モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

毎日が物語の一ページ

2024-09-05 23:35:57 | 大人 パステル・色鉛筆・他


小山 色鉛筆

マユカです!今回は小山さんの作品をご紹介します。
色鉛筆で活き活きと描かれたこちらの2枚。娘さんの日常のさりげない仕草を描かれていらっしゃいます。今回でお嬢さんの絵も3枚目となりました。左の作品はその活き活きとした雰囲気が良く伝わってきます。色鉛筆の暖かなタッチが優しいイメージを与え、どこかほっこりとするような印象です。どちらもデッサンがしっかりととられているため人の顔を描いた際に生じるパーツのバランスに対する違和感が全くなく、小山さんの観察力、描写力の高さが伺えます。

娘さんのお顔ももちろんですが、着ている服の自然なたゆみやひろがりがその表情をさらに明るく魅せたり、性格を表す手助けになっていますね、楽しげな声が聞こえてきそうな雰囲気がとても伝わってきました。右の絵は泣きそうな顔にも見えますが、電気屋のテレビ画面にくぎ付けになっているショットだそうです。(内容は悲しいor怖い場面なのかもしれませんね。)子どもは集中している時に目を凝らすため、眉を顰めたりする表情筋の仕草が魅力です。そこを丁寧に描写されているため、パッと見たときにどんな表情なのか想像しやすく、絵に物語性が生まれます。物語性といっても、特別なストーリーが必要というわけではなく「走って楽しかった」「集中してテレビを見た」のように日常で起こる何でもないことだって「物語性」であると私は思います。
言葉のない状態で感情などの複雑な物を表現するためには表情が一番です。こういった何気ない表情は特に、いつかどこかで見たような懐かしさを感じるため、優しい気分にさせてくれるのでしょう。

特別な出来事がなくても、子供たちにとっては毎日が新しいことの連続で、大人にとってなんでもないことでも、子供たちが大きくなっても記憶に残ったり、その子の人生にとって大きなものになったりすることがあります。そんな何気ない一瞬を発見して画面に描写した小山さんの作品は、お父さんが娘さんに贈る人生の本の挿絵、その1ページのようにも見えました。

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