駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

雨か不況か

2009年03月07日 | 世の中
 菜種梅雨にしては早すぎる雨天が続く。雨が降ると二三割患者さんが少ない。ただ雨が続くと徐々に回復してくるのが常なのだが、この一週間はずっと少ない日が続いている。開業当初のように何か悪い評判でもと背筋が寒くなることはないが、あんまり良い気分ではない。いよいよ不況の影響が出てきたかと思ったりもする。 尊敬する同輩のS先生が、収入が前年比で8%減りましたよと穏やかな笑顔で話す。患者数の減少はさほどではないそうで、減収は長期投薬や指導料を取られなくなったためのようだ。S先生ほど公正で収入に恬淡とした町医者は稀だ。繁盛と書く二代目で紳士に育てられた人にして始めて可能だろう。
 当院は以前より長期処方にしておりその影響はない、手間を取るのだが厚労省の方針?に従い後期高齢者診療を採用したので後期高齢者の診療単価が上がり収入は3%程度の落ち込みに留まっている。以前よりかかりつけ医として十分機能?しており、実質の診療にはほとんど変化はないのだが、文書を作成して患者さんに渡すと報酬が増える仕組みだ。文書作成の手間が診療を圧迫する可能性もあると思うのだが。
 良い職員は良い給与で育てられると考えているので、昇給のある来月以降は低空飛行が続きそうだ。自分の給与をいずれは下げる時が来る。人間は勝手な者で下がるのは嬉しくない。一般の人に比較すれば高給取りなので、多少の減収は我慢できるのだが、横を見るとあんな奴より少ないのかという情けない悟りきれない気持ちも起きそうだ。
 
コメント
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