晴れ時々スターウォッチング

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月面アポロ着陸地点

2024年05月24日 | 
5月22日は月齢14.4のとても眩しい月でしたが天気が良かったのでアポロ着陸地点拡大撮影の下見(ロケハン)を行いました~。

 月齢14.4はほぼ満月なのでアイピースにはムーンフィルターを装着したのですが、ND96(50%)だけでは眩しかったのでND96(13%)の2枚重ねで観望です。

 さすがにこの月齢では月面の起伏はまったく分かりませんが、クレーターの光条と月面(海)の色の違いが分かるのでそれをたよりに着陸地点の特定をしてみました。

アポロ12号とアポロ14号の着陸地点

2024/5/22 22h24m μ210+ASI174MM+ZWO IR850 Filter Shutter=19.78ms Gain=228 (57%) 25% of 2000frames

 アポロ12号は月探査機サーベイヤー3号に歩いて行ける場所へのピンポイント着陸、アポロ14号は海ではなく初の丘陵地(13号が着陸する予定だったフラ・マウロ)への着陸を成功させています。

2024/5/22 22h01m μ210+TPL25mm+ASI290MM+Barder IR-Pass Filter 685nm Shutter=2.759ms Gain=238 (39%) 25% of 2000frames


 12号と14号はコペルニクス・クレーターの光条の及ぶ範囲内に着陸していることが分かります。

2024/5/22 22h04m μ210+TPL25mm+ASI290MM+Barder IR-Pass Filter 685nm Shutter=2.397ms Gain=238 (39%) 25% of 3000frames

 14号が着陸したフラ・マウロ高地は起伏の激しい場所ですがまったく起伏が無いように見えます。月齢によって起伏の見え方が変わるのは月面上でも顕著だったらしくフラ・マウロ高地に着陸した宇宙飛行士が目指すコーン・クレーターにたどり着いたと思ったら違っていたという逸話があります。

2024/5/22 22h31m μ210+TPL18mm+ASI174MM+ZWO IR850 Filter Shutter=55.62ms Gain=301 (75%) 25% of 2000frames

さて、こちらは11号、15号、17号の着陸地点を撮影したものですが、これも起伏がまったく分からない画像となっていますね。

2024/5/22 22h55m μ210+ASI174MM+ZWO IR850 Filter Shutter=19.78ms Gain=211 (52%) 25% of 2000frames

 これは上弦の前日(月齢6.3)に撮影した11号と17号の着陸地点ですが、17号が着陸したタウルス・リトロウ谷は山塊に囲まれた地域であることが分かります。→拡大photo

2024/5/14 19h24m μ210+TPL25mm+ASI290MM+Barder IR-Pass Filter 685nm Shutter=4.828ms Gain=297 (49%) 25% of 3000frames

さて、最後に残るは16号の着陸地点、デカルト高原ですがこれがアポロの着陸地点としては最も特定しにくい場所と言えます。似たようなクレーターが一面に広がる高原なので着陸地点にたどり着く目印が無い状態です。夜明け直後の月齢を狙うしかチャンスは無いようですね。

2024/5/22 22h11m μ210+TPL25mm+ASI290MM+Barder IR-Pass Filter 685nm Shutter=2.448ms Gain=214 (35%) 25% of 2000frames

 さて、これで本日のロケハンは終了です。とりあえず着陸地点のおおまかな特定はできたので、あとはベストな月齢で撮影を試みることにしましょう。



本日のラストフォト・美しい月面北部

2024/5/22 22h27m μ210+ASI174MM+ZWO IR850 Filter Shutter=19.78ms Gain=214 (53%) 25% of 2000frames


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2 コメント

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アポロ着陸地点 (ich)
2024-05-26 14:01:34
晴れスターさん
 私もこの日21時ころ,月面を望遠鏡で見ていました。眩しかったので,欠け際付近しか見ていません。動画をスタックするともっと良く見えて(写って)いるのになぁ,と悪い感想を持ってしまいました。まあ,スタック画像がきれいなときは眼視でもきれいに見えていますけどね。
 アポロ11号は静の海と有名です。知人には,1969年7月生まれの女性で「しずか」さんがいます。それ以外ではフラマウロ高地しか知りませんでした。近年の無人探査機は裏側に行ったり南極付近に行ったりしていますが,20号まで計画されていたというアポロもそんな極端な場所へ行く計画はしていなかったことでしょう。全着陸地点をアップされるのが楽しみです。
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まぼろしのアポロ計画 (晴れスター)
2024-05-27 10:24:00
ichさん
 どーもです。返信が遅くなりました~。1969年7月生まれの「しずか」さんは素敵な名前ですね。
 さて、まぼろしのアポロ計画ですが、以前アポロ18号~20号がどこに着陸する予定だったかを調べたことがありました。アポロ計画は11号が着陸した直後には仮スケジュールが決まっていました。計画がキャンセルされていなければ地質学的に価値のある場所に着陸していたので…残念です。以下そのときのメモ書きです。
〈アポロ計画仮スケジュール〉1969.7.29
Apollo11-静かの海→静かの海着陸
Apollo12-嵐の大洋→嵐の大洋着陸
Apollo13-フラマウロ高原→月周回
Apollo14-クセニウス高原→フラマウロ高原着陸
Apollo15-タウルス・リトロ-→ハドリー・アペニン着陸
Apollo16-ティコ・クレーター→デカルト高原着陸
Apollo17-マリウス・ヒルズ→タウルス・リトロ-着陸
Apollo18-シューレーター谷→ガッセンディ→キャンセル
Apollo19-ヒギヌス谷→コペルニクス→キャンセル
Apollo20-コペルニクス→マリウスまたはティコ→キャンセル
 アポロ20号はアポロ12号成功直後の1970年1月4日にキャンセル、アポロ19号と18号はアポロ14号成功直後の1970年9月2日にキャンセルになっている。
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