第73期将棋名人戦は四勝一敗で羽生名人が防衛を果たした。予想通りの結果だ。七番勝負では余程のことがないと波乱が起きない。実力通りの差になった。行方八段ファンには申し訳ないが、行方では羽生に勝てない。ご本人も正直に述べていたように力不足だ。羽生はオールラウンドプレーヤーでこれという欠点がない。人間の試合で必要とされる勝負強さも抜群だ。
その羽生に白髪が目立つようになり、羽生も中年になったかと感慨深い気がした。大山谷川羽生を知っている自分は運がいい。三人とも直に見たことがある。非科学的なことを言うようだが、オーラがあった。
羽生は並の棋士よりも香一枚強い。電脳棋士にも羽生ならと思わせるぐらいだ。尤も多少憂鬱なのが、名人戦を電脳棋士が解説したりすることが出てきそうな気配だ。今は将棋連盟がそれを避けていると思われるが、難解なこの局面、電脳棋士ならどう指しただろうかとか、詰みがありそうだがあるかどうかなど、正直電脳棋士に聞いてみたい時がある。人間には思い付かない正解を瞬時に示されては、興醒めかも知れないが。
現在、羽生渡辺は例外かも知れないが、殆どの棋士は電脳棋士に歯が立たなくなっている。電脳棋士開発者達は電脳囲碁に方向転換しているようだ。もし本気で取り組めば、恐らく2020年にはプロ並みの囲碁ソフトができてくるのではないか。ただ、どういうわけか囲碁ファンは将棋ファンほどコンピューターソフトに熱くならないようだ。
囲碁将棋と並び称されるが、これが違う。野球とサッカーくらいは違いそうだ。まあ、語り出せば切りがなく、議論百出で揉めそうなので書かない。空き缶や生卵が飛んできそうであるが囲碁の方が大人とだけ書いておこう。