駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

いつも方法が問題

2017年02月04日 | 小考

 

 まともで妥当なことでも、実行実現は難しいことは山ほどある。テロリストを国に入れない。これほど当然なまともな主張は少ないだろう。しかしどうやってとなると、これは難しいというか侃々諤々、現実をほったらかしにして自分の主義主張を絡めて議論するからまとまらず、結局力の強い方に傾いてお茶を濁す方式になる。

 トランプ大統領のイスラム教徒と選んだ七か国民を入れないというやり方には一体どれほど有効で副作用の少ない方式なのかを吟味する視点が欠けている。方法と効用を検討せず、当然と無茶の罵り合いでは分裂が深まるばかりだ。メキシコ国境に壁を作るというのも、不平不満を抱く人に取り入った強引な訴えで、効果費用移民の意味価値などを無視した短絡の発想に思われる。自国民の不平不満解消のために他国の恨み辛みを買うことになる。そうした見かけ倒しのその場しのぎで、本当に恵まれないと感じている不平不満の民を解消させることが出来るだろうか、二三年もすれば約束が違うということになるだろう。

 方法の吟味を欠いた美味しそうな甘言は、結局有耶無耶な苦みに終わるのが常なのだが、甘言に惑わされる人は後を絶たない。混乱の時にもよく考え良い方法を思いつくことのできる人の中には全体よりも自分の利益に重きを置く人もいる。全体のためによく考え吟味できる人を見出し重用するのが民主主義が生き延びる道に思える

コメント (2)
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