中崎 水粘土
大竹です。今回はこのブログでは珍しい水粘土のご紹介です。
水曜夜間大人クラスに通われている大学生の中崎さん、ストイックに基礎の鉛筆デッサンを重ね、手のデッサンを数枚続けて描かれていたそうです。そこで小原先生が「彫塑で使う水粘土はご存知ですか?平面の絵に立体感を出す為に良い勉強になりますよ!」とお薦めし、水粘土に取り組まれておりました。短時間で雰囲気をサッと出す事ができ、初回とは思えない完成度の作品になりました。
私も大学の彫塑の授業でモデルさんのバストアップの制作をやりましたが、デッサンのような立体を平面に置き換える作業とは違い、立体から立体を写しとらなければいけません。その為、あらゆる角度から観察し形の辻褄を合わせなければならず大変苦戦した記憶があります。同じ方向ばかり観察して作っていても、その方向から見た時は良い形に見えても他の角度から見ると歪んで見えてしまいます。ですので、その授業ではモデルさんは回転する台の上に座り、10分毎に台を少しづつ回転させてあらゆる角度から観察しながら制作していました。
また、表面的な表情(手でいうとシワや血管の凹凸など)を先に追いたくなってしまいますが、まずは形そのものをきちんと捉え、立体感を掴んでいく事が大切です。こうした事はデッサンと同じですね。中崎さんの手もしっかりと形を捉えており、掴んだら握り返してきそうな迫力さえあります。ご自分でも向いていると思われたようで、もう一度チャレンジされたいと現在は水粘土でスニーカーを模写しています。
水粘土にチェレンジされたい方は、アトリエに材料は揃っていますのでお声掛けください。普段見慣れて知っているつもりでも、立体物として見ながら制作してみると新たな発見が沢山あると思いますよ!