患者さんの訴えには季節変動がある。もっと長期間を取れば時代変動もある。面倒なので統計は取っていないが、年初の1,2月には感染性胃腸炎は別として上腹部痛の患者さんがやや減少し、医者の顔色が青くなると言われる秋口に少し増加するようだ。なぜかよく分からないが、ほぼ毎年の傾向だ。
長期で見れば二十年前に比べ胸痛を訴える患者さんが増えた。心臓の虚血性疾患が増えてはいるが訴えの増加率の方が高い。有名人がある病気になるとその系統の病気を心配して受診される人が増えるのは周知の事実だ。陛下や長島氏のお陰で前立腺癌や脳梗塞の説明がしやすくなり、治療の必要性の説得力も増している。
現在のアメリカの外来でどんな訴えが多いか知らないが、20年くらい前までは胸痛が圧倒的に多かったのではないかと思う。ご同慶の至りで、アメリカの虚血性心疾患は減ってきているが、胸痛の訴えの方はどうだろうか。
これは季節変動ではないが、なぜか同じ疾患の患者さんが続くことがよくある。これが統計的に意味のあるものか、単なる心理的な印象に過ぎないのかはよく知らないが、救急外来の医師看護師は首肯されるであろう。
また、昔から知られていることであるが、木の芽時には精神に変調を来す方が多い。淋しげな秋よりも鬱になる人が多く、妄想に取り憑かれる人も増える。
どの程度学術的な研究がされているか知らないが、生きていることの不安定さに揺らぐ人間の心を反映しているのは確かだろう。個々の患者さんでこうしたことを思い浮かべることはほとんどないが、毎月診療請求のためにカルテを一覧する時には今月は胃の検査が多いななどと気付くことがある。歌は世に連れというが病も世に連れているようだ。
長期で見れば二十年前に比べ胸痛を訴える患者さんが増えた。心臓の虚血性疾患が増えてはいるが訴えの増加率の方が高い。有名人がある病気になるとその系統の病気を心配して受診される人が増えるのは周知の事実だ。陛下や長島氏のお陰で前立腺癌や脳梗塞の説明がしやすくなり、治療の必要性の説得力も増している。
現在のアメリカの外来でどんな訴えが多いか知らないが、20年くらい前までは胸痛が圧倒的に多かったのではないかと思う。ご同慶の至りで、アメリカの虚血性心疾患は減ってきているが、胸痛の訴えの方はどうだろうか。
これは季節変動ではないが、なぜか同じ疾患の患者さんが続くことがよくある。これが統計的に意味のあるものか、単なる心理的な印象に過ぎないのかはよく知らないが、救急外来の医師看護師は首肯されるであろう。
また、昔から知られていることであるが、木の芽時には精神に変調を来す方が多い。淋しげな秋よりも鬱になる人が多く、妄想に取り憑かれる人も増える。
どの程度学術的な研究がされているか知らないが、生きていることの不安定さに揺らぐ人間の心を反映しているのは確かだろう。個々の患者さんでこうしたことを思い浮かべることはほとんどないが、毎月診療請求のためにカルテを一覧する時には今月は胃の検査が多いななどと気付くことがある。歌は世に連れというが病も世に連れているようだ。