モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

グレーデッサンを描く。

2021-06-12 20:32:48 | 大人 パステル・色鉛筆・他


當山 左/パステル  右/透明水彩・パステル  両方とも色画用紙を揉み紙にしてからパネルに水貼り

岩田です。本日も宜しくお願い致します。

今回は、土曜午後クラスの當山さんの作品をご紹介します。
當山さんは、様々な描画材を試しながら制作を続けています。今回はグレーデッサン。左右それぞれ異なる描画材を駆使し描いたものです。

手のデッサンはデューラーの模写。とても雰囲気のある作品ですが、単なるグレーの紙ではなく絵の具を使って紙自体に滲みやぼかしの表情をつけています。時間が経って古びたような味わいが作品に加味されると共に、繊細に描かれた手が非常に美しく映えています。
この雰囲気作りの妙が當山さんの持ち味と言えるでしょう。

左手は青い紙に描いたデッサン。白い紙に黒を足して描いていく通常のデッサンに対して中間色の紙にチャコペンで白と黒を足していくデッサンです。描くほどに中間色の中に徐々に像が浮かび上がってくる感覚は、何とも言えない面白味があります。
髑髏の石膏や白い布。実にリアルに質感が表現されていますね。ペンの動かし方などとても気を使って描いているのが分かります。本当に色々なものを描いてきた方だけあってその辺りは流石。初めて扱う描画材でも直ぐに自分のものにしてしまう當山さんです。

グレーデッサンのポイントとしては、最初から比較的繊細にペンを扱っていくのがポイント。
果たして自分は、白から黒までの色を的確に把握しているかという確認にもなるデッサンです。皆さんも是非やってみてください。

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ふわふわ、ホワホワ

2021-04-23 23:13:54 | 大人 パステル・色鉛筆・他


重松 色鉛筆

衣替えが間に合っておりません、大竹です。今回ご紹介させて頂くのは色鉛筆で描かれた可愛らしい鴨の親子です。
毎年、アトリエの展覧会に向けて可愛らしい動物を制作されている重松さんですが、今回もおもわず手で包んでしまいたくなるような愛らしさですね。鴨達のほわほわとした羽の感触が良く伝わってきます。この柔らかさを出すためには、色鉛筆で羽毛を1本1本生やすように描き込まれているのでしょう。体の輪郭に当たる部分は明るくする事で、光を感じさせると共に鴨達の存在感をより出しています。ふわふわ感もこの光によってより感じられますね。子供達と比べ、親ガモは羽も大きくなっているので、柔らかさよりもしっかりと羽が集まっている密度を感じさせる描き方となっています。気の遠くなるような時間をかけてじっくり制作された事が一目で分かります。
水面の揺らぎや写り込みの表現も素晴らしいです。何度も何度も色を重ねていき、簡単には真似できない深い色味がなんとも魅力的です。鴨がいるような池の水は海のように青青とした水と比べると綺麗な色とは言えませんが、こうして色鉛筆で表現された色は美しく見えてきますね。
奥の陸地の質感も見事ですが、さらに奥にある草木も暖かい光を受けているかのような色合いで、画面全体を優しい雰囲気に演出してくれています。こうした背景の仕事も、作品が与える印象を作る上で重要になってきますね。

親ガモによじ登る姿がまた可愛いですね!毎回もはや「あざとい」とまで言われてしまいそうなカワイイ生き物のチョイスですが、ここまでしっかりとした作品へ練り上げる事で、誰もがそのあざといと言う言葉を飲み込み、作品に釘付けとなる事でしょう…!

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たまに触ってみると

2021-03-09 21:58:09 | 大人 パステル・色鉛筆・他

左上から 佳菜穂(高3) / 眞田(社会人) / 下 中崎(大学生)

目がカピカピです、一平です!本日はミオスにもアシスタントで来てくれているカナホ、土曜クラスの眞田さん、水曜クラスの中崎さんの3人の水粘土をご紹介します。

まず上段の手の作品ですが、僕はデッサンで「粗密の関係」という話をよくすると思います。これは大きく開けた空間と、ギュッと詰まってものが密集した空間が1つの画面の中にあると絵が間抜けにならず良いバランスでデッサンを進められるという構図の考え方の話ですが、僕は水粘土でも同じ事が言えるのではないかと考えています。こちらの手、デッサンなら複数モチーフがあるから粗密が作れるけどこっちは手だけでどうするんだ!と思った方もいると思いますが、手をそのまま見るではなく骨、関節、指と細かく見ていくとどうでしょうか。手を作るにしても指が伸び切ったパーのような手では単調でつまらない、粗密でいう「粗」だけの作品になってしまいます。逆にギュッと握ったグーの手ではドラえもんの手のような感じで人間の手らしさ、手の良さが出てきません。粗密の「密」だけですね。なので、適度に握っていて適度に開いている、そんな手を目指すと凄く考えやすいと思います。2人とも小指と薬指が少し握られていて親指から中指は少し開いているような見せ方です。ここに空気が抜けるような空間感を感じることができます。親指の肉の盛り上がり方や関節のゴツゴツ感など結凄く人間の皮膚の表情になっていて素晴らしいですね。

また、下段の中崎さんの作品はご自分のスニーカーを参考にしての製作でしたが、もちろんスニーカー自体の量感やソールとアッパー、タンなどのディティールへのこだわりが見えて完成度がとても高いのですが、僕が痺れたのはこの靴紐のたるみ方です。スニーカーの平たい紐の独特のたるみ方に勝手に共感し、「確かにこうなるよな」と一人でニヤニヤしていました。観察力の賜物ですね。是非今度はもっとパーツの多い細かい物を作ってみて欲しいなと思います。

中崎さんの以前作った水粘土『手』の作品はこちら

粘土は子供達が工作によく使っているイメージだと思いますが、沢山の種類があり奥が深く面白いです。レンジでチンして固くしたり、食べれる粘土だったり本当に様々なので普段絵を描いている人達もたまにやれば新鮮で楽しいですよ!

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水粘土で立体を捉える

2020-10-02 15:43:40 | 大人 パステル・色鉛筆・他


中崎 水粘土

大竹です。今回はこのブログでは珍しい水粘土のご紹介です。
水曜夜間大人クラスに通われている大学生の中崎さん、ストイックに基礎の鉛筆デッサンを重ね、手のデッサンを数枚続けて描かれていたそうです。そこで小原先生が「彫塑で使う水粘土はご存知ですか?平面の絵に立体感を出す為に良い勉強になりますよ!」とお薦めし、水粘土に取り組まれておりました。短時間で雰囲気をサッと出す事ができ、初回とは思えない完成度の作品になりました。
私も大学の彫塑の授業でモデルさんのバストアップの制作をやりましたが、デッサンのような立体を平面に置き換える作業とは違い、立体から立体を写しとらなければいけません。その為、あらゆる角度から観察し形の辻褄を合わせなければならず大変苦戦した記憶があります。同じ方向ばかり観察して作っていても、その方向から見た時は良い形に見えても他の角度から見ると歪んで見えてしまいます。ですので、その授業ではモデルさんは回転する台の上に座り、10分毎に台を少しづつ回転させてあらゆる角度から観察しながら制作していました。
また、表面的な表情(手でいうとシワや血管の凹凸など)を先に追いたくなってしまいますが、まずは形そのものをきちんと捉え、立体感を掴んでいく事が大切です。こうした事はデッサンと同じですね。中崎さんの手もしっかりと形を捉えており、掴んだら握り返してきそうな迫力さえあります。ご自分でも向いていると思われたようで、もう一度チャレンジされたいと現在は水粘土でスニーカーを模写しています。

水粘土にチェレンジされたい方は、アトリエに材料は揃っていますのでお声掛けください。普段見慣れて知っているつもりでも、立体物として見ながら制作してみると新たな発見が沢山あると思いますよ!

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手で考える

2019-08-26 23:05:00 | 大人 パステル・色鉛筆・他


出町 木版画(一版多色刷り)

今、父方の祖父母の家に来ている一平です!
本日は日曜日クラスの出町さんの木版画をご紹介します。
般若の青白く恐ろしい形相が、背景の鮮やかな色合いと面白いマッチングを見せてくれています。全体的にくすんだ感じが逆に絵の雰囲気をより強く醸し出していて怖いけれどもっと見たくなる、とても面白い作品です。

原版となるものは同じなので一見同じ絵が並んでいるように見えますが、こちらは膨大なトライ&エラーの繰り返し!よくみると色が鮮やかなものや、顔のほりが深いもの、背景が鮮やかなものなど様々なパターンがあります。

「正直、どれも似たようなものじゃないの?」と思った方、違うんです。一回刷って「なんか違うもしかしてこうか?」と考えていく事がとても重要なのです。たとえ1番最初に刷ったものと100枚目にようやく出せたこだわりの1枚が最初のものと全く一緒だったとしても色々試した98枚は全く無駄ではありません。それは自分の答えに近づくための98枚であり、これからの自分の作品へのどこで筆を止めるべきか、ここにどんな色を使えば映えるのか、など判断基準を作ってくれます。そういう意味で出町さんのこの様々なパターンは今回だけでなく、これからも活かされていくでしょう!

なので頭で考え過ぎるのではなく、ある程度のところでとりあえず手を動かしてみる、という事はとても必要だと思います。
絵を描く人にとっては手の方が脳みそに近いでしょうしね!

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孔雀と花と蝶

2019-06-04 20:16:21 | 大人 パステル・色鉛筆・他


金 色鉛筆

どうも幸介です。本日ご紹介するのは、大人クラスより色鉛筆の大作、金さんの作品です。美しい孔雀に花と蝶、絢爛なモチーフですね。全体が爽やかなブルートーンでまとまりながらも、しっかりと重ねられた色鉛筆で重厚感ある作品となりました。

一見しつこくなってしまいそうなモチーフですが(孔雀も花も蝶も主役級)、金さんの作品が纏まっている所以はそれぞれのモチーフの描き込みのバランスでしょうか。孔雀の羽は、綿密に色が何層にも重ねられています。青の合間に見える紫が効いていて、立体感や重みを感じます。蝶はパステルカラーで描かれ、舞い散る花びらのような印象。そして花の暖色があることで、主役の青を上手くひき立てていますね。僕自身、ついつい色んな色を使い過ぎてしまったり画面を隅々まで派手にしてしまいがちなので、金さんのような適材適所の色使いを見るとハッとさせられます。

大胆で鮮やかな色使いの中に繊細な気遣いの垣間見える金さん。ぜひ次も、色鮮やかで豪華絢爛なモチーフの作品を描いてほしいです!

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時間をかけ、拘りを持って

2019-05-18 21:59:57 | 大人 パステル・色鉛筆・他


當山 ペン・墨

宜しくお願いします。岩田です。
本日は、土曜日午前クラスの當山さんの作品をご紹介します。どくろを描いていますが、色が青いだけに、こうしてあらためて見ると、その不気味さが何ともたまりません。

描画材はボールペンです。しかも単色ではなく、何種類かの同系色のペンを使い描かれています。普段事務用品として使っているボールペンもこれだけの手数をもって徹底的に対象を描きこむと、言い知れぬ説得力を持ってくるのが分かります。
緻密な描写のみならず、最初のスケッチ、形取り等を入念にしたこともあって、完成度の高さを見て取ることができるでしょう。
又、背景に施された墨の景色も滲みを上手く使うことで、その有機的な表情を引き出し、画面全体を耽美な印象のものへと昇華させています。

當山さんの今までの作品の中でも時間をかけて打ち込んだものだけに、ご本人曰く落款を押し終えた後の達成感は、ひとしおだったようです。
因みにこの落款もご自身が刀を使い名を彫りました。画面の隅々にまで拘った一作。素晴らしいものとなりました。

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鮮烈な色

2018-10-19 01:03:50 | 大人 パステル・色鉛筆・他

瀬戸 パステル

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、瀬戸さんのゴッホの油絵『桃の木』をパステルで模写された作品です。こちらの作品は来週の展覧会にも出品されますが、実は間に合うか微妙でチケット制で他の曜日にも来られていました。(暴露してしまいました!)

元の油絵は写真で見るともう少し彩度が低いものでしたが、瀬戸さんは「もっと明るく華やかな色にしたい!」と、より全体が鮮やかな色合いになっています。桃の花の鮮烈なピンクが見た人の心を惹きつけますね。その花を支える木の幹にも様々な色が使われ、枝は花と共に上に伸びていっており、根元はしっかりと大地に根付く力強さを感じます。メインの桃の木に負けずとも劣らず、周りの風景も手を抜かず描ききっています。制作中はゴッホの筆のタッチをパステルで表現するのに苦労されていました。特に平たい地面を表現するタッチは、何度も色を重ねて研究されています。手前に強い赤や背後の柵に明るいオレンジを置くことで、桃の木が絵の中で浮きすぎないようバランスも取れています。

この力強い作品を描かれた瀬戸さん、作者ご本人は実はちょっぴり心配性なお方で、制作中もこれで大丈夫でしょうか?ちょっとズレているような?でも描きすぎるとバランスがと悩みながら進められています(暴露その2)。でも、そんな作品と作者のギャップも美術の面白さの一つだと思います。沢山悩むという事は、その作品にそれだけ意識を向けて力を注いでいる事になります。制作中もアトリエで拝見していましたが、改めて作品展の場で作品を拝見するのが楽しみです!

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「シエスタ」

2018-10-13 01:34:05 | 大人 パステル・色鉛筆・他
小泉 パステル

今回は、土曜日午後クラスに通われています小泉さんの作品をご紹介致します。
題名は『シエスタ』、コアラがユーカリの木の上で眠っている様子を描いた一枚です。

とても柔らかい印象の作品で、パステルという描画材の特質をご自身が良く理解し、支持体となる紙と上手にやり取りを重ねているのを見てとれます。
紙に負担がかからない程度に筆圧をコントロールしながらも、明暗をしっかり表現していますね。

パステルは、その形状から、どちらかというと細かい描写よりも、ざっくり大きく描く方が向いている描画材ですが、小泉さんの場合、背景のグリーンの部分など、パステルの角を効果的に使うことで、その様を上手く描いていますし、コアラのふんわりとした毛並みとの質感の差異を魅力的に表現しています。
又、コアラの描写は、その質の表現のみに留まらず、色の響き合いが大変美しいことは特筆すべきことでしょう。

小泉さんが次に描かれるのは象です。今回のように、パステルという個性の強い素材を柔軟に自身の中に取り入れながら、美しい作品を制作されて下さい。

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一気にお披露目です。

2018-10-05 20:27:46 | 大人 パステル・色鉛筆・他

出町 一版多色刷り

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは出町さんの版画の作品です。出町さんは鈴木基一という江戸時代の絵師の作品を元に制作をされています。去年の9月に上段真ん中の向日葵をご紹介させて頂きましたが、今回はこれまでの作品をダダッとお披露目です!

やはり黒い版画用紙ですと彩度、明度の高い色がより映えて美しいですね。左下の花はうっすららと発光しているようにも見えてきます。また、葉っぱや柿の部分など小さな色の粒が集まって形が作られていて魅力的ですね。右上の家鴨の体の部分なども、筆では作れない版画の色のムラがよく表れています。多色刷では、版を彫る作業よりも美しく刷り上げる方が難しかったりします。水が多ければベッタリと伸びてつまらない質感になってしまい、水が少ないと色が乗りません。これだけ版画作品を制作されている出町さんも、未だに絵の具の水加減には苦労されていました。その分、納得のいく出来になった時の喜びも一入でしょう。

 こうした素敵な作品が並んでいると、自分もやってみたいという気持ちになってきますね。まだ版画をやった事がなく、出町さんの作品を見て多色刷りに興味をお持ちになった方!この機会に筆の代わりに彫刻刀を握ってみてはいかがでしょうか?

 今までずっと黒い版画摺り紙(発色を良くする為に、白い和紙にマットな黒が塗られている特殊な版画用紙)を使われて来た出町さんですが、今回の展覧会を期に、普通の白い摺り和紙を使い、色数分、版木も使う木版画にもチャレンジしようかなとおっしゃっていました。
木版画には『彫り進み版画』という技法もあります。版木を少しずつ彫っては異なる色のインクを載せて(重ねて)刷っていくことにより、多色刷りにしていく手法です。計画的に作業を進めていかねばならないので、子どもにはなかなか難しい技法。ぜひ大人な出町さんにオススメしたいです!

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やさしい光

2018-05-25 13:36:52 | 大人 パステル・色鉛筆・他

菅原 / 左 油彩 / 右2枚 色鉛筆

今日は木曜日の夜のクラスに通われている菅原さんの作品を紹介します!
菅原さんは、私がミオスで働き出した頃から既に通われていた方で、私がガチガチに緊張して話しかけるととてもフランクに応じてくださり、会話が続くにつれ緊張が一気に溶け「なんて優しい人なんだ…」と感動した思い出があります。

そして作品を見ますと、さらに菅原さんの人柄がわかる気がします。
色鉛筆で繊細なタッチで描かれた鳥、花。毛並みの艶や花びらの透明感、細かいディテールの表現が素晴らしいです。描き込みの足し引きのバランスの成せる技でしょう。
今回のつつじはやわらかな新芽が美しく、小原先生が「私が草食動物なら、一番最初に食べちゃいますよ!」と言うと、「小原先生に初めて植物を褒められた!」と喜んでいらっしゃいました。個人的にこのツツジの絵の背景の色合いがとても好みで、この同系色で明度を変えた組み合わせを自分の作品にも盗ませてもらおうと思いました(笑)

油彩の方も光のコントロールに成功しており、絵に奥行きが生まれています。塔の影も威圧感を出し、静かで厳かな雰囲気が演出されています。
本当はこのモチーフを描きたくなかったのに、緑の色幅を広げる修行の為に我慢して描かれたそうです。自分を鍛える真面目さ、勉強熱心さ、見習わなくてはと思わせられますね。同じ菅原の姓を持つ者として喝を入れられたような気持ちです!   菅原でした!

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絵を描く集中力

2018-02-28 22:27:03 | 大人 パステル・色鉛筆・他

馬込 パステル   

 水曜日担当の滝口です。
今日は、実は東京芸大のデザイン科一次試験のデッサンが昨日からあり、試験監督をして来ました。1日試験で石膏デッサンか構成デッサンの選択です。受験生たちの人生がかかった試験だけあって、やはり緊張感があり、黙々と絵に集中していました。試験監督仕事は見回りなので、そんな中邪魔はもちろん刺激してもいけないので、結構何もすることがなく辛い仕事なんですよね。堅いパイプ椅子に座りぱなしで、お尻がとっても痛いです。

それはさておき、今回紹介する馬込さんのパステル画とどういう関係のある前置きかというと、【集中力】です。
馬込さんは水曜日の夜の社会人の方ですが、とにかく集中力が凄いです。以前も油絵の方を描いているところ拝見させてもらい、教室は2時間のクラスですが、その時間は自分の制作する目的に向かってひた走るというか、自分の納得できる見え方までとにかく筆やパステルを動かし続けています。
このパステル画も、模写からのスタートでしたが、パステルの何度も塗り重ねたり修正できる特質を生かして、自分が見つけられる色や形をどんどん塗り重ねていきながら、現れた結果を見て違ければ直し、本当に絵が生き物の様に動き続けています。俯瞰映像を撮って見てみたらさぞかし凄い映像になるんじゃないかと思います。
もちろん人間が集中できる時間はおおよそ決まっています。1時間か1時間半ぐらいで集中力は途切れていくと思います。なので、ミオスの2時間という時間はとってもいい時間設定になってると思います。長すぎず短すぎず。その積み重ねで出来たこれらの馬込さんの作品は、集中力の痕跡だと思います。 

美術の表現の魅力や楽しさは、もちろん美的感覚的なセンスの部分や、技術、知識、興味、創造性と多岐にわたって、これといった答えがないところが面白さだと思いますが、集中力というのも表現にとっても影響を及ぼすことだと思います。集中力がなくなると、どうも何を表現してるのか分からない、同じことを繰り返してしまうなどあまりいい影響がないと思います。絵を描きながら、そんな自分の心の状態を知っていくのもとても面白いですよね。

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昭和40年男子

2018-02-17 19:21:50 | 大人 パステル・色鉛筆・他

白仁田 鉛筆・色鉛筆

比較的暖かい日が続きますね、岩田です。
今回は土曜午前クラス、白仁田さんの作品をご紹介致します。こちらデュークジョーダン、「FLIGHT TO DENMARK」というタイトルのアルバムジャケット模写をした作品です。デュークジョーダンは1960年、70年代辺りに特に活躍したジャズピアニスト。こちらは1973年に録音されたものだそうです。私もユーチューブ上で聞かせて頂きましたがとても良いですわ。雪の中デュークジョーダン本人が佇む味わいある写真ですね。
ご自身ジャズ愛好者故、今回のようなモチーフとなるのですが、車にしても何にしても白仁田さんの1900年代のちょっと寂れた雰囲気のモノ選びのセンスが抜群。

こちらの作品、最初は鉛筆だけでという予定でしたが背景のちょっとグレーがかった調子を色鉛筆で再現、又紙ジャケならではのシミや汚れもニクイくらい素敵に表現してるんです。
鉛筆の上から色を付けたことにより、少しぼんやりした印象もありますが何故だかそうした所もむしろ魅力的に見えてきます。
今回も「昭和40年男子」のセンスに共感する私でありました。

 

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原動力は?

2017-10-06 21:25:38 | 大人 パステル・色鉛筆・他

菅原 色鉛筆

大竹です。今回ご紹介するのは菅原さんの色鉛筆画です。ご自身で撮影された写真を元に制作されています、

前回に続き、今作もまた濃密な仕上がりとなっていますね。毛並みの質感が本当に素晴らしいです。お腹のあたりのモフモフ感なんて、見ていると思わず顔を埋めたくなってしまいます!笹を持つ腕の部分も、胸の黒い毛に埋もれないよう気を遣って描かれていました。写真だと小さくて見えづらいのですが、実物を見ると口から覗く小さな歯の硬い質感がよく表現されていて、パンダの柔らかい毛並みの中で質感のアクセントとなっていて面白いですね。お食事をするパンダのドッカリと座っているシルエットも上手く捉えられています!
菅原さんの作品からは毎回動物に対する愛情をヒシヒシと感じます。動物が描きたい!と強く思う反面、背景になるといつも力尽きてしまうんです…とご本人が仰っていましたが、背景の方もメインのパンダを殺さず、穏やかな空間を出す為に仕事をされていますね!手前の草はパンダや見る人の近くにあるので、パンダと同じようにしっかりと描き込み、地面の土や背後の笹はスッと抜けていくように柔らかく描かれています。平面の紙の上でも空間が広がっているので、よりパンダものびのび生きているように見えますね!

生徒作品展で子ども達から感想文をもらうのを誰よりも楽しみにしている菅原さんは、また媚びを売る為、旬なパンダを題材に選び「これで次回の展覧会も感想文長者ホクホク間違いなし!」とにんまりしていましたが、仕上がる頃に小原先生の「次回の展覧会は大人だけ京橋の立派な画廊借りてますよ!言ってませんでしたっけ?」の一言で、「えー!それじゃぁ子ども達が気軽に見に来られないじゃないですか!もう感想文ももらえないってこと?」と膝から崩れ落ちていました。邪な理由でこんなに可愛らしいパンダの絵を描いていたんですね。
これだけ素晴らしい作品を生み出す原動力となっていたのですから、子ども達の感想文パワー、恐るべし!

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夏の終わりに

2017-09-01 00:33:03 | 大人 パステル・色鉛筆・他

出町 『一版多色刷り』 木版・ポスターカラー

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは日曜大人クラスの出町さんの版画の作品です。夏の終わりを見送ってくれるようなこちらの向日葵は、日本画家・鈴木其一の向日葵図を見ながら制作されたものです。

なんといっても、真ん中に大きく置かれた向日葵が眼を惹きますね。ど真ん中、左右対称の構図は安定しすぎてつまらなくなってしまいがちですが、出町さんの場合は版画独特の絵具の表情が大きな魅力となっているので、絵としての面白さは全く損なわれていません。(ちなみに、鈴木其一の元の作品はもっと茎が長く、細長い作品です)
中央の種が密集している部分の丸く掘られた部分が、花脈や葉脈の線の中でアクセントになっているのも非常に面白いですね。版画の表現にとてもマッチしています。
ひまわりの蕾も、緑色の小さなかけらが集まっているようで、脇役ながらも充分な魅力を備えていますね。また、奥の葉の絵具を少なめにして薄く刷る事により、平面的な表現の版画でも前後感を出す事ができていますね。隅から隅まで見所が多くあり、鑑賞する度に新しい発見がありそうです。

現在も続けて鈴木其一の原画を元に版画を制作されています。向日葵とはまた違った魅力を持つ花ですので、どのような作品になるのか今からとてもワクワクしております。

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