駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

アベノトリック

2014年05月16日 | 政治経済

                 

 安倍首相の才覚は巧みな言葉遣いと優れた情勢感覚にある。国民に人気のあることや人には私もと共感を示し、懸念されそうな事や人には言葉遣いを変えて緩和をはかり、回り道をものともせず着々と安倍的国作りの外堀を埋めている。

 アベノミクスは実は車の前輪で安陪的国作りこそがメインの後輪なのは当初から見えていた。レトリックに依って不都合を覆い隠し、安陪的国作りを押し進め始めた。アベノトリックと呼ぶ所以だ。

 積極的平和主義というのは、武力を背景に自国の平和と繁栄を守ろうとすることで、元NHKの解説委員の表現を借りれば戦争の出来る国にしようということなのだ。勿論、表現の仕方に工夫が凝らしてあり、決してそうは言わないのだけれども。

 国民の生命と財産を守ると言われれば、反対のしようのない当然の事のように響く、特に女性や子供達をと言われれば誰しも守らずにおれようかという心境になる思う。しかし、冷静に考えてみると国民というのは日本国籍を持った全ての人のことだろうかと心配になる。私の言うことに賛成の日本人はということではないだろうなと背筋が寒くなる。そういえば遠い?昔に非国民などという表現があった。その前に非自民党員と呼ばれる人が出て来そうだ。

 もう一つ、百八十度視点を変えれば、どの国も自国民の生命と財産を守ることを国是としているということだ。あいつ等にそんな資格は無いと言い出せば、小競り合いから本格的な戦争になるだろう。

 こんな重大で危険なことをたかだか百日足らずの儀式的議論、しかも小手先の解釈変更で断行してよいとは思われない。期限を切らないと言う舌の乾かぬうちに部下に秋にはと指示している。諮問委員会などというものは一種のやらせで、番組作りでは不可とされる行為なのだ。例えば共産党による諮問委員会の意見も聞いてみると良い、また別の展開があるだろう。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする