群馬県は450を超える源泉のある「温泉王国」と言われている。かなり昔に職場の一泊バス旅行で伊香保温泉、最近では2年前に2泊3日で草津温泉を経験した。このたび9月1日に群馬の温泉としては私にとって3番目となる水上温泉を訪ねた。台風10号は8月29日に薩摩川内市付近に上陸、その後ゆっくりと九州を縦断しながら瀬戸内海を抜け、四国を通過し太平洋へと進んだあと、9月1日に熱帯性低気圧と変わった。
台風の影響で上越新幹線が運休し旅行が中止にならないかと直前までやきもきした。ところが奇跡的にも、重装備の雨具は一度の出番もなく旅行を終えることができた。初日のホテルでの夕食中に激しい雨に見舞われた。出発は自宅から駅まで傘なしで行き、しばらくすると乗った電車の車窓に雨が流れた。さらに3日目に帰宅してまもなく雨が落ちてくるという具合だった。
群馬県早わかりMAPを見ると北部には「利根沼田エリア」と「吾妻エリア」がある。みなかみ町は2005年に月夜野町、水上町、新治村が対等合併し「みなかみ町」となった。群馬県の最北端に位置し、新潟県と県境を接し、水上温泉郷や猿ヶ京温泉などふくむ「みなかみ十八湯」と称される温泉群がある。山奥の大水上山(おおみなかみやま)が利根川の源流とされる。町では「奥利根」の看板を見かける。
利根川は日本の河川の長男として「坂東太郎」の愛称がある。九州の筑後川が「筑紫次郎」で、四国の吉野川が「四国三郎」これらが日本三大暴れ川である。利根川と聞いて、私が思い浮べるのは、徳川家康による60年の長い歳月をかけた「利根川東遷事業」だ。その昔、利根川は江戸湾に流れ込んでいた。江戸を洪水から守り、銚子から江戸までの交通路を開き、関東平野の新田開発を行うという大工事だった。