駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

いつまで働こうか

2015年05月19日 | 人生

        

 暑い日も寒い日も雨の日も風の日も四十五分ほど掛けて通勤してきた。四十五分はやや長いが二十分歩くのを選んだからのことで、苦にはならない。今日はというか今日も雨、今年は三月末から雨が多い。植物は元気で緑が濃い。

 果て後どれ位働くか、考える時が増えた。市井の開業医は何年やっても課長部長取締役社長と役職と仕事が変わるわけではなく二十五年働いて古希目前でも、経営から人事管理取引先との交渉書類書き外来診療往診まで全てやらねばならず、きついものがある。

 診療だけならあと五年くらい頑張れそうだが、院長業となるともう限界の気がする。診療には自分自身でも未練があり、未だやれそうだしやりたい気がする。体力は衰えても診療能力は殆ど衰えておらず、自慢ではなく折角の経験と知識が勿体ない気がする。検査をしないで診断する能力では引けを取らない。

 長兄は息子に譲ってからも週に数回外来をやっており、午後の診療が終わった後気分が悪くなって倒れ、一週間後亡くなった。文字通り聴診器を手に終えた。見事な人生だったなあと思う。出来ればそうして診療だけは細々とでよいので、体力能力の続く限り続けたい気がしている。しばしば鬼の笑うのが人生、先のことはわからないが、願うから叶うもの人生。

コメント (4)
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