晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

5月12日のISS撮影記録 その2

2023年05月14日 | ISS(国際宇宙ステーション)


5月12日の2ndパスは最大仰角が89°という正真正銘の天頂通過イベントです。

 しかも光度はこれまでで最大の-3.9等級です。ISSのシン・ソーラーパドルであるiROSAが現在3基に増えたので理論上の最大光度はなんと -5.7等級です!(まぶしすぎる~)

 さて本日の通過はご覧のとおりほぼ垂直に上昇してきます。で、撮影計画ですが、うみへび座のアルファルド脇を通過したところからカメラをスタートさせて天頂までシームレスに撮影します。

 天頂通過後は鏡筒回転をして下降するISSを追いかけますが天頂通過後は約50秒で地球の影に入るので今回は天頂通過前が勝負となります。露出はShutter=0.902ms、Gain=275 (45%)で撮影します。

 天頂通過時の軌道高度は418kmです。天頂通過の瞬間を撮影したことはまだないのでぜひ成功させたいところですね~。初の天頂通過撮影(距離418km)を目指して頑張りましょう!

 仙台の真上を通過したISSは三陸沖で地球の影に入ります。

 さて、そろそろ時間です。望遠鏡は2時間前から外に出していたので温度順応もバッチリです。空は薄い高層雲があるように見えますが問題ないでしょう。気流はWindy予報で250hPa(10km)の風速が42m/sだったので全然良くないのですが、ジェット機が長い飛行機雲を残して飛んでいたのでそれほど悪くないかもです。そうそう望遠鏡の光軸は完ぺきに近い状態で仕上がってます。(自画自賛!?)

 ISSが見えてきました。まもなくアルファルドの脇を通過します。撮影スタートです。天頂が近づくにつれて見かけ上の速度がどんどん速くなりましたが、なんとか天頂まで追尾できました。鏡筒回転後に遠ざかるISSを追いかけましたがすぐに地球の影に入って撮影終了~となるはずが減光はしたもののけっこう長く見えていました。(カメラの最終記録は20時34分29秒、高度41°)

 撮影した動画を確認したところ22時33分22秒(天頂通過3秒前)まで追尾できました~。

 で、こちらが天頂通過までの動画です。ISSまでの距離が716kmから419kmまで近づくので視直径が徐々に大きくなります。全画面で見ると迫力あるかも…。再生速度はほぼ等倍速です。

5月12日20時32分02秒~20時33分22秒のISS

GIFアニメ(仰角75°、距離426kmのISS)



GIFアニメ(仰角84°、距離420kmのISS)


ここからは解像度が高かったファイルからセレクトしてコンポジットした画像です。

 2枚コンポジット画像



 7枚コンポジット画像


 42枚コンポジット画像

 う~む、42枚までコンポジットするとやや像がぼやける感じがありますね~。それでも気流の割にはよく写った方かも…。今後の夏の気流に期待しましょう。