玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*蝶の幼虫

2017年06月05日 | 玉川上水の四季

 オープンギャラリーの鈴木さんが、ジャコウアゲハの幼虫の食草であるウマノスズクサを我が家に届けてくださったのは2年前だったろうか。鉢植えのそれをツゲの生垣の傍に置いた。放置していたと言っていい。翌年に気づくと、つる性のスズクサは垂直に伸びて生け垣を抜けて、隣接するハナミズキに巻き付き、その木の全体を覆うようにして頂上まで達していた。茶色に変色した冬枯れの姿を見た時に、やっとそのことに気づいた。

 スズクサの繁殖力の凄さには驚いた。その頃に鈴木さんはジャコウアゲハの幼虫を届けてくださっていたのだが、早々に私は幼虫を見失い観察に失敗した。せっかくの好意を無にしたわけである。鈴木教室の劣等生であることを改めて自覚した。そこでせめてスズクサをコントロールしようとした。鉢を貫いて根を張っていたので、その鉢を割って取り除いた。そして園芸用の支柱を格子状に組み立てた。しかしスズクサを横へ横へと延びさせるのは容易ではない。

 隣に住む小学2年生の男の子は大の昆虫好きである。去年この少年はギャラリーの花壇のサルトリイバラでルリタテハの幼虫を観察した経験がある。鈴木さんに幼虫の存在を知らされた私が少年にも伝えた。少年は私よりも熱心に観察を続け、これを契機に鈴木さんと知り合うことになった。また、この少年の母親がカマキリの卵嚢を屋内に確保し、冬を越しておびただしい数のカマキリが孵化する様子を少年と私に見せてくれた。この親にしてこの子ありだ。

 毎年クヌギが樹液を分泌する頃に、二人の孫娘はアトランタからやって来る。そしてこの少年をふくむ近所の子供たちと樹液に集まるカブトムシなどの採集をするのが慣わしとなっている。つい先日鈴木さんが、子供たちのために5匹のジャコウアゲハの幼虫を我が家に持参してくださった。子供たちが幼虫を見逃さず追跡して、蛹になり羽化するまでの観察に成功することを私は願う。鈴木さんは、ギャラリーの展示に子供たちを登場させようと、そんな楽しいことを考えておいでかもしれない。(ウマノスズクサとジャコウアゲハの幼虫)

 

 

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