駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

鴎外と漱石の印象、欄外メモ

2014年05月05日 | 

                 

 漱石というのは、などと私如きが書き出すのは僭越も度が過ぎているが、漱石という人は自分や世の中を客観視する能力を持ちながら自分の内に湧き出る思考に沿って物語って行く作家だったように思われる。

 鴎外は自分と世間や世界が表裏一体となって現実に密着しており、荒唐無稽の空想力には乏しく、新たな物語を生み出す能力には恵まれていなかったのではないか、既存の現実社会に、角度を変えた光を照らして物語にしてゆく作風だったように思われる。

 私説暴論次いでに書けば、世間では男が惚れる男が第一級のように言う。そうかねとも、成る程とも思うのだが、鴎外は間違いなく女が惚れる男であったようである。私は、それもいいというか、それがいいと思う。

 閑話休題、本屋は思いがけぬ本に出会える場所ではあるけれども、お目当ての本のないことも多い。昨日は四冊メモっていってあったのは一冊、店員さんは親切だったのだが、少々がっかり。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする