛筆・他


大崎 色鉛筆

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、大人クラスの大崎さんの色鉛筆作品です。
すでに額装され、あとは9月26日からの展示を待つばかりのこちらの作品。大崎さんが基礎デッサンを終えられて初めてトライされた色鉛筆画だそうです。色鉛筆は重ねたり筆圧を強くしないと濃い色にならない、かなり難易度の高い画材ですので、相当な苦労して描かれたのではないでしょうか。フラミンゴの薄いサーモンピンクを目立たせる為、地面の色を暗く重く塗られています。フラミンゴの独特なシルエットも際立ち、地面や草の形も含めて見てみるととても面白い構成になっていますね。主役のフラミンゴに合わせ、構図が縦長に作られているのでしょうか、どこか掛け軸のような印象もあります。
水辺で群れで過ごしているイメージがあるフラミンゴですが、大崎さんの作品では独りでどこへ向かっているのでしょうか?寂しい印象というよりも、好奇心からまだ見ぬ場所へ歩んでいる様に見えます。基礎デッサンも終え、これから新しい表現・制作に挑戦していくであろう大崎さん自身に重なっているのでしょうか。

額装された状態で撮影したため、光ってピントが合わず申し訳なかったのですが、このお洒落な額のセンス・マットの幅を皆様にお見せしたかったので、あえてこの状態で撮りました。レリーフ彫りのあるビリジアンの額は、草の色と繋がり画面をナチュラルに感じさせています。マット(画用紙を抑える為に、エッジを45度にカットしてくり抜いてある厚紙)を広めに作られているのは、フラミンゴが窮屈に感じないよう、大きく広々とした空間を演出するのに効果的。絵の技術は成長過程ですが、大崎さんの元々お持ちの美的センスが光る絵画として完成しました。ぜひ展覧会場で実物をご覧ください!

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真摯にコツコツと

2023-06-13 21:54:46 | 大人 パステル・色鉛筆・他


野上 ペン  /  奥様 透明水彩

佐藤です。本日は大人クラスより野上さんご夫妻の作品をご紹介します。ご夫婦で通ってくださっているお二人が、ほぼ同時に完成されました!

右の奥様の方の絵のモデルはお祖母様だそうです。暖色系でまとめられた色合いと、柔らかなタッチが素敵ですね。透明水彩という画材の特徴が良く活かされていると思います。一方で肌や服の陰影はしっかりついているので、絵が間延びせず見どころが生まれています。
制作中、ワンちゃんの毛の質感を表現するのに苦労されていましたが、ふわふわとした質感もバッチリ伝わってきますよ!
こんな絵をお孫さんからプレゼントされたら、お祖母様もさぞや喜ばれたのではないでしょうか?小原先生に額装のご相談もされていたようですので、きっと今頃はお祖母様のご自宅の一番良い場所に飾られているのではないかと思います。

左はご主人・野上さんのペン画作品です。写真のサイズが小さく、皆様に細部までお見せ出来ないのが残念なのですが、非常に緻密に描き込まれています。
影もベタ塗りではなく点描で濃淡をつけていらっしゃるので、奥行きが感じられます。トリケラトプスは体長9メートルもある、人間より遥かに大きな生物なので、きっと影も大きく長く伸びているはずです。遠近感を表現する時には「手前のものはくっきりコントラストをつけて、奥にあるものは描き込みすぎない」ことが大切ですが、影の中でも濃淡の差を出すことで、奥に長く続いていく地面やトリケラトプスの大きさ、迫力を表現出来ていると思います。
こういった細かい部分からも、野上さんの丁寧な仕事ぶりが伝わってきます。ペン一本、黒一色で、これだけの立体感と世界観を表現出来るのは素晴らしいですね。

私はいつも衝動と勢いにまかせて絵を描き始めてしまうので(笑)、ペン画であれ透明水彩であれ、こういった丁寧な作業を積み重ねて作品を作り上げることが出来る方々を本当に尊敬しています。

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柔軟さ。そして客観性

2023-02-25 15:24:20 | 大人 パステル・色鉛筆・他


當山 墨・カラメル色素・水彩・アクリル・インク・パステル・ペン・蜜蝋

岩田です。
本日は、當山さんの作品をご紹介します。左手の作品は永井豪の漫画、デビルマンをモチーフにした作品。デビルマンが手前にある何かを破って出てくるようなイメージを描きました。画面両脇には力が籠った手があるのが分かります。

この絵のベースになっているのは、カラメル色素を使って紙にしみ込ませたりしながら遊んでみよう、という以前の勉強会で制作した一枚の紙です。
パッと見ただけでも色とりどり。斜めにして絵を見てみると画面上に凹凸があるのが分かりますが、蜜蝋や銀墨汁、蛍光色の絵の具、水性ペン等、実に様々な描画材を使っているのです。
そして顔はラメの入ったペンで塗っていることもあって、角度を変えて見ると正面からでは味わえない多彩な表情を見ることができます。

私が言うまでもなく、ミオスに通っている小学生の男の子たちが「スゲー、絵ってこんなに自由で良いんだ!」って声を上げるくらいインパクトがある魅力的な作品です。

変わって中央の作品は、言わずと知れたウルトラマンをモチーフにしています。
暗闇の中で、もう時間が無いとカラータイマーの点滅が知らせています。闇の中で今にも飛び立とうとするウルトラマンがカッコよく描かれていますね。

こちらはアクリル絵の具やペンなどを使って描かれたものですが、長い時間をかけた完成度の高い一枚です。
完成してパネルから作品を剥した後、裏を見てみると作者には悪いのですが、「なんか裏の方がカッコよくないすか?」と思わず声に出してしまった私。

その裏面が正しく一番右手の画像です。

そこにはうっすらとウルトラマンの存在が認識できるものの、作者も予想だにしない偶然にできた滲みや絵の具が垂れた表情が見て取れたのです。

そんなことを言われたら普通は、失礼だな!って思われて当然なのですが、ご本人も「あー、確かにそうですね!」と共感し納得してくれたのです。
とは言え、そこが當山さんの凄いところ。考え方が非常に柔軟なのです。

デビルマンの絵に見られるような幾つもの材料を一枚の絵に集約するとなると、本来であれば、さてどうしようと頭を捻ってしまいそうですが、そんなことができるのも作者のそうした頭の柔らかさがある故。さらに言えば創作する上で、ただ描きたい絵を描くというだけでなく、常に鑑賞者の視点で絵を描いていることも特筆すべきことでしょう。

これからも當山さんは、実験を重ねながら沢山の作品を作り続けていくと思います。新作ができたら又こちらでご紹介しますね。

ユーチューブでは、画面に絵を近づけながら詳しく解説しています。是非ご覧ください!
當山さんの作品紹介YouTubeはこちら

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表現から感じるバイク愛

2023-02-18 13:55:55 | 大人 パステル・色鉛筆・他


近藤 色鉛筆

岩田です。
本日は、近藤さんの作品をご紹介します。ご自身のバイクでツーリングに行った時の写真を元に描いた色鉛筆の作品です。

海辺に停めたご自身のバイクの背後から夕陽が照っています。
雲を見ると夕日に近い黄色から茶色へ、更にブルーになりまだ日が暮れていない青い空へと美しく色が変化しています。右手の雲の回りに入れたピンクや黄色も効いています。空全体がとても綺麗に見えますね。

手前に置かれたバイクは、完全な逆行なので本来暗いのですが、明るく演出しています。
エンジン周りなど細かい描写を見ると人のものではない自分のバイクだからこその愛情が見て取れます。使われている青や焦げ茶といった色も、やや明るい色で描いたからこその色合いで、マフラーも砂が反射した部分の色をリアルに表現しています。

そしてバイクだけでなく、海の波がかなり緻密な描写で描かれているのが分かるでしょう。夕日が反射している周囲なんて凄く細かい!

近藤さんは、全体的に描き進めていくというより、部分的に描いて最終的に辻褄を合わせるタイプ。基本的なデッサン力があることで上手く着地させています。

これからも色鉛筆に拘って様々なものを描いていくでしょう。ご自身で撮った写真も含め沢山の絵を見せて下さい。

ユーチューブでは、画面に絵を近づけながら詳しく解説しています。是非ご覧ください!
近藤さんの動画紹介YouTubeはこちら

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29年目を迎えます

2023-01-01 20:59:36 | 大人 パステル・色鉛筆・他


瀬戸 パステル

謹んで新春をお祝い申し上げます。
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。

本年も、生徒様により良い制作の場を提供できますよう、スタッフ一同、精一杯サービスの向上に努めて参ります。すでに30周年の気概を前倒ししておりますので、気持ちを新たにして真剣に取り組む所存でございます。

変わらぬ御指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
皆さまのこの一年が、祝福された時となりますように。

令和五年 元旦  アトリエ・ミオス代表 小原 京美

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ピントをあわせて

2022-09-15 22:06:20 | 大人 パステル・色鉛筆・他


近藤 色鉛筆

電車で寝過ごすことが増えてきました。マユカです!今回は近藤さんの作品をご紹介します。

丸々と実ったブルーベリーの、ぱちんと弾けるような食感まで伝わってくるようなこちらの1枚。デッサンが終わって初めての着彩を色鉛筆でやりましたので、密度を上げるのに苦労されましたが、コツコツ描かれる方なので、見事にやり切っています。色鉛筆での着彩は、画用紙の目がぼそぼそと残ってしまうことが多く、質感を表現するのが難しいと感じていますが、実りたての少し曇ったツヤを感じられる、瑞々しいブルーベリーがお見事ですね。よく見ると、左の方に成長途中のブルーベリーの赤ちゃんがいます。こういった所の遊び心は、見つけたときに「あっ!」と、うれしい気持ちになりますね。

背景こそありませんが、かなり多くの葉が描かれています。その中でメインモチーフでもあるブルーベリーがとても見やすく、どうしても目が行ってしまう理由は、そのピントの合わせ方です。ブルーベリーを支えている茎を見ていただけると分かるかと思います。まるで一眼レフのカメラで撮ったかのように、中心のブルーベリーとその茎に、しっかりとピントが合って見えますよね。周囲の葉は薄めのグリーン、葉脈や奥にある葉についた影はしっかりと描きつつ、ふんわりと空気に溶け込むようなタッチで描かれているため、しっかりと描きこまれたブルーベリーとの対比が、写真のような遠近感を生み出していますね。

手前にあるものはしっかりと描きこみ、濃く色を付けると、ぐっと手前に出て見えるというのは、デッサンでも共通して言えるのですが、これはデッサンに限らず、様々な作品に活かすことが出来ます。また、手前でなくとも、目立たせたい場所や、一番見てもらいたい場所にも使えます。
描きこみの緩急をうまく扱うことで、見る人の視線を思った通りの所に誘導させることが出来ますので、皆さんも今後作品を作るうえで、ピントを合わせたい場所を考えて描いてみると良いかもしれません。

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並んだ小鳥たち

2022-06-02 22:56:23 | 大人 パステル・色鉛筆・他


黒木 水彩色鉛筆

日焼け止めが手放せなくなってきましたね、マユカです。今回ご紹介するのは、色鮮やかな小鳥たちが印象的な黒木さんの作品です。

ちょこんと木にとまっている姿がとてもかわいらしく、見ているだけでほっこりするような1枚です。
4匹並んでいてもしならず、しっかりと足場になっている枝から、小鳥たちの軽さが伝わってきます。丁寧な形どりをされているので、影をくっきりとつけずともちゃんと立体感を感じ、背景色や葉っぱと手前の小鳥たちとの関係性で遠近感も出ています。鳥特有のサラサラとした毛並み(羽並み?)も美しく表現されているので、撫でたいと思わせる魅力があり、なんだか触り心地も想像できそう!また、1匹のお口が少し開いていて歌っているみたいで、他3匹が左端の小鳥に視線を向けており、そのさえずりに耳を傾けているようです。こころなしか小鳥たちのお顔も楽しそうに見えてきますね。

今回黒木さんが使用した水彩色鉛筆、使ったことがある方ならわかると思いますが、簡単そうでとても扱うのが難しい画材です。色鉛筆としても使え、塗った後に水を含んだ筆でなでることで水彩絵の具のようにも描けるというとても便利そうに聞こえる代物なのですが、最初は色鉛筆として描くので紙がボロボロになりやすく、線が残ってしまったり、塗り重ねると色が濁ってしまったり、広範囲を塗るのがとても大変だったり…私も何度か使ったことがありますが、いったん乾かさないと上から色鉛筆で塗ることができず、完成までもどかしい気持ちでいました。根気と計画が大切になる画材というわけです。

黒木さんも大変苦労をして、ここまで美しく仕上げましたが、次回は透明水彩をお勧めしました。これでセロファンを重ねたような濁らない美しい塗り重ねができるでしょう。
皆さんにも「お手軽な画材が難易度が低いという訳ではない」と認識して頂ければと思います。

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癒しの場

2022-03-25 19:23:36 | 大人 パステル・色鉛筆・他


赤塚 墨汁・和紙

大竹です。今回ご紹介させていただくのは、赤塚さんの墨絵のドローイング集です。
今まで、アクリルやパステルなどを描かれていたのですが、小学生クラスで鳥獣戯画のカリキュラムをやっていた時に「一発描きも、結構楽しいですよ!恐れずに、失敗したら捨てれば良いんですし。」とお誘いの後、墨絵にハマっていらっしゃるそうです。
最初こそ鳥獣戯画を模写していたのですが、最近は図鑑を見ながらオリジナル動物に発展していき、生き生きとしたと言うより、ほのぼのとした少しとぼけた表情の生き物たちが魅力的になっています。鹿のポヤン…としたおすまし顔もたまらないですね。写真を撮り忘れてしまいましたが、タコなどの軟体動物も描かれており、特に猫の丸い塊の様なシルエットは軟体動物っぽさが感じられますね。(私も猫を飼っているので、このぬるっとした感じ、すごく分かります!笑)
シンプルながら、墨絵の線の強弱や、墨の濃淡を使い所、筆の流れなどを細かな部分で模写の成果が発揮されている様に見受けられます。シンプルだからこそ、余分な要素は削ぎ落とし必要な線のみに絞る難しさは、今このブログを読まれている方々にはお分かり頂けるのではないでしょうか。しかし、墨絵の曲線は見ていて気持ちいいですね…下のネコ科らしき生き物の、背中から尻尾にかけてのラインが特に気持ち良さを感じます。尻尾と足の線が重なっているのもまた良いですね〜。

こうした絵が、例えばポロシャツにワンポイントで刺繍されていたり、Tシャツにドーンとプリントされていたらすごくかわいいと思います。グッズ展開に向いていそうな愛らしさもありますね!

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年を始める一枚

2021-12-15 23:18:05 | 大人 パステル・色鉛筆・他


瀬戸 パステル

布団に常駐しています、ナツメです。今回は月曜大人クラスから、瀬戸さんのパステル画をご紹介します!

今年の年賀状に使う絵にしたいとのことで、雪原を歩く親子の虎を描かれました。よく見る虎の写真は図鑑や動物園の紹介のようにバッチリ写っていたり、ジャングルで生活している様子だったりすることが多い印象があるため、雪と虎という風景は新鮮な気がします。

考えてみると、冷たい↔︎温かい、無彩色↔︎有彩色、動かない↔︎動く、といった具合に結構対称的な位置にいる存在なのでは!?共通点と言えばどちらもやわらかいものですが、雪のしっとり・しっかり積もった量感と虎の骨と筋肉・皮膚を包むふわふわした毛とそれぞれ手触りが違う中で、色やタッチを少しずつ変えていくことで見事にその差が伝わってくる絵になりました。
小さい子虎のいかにもふわふわしているお腹の毛なんて触りたくなってきませんか??先がくるんと丸まった尻尾や脚の運びなど一つ一つの挙動がとても可愛らしく、下書きの段階からこだわり抜いて何度も描き直された分、澄み渡った冷涼な景色を感じます。
また、まっさらな雪は影の部分以外にはほとんど色が乗っていないのですが、虎の体の暗さ・鮮やかさに強調された紙の地の白が上手く活かされているのも見所です。

こんな空気で新年が始まったら最高ですが、瀬戸さんから年賀状が届いた方々はこういうデザインのハガキがあると思ってしまいそうなので、是非描いたことをアピールしまくって欲しいです!

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パステルで描く

2021-08-21 17:42:19 | 大人 パステル・色鉛筆・他


左 坂本(月クラス) /  右 赤塚(チケット制)

暑い日が続きます。皆様お体ご自愛ください。

本日は、パステルを使った作品をご紹介します。
パステルは、ふんわり柔らかい印象が特徴的で発色も良く、美しい絵が描ける反面、触れると手についてしまう位繊細な描画材です。
ティッシュや柔らかい布などで軽く擦って馴染ませたり、パステルでザっと描いたままの筆致を活かすなど、その絵肌にはまると描画材としてたまらなく好きになってしまうでしょう。

坂本さんの作品を見ると、そのパステルの特性を存分に活かしているのが分かります。
雑木林の中、木にとまっているルリビタキがとても可愛らしい。
どちらかというと、細部までしっかり描くということには不向きな描画材だからこそ、このような外連味のない素朴さが表現できるのですね。実に美しい作品です。

右手の赤塚さんの絵は、パウルクレーの模写。
こちらは元は水彩のようですが、パステルの持ち味を活かし、その軽やかな印象を上手く捉えています。
色同士の境界線が良い意味で曖昧になるので、それらの響き合いがより一層美しく感じられます。まるでフェルトの質感のようですね。

皆さんも油彩や水彩などいつも扱っている描画材からたまに離れ、あまり手に馴染みのないパステルのような素材で描いてみるのも良いでしょう。

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