駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

風評を生み出すもの

2014年05月23日 | 世の中

                     

 福島の放射能汚染に関して、風評被害があると漫画が糾弾された。黒か白かと決めつけ、興味本位に大騒ぎし、直ぐ忘れるのが多くのマスメディアの常套報道である。

 スポンサーの無言の圧力がある?せいか、放射能が危険という内容の方が大丈夫という内容より咎められることが多い。いずれにしてもいつも発信源が叩かれるが、受信側をたしなめる報道は殆どない。受け取る側に主体的な判断力があれば、放射能汚染報道もいたずらな恐怖を生み出すことはないはずだ。

 絶対確かな科学的根拠などというものはあり得ない。絶対が付いたらそれは科学ではない証拠だ。どれ位危険かは確率/時間で表される。例えば**を食べることで今後十年以内に癌になる確率は、六コのサイコロを振って全部一の目が出る程度ですよという具合だ。そうした確率にしても、十分なデータはないのだろうと思う。現在分かっている範囲での情報でよいのだ。手の内を隠さない情報を参考に、今までの人生経験を踏まえて個々に判断すればよいと思う。

 問題は手の内を隠そうとする姿勢や風評と決めつけて叩こうとする報道の方にあるだろう。世の荒波に揉まれて生きてくれば、なぜ隠そうとするのだろうか、なぜそんなに非難するのかと考える力が付いてしまう。最終的な放射能処理までを組み入れれば原子力発電の方が火力発電よりも高く付くことを明らかにした金子教授の試算や、今現在も放射能処理に現場で従事している人達の労働実態などを風評被害と同等に報道すれば、風評は減るのではないだろうか。

 

 

 

コメント (2)
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