駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

隙間に隙あり

2015年05月12日 | 世の中

                  

 台風が来ているようだ。豪雨に注意と報道されているが、今のところ曇り空ではあるが風も雨もない。なんだか最近気象庁はちょっと大袈裟?に表現するような気もする。 

 総合病院の先生方は患者の話を聞かれない。訴えの多い患者さんがしばしば、病院の先生に話したが取り合ってくれないと、口直し?に私の所に寄って行かれる。肩が凝る指先が痺れる胃がもたれる眠りが浅い・・・と色々話される。話を聞いて簡単に診察して別に心配なものではありませんよ、様子を見ましょうと申し上げるだけで、成る程とその場は納得して帰って行かれる。勿論、時には検査をしたり薬を出したりもする。

 病院の先生方が話を聞かれないのは器質的な病気ではないと判断されるから、自分の専門範囲ではないから、聞いている時間がないから、聞かなくても自分の懐具合には関係がないから・・などの理由によるであろう。

 勿論これは傾向の話で、話を出来るだけ聞かれる先生方も多いと思う。

 ちょっと医者に厳しいように書いたが、患者さん側にも問題があり、こうした症状を気にせず生活している人も多い。こうした訴えは隙間産業の対象になりやすく、驚くほどの金額が使われていると思う。テレビではひっきりなしに、三十分以内に電話をくれれば四割引だとか、お試し十日分を半額でなどと宣伝されている。私も飲んでますと起用されるタレントは丈夫そうで好感度のキャラクターが選ばれている。

 人生に不安は尽きず何かに頼りたいというのは普通の人間の心理なのだが、それを利潤の対象にする隙間産業があるようだ。

コメント
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